響け!情熱のムリダンガム(字幕版)
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インド伝統音楽の打楽器「ムリダンガム」に魅せられた青年が、さまざまな困難を乗り越えながら一流の奏者を目指す姿を描いた音楽青春ドラマ映画です。主演はG・V・プラカーシュ・クマール、共演はネドゥムディ・ヴェヌ、アパルナー・バーラムラリ、ヴィニート、ディヴィヤダルシーニ、スメッシュ他。
ストーリーそのものは「ムリダンガム」を題材にしていることを除けばかなりありきたりで予想通りにしか展開しません。
が、背景に今も根強く残るカースト制に基づく身分差別の問題があることで、表現自体はあっさりで軽めにもかかわらず、かなり重めな印象。
さらにそこに「伝統と革新」というテーマも加えることで、ストーリーに厚みが生まれています。
ただ、ストーリー展開にぎこちないところが多く、もうちょっと自然な流れにできなかったのかなぁというのが正直な感想。
つらい過去から他人を拒絶して生きて来た孤独な男性が、ラブラドール犬「チャーリー」とともに南インドからヒマラヤまで旅するさまを描いたインドのロードムービーです。主演はラクシット・シェッティ、共演はサンギータ・シュリンゲーリ、ラージ・B・シェッティ、ダニシュ・サイト、ボビー・シンハー他。
インド映画らしい大仰な演技とベタな演出であざとく泣かせにきているのが見え見えなのが気にならないと言ったら嘘になりますが、それでもこれは![]()
一度でも犬を飼ったことがある人なら泣くに決まってる![]()
とは言っても、この内容で2時間40分もあるのは流石に長過ぎたかな (^^;;;
もちろん、そのおかげで1人と1匹の関係をじっくり味わうことができたのは事実ですけどね。
それに、動物保護協会の女性職員が無駄に美女なので、主人公と恋愛関係にでもなるのかと「危惧」していましたが、そんな要素がほぼ全くなく、一貫して「孤独な男と孤独な犬のラブストーリー」になっていたのは![]()
また、悪徳ブリーダーによる近親交配(による遺伝子疾患)や虐待といった問題にも踏み込んでいるのも![]()
気軽に観られる尺ではないですが、犬好きにはお勧めしたいです (^^)v
アフガニスタンの戦場で友情の絆を結んだ米軍曹長と現地通訳の男同士の約束を描いた、ガイ・リッチー監督による戦争ドラマ映画です。主演はジェイク・ギレンホール、共演はダール・サリム、ジョニー・リー・ミラー、アントニー・スター、アレクサンダー・ルドウィグ他。
ガイ・リッチーがこういう映画を撮るんだという意外性にまず驚き。
そして、表現としてはかなり荒唐無稽な娯楽アクション映画になっている一方で、米国がアフガニスタンで犯した「大罪」を赤裸々に描いているメッセージ性の高さにも驚き。
米国入国ビザを「餌」にアフガニスタン人通訳を自分たちに都合よく使っていながら、その多くを見捨て、見殺しにして来た事実はもっと大きく語られるべき。しかし、ビザをもらえて米国に入国できたとしても、今の極端に右傾化が進んでいる米国でアラブ系の人々が幸せに暮らせる保証はなく、この映画の結末が皮肉にしか見えないのは本当に悲しい…。
とにかく、通訳を演じたダール・サリムの存在感とカリスマ性がこの映画の出来と「格」を大きく上げたことは間違いないでしょう。
白尾悠さんの同名小説を原作とし、生きづらさを抱える人々の再生の姿を描いたヒューマンドラマシリーズ全6話です。主演は内野聖陽さん、共演は毎田暖乃さん、小林聡美さん、中島裕翔さん、坂井真紀さん、和久井映見さん、風吹ジュンさん、三浦透子さん、安藤玉恵さん、六平直政さん、有薗芳記さん、津嘉山正種さん、益岡徹さん他。
主人公のキャラクターとその物語がどうしても生理的に合わず、第1話を観ただけでうんざりしてしまい、そのまま視聴は断念するつもりだったのですが、第1話だけで判断するのは良くないと思い、第2話以降も観てみました。
結局、最後まで観ても、主人公とその物語は生理的に全く受け付けず。
ただ、主人公以外の人物を描いた1話完結のサイドストーリーである、第2話から第4話までの3つのエピソードはとても良かったので、観て損したということは全くありませんでした。このサイドストーリーをもっと観たかったです。
ロンドンのインクルーシブ・ラグビーのチームを舞台に、互いに同棲中のパートナーがいながら「不倫の恋」に堕ちた2人のラグビー選手を描いた恋愛ドラマ映画です。主演はアレクサンダー・リンカーン、アレクサンダー・キング、共演はウィリアム・ハール、クリストファー・シャーウッド、カール・ラフリン、ピーター・マクファーソン、ピアース・イーガン、アイヴァン・コミッソ、アレックス・ハモンド他。
スポーツ映画としても不倫メロドラマとしても、ストーリー自体は陳腐。どこかで観たことがあるような話。
が、両方を融合して濃密に絡め合わせたことで新鮮な物語に。
中でも、同性愛そのものを特別視することもタブー視することも一切なく、主人公2人の苦悩は、パートナー以外の人を愛してしまったこと、そのため、その事実を周囲に完全に隠さなければならないこと、この点に尽きており、同性愛嫌悪の問題もなければ、同性愛者としての苦悩も全くないのはとても現代的。
ただ、130分を超える尺にもかかわらず、主人公の背景、例えば普段の仕事などが一切描かれていないこともあって、かなり浮世離れしたファンタジーのような雰囲気になっているのは、作り手の意図通りなのはわかりますが、この物語の場合は、もうちょっと現実世界に生きている生身の人間感を出した方が良かったんじゃないかなぁと思ったり。
とにかく、映像としてはラグビーのシーンを含めてとても美しく撮られており、特に主演のアレクサンダー・リンカーンを美しく、というよりも「可愛らしく」撮ることにこだわっているのは明らかなので、彼のファンなら間違いなく必見でしょう (^^)
雨穴(うけつ)さんの同名ベストセラー小説を原作とし、間取りに違和感のある一軒家の謎に挑むことになったオカルト専門映像クリエイターを描いたミステリ映画です。主演は間宮祥太朗さん、共演は佐藤二朗さん、川栄李奈さん、長田成哉さん、DJ松永さん、瀧本美織さん、石坂浩二さん他。
元になったYouTube動画も原作小説も存在自体知らず、この映画で初めて知ったのですが、
何じゃこりゃ?! (@o@)
「違和感のある間取り」というアイデアは面白いと思うんですが、映画としては脚本も演出も雑過ぎて観るに耐えず。突っ込む気力も失くすレベル。
この映画も結構ヒットしたらしいですけど、この出来でそこまでヒットした理由は全くわかりませんでした。
スコットランドの作家イアン・ランキンのベストセラー小説「リーバス警部」シリーズを原作とし、型破りなエディンバラの刑事が、生活苦から一線を越えてしまった兄のためにギャングの抗争に巻き込まれるさまを描いたサスペンスドラマシリーズ全6話です。主演はリチャード・ランキン、共演はブライアン・ファーガソン、ルーシー・ショートハウス、エイミー・マンソン、スチュアート・ボウマン、キャロライン・リー・ジョンソン他。
いわゆる「刑事ドラマ」ではありますが、真犯人をはじめとする事件の真相に迫ることを目的とした謎解きのミステリではなく、事件の真相は視聴者には最初から提示されているスタイル。その上で事件に関わる人々の人間模様を描いています。
そういったスタイルを含め、ストーリーの中心となる事件については特に新鮮味は感じなかったのですが、舞台となるスコットランドの景色、首都エディンバラの歴史ある街並みは印象的だし、その中でスコットランド人の気質や地政学的な問題などを絡めているのは「興味深い」。
明らかに続編がある終わり方で、しかもここで初めて「謎解きのミステリ」らしさを出してきたので、続きが今から楽しみです。でも本当に続編は作られるんでしょうか?(不安)
アフガニスタンで脳に損傷を負い、リハビリを終えて故郷のニューオーリンズに戻ってきた帰還兵の白人女性と、トラウマを抱えた自動車整備士の黒人男性の交流を描いたドラマ映画です。主演はジェニファー・ローレンス、ブライアン・タイリー・ヘンリー、共演はリンダ・エモンド、ジェイン・ハウディシェル、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン他。
ジェニファー・ローレンスはいつもながら説得力のある演技を見せていて素晴らしいのですが、この映画で何より見事なのはブライアン・タイリー・ヘンリー。
「コミカルな愛すべきキャラ」を演じさせたらピカイチのイメージの彼が、心と体に深い傷を抱えながらも誠実に生きている「いい男」を的確に演じていて![]()
アカデミー助演男優賞にノミネートされたのも納得 (^^)v
暴れん坊刑事マ・ソクトの活躍を描いた韓国のアクション映画「犯罪都市」('17) から始まるシリーズ第4作で、韓国とフィリピンを股にかけた巨大犯罪組織との激闘を描いたポリスアクションです。主演はマ・ドンソクさん、共演はキム・ムヨルさん、イ・ドンフィさん、パク・ジファンさん、イ・ボムスさん他。
前作「犯罪都市 NO WAY OUT」('23) と同様にマ・ドンソクさんの「アイドル映画」としては充分に楽しめたのですが、それでも本作で最も印象に残ったのは元傭兵の殺し屋を演じたキム・ムヨルさん。
いわゆる「韓国のイケメン」とは違い、地味なルックスではあるのですが、一貫してテンションが低めで表情も変えないキャラは役の設定にピッタリで実に不気味。説得力ありまくりでした (^^)v
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暴れん坊刑事マ・ソクトの活躍を描いた韓国のアクション映画「犯罪都市」('17) から始まるシリーズ第3作で、日本のヤクザやその殺し屋との激闘を描いたポリスアクションです。主演はマ・ドンソクさん、共演はイ・ジュニョクさん、青木崇高さん、國村隼さん、イ・ボムスさん他。
マ・ドンソクさんの「アイドル映画」としては、「狎鴎亭(アックジョン)スターダム」('22) がつまらなかったのに比べると、同じように内容がなくても主人公マ・ソクトと彼を取り巻く世界観が確立している本作の方がはるかに楽しめます (^^)v
ところで、韓国映画では日本人の役を韓国人の俳優が演じることが多く、日本語のセリフが片言過ぎて全く聞き取れないことがあるのですが、本作に関しては重要な役で日本人の俳優を起用していますし、韓国人の俳優でもちゃんと聞き取れる日本語を話してくれるので、その点でも評価は![]()
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