新年ソーシャル・キャピタル研究会やります
寒い日が続きますが、
みなさま、いかがお過ごしでしょうか
寒さに比例して頭の働きもすっかり鈍い
石川でございます。
今月末の1月27日(金)晩に、岩間夏樹先生を囲む
「ソーシャル・キャピタル研究会」を開催します
1周年を迎えた本研究会は、第5回を迎えます
今回のテーマのうちの一つが、
「再帰的近代化論とソーシャルキャピタル論との接点」です。
“再帰的近代化論”とは、著名な社会学者の
ウルリヒ・ベックやアンソニー・ギデンズらが提唱する概念です
というわけで、
この日本語からでは意味がつかみづらい理論を咀嚼するべく、
まず私が手に取った本は、ベックの
『 世界リスク社会論 ‐テロ、戦争、自然破壊‐ 』です。
ドイツ語原文を和訳した著作ゆえか、
決してわかりやすい文体ではありませんが、
内容にはふむふむと頷けます
読み始めてすぐに、刺激的な言葉がいくつも出てきました。
“不安共同体”、“戦争の個人化”などです
現代社会は思った以上にどえらいことになっているぞ!
っという衝撃を受けつつ、
興味のある方は、調べたり読んだりしてみてくださいね
岩手紀行 おまけ
岩手県で宿泊先に決めたのが、志戸平温泉。
私にとって初めてきいた温泉名でしたが、花巻温泉郷のなかの一箇所です。
大船渡の友人Sちゃんに、
「大船渡は意外に雪が降ることは少ないのだけれど、花巻あたりは雪深い場所ゆえ覚悟して行くように!!!」
と忠告をいただき、また、旅行日程の前しばらく降雪が続いており、公共の交通機関が乱れている模様でしたので、
考えられる限りの雪国仕様の車の装備&身支度をしました。
実は、中野、SAJスキー連盟の検定で1級所持者。
つまり、雪国にはけっこう通ったクチであります('-^*)/
なので、雪に接する心の準備はほどほど理解の範囲。
28日水曜日の明け方、地元から岩手に向かいました。
2人の運転で、途中休憩を挟みながらも明るいうちに宿につく見込みが立ちましたので、
世界遺産となった平泉に立ち寄る余裕ができました。
平泉の中尊寺最寄駐車場で車を降り、ひんやりした空気の中を参道へと歩くと、
一面雪の道。
一歩一歩、キュッキュッっと、懐かしい、質のよい雪を踏みしめる音を確かめながらのぼり、
やがて本堂へ。
お参りをしてふと横を見ると、餅つきの光景が。
食べ物には目のない中野、
吸い寄せられるように傍らに行くと、
「醤油がいい?あんこがいい?」
と一人一人に尋ねながら
「はい、口あけて~」
と、つきたての餅をそのまま絞りながら参拝者の口々に放り込んでくださっていました。
思わず、童心に返って大口を開け、思いがけない果物のゲット
楽しい時間、中尊寺の餅つきに携わる方々とお話している時、
大変美味しいつき具合に
「コネがいいですねーーー」
と、PTAでの餅つき経験を交えて話しましたら、
「じゃあ、一釜つきます!?」
と言うことで、参加しました連れ合いが。
私はというと、献上の(?)や
をいただきながら、高みの見物
かくして、世界遺産、中尊寺のお供え餅をつくと言う名誉な機会に遭遇し、
岩手入りは始まりました。
花巻に入ったところ道路の除雪は万全で、スタッドレスタイヤは不要かと思われました。
そして、一泊目は夕刻には雪がちらちらと舞っていて、露天風呂からの眺めは非日常満喫でした。
宿泊2日目の晩、やはり雪が舞い始め、
食事時にレストランのスタッフの方にゆっくり時間を過ごさせていただいてよいかどうか伺い、
厳しい寒さゆえの、
軽やかで美しい縦横無尽の雪の舞を心ゆくまで眺めながら、
これまた非日常のゆったりとした時の流れの中で食事を楽しませていただきました。
スタッフの方々の配慮はそれはもう見上げたもので、
食事の時間、一緒に場面作りに参加してくださり、
不特定多数に当てはまるマニュアルの実践ではない、
今対面しているお客様との時間の共有の中で考えられる最良のサービスの提供をしていただいていると感じられました。
また、私たち以外、誰もいなくなってしまったにもかかわらず、
周辺テーブルの食後の片づけをなさらずに、私達の時間を尊重してくださっていました。
これは、青森の「鰐カム」の理念に共通する『おもてなしの心』だと思います。
もちろん、食事を終えて、スタッフの皆様方には丁重にお礼申し上げて食事どころを後にしました。
さて、その翌日の朝。
駐車場はもちろん、我家の車のフロントも屋根も、雪が10センチ以上積もっていました
関東の常識から、出かけるには相当の時間がかかると思いきや、
ワイパーを動かしたら、一瞬でフロントの雪は吹き飛びました!!!
さすが、上質のパウダースノー
スタッドレスタイヤにも感謝しつつ
車の屋根の雪は大事に乗せたまま、一路家路へ...。
なーーんてことはせずに、道中那須高原の道の駅などで地域の買い物を楽しみつつ
大掃除を後回しにした我家へ向かったのでした。
中野
被災地支援の仕方について思うこと。
寒中お見舞い申し上げます
相変わらず至りませんが、本年も宜しくお願い申し上げます
さかのぼっての話となりますが、
暮れに2泊で岩手を訪問して参りました。
といっても、視察なんて立派な大儀はなく、訪れることでささやかながら地域支援に繋がればという思いで温泉で寛ぐゾっとの意気込みと、
発災後に数回被災地の方々に支援物質を届けた際、物資を提供させて頂いた先の一箇所、
大船渡のおさかなセンターの担当者の方に、大変な一年、地域の為に様々な尽力をいただき、お疲れさまでしたとの気持ちで、お訪ねすることが目的の一つでした。
物資の支援の際、担当の方と何度となくメールを交わしながら個人的な話も交えて喘息仲間であることが判明したり、
一升瓶仲間になりましょうと持ちかけた経緯もあり、話を実現したいとの背景もありました。
海にすべてを持ち去られた記憶の光景を失ってしまった大船渡や陸前高田のような場所と、
何もかもが存在するにもかかわらず自分のものが自分のものでない福島の広い地域の方々、
たくさんの支援の形があり、
どのようにそれらが実り、効果的な作用をさせることができるのか、
コーディネーター的役割りの必要性を感じます。
一層広く緊密な学際的なNPOなどが活躍できるよう、環境整備が望まれます。
地域の皆様は、本当に強い底力で頑張ってお出でです。
このままではいない。
今頂いている支援を胸に抱き、いつか自分たちが支える立場になれるよう力をつけるのだ
との気概の声も伝わってきて、
私自身もともに進んでゆく力を備えなければと認識を新たにしました。
一方、
政治面は迅速な対処をしているとは言いがたく、地域のグランドデザインが先延ばしになっている現状に被災地のかたがたの困惑も伝わってきました。
いろいろなお話をするなかで、今の段階でどのような支援が必要とされているのか私が感じたことは、
・個々のニーズに差異の大きい今、一律の物質の提供は必ずしも費用に見合った効果を見込むことは難しいのではないか、
・必要なのはモノが供給されることよりも個々の家庭が力を付け、経済的に自立した中で家庭のニーズの優先順位を検討して自力で物質を調達する過程が、地域を構成する最小単位のそれぞれの家庭に意欲と喜びをもたらし、尚且つ地域経済活性を促すのではないか、
そのためには、当初から言われていることですが、仕事が必要です。
だから、物品であれ、サービスであれ、
私達個人の被災地の経済活性に資する購買行動は、直接的に大きな支援に繋がるものと考えられます。
また、地域を訪ね、その地を楽しむことも経済面のみならず地域の大きな活力となることでしょう。
これらは、継続的であることが必要です。
その一方で、教育や能力開発に対する優先順位は家庭ごとの事情をはさむ分野とせず、
ここに支援を厚くすることで
地域のみならず日本の将来を担う子ども達が等しく力を伸ばす機会が与えられるような方向が望ましいと考えられます。
とにかく、この大変な経験を無駄にしてはいけない。
私がささやかな支援活動に携わっている時、
様々な事情からちょっと組することはできない、、、との感想を下さった方もお出でです。
私は、それなら協力できる!とのお考えの方々の力を合わせたまでです。
他にもたくさんの方法がありますし、
これと言って出来ることがないのだけど、、、
と思う方々だって、今自分が直面する現実を誠実に乗り越えることそれ自体が、
めぐりめぐっていろいろな作用につながると思います。
今の自分の生活を一生懸命に生きる
これも支援の一形態だと感じた次第です。
中野