Marc のぷーたろー日記 -29ページ目

「オオカミの家」('18)

 

ナチスの残党が慈善団体を装って南米のチリに築き、拷問や性的虐待など、数々の非道を行なっていた実在のカルト教団「コロニア・ディグニダ」をモデルに、そこから逃げ出した少女が体験する奇妙な悪夢をグロテスクに描いたチリのストップモーション・アニメ映画です。声の出演はアマリア・カッサイ、ライナー・クラウゼ。

 

技術的な点や作り手のイマジネーションには目を見張るものがありましたが、ストーリーらしいストーリーがないので、延々と同じような映像を見せられ続けると流石に飽きます (^^;;;

 

この題材なら20分程度、長くても30分程度に収めた方が良かったとしか思えませんでした。自分にとってはただただ残念。

「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」('22)

 

実話をもとに、タリバンと間違われて米軍基地収容所に収監された息子を救出すべく奔走するトルコ系ドイツ人の母親を描いたコメディドラマ映画です。主演はメルテム・カプタン、共演はアレクサンダー・シェーア、チャーリー・ヒュブナー、アブドラ・エムレ・オズテュルク他。

 

意味のある映画だと思います。

 

胸の痛む話をコミカルに描くことで逆に深刻さや悲惨さを際立たせる手法も、珍しくはないですし、悪くないです。

 

が、主人公のキャラクターが…。

 

愛すべき「トルコのお母ちゃん」として描いているのは分かりますし、多くの人にとっては「愛すべきキャラ」なんだと思います。演じるメルテム・カプタンは確かに愛嬌がありますし。

 

でも、僕はこういうおばちゃんに生理的嫌悪感があってどうしても受け入れられなかったのです…。そのせいで物語にも入り込めず、感情移入もできず…。

 

その一方で、今の米国相手では、不可能な話だなと思いながら観ていました。

「ミツバチと私」('23)

 

男の子として生まれながらも、女の子として生きたいと願い、性自認に悩み苦しみながら日々を過ごす8歳の子どもを描いたドラマ映画です。主演はソフィア・オテロ、共演はパトリシア・ロペス・アルナイス、アネ・ガバライン、イツィアル・ラスカノ、マルチェロ・ルビオ他。主演のソフィア・オテロが第73回ベルリン国際映画祭で、史上最年少の9歳で主演俳優賞を受賞しています。

 

両親、特に母親の描き方が「興味深い」。

 

母親は「性別など関係ない」として、息子が(伝統的な意味での)女の子のように振る舞うことも受け入れているし、女子更衣室(女子トイレ)を使うことも認めている。しかし、受け入れているのは「女の子のような息子」であることまで。父親も、母親ほど納得はしていないけれど、そのように受け止めている。

 

一方の主人公は性自認が完全に女性であり、「女の子のような男の子」ではなく、純粋に「女の子」でありたいと思っている。

 

この親子の認識のギャップは多くの人が思っている以上に大きいということを描いているわけです。

 

ただ、1本の映画として観ると、大して面白くはなく、道徳の教科書みたいな説教臭さは否めず。

「メイ・ディセンバー ゆれる真実」('23)

 

1990年代にアメリカで実際に起きた「メイ・ディセンバー事件」をモチーフに、13歳の少年と不倫をして実刑判決を受けた既婚女性を描く映画で彼女を演じることになった女優と、事件当事者の2人をはじめとする関係者の姿を描いたドラマ映画です。主演はナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア、共演はチャールズ・メルトン、コーリー・マイケル・スミス、エリザベス・ユー他。

 

Wikipedia「メイ・ディセンバー ゆれる真実」

 

この題材を映像化するのに、こういう描き方をするのかと、終始「興味深く」観ることができました。

 

ドキュメンタリー映画の内容を、そのままプロの俳優を使って再現しているようなイメージ。

 

本当のところは、もしかすると当の本人たちですらよく分かっていないのかもしれないという「曖昧さ」をそのまま曖昧に描いているのはグッド!

 

ただ、映画の作り手としての明確な「主張」がないことに不満を感じる人もいるかもしれないなぁなどと思いながら観ていました。

「ミステリアス・スキン」('04)

 

1966年生まれの米国の作家スコット・ハイムが幼少期の実体験をもとに執筆した1995年の小説「謎めいた肌」を原作とし、幼少期に性被害に遭いながらもあいまいな記憶のまま成長した2人の少年の対照的な「その後」を描いた青春ドラマ映画です。主演はブラディ・コーベット、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、共演はミシェル・トラクテンバーグ、ジェフリー・リコン、ビル・セイジ、メアリー・リン・ライスカブ、エリザベス・シュー他。

 

Wikipedia「謎めいた肌」

 

性被害者として具体的に描かれている人物は2人だけですが、それでも描き方が多角的で、ステレオタイプなキャラクターとして描かれていないのが見事。また、性加害者が周囲からは好人物と見られているため、一段と被害が表面化しにくい現実を描いているのもグッド!

 

実体験に基づいた小説を原作としているだけあって、舞台となる1980年代から1990年代にかけての米国社会のありようも現実味があり、それだけに主人公2人の痛々しさが一層生々しく感じられました。

 

観ていて辛い物語なので、万人にお勧めできる内容ではないですが、「観るべき映画」ではあります。

「警察官カロリナ~善と悪の境界線~」('23)

 

カタジナ・ボンダによるポーランドのベストセラー実録小説を原作とし、行方不明になっていた父親が実家の地中から他殺体で発見され、母親に殺人容疑がかかってしまった警察官の女性が事件の真相に迫る姿を描いたポーランドのポリスサスペンスシリーズ全6話です。主演はマヤ・パンキェヴィッチ、共演はエリーザ・リチェムブル、イザベラ・クナ、マテウシュ・クミェチック他。

 

さほど期待値が高くなかったせいもありますが、予想外に楽しめました (^^)v

 

細かいところでは「ちょっとそれはいくらなんでも現実離れしすぎでは?」と言いたくなるところもありますが、そんな欠点を補って余りある、主人公と彼女の相棒で上司である男性刑事とのバディ感が魅力的でグッド!

 

物語の二本柱の一本である主人公の家族の物語が解決してしまったので、続編があるかはわかりませんが、このコンビの活躍をもっともっと観たいです (^^)

「ロッカビー:パンナム103便爆破事件」('25)

 

1988年12月に航空機の爆破で270人が死亡したロッカビー事件で娘を亡くした医師ジム・スワイアの著作「The Lockerbie Bombing: A Father's Search for Justice」を原作としたドラマシリーズ全5話です。主演はコリン・ファース、共演はキャサリン・マコーマック、サム・トラウトン、アルダラン・エスマイリ他。

 

Wikipedia「Lockerbie: A Search for Truth」

Wikipedia「パンアメリカン航空103便爆破事件」

 

かなり思い切った内容。

 

公式には事件は全て解決したことになっていますが、そこにはさまざまな矛盾や謎が残っていることを告発する内容。

 

一応、ドラマの中では、必ずしも主人公の見解や主張が100%正しいとは限らないと予防線は張っていますが、それでも確定した裁判の結果を根本から覆す内容だったのにはちょっとビックリ。

 

このドラマは今年の初めに本国イギリスでリリースされたそうですが、この作品が事件の謎の解明に繋がる、とまでは言わないまでも、何らかの影響を与えるのか、気になります。

「帰ってきた あぶない刑事」('24)

 

1986年から始まった人気テレビドラマシリーズ「あぶない刑事」の8年ぶりとなる劇場版シリーズ第8作です。主演は舘ひろしさん、柴田恭兵さん、共演は浅野温子さん、仲村トオルさん、土屋太鳳さん、西野七瀬さん、早乙女太一さん、岸谷五朗さん、吉瀬美智子さん他。

 

Wikipedia「帰ってきた あぶない刑事」

 

テレビシリーズは2作とも当時好きで観ていましたが、映画版はほとんど観たことがありません。

 

別に嫌いになったわけではなく、「あぶ刑事」は1980年代だからこそ成立した話なのに、それを1990年代以降も続けることに違和感があったのです。

 

そんなわけで、この8年ぶりの新作映画も観る気は全くなかったのですが、たまたま機会があったので観てみました。

 

面白くなくはない。

 

むしろ面白い。

 

懐かしさもあるし。

 

それでも、2020年代を舞台に、70を超えた2人が昔と全く同じノリで演じることへの違和感、というよりも「痛々しさ」は最後まで拭えず…。

 

ま、単なる「お祭り映画」にいろいろ細かいことを突っ込むのは野暮ってもんですけどね (^^)

「ホセ 40歳で大人になる?!」('15)

 

40歳の誕生日を目前にした売れないミュージシャンの「青春」を描いたドラマコメディ映画です。主演はアダム・ゴールドバーグ、共演はアナ・オライリー、パット・ヒーリー、アンナ・ベルナップ、エリック・シーゲル、エミリー・オスメント、ジリアン・ジェイコブス他。

 

邦題が盛大にネタバレで、このタイトルで映画の全てを語り切っているので、取ってつけたような安易なエンディングも「まぁ、そうなるよね」という感じで、終始、意外性もなくダラダラと展開。

 

ストーリーらしいストーリーもなく、面白いか、面白くないかと尋ねられたら、間違いなく「面白くない」と答えます。

 

それでも何となく最後まで観てしまったのは、主人公をはじめとする登場人物たちが、大して魅力的ではないけれど、「微妙に」面白いから。本当に「微妙に」。

「ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト」('20)

 

クリスマス休暇を同棲中の恋人の実家で過ごすことになった女性を描いたロマンティック・コメディです。主演はクリステン・スチュワート、マッケンジー・デイヴィス、共演はアリソン・ブリー、ダニエル・レヴィ、オーブリー・プラザ、メアリー・スティーンバージェン、ヴィクター・ガーバー他。

 

Wikipedia「ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト」

 

評価が高かったので期待して観たのですが、最初から最後まで自分には全く合いませんでした。

 

評価が高いのはわかります。

 

ノーテンキ過ぎる結末を含め、アメリカ人が期待する理想的な「クリスマス映画」なんですから。

 

でも、僕にはどう考えても、この主人公カップルは別れた方がいいとしか思えないのです。

 

何十年も問題を抱え続けて来た家族が、そんなに簡単に変われるわけがないし、そんな問題のある実家に恋人を「恋人であることを隠して」連れていく時点で頭がおかしいとしか思えません。

 

とにかく、主人公の恋人とその家族が不快すぎて視聴すら苦痛でした。