こんにちは!
飲食店経営16年、「フレンチラーメン」という新ジャンルを生み出したゼロワンヌードル代表の丸尾です。
今日は、多くの人が気になるけど、なかなか公開されないラーメン店の収益構造について、本音でお話しします。
「ラーメン一杯でいくら儲かるの?」「月商いくらあれば生活できる?」「原価率は何%が理想?」
こんな疑問、持っていませんか?
今回はこれらの質問に、具体的な数字を交えながらお答えしていきます。
店舗運営に興味があるならこちらの2つの記事も要チェック!
・フランチャイズで失敗?!利益が出ない3つの原因と具体的対策を16年の飲食店経営者が解説
・初心者がラーメン屋をフランチャイズで開業するための基本知識!
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🍜 ラーメン一杯の原価は実際いくらなのか?
まず、ラーメン一杯の原価について見ていきましょう。
お客様に1,000円で提供するラーメン一杯の原価は、実はこんな内訳になっているんです。
ラーメン一杯の原価内訳(合計300円〜400円)
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スープ:100円〜110円
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トッピング:50円〜70円
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タレ:40円〜50円
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麺:60円〜100円
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香味油:20円〜30円
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その他:30円〜40円
この数字を見て、「えっ!?原価400円で1,000円で売ってるの?儲かりすぎじゃない?」って思った方、ちょっと待ってください。
原価以外にも家賃、人件費、水道光熱費、広告宣伝費など、様々な経費がかかってくるんです。
💰 ラーメン店の理想的な収益構造とは?
一般的なラーメン店の理想的な経費比率はこんな感じです:
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原価率:30%〜40%(売上の3〜4割が食材費)
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人件費率:20%〜30%(売上の2〜3割が人件費)
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家賃:売上の約10%
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水道光熱費:売上の約5%〜8%
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その他経費:売上の約5%
これらを合計すると、経費全体で売上の約70%〜90%になります。
つまり、営業利益率は10%〜15%が理想的なんです。
でも、これは理想的な数値。
実際には初年度からこの数字を達成するのは難しいことも多いんですよ。
だから、開業前にしっかりとした収支計画を立てておくことが超重要なんです!
🔄 回転率の重要性 - 売上を左右する最大の要素
ラーメン店で儲けるための絶対的なポイントは「回転率」です。これはめちゃくちゃ重要!
ラーメンは比較的短時間で食べられる食べ物なので、一席あたりの回転数が多くなります。
通常の飲食店の回転率が1日3〜4回転なのに対して、ラーメン店は1日10回転以上も可能なんです。
例えば、10席のラーメン店で、1席あたり10回転、客単価1,000円だとすると: 10席 × 10回転 × 1,000円 = 100,000円/日
これを月26日営業すると: 100,000円 × 26日 = 2,600,000円/月
つまり月商260万円です。
原価率40%、人件費率30%、家賃10%、その他10%と仮定すると、
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原価:104万円
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人件費:78万円
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家賃:26万円
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その他:26万円
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利益:26万円
月26万円の利益となります。
でも、回転率を12回転に上げるだけで: 10席 × 12回転 × 1,000円 × 26日 = 3,120,000円/月
これで月商312万円になり、同じ比率だと利益は月31.2万円に!
たった2回転増やすだけで、利益が約20%もアップするんです。
回転率を上げるポイントは、
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オペレーションの効率化(調理時間の短縮、会計の迅速化)
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座席レイアウトの工夫(一人席を増やす、相席OKにする)
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ピーク時の待ち時間短縮(事前注文システムの導入など)
🏠 立地選びと家賃の考え方
「家賃が高い場所は避けたい」と思うのは当然です。
でも、実は少し考え方を変えた方がいいんですよ。
家賃は固定費ですが、立地が良ければ集客力が上がり、回転率も向上します。
特にラーメン店は「見つけやすさ」が重要なので、駅前や商店街、路面の1階など、人目につく場所が理想的です。
例えば、裏道の家賃が安い場所(月10万円)と、表通りの家賃が高い場所(月20万円)があるとします。
裏道だと月商200万円、表通りだと月商300万円の売上が見込めるなら、利益率が同じ15%だとすると
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裏道:売上200万円 - 家賃10万円 - その他費用170万円 = 利益20万円
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表通り:売上300万円 - 家賃20万円 - その他費用255万円 = 利益25万円
家賃が高くても、売上が増えれば利益も増えるんです。
もちろん、単純に「家賃が高い場所なら必ず儲かる」というわけではないので、周辺環境や競合店の状況もしっかり調査する必要がありますよ。
👨🍳 人件費コントロールの極意
人件費は原価の次に大きな経費です。
でも、「安い人件費=高利益」という考え方は危険です。
質の高いスタッフがいるからこそ、サービスの質が保たれ、リピーターが増えるんです。
理想は、売上の20%〜30%の人件費率です。
それを実現するためには
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繁忙時間帯に合わせたシフト設計
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ランチとディナーのピーク時に適切な人数を配置
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閑散時間は最小限の人数で運営
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効率的なオペレーション確立
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誰でも同じ品質で調理できるマニュアル化
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複数の作業を同時にこなせる仕組み作り
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正社員とアルバイトの適切なバランス
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中核業務は正社員
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補助的業務はアルバイト
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適切な教育と成長機会の提供
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スタッフが成長すれば、少ない人数でも回せるように
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人員が少なすぎて品質やサービスが落ちれば、長期的には売上が下がります。
逆に多すぎれば、無駄な人件費がかかりすぎます。
このバランスが非常に重要なんです。
📊 理想の収支計画の立て方
では、実際に収支計画を立てる方法を紹介します。
1. 売上予測をする
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席数 × 回転率 × 客単価 × 営業日数 = 月間売上 例)10席 × 10回転 × 1,000円 × 26日 = 2,600,000円/月
2. 経費を予測する
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原価:売上の30%〜40%
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人件費:売上の20%〜30%
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家賃:売上の約10%
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水道光熱費:売上の5%〜8%
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その他経費:売上の約5%
3. 損益分岐点を計算する
固定費 ÷ (1 - 変動費率) = 損益分岐点 例)固定費が月50万円、変動費率が70%の場合 500,000 ÷ (1 - 0.7) = 1,666,667円
つまり、月商166万円を超えれば黒字化する計算です。
4. 資金繰り計画を立てる
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開業資金(内装、設備、備品など)
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運転資金(最低6ヶ月分)
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予備費(予想外の出費用)
5. 最悪のケースも想定する
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売上が予測の70%だった場合のシミュレーション
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原価率が5%上昇した場合のシミュレーション
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想定外の設備トラブルがあった場合の対策
収支計画を立てる際の最大のポイントは「楽観的すぎないこと」です。
初めは必ず想定外のことが起きます。
だから、余裕を持った計画を立てておくことが重要なんです。
🔍 見落としがちな経費チェックポイント
収支計画を立てる際に、よく見落とされがちな経費があります。
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減価償却費:厨房機器等の設備投資は一度に経費にならず、数年に分けて計上
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消耗品費:箸やおしぼり、洗剤など小さな出費が積み重なる
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システム利用料:POSレジやタブレットオーダーなどのシステム費用
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保険料:火災保険、賠償責任保険など
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廃棄ロス:食材の廃棄による原価ロス
特に廃棄ロスは見えにくいコストですが、原価率を大きく左右します。
例えば、煮込んだチャーシューが余って捨てることになれば、その分原価率は上がってしまうんです。
👑 今日の経営者マインド
「原価率や人件費率という数字だけを見るな。大切なのは『お客様の期待値』を超えられるかどうかだ。それが持続的な利益につながる。」
📣 まとめ:理想の収支計画は"バランス"がカギ
今回は、ラーメン店の収益構造と理想的な収支計画について詳しくお話ししました。
重要なポイントをまとめると:
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原価率30%〜40%、人件費率20%〜30%が理想
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回転率の向上が売上・利益アップの鍵
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立地選びは単純な家賃の安さだけで判断しない
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最低6ヶ月分の運転資金は必ず確保する
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緻密だがシンプルな収支計画で経営の道しるべを作る
この記事で紹介した数字はあくまで目安です。
実際には立地や客層、コンセプト、メニュー構成などによって変わってきます。
大切なのは、ただ数字を追いかけるのではなく、「数字の意味」を理解して、自分のお店に合った最適な経営をすることです。
そして、数字だけではない「お客様への価値提供」を忘れないこと。長期的には、この価値提供こそが持続的な利益の源泉になるんです。
ラーメンフランチャイズ開業のための
ノウハウ解説はこちら↓↓↓
💌 次回予告
次回は「【FC本部×加盟店】本部が儲からなければ加盟店も儲からない。持続可能なロイヤリティシステムの設計図」と題して、フランチャイズ業界の新しいパラダイムをお話しします。
先日の記事「【ロイヤリティ0円の真実】加盟店を本気で勝たせる!ゼロワンヌードル流フランチャイズ革命」でも触れましたが、従来のフランチャイズモデルとは一線を画す、加盟店と本部が共に成長できる関係性の作り方を具体的に解説します。
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