小さな法律事務所に務める四十代の弁護士・筧史朗(通称、シロさん)はほんの一部を除いて周りにひた隠しにしているある秘密があった。
それは自身がゲイだということ。
シロさんは、現在はアパートで恋人で美容師の矢吹賢二(通称、ケンジ)と共に同居生活を送っている。
身バレを防ぎたいシロさんとオープンなケンジは性格の違いも手伝って時折衝突するものの、それなりに上手くいっている。
今日も、シロさんが作る絶品料理が二人を幸せにする――。
昨年、劇場版も公開されました実写版『きのう何食べた?』。うちの母と共にファンなのだけども、コロナ禍であったり、勉強が忙しかったり(方便)、ワクチン接種で大変だったり、母が劇場での映画観賞には体力的にもう耐えられなかったりするので、母子共々泣く泣く見送らせてもらいましたよ…(泣)
そんな感じではありますが、我が家は現状としては、ドラマ版は視聴済み、原作は最新巻まで揃い済み、ドラマ版と劇場版のレシピ&ガイドブック系は一通り所有という感じ。
で、劇場版Blu-ray発売に向けて、超絶今更ながらドラマ版の感想をばつらつらと。
あと、原作のネタバレが入るおそれがありますので、それが嫌な方はここで回れ右、です。
原作を本格的に読んだのはドラマを観てからなんですが、実は第1話だけは公式で既に読んでいたという感じ。
で、まずはキャストなわけですが、よくぞここまで完璧なキャストを揃えたな!!と思います。
シロさんには西島秀俊さんはちょっと老けすぎかなとは思いつつ、じゃあ他に誰がいるんだよ?と訊かれたら有無を言わず口を閉ざしてしまう、という感じ。
対して、内野聖陽さん扮するケンジのビジュアルを初めて見たときはあまりの原作再現度に超驚愕しましたよ。
ただ、内野さんの演技はちょっとオネエ過ぎでオーバーな気がしますね。
原作のケンジってオネエは入ってるタイプだけど、やっぱ男だから割とやっぱ男っぽいんです。そして穏やかで優しい感じなんですよ。
なので、ドラマ→原作→ドラマになると、内野さんの演技にバリバリの違和感があります。
あとのキャストでいうと、まずは、田中美佐子さんは佳代子さんに、梶芽衣子さんはシロさんのお母さんに、磯村勇斗さんはジルベールに、とにかく大ハマり!!
はっきり言って素晴らしいキャスティング!
個人的に原作ビジュアルは知っていたキャラとして小日向さんがいたのですが、山本耕史さんが演じると知った時はビジュアルが違いすぎてビックリでしたが、登場早々持っていかれました(笑)
ドラマでも原作でも、佳代子さんと小日向さん、大好きなキャラです。
ストーリーは、原作のエピソードをうまく繋げて練り上げられていましたが、若干シリアス、というかドラマチック過ぎてちょっと胃もたれ気味なのが本音。
原作は重いネタもサラッとした感じで処理されていて、それでいてちゃんとした扱いになっていて、その塩梅が大変巧いんですね。
一方のドラマでは、重いネタは重く、軽いネタは軽い、って具合で変動が結構激しいし、全体的にやっぱシリアス気味なのが胃もたれ。
ただ、大抵は台無しになる印象がある中で、よくここまで原作をリスペクトしてアレンジしてるなぁと切に思います。
この記事の時点で最新巻である第19巻では、小日向さんの尿道結石騒動をきっかけに小日向さんとジルベールは本格的に婚約して結婚秒読み段階に入り、シロさんとケンジは五十代、富永さん(佳代子さんの夫)は定年を迎え、佳代子さんの孫の悟朗くん(シロさんから一字貰った)は小学校でバリバリ進級し、シロさんの両親は家を売って施設に移る等々と、段々とシロさんとケンジの周りには哀愁が漂い始めておりますね。
ドラマは良い区切りだったと思います。お正月スペシャルも良かったです。
劇場版は例の京都旅行から始まるみたいですが、例によって例のごとくネタ気味で流されていた京都旅行の帰りのケンジの悔しさが多分どシリアスに描かれるんだろうなと予想。
全体的に実写版に文句はありませんが、ただ、無駄にドラマチックにはならないでほしいなぁ、という感じではあります。
あと、我が家の定番メニューと化した、佳代子さんちの豚の生姜焼きは絶品です!!