2020年暮れから個人的キャンペーンとして、私の時刻表コレクションを元にスキー列車の歴史を、実物の時刻表とあわせて、紐解いています。

 

このシリーズの現在地確認です。

【1】1970年代 ○○銀嶺号から○○スキー号への移行期

【2】1980年代 ○○スキー号からシュプール号への移行期

【3】1990年代 シュプール号をはじめとした各地のスキー列車

【4】2000年代以降 シュプール号の終焉

1章 16年目(2000〜2001)のスキー列車「アルペン」号の運行

2章 17年目(2001〜2002)以降のシュプール号について ※シュプール最終章

【5】番外編 

 

今回は【4】の第2章、シュプール号17年目(2001年〜2002年)シーズン以降、最終シーズン(’05〜’06)までを一気に振り返ります。

 

なお、過去分のまとめページがありますので、過年度比較にお使いください。

 

 

  シュプール号(’01〜’02)のダイヤ

 

JR西日本のシュプール号のみながら、大糸線系統、信越本線系統と2種のシュプール号は健在でした。次シーズンから、白馬・栂池が運転取りやめになり、ついに一本化。そのため妙高・志賀が「シュプール号」と改称されます。

 

シュプール白馬・栂池号シュプール白馬アルプス号

このシーズンから、期間中毎日運転のシュプール号の設定がなくなり、週末、ピーク期のみの運転に変わりました。
一見、2往復設定されていると思いきや、運転日による別記載による「記事マジック」です。
白馬・栂池号
 【グリーン車有】京都総合運転所のキハ181系6連
 【普通車のみ】京都総合運転所のエーデル形(キハ65)6連

シュプール白馬アルプス号:京都総合運転所のキハ181系6連

 

 

シュプール妙高・志賀号シュプールサンダーバード号シュプール雷鳥信越号

シュプール妙高・志賀号については、行き1・3・5号、帰り2・4号 と、一見は大所帯に見えながら、1号は1日のみの運転日で、期間中毎日運転は3号のみと、継続を決定したJR西日本でもシュプール号の斜陽化を隠せない、そんなダイヤでした。
 
1号 大阪→黒姫間(米原経由) 京都総合車両所の485系9連
3号・2号 姫路〜黒姫間(米原経由)
 【座席車なし、A寝台あり】京都総合車両所の583系10連
 【座席車あり】京都総合車両所の583系9両+485系2両の11連
5号 大阪→黒姫間(湖西線経由)
 【座席車なし】京都総合車両所の583系7連
 【座席車あり】京都総合車両所の485系9連
4号 黒姫→大阪間(湖西線経由) 京都総合車両所の583系7連
シュプールサンダーバード号 大阪→直江津間 定期列車のサンダーバード1号と同じスジで大阪〜富山間が運転され、富山〜直江津間を延長運転された形のようです。車両についての情報が時刻表にも、鉄道ダイヤ情報にもないので推測ですが、金沢で切り離す付属編成(3両)をそのまま直江津までの運転で使用したのではないでしょうか。そうなると金沢運転所か京都総合車両所の681系3連となります。
シュプール雷鳥信越号 黒姫→大阪間 京都総合車両所の485系9連

 

 

  シュプール号一本化後のダイヤ

大糸線系統の「シュプール白馬・栂池号」の運転が取りやめになり、ついに「妙高・志賀号」のみに。名称もシンプルに「シュプール号」を名乗るようになります。そして従来、湖西線経由と米原経由の2系統があったのですが、一本化にあたり雷鳥信越号をのぞいてすべて米原経由となりました。

 

 2002年〜2003年シーズン

シュプール号

1号・4号 大阪〜黒姫間 京都総合車両所の583系7連
3号 大阪→黒姫間 京都総合車両所の485系9連
5号・6号 姫路・大阪〜黒姫間 
 【座席車なし、A寝台あり】京都総合車両所の583系10連
 【座席車あり】京都総合車両所の583系9両+485系2両の11連
シュプール雷鳥信越2号 黒姫→大阪間 京都総合車両所の485系9連

 

2002〜2003年シーズンの583系+485系混合編成の動画を見つけました。この動画の場合、583系編成内に485系が「編入」された、これも貴重な動画だと思います。

 

 

 2003年〜2004年シーズン

シュプール号

1号 大阪→黒姫間
 【座席車のみ】京都総合車両所の485系9連
 【寝台車のみ】京都総合車両所の583系7連
3号・4号 姫路・大阪〜黒姫間 
 【寝台車+座席車】京都総合車両所の583系9両+485系2両の11連
 【寝台車のみ(A寝台あり):姫路発】京都総合車両所の583系10連 
 【寝台車のみ:大阪発】京都総合車両所の583系7連
6号 黒姫→大阪間 京都総合車両所の583系7連
シュプール雷鳥信越2号 黒姫→大阪間 京都総合車両所の485系9連

 

 

 2004年〜2005年シーズン

シュプール号

1号 大阪→黒姫間 京都総合車両所の485系9連 と推察 ※情報なし

3号・4号 大阪〜黒姫間 京都総合車両所の583系10連 と推察 ※情報なし

シュプール雷鳥信越2号 黒姫→大阪 京都総合車両所の485系9連 と推察 ※情報なし

 

 

 2005年〜2006年シーズン(最終シーズン)

 

いよいよ最後のシーズンとなりました。前シーズンとの変更といえば、名称から○号が消えたこと。名実ともに一本化となりました。

シュプール号 大阪〜黒姫間(米原経由) 京都総合車両所の583系10連 と推察 ※情報なし

シュプール雷鳥信越号 黒姫→大阪(湖西線経由) 京都総合車両所の485系9連 と推察 ※情報なし

 

以上で、長きに渡って取り上げたシュプール号の軌跡でした。

調べてみてみると、本当に複雑な運用の上に成り立っていた列車だったのだと改めて実感しております。

 

次回以降も【5】番外編として、まだまだスキー列車について取り上げて行きます!シュプール号が及ばなかったエリアでも多様なスキー列車が設定されていました。

・岩手県の安比高原スキー場(花輪線)

・広島県の三井野原スキー場(芸備線)

・滋賀県の琵琶湖周辺のスキー場(湖西線、東海道本線)

・岐阜県の飛騨地方のスキー場(高山本線)、やぶはら高原スキー場(中央西線)

・鳥取県の大山スキー場(伯備線、山陽本線)

・北海道のスキー列車 ※多数!!!

などなど です。しばらくネタ切れはなさそうですがw。

 

なるだけ辞書的なブログになるように丁寧にまとめていきます。引き続きお付きいただければ幸いです。

 

今回は以上となります。

 

参考資料:JTB時刻表、鉄道ダイヤ情報 2002年1月号(No.213)、2003年1月号(No.225)、2004年1月号(No.237)

ページ内写真:永尾信幸, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

カバー画像 Oleksandr PyrohovによるPixabayからの画像