Marc のぷーたろー日記 -101ページ目

「復讐の荒野」('50)

 

ニューメキシコを舞台に、大牧場主とその後継である娘の愛憎を描いた心理西部劇です。主演はバーバラ・スタンウィック、ウォルター・ヒューストン、共演はウェンデル・コーリー、ジュディス・アンダーソン、ギルバート・ローランド他。

 

Wikipedia「復讐の荒野」

 

何故こうなった???

 

終盤になってヒロインが父親に復讐を始めるところからはバーバラ・スタンウィックらしさが活きているけれど、それまでは気が強いだけのヒロインの「若さゆえの幼稚さ」が物語の中心なので、とっくに40歳を過ぎていた彼女が演じるのはあまりに変。

 

そして致命的なのはヒロインが一目惚れしちゃうイケメン役をウェンデル・コーリーという華のない地味な非イケメンが演じていること。他にいくらでも二枚目俳優はいただろうに、どうして彼を起用する必要があったのか本当に謎。

 

とにかく、物語としては悪くないのだけれど、キャスティングのセンスがあまりにずれまくっていて、説得力の全くない長尺のコント(しかも全く笑えない)にしか見えませんでした。

「truth〜姦しき弔いの果て〜」('22)

 

堤幸彦監督の通算50作目となる自主製作作品で、交通事故死した男の葬儀後に彼の部屋に集まった3人の女性によるワンシチュエーション会話劇です。主演は広山詞葉さん、福宮あやのさん、河野知美さん、共演は佐藤二朗さん。

 

面白くなくはないのだけれど、どこをとっても古臭い…。

 

脚本は女性ですが、原案も監督も堤幸彦さんというベテラン。

 

男に都合が良すぎる話で、個性の異なる3人の女性も類型的。

 

作品そのものの出来はともかく、「古臭いおじさんの妄想」としか思えないストーリーや演出が気持ち悪くて仕方ありませんでした。

「私だけ聴こえる」('22)

 

耳の聴こえない親を持つ、耳の聴こえる子ども「コーダ(CODA:Children Of Deaf Adults)」の苦悩と葛藤を描いたドキュメンタリー映画です。日本映画ですが、主にアメリカのコーダの若者たちを描いています。

 

聾者ではないので聾者の家族とも真の意味でわかりあうことが難しく、かと言って物心がつく前から聾者の中で育ったために聴者の世界にも馴染めない。そんなコーダならでは疎外感や孤独感が強く胸に迫ってくる映画でした。

 

もちろん、コーダに限らず、家族とも世間とも馴染めずに生きている子供はいくらでもいると思うのですが、それでもこういう子供たちの存在をまずは「知る」だけでも意味は間違いなくありますし、こういったことの小さな積み重ねによって世の中は(ほんのわずかでしかないかも知れませんが)良くなっていくんじゃないかと思います。

 

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「ロスト・レオナルド〜史上最高額で落札された絵画の謎〜」('21)

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の傑作とされる「サルバトール・ムンディ」をめぐる様々な騒動を描いたドキュメンタリー映画です。出演はダイアン・モデスティーニ、イヴ・ブーヴィエ、マーティン・ケンプ、エヴァン・ビアード、ロバート・サイモン他。

 

Wikipedia「サルバトール・ムンディ」

 

「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」('21) と基本的には同じ内容。

 

しかし、「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」が「サルバトール・ムンディ」の真作性をほぼ完全に否定しているのに対して、本作は真作の可能性も、ないとは言えないレベルのごくわずかではあるものの、残しているのが特徴的。特に、真作であることを固く信じている修復師の女性を好意的に描くことでその印象を強めています。とは言うものの、あれだけボロボロだった絵を「修復」のレベルを超えて「上書き」した本人の言葉なんて全く信用できませんけどね。

 

その一方で、莫大な金額にまで値を釣り上げた関係者の嘘や欺瞞については「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」よりも具体的な証拠をもとに詳細に紹介しており、ドキュメンタリー映画としてはこちらの方が真摯な作りに感じられました。

 

いずれにせよ、同じ年に公開された、この2本のドキュメンタリー映画はどちらか一方ではなく、両方を観るべきだと思います。

 

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劇場版「銀河鉄道999」('79)

 

松本零士さんの同名人気SF漫画の劇場版第1作です。声の出演は野沢雅子さん、池田昌子さん、肝付兼太さん、麻上洋子さん、井上真樹夫さん、田島令子さん、富山敬さん、城達也さん他。

 

Wikipedia「銀河鉄道999 (アニメ)」

 

テレビシリーズはよく観ていたし、この映画もテレビ放送時に観ているはずなのですが、久しぶりに観てみたら、有名なラストシーン以外、全く覚えておらず、ほぼ初見 (^^;;;

 

今の時代に観ると、キャラクター造形など古臭さは否めませんが、それでも1979年のアニメーション映画としては作画レベルがとても高いし、ストーリーもうまくまとまっていてグッド!

 

本来は短編の連続で構成すること前提としている物語なので、漫画連載やテレビシリーズには向いていますが、2時間程度の映画にするには相当に無理があります。そのため、この映画において個々のエピソードが薄味になってしまったのは否めませんが、それでも松本零士作品らしい情感溢れる「詩」の世界を実にうまく表現しています。

 

劇場公開当時、大ヒットしたのも当然の名作であることを、40年以上が過ぎた今になって確認した気分 (^^)v

「レンブラントは誰の手に」('19)

 

17世紀オランダの画家レンブラント・ファン・レインの絵に魅せられた人々が織り成す人間模様を描いたオランダのドキュメンタリー映画です。出演はヤン・シックス、エリック・ド・ロスチャイルド他。

 

様々な人々の「レンブラント愛」が紹介される前半、そして莫大な金が動くことによる美術館同士、美術商同士の確執が描かれる後半。確かに面白い構成のドキュメンタリー映画で、その出来は悪くないです。

 

が、平民の自分とはあまりにかけ離れた世界の話で全く入り込めず…。

「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」('21)

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の傑作とされる絵画「サルバトール・ムンディ」をめぐる騒動を追ったドキュメンタリー映画です。出演はロバート・サイモン、ルーク・サイソン、マーティン・ケンプ、スコット・レイバーン、イブ・ブーヴィエ他。

 

Wikipedia「サルバトール・ムンディ」

 

面白かったぁ (^O^)

 

てっきり「サルバトール・ムンディ」は本物ということで確定しているものだとばかり思っていたのですが、よくよく考えたら、もし本当にダ・ヴィンチの作品なら、とっくにどこかの著名な美術館に収蔵され、一般公開されているはず。それが正体不明の金持ち(サウジアラビアの皇太子らしい)の所有になっていて、詳細な行方は不明という時点で「怪しい」わけですよね (^^)

 

それに、修復前のボロボロの状態だった時の写真を見てしまうと、修復後の姿は「修復」ではなく、修復師がダ・ヴィンチ風に「上書き」しただけにしか見えず、その時点でもはやダ・ヴィンチの作品ではなくなっているわけですから。

 

また、ダ・ヴィンチ本人の作品ではなく、ダ・ヴィンチの工房の作品、つまりダ・ヴィンチの弟子の作品という説は、ルネサンス期の絵画としては大いにありうる話でかなり説得力があります。

 

ただ、この映画は確かに「サルバトール・ムンディ」の真贋論争についても多くの時間を割いていますが、それよりも「サルバトール・ムンディ」をめぐる莫大な金銭のやりとりを中心に描いており、美術品売買の世界の異常さや醜さを白日の下に晒しています。

 

美術品売買の世界では、実は作品の真贋はどうでもよく、「本物のように思わせる世の中の空気」さえあれば充分だということ。その意味では「サルバトール・ムンディ」を「発見」した美術商やその後の売買に関わった人たちの企みは大成功だったわけです。その手腕は見事としか言いようがないです。

 

それにしても、そんな醜さ丸出しの人間たちがこの映画に堂々と顔と名前を出して出演しているのには本当にびっくり。恥知らずとはまさにこういう人たちのことを言うんでしょう。本気で本物だと信じているのかもしれませんが、彼らの言動からすると、偽物だとわかっていてシラを切っているようにしか見えないんですよね (^^)

「ポイントブランク〜標的にされた男〜」('14)

 

フランス映画「この愛のために撃て」('10) の韓国版リメイクで、ぬれぎぬを着せられて追われる元傭兵と、彼を治療したために事件に巻き込まれる医師、彼らを追う謎の組織の攻防を描いたクライムアクション映画です。主演はリュ・スンリョンさん、イ・ジヌクさん、共演はユ・ジュンサンさん、チョ・ヨジョンさん、キム・ソンリョンさん、チョ・ウンジさん他。

 

輝国山人の韓国映画「ポイントブランク~標的にされた男~」

 

リュ・スンリョンさんのファンでありながら、何故か見落としていた本作。

 

充分に楽しませてもらいました (^^)v

 

「この愛のために撃て」が面白かったので、基本的に同じ内容で大きな改変がなくても面白いのは当然なのですが、それでも韓国映画らしいテイストもちゃんとあってグッド!

 

それにしても、改めてリュ・スンリョンさんのカッコよさに痺れちゃいました (^O^)

 

コメディが抜群に上手く、素顔も陽気なイメージで、いわゆる「イケメン」俳優ではないのですが、それでも、こういう男臭いハードなバイオレンスアクションがハマる渋いカッコよさがあるんですよね (^^)

 

とにかく「カッコいいリュ・スンリョン」を観たいファンにはお勧め (^^)v

 

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「波止場」('54)

 

ニューヨークの港を舞台に、マフィアのボスに立ち向かう1人の港湾労働者を描き、アカデミー賞で作品賞など8部門の受賞を果たしたドラマ映画です。主演はマーロン・ブランド、共演はエヴァ・マリー・セイント、カール・マルデン、リー・J・コッブ、ロッド・スタイガー、パット・ヘニング他。

 

Wikipedia「波止場 (映画)」

 

若い頃に観て感動し、強い印象が今も残っている本作。本当に久しぶりに全編を通して観てみました。

 

万事解決でないのはともかく、実際には何も解決していないのだけれど、それでも希望を感じさせるエンディングはやはり今観ても心が震えます。

 

ただ、年を重ねた今観ると、その「希望」ですら、少々「綺麗事」に見えてしまうところはありますけどね (^^;;;

 

そして、若い頃に観た時と同様、今回も最も印象に残ったのは主人公の兄を演じたロッド・スタイガーの演技。

 

実年齢では弟役のマーロン・ブランドより年下で、撮影当時はまだ20代だったのですが、とてもそうは見えない貫禄。お世辞にも善人ではない悪党だけれど、それでも弟を愛する気持ちだけは本物。有望なプロボクサーだった弟のキャリアを、ボスの命令とは言え、潰してしまった罪悪感など、複雑な内面を説得力のある演技で見せていて実に見事。本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、後に名優となる足がかりとなったのも納得。

 

また、ロッド・スタイガーとともにアカデミー助演男優賞にノミネートされたカール・マルデンとリー・J・コッブも持ち味を活かした役柄で強い印象を残しています。

 

ただ、アカデミー助演女優賞を受賞したエヴァ・マリー・セイントは、演技自体は的確で文句はないのですが、役柄が完全な男性目線で描かれた、男性に都合がいいだけのキャラクターなのが、当時としては仕方ないとは分かっていても、今の時代に観ると残念ではあります。

「地獄の黙示録 ファイナル・カット」('19)

 

ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作とし、舞台をベトナム戦争に変えて翻案した叙事詩的戦争映画「地獄の黙示録」('79) の最終編集バージョンです。主演はマーロン・ブランド、マーティン・シーン、共演はロバート・デュヴァル、デニス・ホッパー、フレデリック・フォレスト、サム・ボトムズ、ローレンス・フィッシュバーン、ハリソン・フォード他。

 

Wikipedia「地獄の黙示録」

 

1979年のオリジナル版よりは30分ほど長く、2001年の特別完全版よりは20分ほど短いバージョン。

 

オリジナル版は30年以上前に観ているのですが、その際は眠気との戦いで精一杯で内容はほとんど全く覚えていません (^^;;;

 

ですので、オリジナル版との違いも分かりませんし、実質的に初見 (^^)

 

が、やはり今回も眠気との戦いに終始 (^^;;;

 

一応ストーリーはありますが、映画自体はストーリーを見せるよりも、「狂気」をストレートに延々と見せ続ける「異世界不条理ファンタジー」であり、しかも観念的なセリフやモノローグが多いので、これは寝るなという方が無理というものでしょう (^^;;;

 

それでも、ヴィットリオ・ストラーロ撮影の映像は美しいし、出番は少ないのに圧倒的な存在感を見せるマーロン・ブランドは印象的だし、映画自体の評価が高いのは納得できるんですけどね (^^)