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日雇い派遣禁止案について

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そもそも労働者派遣法の目的は何だったのか。条文で確認すると、同法第1条「この法律は、職業安定法(昭和22年法律第141号)と相まつて労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備等を図り、もつて派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする。」とあります。

 

元来、労働者派遣というスタイルは職安法で禁止されていました。それを労使のニーズの合致に押されるように職安法の規制からはずし合法化され誕生したのが派遣というスタイルです。企業側の需要(労働力の確保)があってそこに供給(労働力の提供)が生まれる。派遣は需給の調整機能をじゅうぶんに果たしてきました。今回の改正案は1ヶ月以内の派遣期間に規制をかけるようですが、その人たちの雇用はどうするのか。『厚労省の調査では、日雇いで働く人のうちフリーターは五四・三%で残りは学生や主婦、社会人だった。働く理由は「働く日時を選べて便利だから」が半数を占める。禁止はこれらの人の利便性も損なう。』(日経新聞2008/7/7社説)『厚生労働省によると1日平均の日雇い派遣労働者数は5万人以上。』(日経新聞2008/5/19きょうのことば)で指摘されるように、日雇の規制は社会的に影響は大きいと考えられる。間接雇用より直接雇用のほうが望ましいのはその通りでしょうが、禁止したら問題が解決するとも思えない。

 

そもそも問題の本質は、非正規雇用と正規雇用の待遇格差であり、安易に蛇口の栓を締めても詰まるだけでいずれ破裂するのではないか。日雇は今に始まったものでなく派遣法ができる前から存在していた。もっと本質的な問題に目を向けるべきではないだろうか。改正案でなくても、現行法を厳格に遵守するような指導を強化することで問題の多くは改善できるはず。いずれにしても、派遣労働者の雇用を脅かすような今回の改正案には政府は慎重になるべきだと考えます。

 

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採用コンサルタント 田中謙二

労働者派遣法改正の動きについて

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日雇い派遣の規制の内容が厚生労働省研究会報告書から明らかになってきました。この案が原案通り通った場合、労働者、企業ともにあまりに影響が大きいと思われますので当ブログでも検討したいと思います。

①規制強化の背景

(1)派遣労働者の雇用や所得の不安定

(2)責任の所在が曖昧で労災が認められないケースが多い

(3)グループ企業にだけ派遣することが直接雇用の回避に繋がっている

②規制強化案の中身

(1)30日以内の派遣を原則禁止

(2)派遣料金の中の派遣会社の収入の公開義務化

(3)グループ内企業に派遣する労働者の人数割合を8割以下に規制

(4)偽装請負の派遣先に対し、派遣社員を直接雇入れできるように行政が勧告できる制度の創設

(5)派遣先の責任で起こした労災の費用を派遣先会社からも徴収

③規制強化の問題点

(1)日雇い派遣で働いていた人の収入が減少する可能性が高い。なぜなら、同じ仕事を派遣契約で派遣会社を通して行った場合と求人情報誌などで自分で探して直接応募して雇用契約を結んだ場合、一般的に言って派遣契約のほうが単価(労働者の収入)が高いケースが多い。

(2)30日以内を規制対象としても例えば派遣契約を5週間くくりで結べば対象外となってしまい、実効性に疑問がある。

(3)規制強化の(3)(4)(5)はそもそも現行法でも違反であった。グループ内派遣は、通称「もっぱら派遣」と呼ばれ派遣法でそもそも禁止されている。偽装請負は本来労働者派遣なのにそれを請負の形に偽って契約を結ぶものだから職安法違反の行為。労災は派遣元で加入がそもそも義務となっている。例えば、労災に未加入だった派遣会社の派遣労働者が労災事故にあった場合、労災給付は労災法で保護され給付は受けられる仕組みになっている。労災が派遣先の責任かどうかの立証は困難だし、派遣先と派遣元の力関係を考えたら実効性が薄い。

(4)日雇いなど1ヶ月以内の短期派遣を含め、現在働いている大勢の労働者の雇用確保というセーフティーネットをどうするのか。新聞報道だけでは言及されていないが、ここが一番問題でしょう。

 

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採用コンサルタント 田中謙二

労働経済白書

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厚生労働省が2008年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を発表しました。各新聞等の見出しは以下の通り。

 

朝日 非正規雇用頼み、生産性の停滞に 労働経済白書

 

読売 非正規雇用強まる不満 成果主義「人件費減も目的」

 

毎日 労働白書:「仕事に満足」大幅低下 非正規増や成果主義、改善を

 

産経 労働経済白書 正規雇用の拡大を 業績・成果主義「うまく機能せず」

 

日経 成果主義の改善を提言 労働白書、働く人の満足度低下

 

今回は、「働く人の意識と雇用管理の動向」を分析テーマとしています。白書60年の歴史の中で働く人の意識をテーマにしたのは今回が初めてだそうですが、新聞等の見出しで同テーマに触れたのは毎日、日経で、作成側からすればいささか寂しい見出しだったのではないでしょうか。なにせ旬は「非正規雇用の格差問題」ですからどうしてもそっちにもって行きたかったのでしょう

 

労働経済白書のポイントはコチラ

 

自称、採用コンサルタントとしては、同白書の第2章第2節「世代別にみた就業行動」に記載のあった次のアンケート結果に疑問を感じました。「社員の定着率が低下した企業において定着率を高めるためにどのような取り組みが必要であるか」とのアンケート『出所:労働政策研究・研修機構「従業員の意識と人材マネジメントの課題に関する調査(企業調査)2008年」』において、「20歳代、30歳代で賃金水準を引き上げる」が最も高い。企業がこんな意識であったかと正直ビックリしました。

 

賃金は、労働条件の主要部分ではありますが、企業は、賃金が高ければ定着率が上がると多くが考えていたのですね。ここは考え直したほうがいいと思います。今いる従業員一人ひとりの顔を思い浮かべて考えてみてください。人間の欲望は際限がなく、経営者が必死の思いで昇給させたとて、ありがたみはそのとき限りであって、働く意欲の継続にはならないのです。昇給したことなぞ1週間で忘れてしまいます。特に、やる気のある優秀な人材が流出している企業は、給与以外で「決定的な何か」が問題となっていることが多いものです。一度、無記名で従業員満足度調査をやってみてください。労使の意識のズレにびっくりすることでしょう。それくらい従業員の本音は経営には届かないものなのです。何故、定着しないのかを真剣にマーケティングすべきでしょう。経営が謙虚に受け止めることからすべては始まるのです。

 

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