「帰らない日曜日」('21)
グレアム・スウィフトの小説「マザリング・サンデー」を原作とし、身分違いの秘密の恋に身をささげた孤独なメイドを待ち受ける意外な運命を描いた文芸ドラマです。主演はオデッサ・ヤング、共演はジョシュ・オコナー、コリン・ファース、オリヴィア・コールマン、グレンダ・ジャクソン他。
まさに「文芸作品」。
間違いなくラブストーリーなのですが、恋愛そのものを描いた物語というよりは、1人の女性の人生を決定的に変えた、過去の「運命の恋」を中心に、その女性の人生を描いた伝記のように見えるところが![]()
ラブストーリーとしては切なく悲しい物語ですが、「ラブストーリーのその後」が丁寧に描かれることで後味の良い爽やかな「女の一代記」になっているのがいいです (^^)
「X エックス」('22)
1979年の田舎の農場を舞台に、映画撮影のためにやってきた3組の若いカップルたちが見舞われる惨劇を描いたホラー映画です。出演はミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、マーティン・ヘンダーソン、ブリタニー・スノウ、オーウェン・キャンベル、スティーヴン・ユール、スコット・メスカディ他。
あらすじだけ読めば、よくあるスプラッタ映画そのまま。「都会の若者のグループが田舎にやってきて酷い目に遭う」なんて定番中の定番で新鮮味は皆無。
が、殺人鬼を老夫婦に設定することで別の怖さが生まれているし、その背景に「若さへの妬み」を置くことで切なさを感じさせる部分も。
また、ホラーの名作「サイコ」を想起させる部分や、ある登場人物のラストシーンのセリフにタランティーノ風のユーモアもあるなど、映画ファンをさりげなく楽しませる要素があるのも![]()
当初から三部作を予定しているらしく、第2弾は老婆の若い頃を描くとのこと。今から楽しみです♪
「トジコメ」('22)
引っ越し準備中に食料貯蔵庫に閉じ込められた若い母親を描いたシチュエーションスリラーです。主演はレイニー・クアリー、共演はジェイク・ホロウィッツ、ヴィンセント・ギャロ他。
娯楽映画としては充分な出来。ハラハラドキドキできるし、観終わった後にはそれなりに爽快感があるし。
ただ、愚かな生き方をしていた無力な主人公が、母親として子供たちを守るために強さと逞しさ、勇気と賢さをもって戦えるようになったのは「神のご加護」によるものであることを象徴的に示すために聖痕のようなものをあからさまに登場させるのは、意図はわかるものの「それはもうちょっと匂わす程度でいいんじゃない?」とは思いましたけどね。
また、主人公の元恋人とその友人のクズっぷりはもちろん、そんなクズ男との間に2人も子をもうけた主人公の愚かさに対する嫌悪感がどうしても耐えられず、恐らくもう二度とこの映画を観ることはないと思います。
「ザ・フィクション」('19)
深い雪に閉ざされた邸宅を舞台に、憧れの作家から助手に採用された作家志望の女性が過酷な心理実験の被験者にさせられていくさまを描いたシチュエーションスリラーです。主演はサラ・ガルシア、共演はジョン・カッシーニ、ジュリアン・ブラック・アンテロープ、ジュリアン・リッチングス、キャサリン・ゲル、ジェイソン・シュナイダー他。
よくある「監禁された若い女性の脱出劇」のようでいながら、全く違う展開をしていくアイデアは悪くない。
また、見ているものが現実か妄想か主人公が混乱していくのと同時に、映画を観ている方もわからなくなっていくというのもかなり好み。
でも、違う…。
観たいものはそうじゃない…。
現実と妄想が混じり合っているなど特異な状況なので、一貫性がなくて意味不明だったり、ありえないと思えたりするのは当然なのですが、それでも、ご都合主義感は否めず…。
結末を含め、もう一捻り欲しかったです。
「張込み」('58)
松本清張さんの同名短編小説を原作とし、強盗殺人事件の共犯で逃走中の男の元恋人で今は人妻となっている女と、彼女を見張ることになった2人の刑事を描いたサスペンス映画です。主演は大木実さん、共演は宮口精二さん、高峰秀子さん、田村高廣さん、高千穂ひづるさん、内田良平さん他。
何度も映像化されていて、それはいくつか観たことがありますが、最初の映像化作品である本作は未見。あまりに有名なので何となく大昔に観たことがあったような気がしていたくらい (^^;;;
さすがに今の時代では「ありえない」と感じられる部分も多々ありますが、確かに名作。
主演の大木実さんも熱演していますが、やはり目を引くのは見張られる人妻を演じた高峰秀子さん。あくまで主人公の刑事の目線で描かれるため、登場するシーンは多いですが、そのほとんどのシーンは遠巻きでセリフも少なめ。
それが終盤になって、ようやく本来の姿を見せてからの演じ分けの見事さ!!
この展開があるからこそ、日本の映画史に残る大女優である彼女が演じる意味があったのでしょう。
「顔」('57)
松本清張さんの同名短編小説をもとに、モデルとして成功するために殺人を犯した女性の運命を描いたサスペンス映画です。主演は岡田茉莉子さん、共演は大木実さん、笠智衆さん、森美樹さん、宮城千賀子さん、千石規子さん、小沢栄太郎さん、山内明さん他。
今の時代に観ると、主人公がいろいろと迂闊すぎて「それじゃ簡単に捕まっちゃうだろ」と突っ込みたくなる部分は多いのですが、それでも、原作では男性だった主人公を女性に変更したのは効果的。その後、何度もテレビドラマとして映像化された中に、同じように女性に変更されたバージョンが多くあるのも納得。
そして何より、岡田茉莉子さんの悪女ぶりが![]()
華やかな美貌が大いに活きていますし、とにかく画面映えする美しさ。
彼女の「美しき悪女ぶり」を観るだけも価値がある映画です。
「林檎とポラロイド」('20)
奇病の蔓延で記憶喪失となる者が続出する異世界を舞台に、記憶を失って「新しい自分」となるための治療回復プログラムに取り組むことになった中年男性をユーモアを交えつつ静かに描いたギリシャの人間ドラマです。主演はアリス・セルヴェタリス、共演はソフィア・ゲオルゴヴァシリ、アナ・カレジドゥ、アルジョリス・バキルティス他。
確かにいい映画。
好みの題材だし、映画そのものの作りもかなり好み。
ただ、徐々に明らかになっていく主人公の言動の理由が、とてもとても理解はできるし、もちろん共感もできるのですが、物語としては陳腐に感じられてしまって、観終わった後には少しシラけた気分に…。
あまりにも多くの映画を「観過ぎ」ていると、こういうストーリーを陳腐に感じてしまうのかなと自分自身に対して残念な気持ちになっちゃいました…。
でも、ホントにこの映画自体は「いい映画」だと思うのですよ…。
「エアポート2022 ザ・トップガンナー」('22)
爆弾を仕掛けられた旅客機内で繰り広げられるパニックと、その外で展開するAI搭載無人機と戦闘機によるドッグファイトを描いたスカイアクションです。主演はマイケル・パレ、マイケル・ブロデリック、共演はアンナ・テルファー、ジャック・ピアソン、トリー・リチャードソン他。
頑張ったで賞をあげたい (^^)
リアリティは全くないし、ツッコミどころ満載の脚本で、だから充分な予算を取れなかったのでしょうが、真っ当に撮れば莫大な予算を必要とする脚本を、CGを駆使して低予算で「頑張って」撮ったことがよくわかります。
安っぽい画面でB級感が溢れ出ていますが、それを承知の上で、突っ込みながら楽しむ映画でしょう。嫌いじゃないです (^^)v
「シャドー・ウォー 聖戦」('22)
それが再び現われたとき、この世の定説を覆すと言われる伝説の秘宝アーク(聖櫃)の隠し場所を記した地図を守る一族と、秘密結社との争いを描いた、トルコのバトルアクションです。主演はイスマイル・フィリス、共演はエスラ・ビルギチ、バキ・イルハン、セルダル・デニス、ネヴザト・イルマッツ他。
細かいことを一切気にしなければ気楽に観られる娯楽映画です。
が、とにかく古臭い。
映像のタッチは確かに今風ですが、ストーリーにしろ、演出にしろ、日本やハリウッドなら1970年代のアクション映画のような感じ。
特にオチの付け方が、誰でも予想できるようなベタベタさで、トルコでは今でもこういうのがウケるのかもしれませんが、もうちょっと工夫が欲しかったです。
「映画 すみっコぐらし」('19-'21)
サンエックス社の人気キャラクター「すみっコぐらし」をもとにした長編アニメ映画第1弾と第2弾です。ナレーションは井ノ原快彦さんと本上まなみさん。
可愛らしいキャラクターと愛に溢れるストーリー。
ちょっぴり切なさもありつつも、穏やかな優しい気持ちにさせてくれる世界観に、大人も心を掴まれちゃうのも大いに納得。
ただ、すっかりおじいちゃんになった僕にはキャラクターの描き分けがよくわからず、観ていて「これは誰?」となることが多くて、少々戸惑いました (^^;;;