Marc のぷーたろー日記 -13ページ目

「ワンスモア ダブリンの故郷で」('19)

 

遠距離恋愛の末に別れた恋人と5年ぶりに再会したことで、現在の婚約者との関係をはじめとする自分の人生を見直すことになる若い女性を描いた恋愛映画です。主演はメリット・パターソン、共演はジャック・ターナー、エメット・バーン、ロイシン・オドノヴァン、デヴィッド・ハーリヒイ他。

 

本当によくある話で最初から結末は見え見え。捻りは皆無。

 

それでも、主演二人は美男美女だし、主な舞台となるアイルランドの田舎の景色の美しさのおかげで、少なくともこの手のラブストーリーを好む人たちに向けた作品としては充分な出来でしょう。

 

ただ、邦題だけはありえない。

 

アイルランドが舞台なだけで、首都ダブリンはほとんど全く関係なし。アイルランドが舞台であることを日本人でも一目で分かるように「ダブリン」を入れたんでしょうが、いくらなんでも無理があります。日本の田舎を舞台にした映画のタイトルに「東京」を入れるようなものです。

「トゥルース 真実の行方」('17)

 

水難事故で行方不明となり、遺体が見つからないまま死亡とされた夫を、偶然に目撃した妻が夫の秘密に迫る姿を描いたサスペンス映画です。主演はエマニュエル・ヴォージエ、共演マイケル・シロー、キャメロン・バンクロフト、アヴァ・ダラック・ギャニオン、ダレン・ウォール、アダム・ハーティグ他。

 

事件の真相にしろ、決着のつけ方にしろ、あまりにしょぼくて、ちょっと萎えちゃいましたが、日本でいうところの2時間サスペンスと同レベルと思えば、充分な出来。

 

一連の事件を担当する刑事がストーリー展開に合わせて都合よく無能になったり、有能になったりするのは流石に気になりますけどね (^^;;;

「ホームタウン・ラブ」('20)

 

都会でインテリアデザイナーとして活躍することを目指している若い女性が、故郷の島で実家の宿を継いでいた叔母の怪我をきっかけに一時帰郷したことで、自分自身や恋人との関係を見つめ直すさまを描いたロマンティック・コメディです。主演はモーガン・コーハン、マーカス・ロズナー、共演はブレンダ・マシューズ、エマ・キャム、ジェフ・ゴネック、ブレンダン・テイラー他。

 

どこを取ってもどこかで観たことがあるような平凡な設定とストーリー展開だし、結末も安易で現実離れ。

 

でも、この手の内容は既に一つのジャンルになっているとも言えますし、それを期待する人にはこれでいいんでしょう。日本で言うところの「水戸黄門」みたいなもんです。そう割り切れば、悪い出来ではないです。

 

関連記事

「ディックス!! ザ・ミュージカル」('23)

 

オフブロードウェイの人気舞台劇を原作とし、生き別れた双子の兄弟だと知った2人の青年を描いたミュージカルコメディです。主演はジョシュ・シャープ、アーロン・ジャクソン、共演はネイサン・レイン、ボーウェン・ヤン、ミーガン・ムラリー、ミーガン・ジー・スタリオン他。

 

主演2人による脚本は、どう考えてもクスリでラリってる状態で書いたとした思えないクレイジーなもので支離滅裂。ストーリーはどうでもよくて、ただハイテンションで下品な歌を歌いまくるだけ。

 

ただ、ラストシーンでようやく「意図」は分かりました。

 

このメッセージを言いたいがための作品で、ハイテンションで突っ走って来たおかげで、最後のメッセージのイカれぶりも、その勢いで何となく受け入れてもOKと錯覚させられてしまう…。要は絶え間なく続くイカれた展開で観ている者を狂わせて「洗脳」しようとしてたってこと。

 

でも、それは生の舞台劇なら可能かもしれませんが、映像作品では無理があるし、少なくとも自分は最後まで冷ややかにしか見られませんでしたけどね (^^)

「本心」('24)

 

平野啓一郎さんの同名小説を原作とし、自ら死を選んだ母親の本心を知るために、最新の人工知能で仮想空間上に母親を蘇らせた息子を待ち受ける運命を描いたドラマ映画です。主演は池松壮亮さん、共演は三吉彩花さん、田中裕子さん、妻夫木聡さん、綾野剛さん、仲野太賀さん、水上恒司さん他。

 

「現代のテクノロジーやデジタル社会の功罪を問う」として、故人を甦らせる技術の問題だけでなく、デジタル化に伴う格差の拡大やSNS社会の醜さを描くなど、題材は興味深いし、着眼点も悪くない。

 

が、2時間程度の尺に収めるには盛り込みすぎで焦点が定まらず、しかも基本的に問題を提示するだけなので、消化不良で物足りなさは否めず。

 

期待が大きかったせいもあって、残念な気持ちしか残りませんでした。

「ムービング・ロマンス」('17)

 

契約を切られて故郷に戻ったニューヨークのインテリアデザイナーが、経営難に陥っている実家の引っ越し会社を立て直そうと奮闘する姿を描いたコメディ映画です。主演はアンバー・チルダーズ、共演はキーガン・アレン、ジム・オヘア、ロミー・ローズモント、ウォルター・ペレス、ブレイク・フッド、アマンダ・ペレス他。

 

これまでに何度観たことがあるだろうか? と思ってしまうほど、既視感ありまくりの平凡な設定とストーリー展開ですが、主人公が安易に故郷での暮らしを選択するのではない結末はちょっとだけ現実的でグッド!

 

上手くいき過ぎてはいますが、この手の設定で始めた以上、後味の悪い結末を期待している人は皆無でしょうからね (^^)

「アンダーカバー・エンジェル 守護天使」('17)

 

新たな人生を始めることになったシングルマザーの女性と、彼女が引っ越して来た古い家の改修を請け負うことになったドジな天使を描いたファンタジックなロマンティック・コメディです。主演はキャサリン・イザベル、ショーン・ロバーツ、共演はライラ・フィッツジェラルド、リンダ・ソレンソン、マシュー・マッコール、ジュリアン・クリストファー、ブリット・アーヴィン他。

 

既視感ありまくりの平凡な内容。

 

それでも、頭を空っぽにして気楽に観られる後味のいい娯楽映画としては悪くないです。

 

最初のうちは、天使役のショーン・ロバーツが無駄にガタイがいい上に、どちらかと言えば「悪役顔」なので違和感はありましたが、観ていくうちに、「ゴツい見た目なのにドジで純粋な天使」というギャップ萌えを狙ってるんだと納得。こういう男性に惹かれる人は少なくないでしょうし (^^)

「湖の見知らぬ男」('13)

 

湖のほとりを舞台に、危険な存在と知りながらも、その性的魅力に抗えず、欲望に身を任せてしまう青年を描いた官能スリラーです。主演はピエール・ドゥラドンシャン、共演はクリストフ・パウ、パトリック・ダスンサオ、ジェローム・シャパット、マチュー・ヴェルヴィッシュ他。

 

Wikipedia「湖の見知らぬ男」

 

不思議な映画。

 

観る前は、「愛する人は人殺しなのか?」との疑念と愛の狭間で主人公が苦悩しながら真相に迫るミステリ映画だと思っていたら、全然違いました (^^;;;

 

主人公は、愛する人が人を殺すのを目撃しており、しかも人を殺していながら何の罪悪感も抱かない相当に危険な人物であると知っても、それでも、その性的魅力に抗えず、自分でも抑えられない欲望に自ら翻弄されてしまうという話。

 

危険な相手と知りながらも肉欲に溺れてしまう話自体は定番ですが、それを男女ではなく、男性同士にしたことで、全く違った印象を与えることに成功しています。

 

ただ、結末はちょっと好みじゃなかったかな…。余韻があると言えば、その通りだし、はっきりとオチをつけるのも、世界観と合っていないし、無粋なのは分かるんですが…。

 

と文句を言いながら、「じゃあ、どういう結末だったら良かったのか?」と問われても、代案はないんですけどね (^^;;;

 

ところで、この映画で何より印象的なのは、その赤裸々な性描写。ポルノ的な過剰さはなく、ただただリアルで生々しい。

 

ボディダブルだとはっきり分かっちゃうシーンは映画としてちょっと残念でしたが、それでも、出演シーンの大半を全裸で通した役者陣は見事。

 

ただ、観る人を選ぶ映画であることは確かです (^^)

「奇跡の人」('62)

 

盲ろう者として世界の教育や福祉の発展に尽くしたヘレン・ケラーが、家庭教師アニー・サリバンとの出会いによって人生に光明を見いだすまでの苦難の少女時代を描いた伝記映画です。主演はアン・バンクロフト、パティ・デューク、共演はビクター・ジョリー、インガー・スヴェンソン、アンドリュー・プライン、キャスリーン・カムジス他。

 

Wikipedia「奇跡の人 (1962年の映画)」

 

あまりに有名な作品で内容もよく知っているので、とっくの昔に観たことがある気になっていましたが、よくよく考えてみると、ちゃんと観たことはなかったのでした (^^;;;

 

というわけで、今更ながら観てました。

 

とにかく主演の2人が凄まじい。それぞれアカデミー主演女優賞と助演女優賞を受賞したのも当然。

 

原作である舞台劇から演じ続けている役だけあって、役を完全に自分のものにしている、というよりも「演じている」ことを感じさせない現実味と説得力。

 

そして当時まだ10代半ばだったパティ・デュークには、ただただ驚き。

 

史実では当時ヘレン・ケラーは7歳で、さすがにパティ・デュークではどう見ても7歳には見えませんが、それでも10歳くらいの少女には見えますし、その役へのなりきりが凄まじすぎて、どうしたら10代の若さでこんな風に演じられるんだろうと不思議でなりませんでした。

「ファーストレディ ホワイトハウスの品格」('20)

 

「大統領の妻」ではなく、ファーストレディの役割を職務として引き受けることになった前ファーストレディの奮闘を描いたロマンティック・コメディです。主演はナンシー・スタフォード、共演はコービン・バーンセン、ステイシー・ダッシュ、ジェン・ゴッツォン・チャンドラー、ベンジャミン・デイン他。

 

てっきり大統領を継ぐことになった副大統領との恋愛を描くのかと思っていたら、恋の相手が予想外のところから登場してちょっとビックリ。アイデアとしては面白い。現実味は皆無ですが、おとぎ話と割り切ればアリ。

 

ただ、そのアイデアを充分に活かし切れておらず、この題材ならもっと遥かに面白く出来たと思えて仕方ないのです。

 

ラブストーリーとしてはムードに欠けていて、全然盛り上がらないし、政治コメディとしても悪役がバカすぎて全然笑えないし。

 

とにかく、脚本の練り方が足りなすぎるのです。

 

ナンシー・スタフォードとコービン・バーンセンの2人は役に似合っているし、相性もいいだけに本当に残念でなりなりません。

 

ただただ「もったいない」映画でした。