「時間は貴重だーむだにするな!」の意味するもの。
はぴママLIFEコンサルタントワークショップデザイナーちえぞーです。ひょんなきっかけで、本棚から取り出して、少しずつ読み進めている本があります。大好きな本です。その本の名前は『モモ』もう、20年ものです。今日読んだ部分が、うまく言葉にはできないんだけれど、とっても心に刺さったので、長いですが、ところどころ引用します。あなたは、何を感じますか?六章 インチキで人をまるめこむ計算(前略)「あなたははさみと、おしゃべりと、せっけんの泡とに、あなたの人生を浪費しておいでだ。(中略)ようするにあなたが必要としているのは、時間だ。そうでしょう?」(中略)睡眠 441,504,000秒仕事 441,504,000〃食事 110,376,000〃母 55,188,000〃ボタンインコ 13,797,000〃買物ほか 55,188,000〃友人、合唱ほか 165,564,000〃秘密 27,594,000〃窓 13,797,000〃合計 1,324,512,000〃(中略)「この合計がつまり、あなたがこれまでに浪費してしまった時間なんです。」(中略)「こんな調子でやっていてはいけないと思いませんか、フージーさん?倹約をはじめようという気持ちにはなりませんか?」(中略)「時間の倹約のしかたくらい、おわかりでしょうに!たとえばですよ、仕事をさっさとやって、よけいなことはすっかりやめちまうんですよ。ひとりのお客に一時間もかけないで、十五分ですます。むだなおしゃべりはやめる。年よりのお母さんとすごす時間は半分にする。いちばんいいのは、安くていい養老院に入れてしまうことですな。そうすれば一日にまる一時間も節約できる。それに、役立たずのボタンインコを飼うのなんか、おやめなさい!(後略)」(中略)彼が倹約した時間は、じっさい、彼の手もとにひとつものこりませんでした。(中略)彼の一日一日は、はじめはそれとわからないほど、けれどしだいにはっきりと、みじかくなってゆきました。(中略)時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、だれひとり気がついていないようでした。じぶんたちの生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっていることを、だれひとり認めようとはしませんでした。でも、それをはっきり感じはじめていたのは、子どもたちでした。というのは、子どもと遊んでくれる時間のあるおとなが、もうひとりもいなくなってしまったからです。 けれど、時間とはすなわち生活なのです。そして生活とは、人間の心の中にあるものなのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。(『モモ』ミヒャエルエンデ作・大島かおり訳 岩波書店 79ページ~95ページ)※本文の雰囲気を壊さないよう、改行、略表記を加えました。