2022年 日本

原作:島崎藤村

監督:前田和男

脚本:加藤正人 木田紀生

出演:間宮祥太郎 石井杏奈 矢本悠馬 眞島秀和 田中要次 七瀬公

 

【我は穢多なり。されど我は穢多を恥じず】

 

これを観て、遠い昔に穢多非人の話を泣きながらしてた社会の教師がいたことを思い出した。

 

【我は穢多なり。されど我は穢多を恥じず】

は有名な文言なので、ここだけ耳にしてる方は多いと思います。

 

藤村が33才の1905年(明治38年)の作品で、物語は明治37年の設定なので当時の現代作になります。

触れてはいけないような事を題材にした、衝撃作とか問題作だったんじゃないかと推測します。

 

冒頭に【全国水平社創立100周年記念映画】と表示が出ます。

1922年の【水平社宣言】と呼ばれるものをご存じでしょうか?

300年以上にも及ぶ差別と迫害を受け続けた被差別部落の方々が、差別からの解放を高らかに宣言した歴史に残る日から100年目の節目に、実に素晴らしい作品を残してくれました。

1948年版、1962年版と過去にも映像化されてますが、100年のタイミングで映像にしてくれた東映さんに拍手と感謝です。

 

 

ーーー信州・飯山町ーーー

物語はお金持ちの老人(石橋蓮司)が宿屋に滞在していたが、老人が穢多だと分かり追い出され、罵声や投石されたりの騒動から始まります。

宿屋の女将は塩を撒いて、畳替えをするからと間借りしてた地元小学校教諭の瀬川丑松(間宮祥太郎)にも出ていって貰います。

実はその丑松も被差別部落出身なのです。

 

1871年(明治4年)に穢多非人の称は廃止され平民同様(四民同様)と布告されてから33年経ちますが、もう普通に穢多です。

そりゃあそうでしょう、大正15年の関東大震災の福田村事件でも穢多ですもん。

 

もっと言うと、昭和33年の狭山事件は警察が被差別部落の男性を犯人に仕立て上げた冤罪事件ですし、昭和29年の島田事件も警察が軽度知的障碍の男性を犯人に仕立てました。

昭和でも部落や障碍者は差別の対象で、令和の今でもYouTubeには「部落出身の有名人」とか「ここの住所は昔は部落」など出てきます。

これだけ土地開発されて街化して何十年も経ってるのに、その住所は昔は部落という古い情報が何の役に立つんでしょうね。

なので、明治37年なんて差別が現在進行形で当たり前な時代背景です。

 

丑松は少年の頃に部落を出ます。

父(田中要次)からの最後の教えは、

「世に出て身を立てるには、ここにも帰らず部落民だと口外するな!」

「この戒めを破れば社会から捨てられる!」

「誰も信じるな!誰も心を許すな!何があっても隠し通せ!」

 

丑松はこれを強く守り、勤勉し教師となりました。

でも、部落出身を隠してる引け目で明るい人生は送ってません。

心の拠り所は穢多の作家で活動家の猪子蓮太郎(眞島秀和)の本を読むことでした。

 

宿屋から蓮華寺という寺に下宿先が決まり、寺の住職夫婦(竹中直人・小林綾子)の養女の志保(石井杏奈)と出会い、互いに惹かれますが丑松は距離を置きます。

 

同じ職場で師範学校からの付き合いの土屋銀之助(矢本悠馬)は丑松を「親友」と言ってくれますがどこか一線を引いてます。

 

日々、苦悩を抱えながらも受け持ちのクラスの生徒たちには平民も部落も関係なく平等に優しく教えを説きます。

子どもたちには平等の精神を教えますが、生徒間でも身分による関係性は生じているのです。

 

この作品の間宮祥太郎さんの芝居が序盤から実に惹き込まれます!

ヤンキー役ばかり見てたので、【魔法のリノベ】でこういう役いいじゃん!と思い、

【全員死刑】でまたヤンキーで、【変な家】でまたいいじゃん♪

結構見てきましたが丑松が1番良かった。

 

間宮さんだけじゃなく、子役に至るまで演者さん全員の演技力の高さと、原作に沿った脚本なのでとても素晴らしい完成度です。

男闘呼組の高橋和也さんも良い味出してました^^

この方も巧いです。

小林綾子さんも達者ですね^^

懐かしいし。

「おしん」は観てないけど。

 

それと、喋り方が昭和初期の映画っぽいのも良いです。

ゆりあんレトリィバァの上手なネタみたいな。

そして、とても言葉が美しい。

日本語って美しいし、美しい日本語を私たち大人が継承しなくちゃ勿体無いなと思えました。

ギャルタレの言葉の汚さも面白いけど、中年以降で汚い言葉は品も無ければ頭悪そうなので気を付けようと(^^;)

 

この作品は小・中学校で子どもたちにも是非観せてあげて欲しいです。

 

 

そんな控えめに生きてきた丑松ですが、出身地と苗字から「部落出身では?」という噂が上級国民教師の勝野文平(七瀬公)から広まり更に苦悩します。

そして、ついに父からの禁を破り、親友の銀之助に出自を伝えます。

このシーンも良かった!

隠してきたことを謝罪し頭を下げる丑松に、逆に傷付けてきたことを詫びて今後を心配する銀之助。

それまで銀之助は穢多に対する人格否定を普通に発言してたので手のひらを反すんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、自称「親友」を謳ってただけあって、丑松に対する好意は変わりませんでした。

銀之助役の矢本悠馬さんは1番喋り方が時代っぽかったですし、やはり矢本さんは巧い^^

 

そしていよいよ物語終盤での猪子蓮太郎の演説シーンです。

出ますよ名言が!!!

会場からは野次が飛び交いますが、ビックリするほど野次が巧い!

てか、野次まで巧い作品です!!!

映画はこうでなくちゃ♪

 

【我は穢多なり!されど我は穢多を恥じず!!!】

 

もう鳥肌です!!!

さすがの眞島さんです^^

これ、1番重要な台詞ですもん!

ここヘボだと作品台無しです!!!

眞島さ~~~ん❤❤❤

 

それに衝撃を受ける丑松の全身から感動が溢れます!!!

その姿にこちらが痺れます!!!

間宮さ~~~ん❤❤❤

 

が、その夜、猪子は殺害されてしまいます・・・

 

丑松は悶絶の末に決意します。

朝、教室に入ると、

「今日は皆さんにお話しがあります」

丑松は生徒たちに出自を明かします。

最高の名シーンです!

静かに静かに語ります。

余計な音楽などありませんし必要もありません。

極限まで抑揚を抑えつつも心に響く語りです。

もう、涙・涙の名シーンです。

 

私は間宮祥太郎という役者を甘く見てました(><)

 

学校を辞め、リヤカーに荷物を積み蓮華寺を去る丑松。

東京で新たな人生を歩むのです。

駅までの道中に銀之助が志保を連れて現れます。

実は志保は勝野から丑松の身分を聞かされていました。

それでも丑松を想う心に変わりはなく、共に歩むことを願います。

 

生徒たちにも見送られふたりは歩き出します。

その後ろ姿は小さくなっていき、やがて見えなくなりジ・エンドです。

 

 

【破戒】良かった・・・

「戒めを破るな」と教えた父に背き破るので【破戒】ですが、出自を明かせない苦悩を間宮さんが見事に演じてました。

志保に心を寄せるも距離を置き、焦がれる心をひた隠し志保の名前を呟やく・・・

 

出自故に寡黙な役柄ですが、心の内の表現力に陶酔できました。

 

 

さて、あなたは差別をする人ですか?

出自は大切ですか?

障害者は必要ないですか?

高齢者は無駄ですか?

犯罪者の子どもは悪ですか?

 

差別は今も蔓延してます。

家族で観て欲しい作品に【破戒】はお勧めです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1月18日~23日までシネマート新宿にて再上映

18日は主演の森山未來さん、佐藤江梨子さん、監督の井上剛さんが登壇されました。

神戸で登壇した後の新宿です。

チケットは即完だったので、アナログで時代に付いて行けてない私が買えたのは奇跡でした(;^_^A

 

【その街のこども】は阪神・淡路大震災から15年の節目にテレビドラマで制作されたものです。劇場版は↓↓↓

 

*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*

 

2011年 NHK

阪神・淡路大震災から15年 特別企画ドラマを未公開シーンを加えて劇場版にしたもの

 

演出・監督:井上剛

脚本:渡辺あや

出演:森山未來・佐藤江梨子・津田寛治・神戸市民の方々

 

*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*

以前書いたあらすじ・感想はこちら

↓↓↓

【その街のこども 劇場版】脚本が酷すぎる薄っぺらい作品~感想とあらすじ~ | ポヨの映画館

 

監督の井上さんは、震災のど真ん中の作品を作りたかったそうです。

それを聞いて、すぐに「あたしら震災のど真ん中におったからの~」の神戸市民のおばあちゃんの台詞が浮かびました。

 

この言葉、おばあちゃん台詞で言ってたのか!?

すごく自然で、実は私の中で強烈に心に響いたのです。

 

でも、佐藤江梨子さんが劇場版の台本を持参して、ドキュメンタリー風に作らてますが「台本です」と仰ってたので台本かな。

 

そっかー、台本だったのかー( ノД`)

本当に申し訳なかったな↑の感想。

 

脚本がガチでしっくりこなかったので、重要なベース以外の会話はふたりに任せてる?

なんて考えがよぎりましたが、台本だと知りホッとしました(^^;)

 

「カバン!」や「ありがとう」が無いのは台本だからです。

佐藤江梨子さんの性格ではありませんでした。

ごめんなさい。

【夫婦善哉】の金八さんとか凄く良かったです。

【タクシー】も^^

 

脚本家も役者も一般人も日々成長。

渡辺あやさんの作品はWikipedia見たら、この作品と【エルピスー希望、あるいは災いー】しか観てませんでした。

【エルピス】は大絶賛です!!!

3回観ました。

まだ観れます。

 

この2本しか知らないので小声になりますが、

なぜこれだけ個々の人物の心情や背景を書ける方が、この作品ではムリクリ感満載なの!?

なぜ横柄なヒロイン設定にしたの!?(貰いタバコの喫煙シーンとか)

色んな注文が多くて雑になった?

もうちょいやりようあっただろうに(^^;)

 

森山未來さんはめっちゃ魅力的に演出されてます。

終盤、ベランダから手を振るおっちゃんに、佐藤さんに代わって森山さんが手を振りますが、

極寒なのに森山さんはジャケットのフードをおろして手を振るんです。

若いのにちゃんとしてるなー

 

演出・監督は井上さんです。

 

 

佐藤江梨子さんお綺麗ですね^^

ゆっちのお父さん役(おっちゃん)の白木さんは「1・17希望の灯り」の代表をやられてましたが、この撮影の後に亡くなられたそうです。

 

密度の濃いお話が聞けました^^

 

 

 

コロナ禍前まで、年1か年2で集まってた女子会ですが、数年振りの開催です。

もう20年以上の付き合いでしょうか^ ^

 

今回は日本大通りのフレンチでノンアルで8000円くらいでしたが、昔は子どもの教育費などでとてもそんな贅沢は出来ず2〜3000円のランチがメインでした。

子育ても終わり、夜にフレンチに集まれるようになれたことが感慨深いもんです。

 

ノンアルでも話題が尽きないのが女子会w

加齢も加わり、抜け毛が増えた、薬が増えた、体重が増えたや、大谷翔平が女子アナに引っ掛からなくて良かったなどなど話が途切れることがありません♪

 

きっと、おばあちゃんになっても付き合ってる関係でしょう♪

 

 

 

 

 

2021年 TBS 日曜劇場

脚本:森下佳子

出演:綾瀬はるか 高橋一生 柄本佑 溝端淳平 迫田孝也

 

なぜ今更?

なのですが、毎週楽しみに観てたドラマでして、U-NEXTでも3~4回観ました。

何度観ても泣けるのが東朔也(迫田孝也)の存在です。

 

双子の弟の日高陽人とは対照的に、離婚した父に引き取られた朔也は優しさ故に、自分を犠牲にして最期まで父の面倒をみます。

 

このドラマは脚本がとても素晴らしくて、男女の入れ替わりもそうですが、双子の兄弟も兄と弟が逆だったら、兄の朔也は弟の陽人になってたかも知れないのです。

太陽のように明るい人生を歩んだ陽人、月が欠けた夜空ように暗い人生を歩んだ朔也・・・

 

 

幸せとは言い難い暮らしでしたが、優しさを失わず真面目に働いてたのですが、権力によって濡れ衣を着せられ解雇され、更には末期のすい臓癌で余命半年に復讐魔となります。

 

その朔也が自分の死に場所に選んだのが奄美大島です。

奄美大島は物語の中でとても重要な場所なのですが、苦難の人生を歩んだ朔也の最期の願いを叶えて欲しかった私は、

「お願い!奄美で死なせてあげて(><)」

お願い!お願い!と祈りましたが、奄美の地を踏むことなく朔也はフェリーの中で亡くなるのです・・・

 

私はとても涙腺が弱くて、泣いてる子を見るだけで泣けてきます。

きっと病気なんだと思います。

だから、引きずらないハッピーエンドが好きなの。

 

とても面白いドラマでしたが、案の定、朔也を想い痛い心を引きずったのですが、これは割と早く治りました^ ^

 

なんと!次の日曜劇場の【マイファミリー】でシュっとした役で登場したのです!

「サクヤぁ〜〜〜!!!」

「あ〜!良かった〜♪」

 

それからは観るドラマ観るドラマに迫田さん出てるんですよw

【魔法のリノベ】【競争の番人】【エルピス】【松本清張と帝銀事件】【VIVANT】【正直不動産2】【花咲舞が黙ってない】【アンチヒーロー】

もう迫田さんフィーバー状態ですw

 

そして、遂に【全領域異常解決室】では迫田さん✨神✨になりました✨✨✨

 

あの不幸しか背負ってないようなサクヤが神ですよ!!!

もぉ〜感慨深いです(><)

 

色々な役柄も変化があって、今度はどんな役だろうとワクワクします^ ^

 

「今回サクヤはどんな役かなぁ〜♪」

「いい人かな♪悪い人かな♪」

 

サクヤが生まれ変わったようで、迫田さんを見る度に嬉しくなる私なのでしたw

 

 

【追記】12月14日

なんか、迫田さん振られる予感がする(−_−;)

1000年間、生まれ変わる度に押しの一手で結婚してた広瀬アリスさんだったけど、どうも今世は藤原竜也さんっぽいぞ〜🌀

 

ライバルが藤原竜也じゃね〜💦

 

期待薄だけど、今世も結婚できるように私は応援してますからねw

 

【追記】2025/08/10

2026年【全領域異常解決室】が映画になります✨

続編あるような最終回でしたが映画ですかぁ〜😊

早く来年来い♪来い♪

 

 

 

 

 

 

 

遠い昔の話です。

 

私の中学卒業と高校入学の間の休み期間に、母の友人宅に「お祝いをくれる」ということで1泊で行きました。

私は絶対「金だ✨」と思い、まぁ子どもの頃から知ってる母と同じ歳のおばちゃんだしで行きました。

 

そしたら、お祝いに【ノエビア65】だか、【ノエビア60】なる基礎化粧品のセットをプレゼントしてくれたのです。

おばちゃんはノエビアの販売員だったのです。

 

実は、この時まで私は全くニキビや吹き出物とは無縁でした。

 

同級生からは「ポヨちゃん子どもなのよ」とか言われ、ニキビのひとつも作ってみたいもんだと思ってました。

 

そして、ついにその日がきました!

おばちゃんからもらった基礎化粧品を使って、顔にボツボツが出来ました!

「私もこれで大人の仲間入り♪」

と喜びましたが、日増しに酷くなります。

 

これはヤバい!となりましたが、もっとたっぷり使わないと!と思ってしまい、せっせと貰ったノエビアを使ったら益々悪化してしまいました。

製品のせいとは思わなかったのよね・・・

 

 

その頃には高校1年で、横浜駅ビルのシャルでバイトしてたのですが、バイト先のおばちゃんが私の肌を気にして、シャルの中に入ってるレブロンの「無料メイク&コスメ体験」みたいなチケットくれたんです。

 

凄く嬉しくて!早速バイトが終わってから行きました^ ^

多分、学校の帰りだと閉店までなので、日曜か祝日か夏休み系とかでしょう。

 

とりあえずバイトで貯めたお金を持って、ドキドキしながら無料チケットを渡しました。

 

どういうシステムか全く分からずですが、最初からバカにされた雰囲気はありました・・・

そりゃ16歳の小娘ですもんね・・・

仕方ないですよ。

 

マッサージチェアみたいな椅子に座らされ、通り行くお客さんに見えるように基礎化粧から始まりメイクまでの行程で、レブロンのスタッフさんが3人いましたが笑ってるんですよ・・・

 

「それ酷いんじゃないのw」

「おもろw」

 

そんな会話に、「おもちゃにされてるんだろうな・・・」「来なきゃ良かった・・・」と泣きそうになりました・・・

メイクの最中にクスクス笑われてるんですよ・・・

 

 

仕上がったメイクは【おてもやん】でした・・・

私に鏡を見せた時、私も【おてもやん】にビックリしたら、それにスタッフ3人が大爆笑です・・・

 

でも、基礎化粧品セットは当時で27000円でしたが買いました。

それを使い、使い切る頃には超良くなって!高いけどレブロン良い!と体感はしたけど、シャルでは買いたくないし、ネットも無い時代なのでコスメ難民であれこれ使ってて、最終辿り着いたのはアムウェイでした。

それも20代だけどね。

アムウェイは私をおてもやんにして遊ばないじゃん。

それからずっとアムウェイ。

 

アムウェイに比べたらカネボウ安い!

継続出来る価格です^ ^

 

それと、販売業の人に言いたいのは、若い子もいつかお客さんです。

バカにした態度は止めた方が良いです。

 

私、玉川高島屋のGUCCIのお店に行って、母から渡されたギフトカードの買い物で、

「予算3万円で男性向けのプレゼント探してるんですが」

に、今でも忘れられない素敵な対応をされました。

 

GUCCIで3万円は当時はカード入れでした。

 

バカにもされず、GUCCIにしてはたった3万円の買い物に丁寧に付き合ってくれた対応をずっと忘れません。

 

16才の時の横浜シャルのレブロンの経験が、私から「無料」の魅力を無くしたのは今では感謝です。

 

 

 

 

 

鳥肌が立ちました。

凄いCMです!

 

美しく荘厳で衝撃でした。

 

これ企画・原案した人凄いです。

久しぶりにCMで感動しました^ ^

 

森山未來さんの表情に注目です。

こんな表情ができる人はそうはいないと思います\(//∇//)\

 

【追記】11月10日

 

買っちゃいましたw

ついでにアイライナーとマスカラも♪

 

現場が溝の口だったので、前日に調べたらカネボウがマルイに入ってて、昼休みにバタバタと買いに行きました!

 

オマケも付いて得した気分ですが、美肌カウンセリングチケットは使うことはないでしょう。

なぜなら私は筋金入りのインドア人間で、映画や観劇以外でのお出かけは必要不可欠を除きほぼ皆無だからです(^^)

おうち大好き❤

 

来月もノクチの現場が予想されてるので、また昼休みにアイブロウとパウダーとアイシャドウをバタバタと買いに行こう笑

 

次回作にも森山未來さんの起用を切にカネボウさんに願い、私の中で是非シリーズ化して欲しい作品と思えるCMとなりました♪

でも、今回を超える作品となると難しそうだけど・・・

 

慌ただしい買い物なのに、カネボウのスタッフさんプロの対応でした^ ^

同時に、美容部員の方ってアイラインが上手だと感心しました。

ついメイク見ちゃうんだけど、私はメイクはバッチリ派なんですが、長年リキッド使ってるけど日々ムラがあって、上手くいかない時もあるんです😭

 

今度、その辺の話もしたいなー

小休憩の30分と昼休憩の60分と合わせて90分の休憩にする手段もあるので(真剣

 

私、美容部員には10代の頃にイヤな経験があるので、メイク体験とか美肌カウンセリング系とか一切避けてきましたが、もういい歳なのでそんな事はないですよね。

 

あぁ・・・

イヤなこと思い出しちゃた・・・

 

【追記】11月28日

こんな表情って出来ます?

もうたまらない❤️

 

【アンダードッグ】

2020年 日本映画

監督:武正晴

原作・脚本:足立紳

出演:森山未來 北村匠海 勝地涼 瀧内公美 二ノ宮隆太郎 水川あさみ 柄本明

 

【チャンピオン】

1978年 日本歌謡

作詞・作曲:谷村新司

歌:アリス

 

*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*

 

【アンダードッグ】とは、ボクシングに於ける「噛ませ犬」という意味だそうです。

前編・後編とあり、約280分なのでとても丁寧に作らてて、主要キャストさんたちの心情がとても深掘りされてるので観てて非常に辛くなります。

なので、この映画の感想は中々書けずにいました。

 

掴みかけたチャンピオンの夢から地の底まで落ちた末永晃を森山未來さんが演じてますが、この役は森山さんだから演じられた役だと思います。

喜怒哀楽の【哀】が演じられる役者さんて意外に少なくて、【悲】は演じられても【哀】ってどうですか?

森山未來さんて瞳で【哀】が表現できる方で、末永晃は【哀】に包まれてる男なので

物語が進むにつれ、こちらの心が抉られていくのです・・・

 

だからこの作品は尾を引いてしまい、ずっとずっと辛いのです。

それは、ボクシングにいつまでもしがみついてる晃を見限って別居した妻(水川あさみ)が育ててる、晃とのひとり息子の太郎(市川陽夏)の心情に寄り添ってしまったことも多分にあります。

太郎はボクサーとしては終わってる父ですが、いつかチャンピオンになると信じて心底父を尊敬してる子でした。

 

母には新しい男がいて、その男と結婚したく晃に離婚届けを突き付けますが、

太郎の母に対する気遣いは「遠慮」です。

生活を支えてるのが母なので従いますが、太郎は尊敬する父と母が復縁して欲しいのです。

でも、例え父がチャンピオンになったとしても、既に愛する男がいる母は寄りは戻さないでしょうが・・・

 

他にも、晃は風俗の用心棒でデリヘル嬢の送迎などで生計を立ててますが、嬢(瀧内公美)が娘を虐待してて、最後は崖から落とすとか・・・

晃が助けて死なずには済んだけど、どちらの母親も「男」が絡むと「女」になる典型的パターンなのです。

 

この作品を観てたら、元フライ級王者の渡辺二郎さんが浮かびました。

その頃のワイドショーで、ボクサー経験者は用心棒で雇われるとか言われてました。

渡辺二郎さんも用心棒されてたんでしたよね。

 

 

そして、「噛ませ犬」と化した晃に対して、昔を知ってる人は罵声を浴びせます。

言ってる方にも【哀】があるんですよ。

 

そのひとりが大村龍太(北村匠海)で、児童養護施設出身で、子どもの頃に慰問で訪れた晃のボクシング指導で、反抗的な龍太は軽く晃にのされ、以来、不良行為など経てボクサーになりました。

 

その龍太と晃が闘うのです。

 

私の頭の中に【チャンピオン】が流れました。

 

ーーー獣のように挑戦者は襲い掛かる若い力でーーー

龍太はまさに若い力です。

 

もうこれは負けて終わりだ・・・

そう思いました。

勝てるわけがないと・・・

ストーリーとしては負けだよなと・・・

 

観客席には太郎と晃の父(柄本明)もいます。

太郎のためにも勝って欲しいけど、絶対負けるわ!!!

 

そう予想しつつ、ここから凄い試合が始まるのですよ!

ーーー圧巻の!!!ーーー

 

太郎の前で勝って欲しいけど、勝ったらストーリーがおかしくなるよね!?

え!?・・・もしかして勝つんじゃね!?

勝ったら〆がまとまらないよね!?

勝っても巧くまとめてるの!?

マジで勝って!!!

 

負けると思ってたのに、あれ???勝つ!?勝つの!!?

この期待感が憎い(><)

憎すぎる!!!

 

エンドロールでは、生活スタイルを変えたであろう晃が、チャンピオン目指して走り込む姿が流れます。

その諦めない姿に感動して終わります。

 

がっ!!!

私はやっぱり勝って欲しかったのです・・・

素晴らしい試合でしたが、太郎の前で勝って欲しかった・・・

 

それで、車を運転しながら泣くのです・・・

どうしても悔しくなってしまい泣くのです。

 

私がハッピーエンドが好きなのは、後を引きずらないでいいからなのです。

「あー良かった♪」

で、スパッと終われるじゃない。

 

晃はすっかり前向きになった様子のエンドロールなのですが、

 

私はやっぱり太郎の前で勝って欲しかった!!!

 

色んな想いを残しつつも【アンダードッグ】は名作中の名作と言える作品でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

今月、渋谷パルコで3日間開催されるのですが、私は17日(日)しか空いてなくて、争奪戦に参戦しましたが敗北しました・・・

 

リセールで買えないかと調べましたが、チケット販売直後にもう出品されてるんですよね。

9000円のチケットが15000円とかで・・・

転売目的ってことでしょこれ・・・

 

トラブルも多いし、こういう転売サイトで高く買うと転売ヤーは止めないよ?

だから買っちゃダメだと声を大にして言いたい!!!

 

で、私は正攻法でチケットぴあのリセールに登録しました。

 

コロナ禍前までは私は良くライブに行ってたのですが、フリーランスの下請けなので

休みが不安定です。

いつもチケットはリセールを利用してて、寧ろリセール以外で買ったことがないです。

 

今回も最後まで諦めず、チケットぴあからのメールを待ち続けます。

 

【追記】

1枚もリセール無く時は過ぎました・・・

今回は映画ではなく、【SIMURAbros】さんという、ごきょうだい(姉弟)の映像作品を観てきました。

世界的に活躍されてる、映像芸術のアーティストさんで、2018年の銀座で開催された展覧会の中のひとつの作品に森山未來さんが出演されたのですが、その貴重な30分の映像を観ることができました。

 

森山さんの舞いと水の屈折の美しい映像でした。

 

 

上映会後に森山未來さんとのトークセッションがあるのですが、勿論私はこちらが楽しみでチケットを取りました。

 

ところが、行ったら誰もいないので、とりあえず椅子にでも座ろうとしたら、

目の前に森山未來さんが椅子に座ってるではありませんか!!!

「マジか!?」

「顔小っちゃ!!!」

 

何やらスマホゲームでもしてるようで、両手の親指を高速で動かしてました(笑

 

せっかくなので近くで眺めていたら、施設の関係者が階段から降りてきて、

すくっと立って「こんにちは」と挨拶するのですが、その身のこなしの美しいこと!

椅子から立って振り返るという、この単純な動作に「美しさ」があるのですよ!

 

実は、お酒好きな未來さんに渡せたらいいなと、ちょっといい純米酒を持っていきましたが、ひとりで結構な荷物の量だったので遠慮しました。

個人事務所なので、基本ひとりで動くのかな。

 

終わってから、未來さんの座ってた椅子に記念に座ろうと思ったら先客がいたので写

真だけw

この黒い人のところに未來さんが座ってました♪

 

ちなみに誰もいなかったのではなく、もう既にみなさん会場前で並んでて、

私は違う会場の方をチェックしてたのでした(;^_^A

結果オーライ♪

 

2012年 日本映画

監督:高橋伴明

脚本:林民夫

原作:江宮隆之「白磁の人」

出演:吉沢悠 ぺ・スビン 酒井若菜 石垣佑磨 大杉漣 手塚里美

 

浅川巧は兄の浅川伯教と共に朝鮮民芸・陶芸の研究家として名を残しましたが、朝鮮を緑にする為の植林事業に力を入れてました。

23歳で故郷の山梨から実兄の伯教の住む朝鮮半島の京城に移住し、兄と共に白磁の美しさに魅了され、40歳という若さで亡くなるまで朝鮮に身を置き、朝鮮人と日本人の交流に尽力しました。

韓国の山と民芸を愛した日本人としてお墓も韓国にあります。

 

時代背景は朝鮮が日本の統治下で、官憲が絶対権力を持って支配してた頃です。

浅川巧は朝鮮人を差別する人ではなかったですが、日本人ということで逆に嫌われていたし、官憲からは朝鮮寄りの態度が嫌われて、事ある度に暴行されます。

その官憲の腹立たしいことったら!

 

明治から戦前が時代設定の邦画で、官憲が紳士的なんて皆無ですよね。

権力と暴力で、強きを助け弱きを挫く縦社会で、上の者にはトコトン媚びへつらい、

下の者だと平気で命も奪う。

そして、下の者は更に下の者に刃を向ける。

現代にも蔓延るイジメの構造じゃないでしょうか。

 

事実関係は不明ですが、劇中での浅川巧は発達障碍が見受けられます。

夢中になるとちょいちょい他が見えなくなる無邪気さを吉沢悠さんが好演されてます。

 

 

ーー1914年(大正3年)ーー

浅川巧(吉沢悠)は林業の仕事で、先に朝鮮で教師をしてる兄夫婦と母の住む朝鮮へ移住します。

兄の伯教(石垣佑磨)の趣味の陶芸品の数々の中にある白磁の壺を見て、その温かい美しさにすっかり魅了されます。

※伯教は1919年に教師を辞め、芸術の道に進みます※

 

翌朝、職場への初出勤で路面電車に乗ってると、停車駅でひとりの軍服の男(小宮・堀部圭亮)が乗車し、座席に座ってる杖の老人をどかして自分が座ります。

一番弱そうな相手をわざと選んだのでしょう。

巧はその老人に自分の席を譲ります。

「カムサハムニダ」

老人の言葉が通じない巧に、隣の青年が「ありがとう」と教えます。

 

小宮は朝鮮人に親切にした巧にケチを付け、巧は小宮に反論して次の駅で降ります。

小宮は蛇のように巧を睨みます。

 

【朝鮮 林業試験場】

ここが巧の職場で朝鮮人も多数雇用されています。

まず所長の野平(大杉漣)に挨拶します。

野平に、朝鮮の山は風化しやすい風土の上、ロシアや清国からの侵攻で山林が伐採されたことで赤茶けた山になってると教えられます。

 

試験場では木の苗が育てられ、ある程度成長すると山へ移植されます。

その責任者の町田(田中要次)によると、今の朝鮮に必要なのは木だと言います。

家や家具を作るにも、温突(オンドル)を燃やすのも全部木だからです。

 

ここで、巧は電車で「ありがとう」を教えてくれた青年チョンリム(ペ・スビン)と再会します。

同じ職場だったのです。

 

チョンリムの日本語を褒めると、

「私たちは日本語を話すよう強く指導されています」

巧は、朝鮮人だけに日本語を強制させるのは不公平だから、僕にも朝鮮語を教えて欲しいと願います。

「ありがとうも分からないなんて恥ずかしいよ」

 

そして、ノートに書いた単語を発声して日常的に練習を始めます。

発音の違いを陰でバカにする朝鮮人も多いですが、チョンリムは巧の姿勢に惹かれていきます。

 

チョンリムと山で種拾いに散策すると山は思ってた以上に荒廃してて、その理由は侵攻もあるが、それ以上に日本の乱伐の方が大規模だったことを知ります。

 

朝鮮寄りに見える巧に町田は説教します。

「朝鮮は自力では近代化にはなれなかった!」

「鉄道も下水も日本が敷いたんだ!」

※140年程昔のイザベラ・バードの旅行記で、朝鮮はどこもかしこも糞尿まみれ         で、不潔で汚い国だったと記されてたそうです※

※電気もそうですし、近代化させたのが日本なのは事実ですよね※

 

巧は実母にも、日本人と朝鮮人は理解し合えないと言われてしまいますが、それでも朝鮮語の勉強を続けます。

 

そんな中、山で拾った朝鮮産の種が発芽し、巧とチョンリムは抱き合って喜びます。

そのひとつをチョンリムの家の庭に植えます。

大きく成長する頃には世の中が良くなってるように願いを込めて。。。

 

     *

 

ーー休日ーー

チョンリム家の庭では、チョンリムの1歳の長男の誕生日を親戚も集まりお祝いです。

巧が祝いの品を持って現れます。

「無断でごめんね」

チョンリムは快く巧を迎え入れますが、周りは微妙です。

巧は白磁の器にキムチを入れ、日常的に白磁を使ってることに感激します。

 

帰宅すると、美術評論家の柳宗悦(塩谷瞬)が来てて、伯教の白磁の壺に感銘します。

伯教は、白磁を見ると弟が浮かぶと言います。

3人は、日本と朝鮮は芸術で親交できるのではないかと語り合います。

 

     *

 

日本から親友の朝田政歳(市川猿之助)から手紙がきます。

朝田の姉のみつえ(黒川智花)を嫁にくれるとあります。

兄夫婦と母の住む家の近くに家を借り、みつえとの結婚生活が始まり、

1年後には長女の園絵が誕生します。

チョンリムは昆布を持って祝いに駆け付けますが、朝鮮人嫌いの母はチョンリムに心無いイヤミを言い放ちます。

 

巧と親しくしてるチョンリムは、巧の知らないところで「日本人の犬」と同胞に蔑まされます。

同じ職場で親友のチョンスは、

「闘う時がきたら一緒に闘おう!」とチョンリムを誘います。

 

その日がきます。

ーー1919年3月31日ーー

反日独立運動で「独立万歳!」のデモ行進に日本軍は武力で鎮圧し、チョンスは撃たれ死亡します。

朝鮮人の反日感情は増々膨らみます。

日本の武力行使に巧は涙を流し胸を痛めます・・・

 

浅川家の前の道路をチョンスの葬儀の列が通ります。

巧は参列のチョンリムにお悔みの声をかけようとしますが拒絶されます。

 

     *

 

翌日、職場に行くとチョンリムは解雇されていました。

巧が町田に激しく抗議して睨み合いになります。

解雇の理由はデモで死んだチョンスの友人だからです。

上からのお達しなのです。

 

朝鮮をないがしろにする日本のやり方に納得できない巧は、翌日からパジチョゴリ(男性用のチョゴリ)を着て出勤します。

途中、軍とすれ違い小宮にボコボコにされます。

 

仕事の帰りにはチョンリムの家を訪ねます。

「自分だけが朝鮮人の味方のつもりですか?」

「確かにあなたは朝鮮を理解しようとする数少ない日本人のひとりだ」

「でも、朝鮮人の服を着て、朝鮮語を喋ってもあなたは朝鮮人ではない!」

「私の友を殺し、私の国を踏みにじる国の人間でしかありません!」

それでも巧は以後、パジチョゴリを着続けます。

 

     *

 

職場では今度は町田がチョンリムを連れて所長に抗議です。

「人がいなきゃ木は育たないでしょ!!!」

 

チョンリムが復職したことで、巧は町田に謝罪します。

 

     *

 

巧家では、元々体の弱いみつえが死期を察し、娘の園絵に巧の面倒を託します。

その時の夕日の美しいこと美しいこと。

そしてみつえは山梨の実家で巧に看取られ息を引き取ります。

※ここの場面展開は無駄がなく、観てる側にすんなりと状況が理解できる手法となっ     てます※

※恐らく朝鮮にはみつえを診てもらえる病院がないのと、最後は日本で看取ってあげ     たかった心情が伝わります※

※たった数分で葬儀まで映像に載せてます※

※神憑りなシーンです※

 

     *

 

朝鮮では巧はこのまま日本にいるだろうと噂されてましたが、葬儀を終え、巧は再び朝鮮に戻ります。

日本に帰国したことで、発芽しても育たないのは土が原因に気付いたのです。

これが成功します。

それは朝鮮の種は朝鮮の土で育てるという、とても単純なことでした。

 

この頃、所長は野平から町田になりました。

 

     *

 

ーー1923年9月1日ーー

ーーー関東大震災発生ーーー

 

朝鮮人虐殺のニュースは巧の元へも親友の朝田からの手紙で伝わります。

同様に、日本に渡った何千人もの同胞が日本人に虐殺されたことを知った民衆の決起集会などが起きます。

日本に対する感情はもはや憎悪しかありません。

 

カフェテラスでは小宮が部下に、

「朝鮮人の虐殺は自業自得で、寧ろ今まで甘やかしてきたのがいけない」

などと豪語します。

それに食ってかかるパジチョゴリの巧だが、またもボコられてしまいます。

 

日本人と朝鮮人が分かり合う日なんて見果てぬ夢なのか・・・

 

     *

 

チョンリムは、柳宗悦と浅川伯教が建設中の【朝鮮民族博物館】に展示する為の陶磁器を、朝鮮人の家を一軒一軒リヤカーで廻り集めます。

その様子をひとり息子のインファが見つめます。

反日感情は爆発寸前なのに、父の行動がインファには理解できません。

 

「お父さんは親日みたいだけどあなたは?」

亡きチョンスの妹のジウォンがインファに問います。

「僕は日本人が1番嫌いだ!!!」

 

     *

 

ーー2年後ーー

柳の紹介で大北咲と巧は再婚します。

 

咲と初めて迎える正月。

朝鮮の子どもたちにお年玉を配る巧。

お金持ちでもないのにと咲は呆れます。

 

雨の日には野菜売りの婆さんの野菜を高く買う巧。

路上の乞食にお金を恵む巧。

更にその乞食を役所に連れて行き、職探しまで手伝います。

 

     *

 

「インファに何をやらせる気だ!」

「あいつはまだ子どもだぞ!?」

ジウォンに詰め寄るチョンリムがいます。

「闘う志に年齢は関係ないわ」

※インファは12~13歳です※

 

     *

 

【朝鮮民族博物館】が完成しました。

チョンリムのおかげで沢山の陶磁器が集まりました。

これで白磁は貴重な美術品として後世に残ります。

 

ーー開館時間ーー

博物館建設に協力してくれた朝鮮総督府の加藤が現れます。

 

加藤が館内に入ると、館の窓から爆弾を投げようとするひとりの少年。

ーーインファですーー

寸前でチョンリムが爆弾を取り上げインファを逃がします。

導線には既に火が付いてます。

 

チョンリムは博物館から必死に走って、離れたところで自爆を覚悟しますが、爆弾は爆発しませんでした。

 

チョンリムは加藤の警護の警官たちに捕まり収監されます。

巧が刑務所に行っても面会すらさせて貰えません。

 

ーー1年後ーー

柳宗悦が加藤に土下座して、ようやく面会が許されました。

 

チョンリムは、最初からそうする為に巧に近付いたと言い張りますが、それは息子に累が及ばないようにです。

 

そして、巧はチョンリムが自分と博物館を守ってくれたことに気付いていました。

 

     *

 

ーー2年後ーー

雨の中の移植の作業中に巧は倒れます。

急性肺炎で余命1ヶ月もないと宣告されます。

 

巧は最期の願いをふたつ頼みます。

 

ひとつはチョンリムへの面会

柳・伯教・町田で加藤に談判します。

 

車椅子にパジチョゴリで、チョンリムと最期の面会です。

「最期にどうしても言いたかった・・・」

「君と初めて会った時に教えて貰った言葉・・・」

「カムサハムニダ」

号泣するチョンリムです。

 

そしてもうひとつ。

それはチョンリム家の庭に、17年前に植えた落葉松の木を見ることです。

 

あの時、この木が成長する時には世の中が良くなってることを願いましたが、17年経ってもそれは叶いませんでした。

 

落葉松の下で寝そべり、土を触り、微笑みながら巧の命は消えました。

 

自宅の布団で横たわる巧の周りを家族や町田が囲みます。

朝鮮の土になりたいというのが巧の希望ですが、母は朝鮮人の方が受け入れてくれないのだから日本に埋めた方がいいと言います。

園絵は、父が朝鮮人の為に良き朝鮮にしようと生きてきたのに、それが朝鮮人に分かって貰えなかったことが悔しいと泣き出します。

 

すると、庭先から声がします。

「棺を担がせて下さい」「棺を担がせて下さい」「棺を担がせて下さい」

庭には沢山の朝鮮の人たちが、巧に世話になった人たちなどが溢れています。

 

巧の棺の列は長蛇となり、朝鮮総督府の加藤もその参列に頭を下げてくれました。

 

だが、その参列に小宮が現れ、参列の朝鮮人を殴ります。

※どこまでもクソだなこいつは※

 

     *

 

大人になったインファは父に手紙を送ります。

父には感謝してますが、やはり日本人は許せません・・・

 

     *

 

ーー1945年8月15日ーー

日本の敗戦で朝鮮は日本統治から解放されました。

35年振りに自国を取り戻したのです。

そして、同時に日本人への報復が始まります。

「小宮を殺せ!!!」

小宮は外に引き摺り出されこん棒で滅多打ちにされます。

 

日本人の住居は襲われ殺害される日本人。

 

巧の家にも暴徒化した民衆が侵入しますが、そこに白髪になったチョンリムが現れます。

日本敗戦で釈放されたのでしょう。

 

「この家は浅川巧さんの家です!!!」

 

それを聞いて、民衆たちは頭を下げて去って行きました。

 

チョンリムは自宅へ戻り、落葉松を見つめます。

そして寝そべって土を触ります。

 

     完

 

浅川家が朝鮮に尽くしてきたことはちゃんと民衆に伝わっていたんでしょう。

襲撃に遭わず全員無事で、咲と園絵は終戦後に帰国し、柳宗悦さんのはからいで日本囈館で居住しながら28年間も働いたそうです。

 

伯教は1946年に帰国し、私蔵の工芸品3000点と陶片30箱を民族博物館へ寄贈したそうです。

 

柳宗悦さんて面倒見の良い方だったんですね。

 

皆さん天寿を全うされました。

 

 

最後の襲撃ですが、35年間の恨みです。

敗戦を予期して事前に帰国した日本人もいたので、アンテナって大事ですね。

帰国できずに取り残された日本人は、今度は立場が逆転して苦労したことでしょう。

1946年には数千人の日本人が処刑された通貨事件とか起きてますし。

(一説には3000人とか・・・)

 

やったらやり返されるのが世の常。

争いはしないのが1番です。

正しい戦争なんてどこにもないんだから。

 

それにしてもむかつく小宮ですが、堀部さんてこういう役がホント巧い!

ネチネチと執念深く底意地悪い役w

正義のヒーローよりよっぽど難しい役柄だと思うし、観てて心底腹が立つし、

最後にボコられてる姿にスカッとしたって、堀部さんの演技力があってこそです。

小宮がいたから物語に入り込めました。

 

朝鮮総督府の加藤さんて、多分「金子文子と朴烈」の水野錬太郎役のキム・インウさんじゃないかしら。

クレジットがハングル語なので確認できずですが、そうだと思う。

ホントに素敵な演技力の役者さんです。

 

「金子文子と朴烈(パクヨル)」

「福田村事件」

「菊とギロチン」

「道~白磁の人~」

関東大震災朝鮮人虐殺事件に関連する作品を紹介しましたが、真の日韓友好は100年は先じゃないかと思いました。

 

根が深すぎます・・・