まそほ繁盛記
女将達は、ギャラリー巡りをしていた。
「おかしいなあ…たしか、このあたりやと思たんやけど…」
「Bはん、あそこですわ。なんや、駅から近いですなあ。」
「ついでやから、他の作家さんのも見せてもらいまひょか。…へええ…」
「ひそひそ…」
「え?なんだす?」
「ほらほら、あの人!今きはったあの人!どっかでみた事ありまっせ。」
「ほんまやっ!なんか大物オーラでまくりですがな。だれやったかいな。」
「今、芳名帳に名前書いてはるから、覗きますわっ!ふうーん、なるほど。」
「誰でした?」
「昨日、ごうこはんとの話の中に登場した人でしたわ!美術界の大物!ある人の元カレ!」
「ああ、あの人が…!」
「うち、隣に名前書いとこっ。」
「うちもっ!名前を連ねるってわけですな!」
「あほですな、うちら。」……………………………
「ああ面白かったですわ。」
「ほんに。うち、喉からからやから、なんか買いますわ。」
ガコン 自販機からGが取出したのは、ビールだった。
「ビールでっか?よろしおますなあ、グビグビ飲みまひょ。歩道橋の上にいてはる外人はんみたいや。」
「オー、イエース」
「アーハン…」
「続きまへんな。」
続きに
「おかしいなあ…たしか、このあたりやと思たんやけど…」
「Bはん、あそこですわ。なんや、駅から近いですなあ。」
「ついでやから、他の作家さんのも見せてもらいまひょか。…へええ…」
「ひそひそ…」
「え?なんだす?」
「ほらほら、あの人!今きはったあの人!どっかでみた事ありまっせ。」
「ほんまやっ!なんか大物オーラでまくりですがな。だれやったかいな。」
「今、芳名帳に名前書いてはるから、覗きますわっ!ふうーん、なるほど。」
「誰でした?」
「昨日、ごうこはんとの話の中に登場した人でしたわ!美術界の大物!ある人の元カレ!」
「ああ、あの人が…!」
「うち、隣に名前書いとこっ。」
「うちもっ!名前を連ねるってわけですな!」
「あほですな、うちら。」……………………………
「ああ面白かったですわ。」
「ほんに。うち、喉からからやから、なんか買いますわ。」
ガコン 自販機からGが取出したのは、ビールだった。
「ビールでっか?よろしおますなあ、グビグビ飲みまひょ。歩道橋の上にいてはる外人はんみたいや。」
「オー、イエース」
「アーハン…」
「続きまへんな。」
続きに
まそほ繁盛記
「Gはんっ!見とくんなはれ。」
Bが、自慢げに調理台の方を指さした。
「まあ、立派な鰤ですなあ!」
「鰤にしたら、そないにおおきゅうないんですけど、天然もんやし、美味しいおもいまして。」
「そら美味しいですわ。身がしまってて!」
「なっ!温室もんとは味が違いまっせ!」
「養殖もんの事ですやろ?あんさん、こないだしめじに、養殖もんて言葉つこうてはりましたな。栽培もん、養殖もんの区別ついてないやろ?」
「ついてますがなっ!燻製と剥製の区別ぐらいに、明らかについてますがな!…そんな事より、何して食べます?この鰤。」
「そうでんなあ…。お造りで食べて…頭は、ぶり大根にしますやろ…」
「カマは塩焼で…中落ちやらは、そぼろにしまひょ!蕪ずしも漬けまひょなっ。」
「そらええわ!あの漬けもん、ほんまに美味しいしな、店で出せますわ。」
「鰤大根、あんさん、少し持ってかえんなはれ、うち、大根炊いたん嫌いやさかい。」
「言うとおもてましたわ。汁、こぼれんようにして帰らんとな…。」
「そうでんな、魚臭い汁こぼれたら、山猫やらコヨーテやらがついてきまっせ。」
「コヨーテやったら、飼うてもええですわ。」
あおん
Bが、自慢げに調理台の方を指さした。
「まあ、立派な鰤ですなあ!」
「鰤にしたら、そないにおおきゅうないんですけど、天然もんやし、美味しいおもいまして。」
「そら美味しいですわ。身がしまってて!」
「なっ!温室もんとは味が違いまっせ!」
「養殖もんの事ですやろ?あんさん、こないだしめじに、養殖もんて言葉つこうてはりましたな。栽培もん、養殖もんの区別ついてないやろ?」
「ついてますがなっ!燻製と剥製の区別ぐらいに、明らかについてますがな!…そんな事より、何して食べます?この鰤。」
「そうでんなあ…。お造りで食べて…頭は、ぶり大根にしますやろ…」
「カマは塩焼で…中落ちやらは、そぼろにしまひょ!蕪ずしも漬けまひょなっ。」
「そらええわ!あの漬けもん、ほんまに美味しいしな、店で出せますわ。」
「鰤大根、あんさん、少し持ってかえんなはれ、うち、大根炊いたん嫌いやさかい。」
「言うとおもてましたわ。汁、こぼれんようにして帰らんとな…。」
「そうでんな、魚臭い汁こぼれたら、山猫やらコヨーテやらがついてきまっせ。」
「コヨーテやったら、飼うてもええですわ。」
あおん
まそほ繁盛記
「ふあ~ぁ」
Bが、大きな欠伸をした。「どないしはりました?寝不足ですか?」
「へえ、昨日の夜、悪夢にうなされましてな、2時間ほどしか寝てまへんのや。もう、眠うて、白目むきそうですわ。」
「どないな夢、みたんだす?」
「バスみたいな乗り物に翼がついてましたんや。その乗り物が、空飛んでて、黒い煙を噴き出しながら墜落して大爆発ですわっ!そらもう、物凄い爆音で、火柱が高々と上がりましてなあ…そしたら、その乗り物の小さいのが何百と現れて、又次々と爆発しましたんやっ!こんどは、それが烏に変わりまして…空が真っ暗になりましたんや!もう、うちは、怖あて怖あて、涙がダアダア出て目がさめたんですわ。そっから、心臓がドキドキして寝られまへんでしたわ。」
「そら、聞いただけでも怖そうですがな。又、なんでそないな夢見たんですやろか…ほんまに、どっかで大きな音したんと違いますかいな?」
「どっかて、どこだす?布団の中でっか?……あっ、失礼なっ!うち、放屁なんかしてまへんでっ!」
「寝てたらわかりまへんがな。」
ぷっぷぷ
Bが、大きな欠伸をした。「どないしはりました?寝不足ですか?」
「へえ、昨日の夜、悪夢にうなされましてな、2時間ほどしか寝てまへんのや。もう、眠うて、白目むきそうですわ。」
「どないな夢、みたんだす?」
「バスみたいな乗り物に翼がついてましたんや。その乗り物が、空飛んでて、黒い煙を噴き出しながら墜落して大爆発ですわっ!そらもう、物凄い爆音で、火柱が高々と上がりましてなあ…そしたら、その乗り物の小さいのが何百と現れて、又次々と爆発しましたんやっ!こんどは、それが烏に変わりまして…空が真っ暗になりましたんや!もう、うちは、怖あて怖あて、涙がダアダア出て目がさめたんですわ。そっから、心臓がドキドキして寝られまへんでしたわ。」
「そら、聞いただけでも怖そうですがな。又、なんでそないな夢見たんですやろか…ほんまに、どっかで大きな音したんと違いますかいな?」
「どっかて、どこだす?布団の中でっか?……あっ、失礼なっ!うち、放屁なんかしてまへんでっ!」
「寝てたらわかりまへんがな。」
ぷっぷぷ
まそほ繁盛記
「もうすぐ出来上がりますな。」
「なんや、思た以上にでかくなりそうですがな。運ぶとき難儀するんとちがうやろか。」
女将達の目の前には、完成間近の作品があった。
すぐ近くにある、R.Pギャラリーの作品展に出展するのだ。
「こないな代物持ち込んで、ごうこはん嫌がらへんやろか…」
「大丈夫ですて!それよりあそこの階段が問題ですわ!」
「それは、いけますやろ。なんとなく…。それより、これ包むもん、おまへんで。どないします?」
「むきだしで、二人で抱えていきまひょ!それより、雨やったらどないしますのや?」
「そんなもん、うちらは濡れて、作品は90�ゴミ袋を被せたらよろしいがな!それより、むきだしで運んでたら、間違いなくめだちまっせ!特に横断歩道。声かけられたらどないします?」
「チンドン屋ですわ、いうて店のチラシ配ったらええんですわ。それより、こぶ茶飲みまひょ。」
「うち、梅こぶ茶!」
あほほ
「なんや、思た以上にでかくなりそうですがな。運ぶとき難儀するんとちがうやろか。」
女将達の目の前には、完成間近の作品があった。
すぐ近くにある、R.Pギャラリーの作品展に出展するのだ。
「こないな代物持ち込んで、ごうこはん嫌がらへんやろか…」
「大丈夫ですて!それよりあそこの階段が問題ですわ!」
「それは、いけますやろ。なんとなく…。それより、これ包むもん、おまへんで。どないします?」
「むきだしで、二人で抱えていきまひょ!それより、雨やったらどないしますのや?」
「そんなもん、うちらは濡れて、作品は90�ゴミ袋を被せたらよろしいがな!それより、むきだしで運んでたら、間違いなくめだちまっせ!特に横断歩道。声かけられたらどないします?」
「チンドン屋ですわ、いうて店のチラシ配ったらええんですわ。それより、こぶ茶飲みまひょ。」
「うち、梅こぶ茶!」
あほほ
まそほ繁盛記
ブチッ!
糸が、引き千切られる音がした。
「ギギィーっ!ああ、腹立つ!この糸めがっ!このっこのっ!」
「Gはんっ、落ち着きなはれっ!」
「一目ごとに、からまるんでっせ!そないに、からまりたいんやったら、二度とからまらんように、切りちゃんこにしたるっ!」
「まあまあ…気持ちは解りますけど…」
「あんさんの赤い糸かて、どっかで切りちゃんこになってますのやでっ!きっとな。ふう…」
Gは、お茶を一口すすった。
「へえへえ、そうでしょうとも。まあでも、もう少しですがな。」
二人は、あるアートコンペティションに応募する為の作品模型を作っているのだった。
「指の先から、ピンセットやらドライバーが出たらええのになあ。」
「うちは、ペンチやらピックがええですわ。」
「なんにしたかて、指、太すぎますわな。うちら、器用なほうやと思てましたけど、そうでもないんかと思い直しましたわ。」
「ああ肩こりましたわ。
特上三田牛のステーキが食べたいんだすう~。」
「分を わきまえなはれ。うちらの今の状況やったら鰻を焼く煙をおかずにして、ご飯食べてもええぐらいやのに。」
「ひひひ 落語みたいですな。」
くっつつ
糸が、引き千切られる音がした。
「ギギィーっ!ああ、腹立つ!この糸めがっ!このっこのっ!」
「Gはんっ、落ち着きなはれっ!」
「一目ごとに、からまるんでっせ!そないに、からまりたいんやったら、二度とからまらんように、切りちゃんこにしたるっ!」
「まあまあ…気持ちは解りますけど…」
「あんさんの赤い糸かて、どっかで切りちゃんこになってますのやでっ!きっとな。ふう…」
Gは、お茶を一口すすった。
「へえへえ、そうでしょうとも。まあでも、もう少しですがな。」
二人は、あるアートコンペティションに応募する為の作品模型を作っているのだった。
「指の先から、ピンセットやらドライバーが出たらええのになあ。」
「うちは、ペンチやらピックがええですわ。」
「なんにしたかて、指、太すぎますわな。うちら、器用なほうやと思てましたけど、そうでもないんかと思い直しましたわ。」
「ああ肩こりましたわ。
特上三田牛のステーキが食べたいんだすう~。」
「分を わきまえなはれ。うちらの今の状況やったら鰻を焼く煙をおかずにして、ご飯食べてもええぐらいやのに。」
「ひひひ 落語みたいですな。」
くっつつ
まそほ繁盛記
「さあ、出掛けまひょか。面白いアーティストはん、おったらええけど。」
女将達は、路上アーティストを 探しに出掛けるところだった。
店で、作品展やイベントを開催してくれるよう交渉する為だ。
「うちらの度胆を抜くような人、おったらええのに…。」
「それは、どないですやろか…まあ、たくさんに声かけて、話きかせてもらいまひょな。」
「Gはん、あれ…セーラー服のお姉ちゃん…なんの宣伝やろか?」
「うわあ、いかがわしさが漂ってますな!足寒そうや!生足やさかい、紫がかってますがな。」
「うちらには、チラシくれまへんな。…ふんふん…ははあん。」
「前の人の、覗きなはんなっ!…で?何のチラシでした?」
「ギャル占いやて!ピチピチギャルが、貴方を占っちゃいまーす!って書いてありましたで!」
「勝手に占っちゃいなはれっ!」
30分後、二人は怒りなが帰路についていた。
「なんだすっ!あの人らはっ!たっぷりと俺様語りを聞かされましたわっ!
「凄いですなあ…しばらく人と話したことないかのようにしゃべってましたな。」
「度胆を抜かれるような作品、おまへんでしたわ」
「今日のインパクト賞は、セーラー服姉ちゃんでっせ!いっそ、うちらもセーラー服で店のチラシ配りまひょかっ!」
「全ての通行人の度胆を 抜いてどないしますのや。度胆どころか、魂、ぬかれそうやがな。」
ふふふ
女将達は、路上アーティストを 探しに出掛けるところだった。
店で、作品展やイベントを開催してくれるよう交渉する為だ。
「うちらの度胆を抜くような人、おったらええのに…。」
「それは、どないですやろか…まあ、たくさんに声かけて、話きかせてもらいまひょな。」
「Gはん、あれ…セーラー服のお姉ちゃん…なんの宣伝やろか?」
「うわあ、いかがわしさが漂ってますな!足寒そうや!生足やさかい、紫がかってますがな。」
「うちらには、チラシくれまへんな。…ふんふん…ははあん。」
「前の人の、覗きなはんなっ!…で?何のチラシでした?」
「ギャル占いやて!ピチピチギャルが、貴方を占っちゃいまーす!って書いてありましたで!」
「勝手に占っちゃいなはれっ!」
30分後、二人は怒りなが帰路についていた。
「なんだすっ!あの人らはっ!たっぷりと俺様語りを聞かされましたわっ!
「凄いですなあ…しばらく人と話したことないかのようにしゃべってましたな。」
「度胆を抜かれるような作品、おまへんでしたわ」
「今日のインパクト賞は、セーラー服姉ちゃんでっせ!いっそ、うちらもセーラー服で店のチラシ配りまひょかっ!」
「全ての通行人の度胆を 抜いてどないしますのや。度胆どころか、魂、ぬかれそうやがな。」
ふふふ
まそほ繁盛記
一月に入ってからというもの、店は暇だった。
「なあ、Gはん…知ってはりますか?」
「何をだす?」
「閑古鳥っちゅうのはカッコーの事でっせ。」
「へぇぇ…って、辛気臭い話やめなはれっ!もっと景気いい話しなはれっ!」
「そしたら…あっ!そやっ!こないだ、市場で1メートル近くあるフグ、みましたわ!天然やて。フグてほっといたら、あないに大きゅうなるんですなあ!」
「そら、すごいですわ!値段もさぞかし凄いんやろなあ。」
「そらもう、10万はしますやろ。何年生きたら、あんなに大きくなりますのや。なあなあ、フグの寿命て何年ですやろか?」
「さあ…魚やから、そないに長い事おまへんやろ。」「鯉は、結構長生きしまっせ!なあ、鯉より長生きやろか?それとも、短いやろか?あのフグが特別なんやろか?」
「うるさいですわっ!フグの寿命より、自分の寿命の心配しなはれっ!ウコン飲んで、らっきょも食べときなはれ!ついでに、椎茸と黒豆も。」
「今日のおかず、もやししかおまへんで。」
「はあー…臭い臭い…貧乏くさい…。あっ!酒臭い!あんさん、もうはや…」
「うけけけ」
つづくさ
「なあ、Gはん…知ってはりますか?」
「何をだす?」
「閑古鳥っちゅうのはカッコーの事でっせ。」
「へぇぇ…って、辛気臭い話やめなはれっ!もっと景気いい話しなはれっ!」
「そしたら…あっ!そやっ!こないだ、市場で1メートル近くあるフグ、みましたわ!天然やて。フグてほっといたら、あないに大きゅうなるんですなあ!」
「そら、すごいですわ!値段もさぞかし凄いんやろなあ。」
「そらもう、10万はしますやろ。何年生きたら、あんなに大きくなりますのや。なあなあ、フグの寿命て何年ですやろか?」
「さあ…魚やから、そないに長い事おまへんやろ。」「鯉は、結構長生きしまっせ!なあ、鯉より長生きやろか?それとも、短いやろか?あのフグが特別なんやろか?」
「うるさいですわっ!フグの寿命より、自分の寿命の心配しなはれっ!ウコン飲んで、らっきょも食べときなはれ!ついでに、椎茸と黒豆も。」
「今日のおかず、もやししかおまへんで。」
「はあー…臭い臭い…貧乏くさい…。あっ!酒臭い!あんさん、もうはや…」
「うけけけ」
つづくさ
まそほ繁盛記
今日は、本戎だった。
女将達は、出かける為の準備をしていた。
「Bはんっ!はよしなはれっ、もう行きまっせ!」
「まっとくれやす。うち、マフラーが…」
「そんなん、置いていきなはれ。今日ぬくいし。」
二人は、わいわい言いながら出掛けた。
日中、二人で出掛ける事があまりないので、少しばかり気持ちがはずんでいるのだ。
「Gはんっ!見てみなはれ。いろんな出店がおまっせ。うわ、はしまきてなんだす?」
「割り箸に、安い粉もんが巻いてありますのや。ソースさえ塗ったら、味はごまかせますさかい。」
「あっちに、いかにも身体に悪そうな、林檎飴が売ってまっせ!青色やっ!食べもんの色と違いますがな。」
「葡萄飴もありますな。
なんでも飴にしやがって。どうせなら、メロン飴も作りなはれ。」
「つきましたでっ!笹、買わんと…」
「今年は、奮発して熊手の付いたやつ買いまっせえ。去年は、うちらが作りましたからな。」
「けど、高いですなあ…。縁起もんやゆうてもなあ…基本の笹に色々付けたら、物凄いことになりますがなえべっさん、ぼったくりやがな。」
「罰当たりな事いいなはんなっ!…え?」
Gは、足元に落ちていた、飾りの鯛を売り子に渡した。
売り場のおやじは、「おおきに、よっしゃ!おまけで、鯛つけたろ!」と言いながら、飾りの鯛を 笹にくくり付けてくれた。
「鯛、ただでもらいましたでっ!」
「ほんまやっ!ラッキーですわっ!うちら、結構、どこでも親切にしてもらいますなあ。綺麗やからでっか?」
「ぼおっとしてるからやっ!」
とっとて
女将達は、出かける為の準備をしていた。
「Bはんっ!はよしなはれっ、もう行きまっせ!」
「まっとくれやす。うち、マフラーが…」
「そんなん、置いていきなはれ。今日ぬくいし。」
二人は、わいわい言いながら出掛けた。
日中、二人で出掛ける事があまりないので、少しばかり気持ちがはずんでいるのだ。
「Gはんっ!見てみなはれ。いろんな出店がおまっせ。うわ、はしまきてなんだす?」
「割り箸に、安い粉もんが巻いてありますのや。ソースさえ塗ったら、味はごまかせますさかい。」
「あっちに、いかにも身体に悪そうな、林檎飴が売ってまっせ!青色やっ!食べもんの色と違いますがな。」
「葡萄飴もありますな。
なんでも飴にしやがって。どうせなら、メロン飴も作りなはれ。」
「つきましたでっ!笹、買わんと…」
「今年は、奮発して熊手の付いたやつ買いまっせえ。去年は、うちらが作りましたからな。」
「けど、高いですなあ…。縁起もんやゆうてもなあ…基本の笹に色々付けたら、物凄いことになりますがなえべっさん、ぼったくりやがな。」
「罰当たりな事いいなはんなっ!…え?」
Gは、足元に落ちていた、飾りの鯛を売り子に渡した。
売り場のおやじは、「おおきに、よっしゃ!おまけで、鯛つけたろ!」と言いながら、飾りの鯛を 笹にくくり付けてくれた。
「鯛、ただでもらいましたでっ!」
「ほんまやっ!ラッキーですわっ!うちら、結構、どこでも親切にしてもらいますなあ。綺麗やからでっか?」
「ぼおっとしてるからやっ!」
とっとて
冬の晴れた日
日曜日は、雪が降っとりました。
なので、家から一歩も出てない…ことはないな。
(書いてて思い出した。妹とラーメン食べに行ったんだったわ。)
掃除が終わった暖かい部屋で、熱いココアなんぞを飲みながら、窓を開けて雪を見るのね。
いいね いいね 最高だね。はーい 今から妄想入りまーす。
「雪のひとひらが、蝶に見えるわ。冬の蝶に…」
「そうだね、渡りをしている蝶みたいだ…暖炉の薪がもうすぐ無くなるから、取ってくるよ。」
「その前に、ホットビアでも飲んだらいかが?」
「ああ、そうしよう。ナツメッグをきかせてくれ。」
いったい誰なんだ。
そして何処なんだ。
…んもう…馬鹿なんだから
なので、家から一歩も出てない…ことはないな。
(書いてて思い出した。妹とラーメン食べに行ったんだったわ。)
掃除が終わった暖かい部屋で、熱いココアなんぞを飲みながら、窓を開けて雪を見るのね。
いいね いいね 最高だね。はーい 今から妄想入りまーす。
「雪のひとひらが、蝶に見えるわ。冬の蝶に…」
「そうだね、渡りをしている蝶みたいだ…暖炉の薪がもうすぐ無くなるから、取ってくるよ。」
「その前に、ホットビアでも飲んだらいかが?」
「ああ、そうしよう。ナツメッグをきかせてくれ。」
いったい誰なんだ。
そして何処なんだ。
…んもう…馬鹿なんだから
まそほ繁盛記
「おめでとうさん。」
Gが、にこやかに登場した。
「おめでとうさんだす。今年も頑張りまひょな。」
「ええ正月でしたか?」
「うち、昨日起きたら、夕方の6時でしたんや。一日ぼうにふりましたわ。」
「ええー!何時に寝はったんでっか?」
「前の晩の11時半ぐらいですわ。気を失ってたんやろか?」
「仮死状態になってはったんとちがいますか。おがくずの中にでも入っといたらよろしいんや。」
「うちは、毛ガニやおまへんでっ。あんさんこそ、さぞや充実したお正月を過ごしはったんやろなあ。」
「ほとんど、家から出てまへんで。そやっ、ダウジングしてましたんや。」
「水脈ですか?金脈ですか?」
「そんなんとちがいますわ。あのな、蜜柑がどれが甘いか調べてたんですわ。」「あははは、また何とも、しょぼい話ですなあ。」
「平和ですわ。けどな、これがようあたりましたんや。」
「ほんまでっか?ほな、これ、この蜜柑でやっとくなはれ。」
Bは昼間に、Gが買った蜜柑をテーブルの上に並べた。
「やりまっせ…。これは甘いですわ。右周りやから。これは、甘ないですな。
…分けましたで。」
「どれ…ほんまですわっ。当たってますわ。すごいですなあ。そしたら、この甘ない方は、だれかにあげまひょ。」
「ほんまに性格悪いですな。」
つづくか
Gが、にこやかに登場した。
「おめでとうさんだす。今年も頑張りまひょな。」
「ええ正月でしたか?」
「うち、昨日起きたら、夕方の6時でしたんや。一日ぼうにふりましたわ。」
「ええー!何時に寝はったんでっか?」
「前の晩の11時半ぐらいですわ。気を失ってたんやろか?」
「仮死状態になってはったんとちがいますか。おがくずの中にでも入っといたらよろしいんや。」
「うちは、毛ガニやおまへんでっ。あんさんこそ、さぞや充実したお正月を過ごしはったんやろなあ。」
「ほとんど、家から出てまへんで。そやっ、ダウジングしてましたんや。」
「水脈ですか?金脈ですか?」
「そんなんとちがいますわ。あのな、蜜柑がどれが甘いか調べてたんですわ。」「あははは、また何とも、しょぼい話ですなあ。」
「平和ですわ。けどな、これがようあたりましたんや。」
「ほんまでっか?ほな、これ、この蜜柑でやっとくなはれ。」
Bは昼間に、Gが買った蜜柑をテーブルの上に並べた。
「やりまっせ…。これは甘いですわ。右周りやから。これは、甘ないですな。
…分けましたで。」
「どれ…ほんまですわっ。当たってますわ。すごいですなあ。そしたら、この甘ない方は、だれかにあげまひょ。」
「ほんまに性格悪いですな。」
つづくか