2018年 日本映画
監督:瀬々敬久
脚本:相澤虎之助 瀬々敬久
ナレーター:永瀬正敏
出演:木竜麻生 東出昌大 寛一郎 韓英恵 山田真歩 大西礼芳 井浦新 山中崇
実際に実在した女相撲と無政府主義結社の「ギロチン社」を用いたフィクションですが、まぁ~良く出来てます。
色々と巧い!
ラストシーンも非常に良かった!!!
どっぷりと作品の中にのめり込めました。
惜しむらくは東出さんのモノローグがヘタクソなだけ!
この時代、女は生を受けた時から弱者です。
主人公のともよ(木竜麻生)も実姉が赤ちゃんを残し亡くなったので、代わりにともよが後妻に入りますが、夫の定生(篠原篤)は暴力でともよを支配します。
ともよの顔はいつも腫れててアザや傷が絶えません。
強くなりたい!強くなりたい!
そう思う日々に女相撲の興行が来ます。
お金は無いので帳壁の隙間から覗き見です。
強い女たちの取組に夢中になってると地震が起きます。
ーーー帝都から50km、関東大震災の余波ですーーー
その日もともよは定生に激しく暴行されます。
定生の目を盗んでひとり家を飛び出し、女相撲に駆け込みます。
そして【花菊】と命名され厳しい修行に励むのです。
ーー9月20日 大阪ーー
実業同志社の講演会の講堂で、理事の森本一雄(宇野祥平)に金銭をせびる「ギロチン社」のアナキストたち。
リーダーの中濱鐵(東出昌大)が屁理屈を並べ、同志は包丁をちらつかせます。
だが、森本はビビることもなく背を向け歩き出す。
肝が据わっているようで、本気で刺す度胸が感じられなかったのでしょう。
それでも急に振り返り、「2万円は無理だけど」といくらか渡し、「残りは今度」
と【男と男の約束】をします。
※何か企みがありそうですな※
このギロチン社、メンバーみんながどこかを首になってるので名付けた結社ですが、
活動資金は【リャク】(略奪のリャク)で、資本家たちにせびって集めてますが、
その殆どは酒と女に溶かします。
森本からリャクした金で早速遊女とベッドで戯れる中濱ですが、いいところで親友の古田大次郎(寛一郎)が飛び込んできます。
「大杉さんが・・・死んだ・・・」
ーー何だと!?ーー
古田が手にしてる号外を奪い見ると
【甘粕憲兵分隊長 大杉栄を刺殺す】とある。
※甘粕事件です※
崇拝する【労働運動者】の大杉の死に復讐を決めるが、当の甘粕は逮捕されてるので、甘粕の17才の弟を殺害することに。
※弟関係ないじゃん!※
だが、包丁で襲いかかるもコッソリ警護してた警官に取り押さえられ失敗。
実はこの数日前にも紡績会社の重役を拳銃で撃つが、それは別人だったという誤射事件を起こしてた。
※どうも単細胞の集団らしい※
ーー10月16日 小坂事件ーー
銀行の行員が運ぶ現金を奪おうと襲撃するが、古田が誤って行員を刺殺してしまう。
しかも奪ったカバンの中の現金はたいした額ではなかった。
※計画性0の無能集団らしい※
そしてアジトがバレ、中濱と古田以外の殆どのメンバーが逮捕されます。
※ブレーンがいない結社だもんね※
梅毒でちんこが痛い中濱ですが、古田に皇太子暗殺を宣言します。
※↑ひとつも成功してない事実を顧みなさい!※
ふたりは大阪を逃れ東京に向かいます。
*
稽古に励む花菊ですがつわりが起きます・・・
*
ーー船橋ーー
在郷軍人会の飯岡(大西信満)が、同じ在郷軍人や農民相手に自警団は皇軍だと発破をかけるが、そこに警察署長の丸万(菅田俊)がやってきて「自警団は解散だろ!」と怒鳴ります。
震災から一ヶ月以上も過ぎて、朝鮮人虐殺で諸外国から批判が出てるというのに、
どんなに説明しても飯岡は朝鮮人や社会主義者の震災後の反乱がデマだったことを信じません。
※バカなんですね※
*
この船橋で女相撲の興行が始まります。
宣伝で太鼓を鳴らしながら女力士たちが村中を歩きます。
みんな女相撲に興味津々です。
宣伝が終わると設営です。
花菊がノボリを立ててると、体の小さい小桜(山田真歩)がやってきて、
「月のものはきてる?」
うつむく花菊にアボカドのようなものをあげます。
※これが何なのか調べても分かりませんでした※
「子どもなんか堕しちまいな」
「面倒なんて捨てちゃえばいいのさ」
小桜が去ると、花菊は唐突に海の方に走り出し、しゃがみ込んでおしっこをします。
気が緩んだのか、小桜から貰ったソレをおしっこの水溜まりに落としてしまいます。
「あ゛ぁ゛~~~!!!」
その声に、近くで釣りをしてた古田大次郎が花菊を見ます。
古田と目が合い、慌てて逃げる花菊ですが、古田は花菊が落としたソレを拾って追いかけます。
※おしっこが付いてるけど※
が、逃げた先は海で、もう逃げ場のない花菊は古田に相撲でぶつかり倒します。
「何すんだよ!?」
花菊は夫が連れ戻すためによこした男かと思ってましたが違いました。
古田がソレを渡してくれたので、受け取り部屋へ戻ります。
その道中でソレを手で拭いて皮ごと食べます。
※おしっこは拭けば大丈夫な時代※
中濱は浜辺の家(空家?)で、亡き大杉栄に送る詩を書いてます。
彼の講堂での演説を回想しながら・・・
書き終えると部屋で寝てる村木源次郎(井浦新)と和田久太郎(山中崇)を起こします。
魚が釣れなかった古田も戻ったので、4人で女相撲を観に行くことにします。
中濱はエロ目的でしたが、裸じゃないので露骨にガッカリです。
女相撲はシャツとステテコの上からマワシなのです。
だが、思いのほか面白い勝負に盛り上がります。
花菊が出て、古田は熱く見つめますが花菊は負けてしまいます。
間に飯岡や丸万の妨害はありましたが、女相撲初日は大盛況で終わりました。
前日から泊まりで呑んで、女相撲に興じてすっかり気心が知れた村木はやっと本音を話します。
「我々の狙いは関東戒厳司令官・福田雅太郎だ。君たちと手を組もう」
【労働運動者】と【ギロチン社】の共闘です。
※福田雅太郎は甘粕事件の黒幕という説のある人です※
*
取組が終わったあとも下っ端の力士たちは大忙しです。
全員のマワシなどの洗濯があるからです。
せっせとタライで手洗いです。
なのに、十勝川(韓英恵)はどこかへ行ってしまいます。
みんなの呼び声を無視して居なくなります。
何かと思えば、山で今日の観客の男に売春です。
それをコッソリ尾行した勝虎(大西礼芳)は目撃します。
勝虎だけではありません。
在郷軍人会の飯岡の手下の3人も目撃してたのです。
3人はスッキリした帰り道の男を藪に引きずり込み、竹やりで殺して財布を奪います。
十勝川とやりたい一心で大金を見せびらかして狙われたのでしょう。
※スッキリした後が不幸中の幸いですね※
*
すっかり女相撲が気に入った中濱は古田を連れて、力士と地元名士の坂田(川瀬陽太)と飯岡が集まる旅館の宴席に強引に上がり込み、偽名を語り、女相撲を小説にするので十勝川関と花菊関に取材がしたいと言います。
親方(渋川清彦)が断っても、居座って酒まで呑む中濱に飯岡が詰め寄ると、たちまち退散して襖の裏に隠れます。
短気な飯岡のことを、興行主の坂田が、
「震災後は一緒に自警団を組んだが、こいつらバカだから朝鮮人も朝鮮人じゃない九州や東北から来た連中とかみんなぶった斬ってお縄だよ」
と暴露すると、飯岡は否定して出て行きます。
飯岡を追いかけ坂田も出て行き、ふたりを追いかけ親方もいなくなり、力士だけになると勝虎が揉め事を起こします。
売春の件です。
勝虎は十勝川の財布を奪い、中身を畳にぶちまけ、十勝川を罵ります。
何とか飯岡のご機嫌を直して、ふたりを連れて座敷に戻った親方は勝虎を叩きます。
勝虎は悔しくて泣きます。
勝虎を擁護したい妹分の最上川が、
「十勝川は朝鮮人だよ!違う言葉で喋ってるの小桜関と聞いたもん!ねぇ?」
小桜は「知らないね」ととぼけます。
ーー飯岡の目が光りますーー
中濱と古田は話の全てを聞いてしまうのでした。
*
その夜、浜辺の家で中濱と古田は「銃より爆弾だ」などと物騒な話をしてますが、
物音がして警戒します。
現れたのは十勝川と花菊です。
4人で浜辺に出ますが、中濱は即2対2の別行動です。
中濱の狙いは勿論色っぽい十勝川です。
花菊は「男はみんな十勝川関が好きなの」
※古田がハズレ引いたと思ったんじゃないかの予防線かな※
※古田は最初から花菊オンリーよ※
十勝川は泣きながら朝鮮人としてこれまで辛酸を舐めてきた過去を話します。
中濱は日本人として全裸になり土下座して謝罪します。
花菊と古田の方は相撲の稽古です。
お坊ちゃんでひ弱な古田は花菊に勝てませんが、偶然の内無双で花菊を倒します。
「オラにそれ教えてくれ!!!」
*
翌日は女相撲の宣伝行列に古田も加わります。
1枚1枚、中濱が手書きした宣伝ビラを古田が村人に配ります。
宣伝が終わると浜辺で太鼓叩いてみんなでダンス♪ダンス♪ダンス♪
明るく楽しいひとときで和気藹々です。
中濱と十勝川は急接近です^^
※でも中濱は梅毒※
突然そこに4人の警官が現れ小桜を呼びます。
小桜が立つと、身元を確認され手錠をかけられます。
亭主から捜索願いが出されてて、責任者の親方にも同行を求めます。
親方は行司役の三治(嶺豪一)に後を頼み警官に付いて行きます。
警官は小桜に、
「帰ったら亭主に詫び入れろ」
小桜は無視します。
「聞いてるのか!!!」
ーー私は頭なんか下げないよ!家なんか火ぃ付ければよかったーー
「何だと!?この非国民が!!!」
警官から暴行されます。
小桜はみんなの方を振り返り、
ーー上等だよ非国民!どうせ希望がないなら好き勝手生きな!!!ーー
みんなに向けて叫びます。
小桜に熱い声援が送られます。
※このシーンは衝撃でした。
まだ女は男の所有物で人権がなかったんですね。
家出したら逮捕ですよ!?非国民ですよ!?
女性の参政権が昭和21年ですからね、たった100年前でこんなにも虐げられる 女たちです。
希望がないって台詞が刺さりました※
*
警察署内では飯岡が署長の丸万に詰め寄ります。
女相撲に出入りしてる男たちは主義者に違いないし、力士の中には朝鮮人もいると。
朝鮮人と社会主義者は殺しても構わない危険思想の飯岡ですが、愛國精神からなので無碍にもできません。
「暴動作業は治まってるんだ!」
「退役軍人が調子に乗るな!」
「朝鮮人殺しだって・・・自警団は先棒を担いだだけだ・・・そうだろ?」
※歯切れが悪いですね※
*
「思い出した!旅館で署長と一緒にいたのは正力松太郎だ!!!」
ーー朝鮮人や社会主義者の噂を流した?ーー
「役職が変わったから虐殺の尻拭いでもやらされてるんだろう」
古田は正力を「殺る」と言い、「正力なんて小物だ!」と止める中濱を振り切り
駅に向かいます。
中濱も付いて行きます。
駅のホームでは、汽車に乗った正力を丸万たちが見送り、発車する汽車に頭を下げ、頭を上げた時に汽車に乗ってる中濱と古田に気付き慌てます。
ふたりはコッソリ汽車に乗り込んでたのです。
古田は正力の座席の前で携帯してる鞘付きの小刀を出しますが、汽車が急停車して古田はバランスを崩し倒れます。
丸万たちが汽車に乗り込んできたので慌てて逃走します。
でも、実は命拾いをしたのは古田の方でした。正力も古田が現れた時に刀を出していたのです。
※この人たちに作戦を練るという考えはないのでしょうか?全てが行き当たりばったりです ※
*
稽古中の力士たちのところへ手下を連れた飯岡が現れ十勝川を拉致します。
警察はさっき来て何事もなかったのに、警察の許可は取ってると飯岡は言い張ります。
女たちは抵抗しますが、三治と坂田は力士たちを制止して十勝川は乱暴に連れて行かれてしまいます。
花菊はコッソリと部屋を抜けて十勝川を探します。
十勝川は格子のある拷問部屋のような建物で激しい拷問を受けていました。
「本当はおまえら鮮人が火をつけ回ったんだろ!?」
「井戸に毒を入れた!そうだろ!?」
どうしても朝鮮人のせいにしたい飯岡です。
花菊は中濱たちに助けを求めに浜辺の家に行くと、正力殺害に失敗したふたりが戻ってきます。
そのまま十勝川救出に向かいますが、危険なので花菊は部屋へ戻します。
そしてつるはしで襲撃し、十勝川を奪還して逃げますが、弱ってる十勝川を支えてるのですぐに追いつかれます。
中濱は押さえ付けられ、飯岡は怖気付いた手下に中濱の首を刎ねるよう日本刀を渡します。
十勝川は中濱を助けるために「天皇万歳」を唱え続けます。
拷問でも断固拒否した「天皇万歳」を泣きながら叫びます。
飯岡たちも「天皇万歳」を唱えて、何とか難を逃れることができました。
花菊は興行に間に合い、内無双で初めて勝ちました。
急ぎ拷問部屋の方へ向かうと、飯岡たちは逮捕され警察に連行されています。
「十勝川は!?」「みんなは!?」
浜辺の家に行くと、
「おーーーい!」
海の向こうに手漕きボートに乗った3人が花菊を呼びます。
「オラ勝ったぞーーーーー!!!」
古田は「万歳」を言ってくれましたが、
「なんでオラだけ除け者なんだ・・・」
下腹部からの不正出血が足に伝わります。
花菊は海に入り、血と赤ちゃんを流します。
*
ーー大正13年ーー
逮捕された4人はこの年の恩赦で釈放され農業に勤しんでますが、飯岡だけの姿はありません。
*
中濱と古田は朝鮮に渡ってましたが、爆弾購入費の千円という大金を騙し取られてしまい、金を作りに日本に帰ることにします。
そして、男と男の約束を果たして貰うべく、再び実業同志会理事の森本の前に現れます。
森本は、今日のところはといくらか渡し、「寿司でも取ろうか」と言い、
まんまと通報され中濱は逮捕されます。
※この人はホント色々足りない!※
*
ーー7月1日ーー
アメリカでは排日移民法が施行。
日本に対する排斥運動が始まる。
飯岡は教師になっており、児童たちに愛國精神を徹底的に教育していた。
*
玉岩興行は地方から地方への巡業の旅です。
花菊はだいぶ強くなりました。
巡業先の宿屋の夜、十勝川の話題になります。
「十勝川、この土地でいなくなったんだね」
※てことは船橋ですね※
花菊も力士になって一年が経ちました。
古田たちと出会った土地で、古田の夢を見ます。
夢から覚めると涙が溢れてます。
朝の稽古中に警察が来ます。
署長は丸万から水島に代わってました。
風紀の乱れがないよう釘を刺します。
その日の取組に花菊は負けますが、
「強くなったな」
と古田は褒めます。
※普通に古田いるじゃんw※
十勝川のことを訊くと、一緒に朝鮮に行こうと誘ったが下関で別れてそれきりだと。
「もう会えないかも知れないけど元気でな」
古田は同志の倉地(荒巻全紀)と去りました。
それを見つめる三治の姿があります。
*
古田と倉地はひと気のない場所で手作り爆弾を投げて威力を試します。
改良の余地はありますが爆発しました。
*
部屋では花菊が親方に詰問されます。
三治が親方に主義者と会ってたことを親方に報告したのです。
三治は警察に通報するべきだと言います。
長い物には巻かれようと。
「今更こんな時代遅れなことで面倒はごめんだ」
なんて余計なことまで口走り、親方に飛び蹴りされてボコられます。
勝虎が仲裁に入りますが、
「勝虎と一緒になりてーならそう言え!」
実は三治と勝虎はいい仲だったのですが、親方は気付いていたのです。
「一緒になりてーーーー!」
三治は叫びます。
そんな揉め事の最中に、
「すいません。うちのもんがこちらで世話になってるそうで」
花菊の夫の定生が現れます。
凍り付く花菊ですが、部屋を去ることにします。
それは古田を守るためです。
自分がいなくなれば警察への通報がうやむやにできるからです。
三治も勝虎に出て行こうと迫ります。
*
定生との帰り道、雨が降り建物の軒下で雨宿りしますが、そこに古田が現れます。
「花菊!どこに行くんだ!」
定生は古田を引っ叩きますが、手のひらには蚊が潰れてます。
それを古田に見せてニッコリ笑いますが、目は笑っていません。
夜、空家のようなところに泊まり3人で酒を呑みます。
普段酒を呑まない古田は潰れて爆睡します。
すると、定生が花菊を襲います。
抵抗して噛みつきますが、定生の暴力に勝てず犯されます。
翌朝、古田が目覚めるとふたり共いません。
慌てて外に出ると、花菊が水場で陰部を洗っています。
顔は腫れてアザだらけです。
「何をした・・・」「花菊に何やった!?」
ーー自分の嫁やって何が悪い!ーー
古田は定生に殴りかかりますが、お坊ちゃんでひ弱な古田が百姓の定生に勝てるわけもなく、逆にボコボコにされます。
止めようとする花菊も軽く飛ばされます。
「オラ強くなりたい!!!」
花菊の泣き叫びが響きます・・・
*
その頃、十勝川は娼婦になってました。
客が眠ると財布から金を盗み逃げます。
*
ボロボロの古田ですが、ふたりの後ろを付いて行き、
「花菊を返せ!」「花菊に相撲をやらせろ!」
そしてまたボコられます。
「花菊好きだーーー!!!」
※うん❤ 知ってたよ♪※
「好きな女ひとり守れないで何が革命だ!!!」
更に定生にボコられます。
ついに古田は最後の手段、懐から爆弾を出します。
定生は驚いて逃げ出しますが、定生に向けて爆弾を投げます。
爆風で打撃を受けた定生は倒れます。
古田は定生を背負い、医者に連れてくと言いますが、花菊は古田が捕まることを心配します。
「女大関の道を目指せ!」
※女相撲の最高位は大関です※
「今度いつ会えるか分からない」
「一生会えないかも知れない」
「けどな、俺が死ぬ時は必ずおまえのことを思い出してやるよ!」
古田は定生に選択肢を与えます。
●花菊を諦めるなら医者に連れてく
●諦めないなら放置
定生は医者を選びます。
「行け!行って相撲を続けるんだ!!!」
花菊は泣きながら部屋に向かって走り出します。
*
勝虎と三治は部屋を出ました。
が、勝虎は迷っています。
どうなるかも分からないのに部屋を出たことに・・・
相撲を捨てることに・・・
そして、やはり「部屋に帰る!」と、三治に背を向け走り出します。
三治が追いかけますが、勝虎の意志は変わりません。
後ろから抱きつく三治を投げ飛ばします。
三治は手のひら程の石を手に取り、再び追いかけ勝虎を襲います。
頭から血を流し倒れた勝虎の頬を叩き、
「俺は悪くない・・・」と去ります。
逃げた三治は、返り血を浴びているのですぐに巡回の警官に捕まります。
勝虎は泣きながら立ち上がります。
泣きながら歩きだします・・・
痛みが襲いしゃがみ込みますが、また立って歩きだします・・・
帰りたい!帰りたい!
部屋へ帰りたい!
勝虎は部屋の前まで着きましたがついに力尽きました・・・
*
勝虎の遺体が樽に入れられる時に花菊は戻りました。
空からは涙雨が降ります。
警察がやってきます。
三治の証言で部屋を捜索すると言うのですが、親方が一喝します。
「帰れ! ここは神聖な土俵だ!!!」
力士たちは稽古用の丸太で入口を塞ぎます。
通り雨が過ぎると、親方は火と塩で土俵を清めます。
太鼓が鳴ります。
大関が土俵入りします。
勝虎の弔いです。
関脇がイッチャナ節を歌い出します。
土俵の周りを力士たちが踊ります。
警察は帳壁の破壊を始めます。
侵入してきた警官たちに女たちが応戦します。
署長の水島が日本刀を抜いて土俵に上がり、土俵に刀を刺すと、
花菊は署長をぶちかましでふっ飛ばさせます。
次に苦戦してる仲間の警官をぶちかまし、そのまま別の警官をぶちかまします。
花菊強い!怒りの花菊!花菊爆発!燃える花菊!
はぁ~♪ イッチャナ~♪ イッチャナ~♪
完
エンドロールで社会主義者たちのその後が流れますが、興味のある方はWikipediaで調べてみて下さい。
中濱鐵は【中浜哲】で出てきます。
29歳で刑死です。
私が巧いな思った点なのですが、花菊と恋仲になった古田大次郎は25歳で刑死しますが、処刑の時に菊を抱いて死んだと中浜哲のWikに書いてあって鳥肌立ちました。
劇中で、
「俺が死ぬ時は必ずおまえのことを思い出してやるよ!」
と言った通り、菊を抱いて死んだんですよ。
本当の意味は、菊は皇室の紋なので「道連れにしてやる」らしいですが・・・
つまり!この脚本は、古田大次郎の最期に合わせて、ともよの四股名は「花菊」になったってことですよ。
こんな見えない部分から脚色してくるの凄くないですか!?
ラストシーンのイッチャナ節で大乱闘も最高でした!
朝鮮人だけじゃなく、日本の女の歴史も長いこと、特に江戸時代くらいから奪われ蔑まれてきたわけで、劇中でも「くぅ~~~~!」となるところが随所随所にあったから、このラストの乱闘は痛快でした!
イッチャナ節って良いですね~♪
この民謡(なの?)のチョイスも最高でした!
女相撲とギロチン社の融合、ホント上手に仕上げてて脚本素晴らしい!
ギロチン社が全てに於いて行き当たりばったりなので、東京へ行くと大阪を逃げたのに、結局船橋に、もう何も感じない自分がいましたもん。
最後に、私の中の名シーンを紹介させて下さい^^
大西礼芳さんの泣きのシーンです。
それぞれの事情を抱え、女ゆえの辛さ、悔しさ、痛み、哀しみ、
この作品の全ての女たちの涙を代表して表現したと言っても過言ではない見事な演技でした。
滝のように泣けました。
死に顔も良かった。