Marc のぷーたろー日記 -29ページ目

「トゥルークライム・ショー:殺人狂騒曲」('23)

 

中年の危機に直面した夫婦が、トゥルークライム(実録犯罪)系ポッドキャストで大金を稼ごうと悪戦苦闘するさまを描いたブラックユーモアコメディシリーズの第1シーズン全8話です。主演はケイリー・クオコ、クリス・メッシーナ、共演はトム・べイトマン、プリシラ・キンタナ、リアナ・リベラト他。

 

凶悪な殺人事件ですから「エンタメ」として消費され、莫大な金が動く現代社会への皮肉とは言ってもあまりに悪趣味な内容だし、現実離れしているけれど、メインの3人のキャラクターの面白さと演じる3人の役者のはまりぶりで、充分に楽しめました (^^)v

 

中でもトム・べイトマンがいい。

 

「オリエント急行殺人事件」('17)「ナイル殺人事件」('22) で演じたブーク役しか観たことがなかったので、ちょっと意外な配役ではありましたが、笑顔の爽やかな好青年でいながら表情によっては別人に見える上に、190cm近い高身長というのも役に説得力を与えています。また、主演のクリス・メッシーナが小柄なので、いい対比になっているのもグッド!

 

物語としては全く完結していないので、第2シーズンが日本で観られるようになるのが今から楽しみです♪

 

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「白蛇伝」('58)

 

中国古代の四大民間伝説の1つで、白蛇の化身である白娘(パイニャン)と、その恋人・許仙(シュウセン)との愛を描いた「白蛇伝」を原作とした、日本初のカラー長編劇場用アニメーション映画です。声の主演は森繁久彌さん、宮城まり子さん。

 

Wikipedia「白蛇伝 (1958年の映画)」

 

大昔に1度だけ観ているのですが、内容をすっかり忘れてしまったので、何十年ぶりかで再見。

 

流石に今の時代に観ると「古臭さ」はどうしても気になってしまいます。例えば、当時はハリウッドの実写映画でも普通のことだったのですが、ずっと音楽が鳴りっぱなしでうるさいし、とにかくうざい。

 

それに、20分程度で済むような話を、ストーリー上全く必要のないシーンで水増ししまくっているので間伸び感も否めず。

 

それでも、「アニメーション」としては相当に頑張っていて、色彩の見事さを含めて、公開当時は相当なインパクトを世の中に与えたであろうことは想像に難くなく、あの宮崎駿さんがこの作品を観て、アニメーターになろうと考えたというのも大いに納得。

 

また、登場人物の全てを森繁久彌さんと宮城まり子さんの2人だけで演じているのも見事。2人の芸達者ぶりに感服。

 

とにかく、日本のアニメーションの歴史を語る上では外すことのできない作品であることは確かで、そういった「歴史的価値」の観点で観るべきなのでしょう。

「ナイトスイム」('24)

 

プール付きの邸宅を購入した一家が見舞われる恐怖体験を描いたホラー映画です。主演はワイアット・ラッセル、共演はケリー・コンドン、アメリ・ホーファーレ、ギャヴィン・ウォーレン、ジョディ・ロング、ナンシー・レネハン、イライジャ・J・ロバーツ他。

 

Wikipedia「ナイトスイム」

 

2014年に発表された短編映画「Night Swim」を長編映画化した作品だそうですが、その原作自体は正味3分ほどしかなく、短編「映画」というよりは「動画」という感じ。そもそもストーリーの全くない短編の「プールに潜む何か」というアイデアだけを使ったってことなんでしょう。

 

でも、そのアイデア自体が凡庸だし、そこでストーリーに工夫があればともかく、それもなく、最初から最後まで全てが凡庸。

 

ホラー映画としてはそれなりに楽しめなくはないんですけどね…。

 

ちなみに、原作となった短編映画はYouTubeで無料配信中。

 

ところで主演のワイアット・ラッセルってどこかで観たことあるなぁと思って調べてみたら、カート・ラッセルとゴールディ・ホーンの息子なんですね。しかも俳優になる前はプロのアイスホッケー選手だったとか。顔は父親そっくりで、金髪は母親譲りってことなのかな (^^)

「ドライブアウェイ・ドールズ」('24)

 

アメリカ縦断の旅に出た女性2人組の珍道中を描いた、コーエン兄弟の弟イーサンの初単独監督作品となるコメディ映画です。主演はマーガレット・クアリー、ジェラルディン・ヴィスワナサン、共演はビーニー・フェルドスタイン、コールマン・ドミンゴ、ビル・キャンプ、ペドロ・パスカル、マット・デイモン、マイリー・サイラス他。

 

Wikipedia「ドライブアウェイ・ドールズ」

 

ストーリー自体はありきたり。しかも雑。

 

が、主人公を女性2人組にし、しかも彼女たちを含めて、登場する女性たちのほぼ全員をレズビアンに設定しているのはちょっと新鮮で独特の面白さを生んでいます。

 

そして何より、主演2人の相性の良さ、個性を活かした「面白い」キャラクターで最後まで楽しませてもらいました (^^)

 

個人的には、助演で強烈なインパクトを残していたビーニー・フェルドスタインの演じるキャラがとても良かったので、是非とも今度は彼女を主人公にしたアクションコメディを作ってもらいたいです (^^)v

 

ところで、ペドロ・パスカルとマット・デイモンは、出番は少ないものの、かなり「おいしい」キャラを演じていてめっちゃ面白かったんですが、それでも「よくこんな役を引き受けたなぁ」と感心しちゃいました (^O^)

「オッペンハイマー」('23)

 

世界初の原子爆弾の開発に成功した「原爆の父」こと、理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの伝記映画です。主演はキリアン・マーフィー、共演はエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー他。

 

Wikipedia「オッペンハイマー (映画)」

 

全てが予想通り。

 

確かに映画としてよくできているし、海外で高く評価されているのも納得。

 

あれだけ高度な物理学や複雑な政治的駆け引きという「難しい」内容を1本の映画にまとめ上げ、そこに「科学者の倫理、責任」といったテーマをしっかりと盛り込んで、最終的に「娯楽映画」としても楽しめるように仕上げているんですから。

 

が、被爆国で生まれ育った人間としては、予想通り「けっ!!」としか思えず。

 

原爆の恐ろしさについてそれなりに描いてはいるものの、アメリカの観客を意識してオブラートに包んだ描写しかできていない…。これでは登場人物たちがどんなに「恐ろしい」と言っても、観客、特に海外の保守層には「破壊力の強い爆弾」にしか見えないでしょう。

 

そして、どんなにオッペンハイマーの「不遇」を描いても、原爆によって殺された人々や、放射線被害で死ぬまで苦しんだ人々の悲劇に比べれば屁でもないんですから。

 

この映画そのものには価値があると思いますが、これだけで原爆を分かった気にだけはならないで欲しいです。それに尽きます。

「許されざる者」('60)

 

開拓時代のテキサスを舞台に、先住民の娘を養女とした一家にふりかかる困難を描いたジョン・ヒューストン監督による西部劇映画です。主演はバート・ランカスター、オードリー・ヘプバーン、共演はリリアン・ギッシュ、オーディ・マーフィー、ジョン・サクソン、チャールズ・ビックフォード、ジョセフ・ワイズマン他。

 

Wikipedia「許されざる者 (1960年の映画)」

 

大昔に観ているのですが、「オードリー・ヘプバーンに先住民の役を演じさせるのは無理があるだろ」というツッコミどころしか覚えていなかったので久しぶりに観てみました。

 

やはりオードリー・ヘプバーンが先住民を演じる不自然さが最後まで違和感として拭えませんでしたが、それ以上に「この映画は一体何を言いたいの?」との疑問が。

 

確かに、物語としては成立していますし、ストーリーはわかります、

 

タイトルの「許されざる者(原題:The Unforgiven)」が示すようにシリアスでヘビーな内容で、作り手の意図としては単純な娯楽西部劇にはしたくなかったのであろうことは容易に想像できます。

 

ところが、先住民差別の問題を描いているかというと、そこまで踏み込んだ内容にはなっていませんし、「親の因果が子に報う」物語にしてはノーテンキなエンディング。

 

結局は、バート・ランカスターとオードリー・ヘプバーンの二大スター共演の娯楽映画でしかなく、それならば中途半端にシリアスな内容になどせずに、娯楽映画に徹すればよかったのに、当時としては「新しい西部劇」を作りたかったのかもしれませんが、全く成功しておらず。

 

バート・ランカスターはいつもながらカッコいいし、オードリー・ヘプバーンもいつもながら可憐で美しいし、2人の魅力はそれなりに活かされているとは思いますが…。

 

ただただ「残念」な映画でした。

「スーパーバッド 童貞ウォーズ」('07)

 

童貞喪失に燃える卒業間近の男子高校生3人組の涙ぐましい努力と空回りをハイテンションで描いた青春コメディです。主演はジョナ・ヒル、マイケル・セラ、クリストファー・ミンツ=プラッセ、共演はビル・ヘイダー、セス・ローゲン、エマ・ストーン、デイヴ・フランコ他。

 

Wikipedia「スーパーバッド 童貞ウォーズ」

 

エヴァン・ゴールドバーグとセス・ローゲンのコンビによる脚本はハチャメチャで、もう若くない自分には「付いていけない…」としか感じられず、ドン引きしながら観ていたのですが、最後のまとめ方はとても爽やかで青春映画らしくて見事。この結末を効果的に見せるために、それまで延々とメチャクチャな物語が綴られていたのかと思うほど (^^)

 

また、本作が映画デビュー作であるエマ・ストーンやデビュー間もないデイヴ・フランコなど、その後ハリウッドスターとなった役者たちの若い頃を見られるという意味でも価値のある作品と言えるでしょう。

「アンドリューNDR114」('99)

 

アイザック・アシモフの短編小説「バイセンテニアル・マン」をロバート・シルヴァーバーグが長編化した同名SF小説を原作とし、ある家事手伝いロボットが200年にわたって心を育んでいく姿を描いていたヒューマンSFです。主演はロビン・ウィリアムズ、共演はエンベス・デヴィッツ、サム・ニール、オリヴァー・プラット、キルステン・ウォーレン、ウェンディ・クルーソン、ハリー・ケイト・アイゼンバーグ他。

 

Wikipedia「アンドリューNDR114」

 

批評家たちからは「退屈で吐き気がするほど感傷的」と酷評され、主演のロビン・ウィリアムズがラジー賞の最低主演男優賞にノミネートされるなど、評価はかなり悪い作品。

 

が、公開から四半世紀が過ぎた今となって観ると、そこまで酷評されるほど酷い出来ではなく、むしろロマンティックでハートウォーミングな物語ですし、好きな人は少なくないと思います。少なくとも僕は嫌いじゃないです。

 

ただ、のんびりしたペースで抑揚が少なく、それでいて130分を超える尺というのは確かに間伸び感はあるかもしれません。

 

また、いくら人間らしい見た目で人間らしい「心」を持っているとしても、ロボットと生身の人間の恋愛に対して生理的嫌悪感を抱く人は少なからずいるはずで、いずれにせよ、好みは大きく分かれる作品ではあるでしょう。

「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」('23)

 

1970年末のクリスマス休暇の2週間を名門寄宿学校で過ごさなければならなくなった3人の男女の悲喜こもごもを描いたドラマコメディ映画です。主演はポール・ジアマッティ、共演はデヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサ、キャリー・プレストン、ブレイディ・ヘプナー、イアン・ドリー他。

 

Wikipedia「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」

 

切ない…。

 

3人がそれぞれ抱えている孤独や悲しさは胸を抉るように迫ってくるものの、それでも生徒には「新たな未来の可能性」が、学食の料理長の女性には「幸せな妹家族の存在」があるのに対し、主人公には何もないのですから…。

 

とにかく、主人公に感情移入しまくり。

 

彼にはどんな形であれ幸せになって欲しいと願うばかりのエンディングでした。

「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」('23)

 

北条司さん原作の人気テレビアニメ「シティーハンター」の新作劇場版で、闇のテクノロジー「エンジェルダスト」を巡る争いと過去の因縁を描いたアニメーション映画です。声の出演は神谷明さん、伊倉一恵さん、田中秀幸さん、一龍斎春水さん、玄田哲章さん、小山茉美さん、沢城みゆきさん、戸田恵子さん、深見梨加さん、坂本千夏さん、関智一さん、木村昴さん、堀内賢雄さん他。

 

Wikipedia「劇場版シティーハンター 天使の涙」

 

基本的には前作の「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」('19) と同じ感想。作画は美麗だし、それなりに楽しめたんだけれど、いかにも1980年代らしいノリのまま、21世紀を舞台にしているせいで、余計に古臭く感じちゃったのです。

 

そして今作で一番気になったのは声優さんたちの声。

 

昔のテレビシリーズと同じ声優さんたちを起用して昔からのファンを喜ばせるのはいいのだけれど、その声に「老い」がはっきりと出てしまっていて、無理に若い声を出そうとしているのが気になって気になって仕方ありませんでした…。

 

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