劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(通常版) [Blu-ray]
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北条司さん原作の人気テレビアニメ「シティーハンター」の新作劇場版で、闇のテクノロジー「エンジェルダスト」を巡る争いと過去の因縁を描いたアニメーション映画です。声の出演は神谷明さん、伊倉一恵さん、田中秀幸さん、一龍斎春水さん、玄田哲章さん、小山茉美さん、沢城みゆきさん、戸田恵子さん、深見梨加さん、坂本千夏さん、関智一さん、木村昴さん、堀内賢雄さん他。
基本的には前作の「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」('19) と同じ感想。作画は美麗だし、それなりに楽しめたんだけれど、いかにも1980年代らしいノリのまま、21世紀を舞台にしているせいで、余計に古臭く感じちゃったのです。
そして今作で一番気になったのは声優さんたちの声。
昔のテレビシリーズと同じ声優さんたちを起用して昔からのファンを喜ばせるのはいいのだけれど、その声に「老い」がはっきりと出てしまっていて、無理に若い声を出そうとしているのが気になって気になって仕方ありませんでした…。
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実話をもとに、倒産寸前の農場を救うため納屋にキャバレーを作るとの奇策を打ち出した農場主を描いたヒューマンコメディです。主演はアルバン・イヴァノフ、共演はサブリナ・ウアザニ、ベランジェール・クリエフ、ギー・マルシャン、ミシェル・ベルニエ他。
実話から着想を得ただけで、ストーリー自体は完全なフィクションと考えるべきなのでしょうが、それにしてもあまりに現実味のない話。そもそもリアリティとか、説得力とか、これっぽっちも考えずに作った映画なのでしょう。
それでも、エンドクレジットでモデルとなった人物たちとキャストらが穏やかに交流している様子が映されているので、おそらく当人たちはこの出来でも充分に満足しているのでしょう。それならそれでOKですけど、一観客としては「もうちょっとマシな話にできなかったのか?」としか言いようがないです。
とりあえず、主演のアルバン・イヴァノフをはじめ、キャストは良かったし、役者の個性と魅力以外に観るべきところはありませんでした。
2015年11月に発生したパリ同時多発テロ事件におけるテロ対策チームの戦いを描いたサスペンスアクションです。主演はジャン・デュジャルダン、共演はサンドリーヌ・キベルラン、ジェレミー・レニエ、アナイス・ドゥムースティエ他。
前半はテロ対策チームに密着したドキュメンタリー映画のような趣で「物語」はない。
後半になってようやく「物語」にはなるものの、物足りなさは否めず。
キャストは充実しており、この映画を撮った意義はあると思いますが、純粋に1本の映画として観ると、あまりに中途半端で、実際の事件の重みや深刻さは充分に伝わって来ず、残念としか言いようがない出来でした。
ヘアコンテストの開催当日、優勝候補のカリスマ美容師が惨殺され、お互いに疑心暗鬼に陥る関係者たちの姿を全編ワンショットで描いたミステリ映画です。出演はアニタ=ジョイ・ウワジェ、クレア・パーキンズ、ダレル・デシルヴァ、デブリス・スティーヴンソン、ハリエット・ウェッブ他。
厳密に言えば「全編ワンショット」ではなく、何箇所か「ワンショットで繋がっているように見せている」部分もあるのですが、それでも、登場人物は少なくなく、移動も多い中でよく撮ったなぁと、技術的には感心。
ただ、物語としてはイマイチ。
ミステリとしては、「犯人」にしろ「動機」にしろ、そこに興味が向くようなストーリーではないので、観ていて「どうでもいい」気分に。
それよりは、個性的な登場人物たちの人間模様の方が面白く、その点では飽きずに最後まで観られましたけど、それが「物語として面白いか?」と言われると微妙…。
結局、一番面白かったのはエンディング。キャストらによるダンスは取り立てて見事なものではないのだけれど、役の延長上で観ると、シュールな面白さがあって妙に印象に残りました (^^)v
恋人が事故で植物状態になったショックから冷凍睡眠の実験台となって50年後に目覚めたパイロットの純愛を描いた恋愛ファンタジー映画です。主演はメル・ギブソン、共演はジェイミー・リー・カーティス、イライジャ・ウッド、イザベル・グラッサー、ジョージ・ウェント他。
→ Wikipedia「フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白」
メル・ギブソンのアイドル映画。
かなりバカバカしい内容なのですが、メル・ギブソンの魅力「だけ」で充分に成立しているし、当時を代表する二枚目スターである彼のファンなら思いっきり胸キュンできる映画だと思います。
クリストフ・オノレ監督が自らの実体験をもとに、父親の急死で傷心を抱えた17歳の青年が初めて訪れたパリでさまざまな出来事を経験するさまを描いたドラマ映画です。主演はポール・キルシェ、共演はジュリエット・ビノシュ、ヴァンサン・ラコスト、エルヴァン・ケポア・ファレ他。オノレ監督自ら主人公の父親役で出演しています。
監督本人の実体験に基づいているだけあって現実味はあるし、しかも赤裸々。感情移入しやすいはずなのですが、何故か全く刺さらず…。
確かに描き方は赤裸々なのですが、家族の絆が美しすぎて自分とは別世界の話のようにしか見えなかったからかもしれません。
もちろん、主人公には同性愛者としての葛藤はあるようですが、あくまで「2020年代のフランス」を舞台にした物語だけあって、その点は大きな問題ではなく、本筋でもありません。
また、亡くなった父親も自分の境遇などに不満を持っていたようですし、主人公が指摘したように単なる事故ではなかった可能性も確かにあるとは思いますが、そこにも深く踏み込んではいません。
何の葛藤も問題もない「完璧な家族」だったということはないと思うものの、夫婦仲も良く、親子兄弟の仲も良いのは間違いなく、それだけに悲劇が際立つし、主人公のショックが大きいのはわかるのですが…。
今さらながら、自分はいわゆる「機能不全家族」のわかりやすい物語にしか共感できないのかもしれないと思い知らされた気分です…。
19世紀半ばに実際に起き、当時イタリアのみならず世界中で論議を呼んだ、ローマ教皇らカトリック教会によるユダヤ人少年誘拐事件を映画化した歴史ドラマ映画です。出演はパオロ・ピエロボン、ファウスト・ルッソ・アレジ、バルバラ・ロンキ、エネア・サラ、レオナルド・マルテーゼ他。
現代の感覚からすれば到底許されない邪悪な事件ですし、19世紀半ば当時ですら、世界中から批判があったにもかかわらず、頑なに少年を返そうとしなかったローマ教皇らの姿はただただおぞましい。
それでも、キリスト教による悪行をきちんと記録に残し、こうやって映画にして後世の人々に伝えるのは本当に大事ですし、決して忘れてはいけないことなのです。
高校時代に出会った夫の浮気で今は別居生活を送っている女性が25年前にタイムスリップし、心は大人のまま高校生に戻って青春をやり直そうとする姿を描いたロマンティック・コメディ映画です。主演はキャスリーン・ターナー、共演はニコラス・ケイジ、ジム・キャリー、ヘレン・ハント、ソフィア・コッポラ他。
現在の記憶を残したまま過去の自分に戻って人生をやり直そうとする内容のファンタジー映画は、この映画が元祖かどうかは分かりませんが、このタイプの「走り」だったような記憶があります。
そんなわけでとても有名な作品なのですが、どうしても食指が動かず、これまで全く観たいと思わなかったのですが、たまたま機会があったので観てみました。
予想よりも「昔は良かった」という安易な過去の美化がなかったのは![]()
ただ、気楽に観られる映画ではあるのですが、拭えない違和感が2つ。
1つは、1954年生まれのキャスリーン・ターナーが、顔も体型も実年齢よりかなり老けて見えるため、40代となった「現在」のシーンはともかく、1960年の高校時代のシーンを特殊メイクをするわけでもなく、「そのまま」の姿で演じているのが、かなり変。ここは「ギャグ」として笑うところなのかもしれませんが、ただ変なだけで全然笑えない…。
もう1つは、将来の夫となる恋人と、どうしても別れたいと思う気持ちは理解できるものの、別れてしまったら、娘や息子の存在が最初から無かったことになるのに、その割に娘や息子と会いたいと願うなど、矛盾しまくっていること自体は、人間心理として理解できるものの、その矛盾について全く言及しない不自然さ。
そんなわけで、どうしても最後まで「しっくり来ない」映画でした。
小津安二郎監督の映画「東京物語」('53) のオマージュで、妻に先立たれた老男性が別々に暮らす子どもたちに会いに行く旅を描いた、ジュゼッペ・トルナトーレ監督によるイタリアのヒューマンコメディ「みんな元気」('90) のハリウッドリメイクです。主演はロバート・デ・ニーロ、共演はドリュー・バリモア、ケイト・ベッキンセイル、サム・ロックウェル他。
惜しいなぁ…。
元のイタリア映画と基本的には同じ内容ですが、シリアス寄りに描いたのは悪くないし、終盤で主人公が真実を知る場面では思わず涙してしまいましたし。
で、そのままオリジナル作品と同じように終わらせれば良かったのに、その後にエピローグ的に追加された場面がまさに「蛇足」。
ハリウッド映画的ハッピーエンドにしたかったんでしょうが、そんな陳腐なハリウッド映画を作りたいなら「オリジナル脚本で撮れよ」としか言いようがない。何のために「みんな元気」をリメイクしたのか…。こういう安っぽい薄っぺらさがハリウッドの致命的にダメなところ。
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急死した吉良上野介の身代わりとなって幕府を騙す使命に挑むことになった弟の僧侶を描いた時代劇コメディです。主演はムロツヨシさん、共演は永山瑛太さん、川口春奈さん、林遣都さん、北村一輝さん、柄本明さん他。
金を多少かけて作った長尺のコント。
と割り切らなければ、とてもじゃないが観られたもんじゃない。
逆に、割り切りさえすれば、これはこれで楽しめるかも。