「コンセント/ 同意」
フランス映画。こちらは「メイ・ディセンバー」とは反対に、50歳の男性と14歳の少女の物語だ。
映画の元になった原作ノンフィクションは同じく「同意」という題名で、有名作家(小児性愛者と公言している)と13歳の時に出会い、14歳から関係を持ったことを、30年の時を経て「告発」したのだ。その衝撃の実話はフランス中で話題になり、映画化されたのが本作。
この作家ガブリエル・マツネフは東南アジアにも買春に行くほどの生粋の小児性愛者で、そのことを小説の題材にしている。当然この映画(原作)のヴァネッサも、小説のモデルのひとりなのだ。
ヴァネッサは文学好きの少女で、有名なマツネフと知り合えただけで天にものぼる気分。手紙でのやりとりにすっかり心を奪われ、やがて彼の家にひんぱんに出入りするようになる。美辞麗句で飾られたラブレターや詩を贈られて、14歳の文学少女はそれが唯一無二の愛だと信じてしまう。
50歳の作家が14歳の少女を手なづけることなどいとも簡単(これがまさにグルーミングというやつだ)。自ら「同意」の上、身体を許し身も心もマツネフに溺れていくヴァネッサ。シングルマザーの母親との確執もあって、家を出て彼と暮らしたいと言い出す。
30年前とはいえこれは立派な犯罪行為ではあるが、ヴァネッサはこのいびつな関係を純粋な愛と信じて疑わない。関係はどんどんエスカレートしていき性加害は止むことなく続いていく。交際は1年半続いたが、それはやがて彼女の人生に深く暗い影を落としていくのだった…
私自身、この映画の中でもっとも驚いたのは二人の関係もだが、マツネフをもてはやし礼賛する風潮のフランス文壇だ。既存の倫理観や道徳を無視する時代の寵児的な扱いだが、文学的才能以前に性犯罪者ではないか。まったく理解できない。
この作家ガブリエル・マツネフは現在88歳で存命のようだが、もともとマニアックな作家で発行部数も多くはなかったようだ。作品は日本語どころか英語にも翻訳されていない(ヴァネッサが書いた「同意」は日本語訳も出版されている)。
なお、ヒロインのヴァネッサを演じたキム・イジュランは、幼く見えるが撮影当時20歳を過ぎていた。
「メイ・ディセンバー ゆれる真実」
ジュリアン・ムーアとナタリー・ポートマンという二大女優の共演にもかかわらず、日本ではほとんど話題にならずに公開がほぼ終了してしまった(これからの地域もあるけれど)。
というのもこの映画の元ネタになった事件が、全米では大スキャンダルだったのに日本ではあまり報道されなかったから、かもしれない。同時期に起きた「ジョンベネちゃん殺人事件」の方が日本ではずっと有名だ。
メイ・ディセンバーとは年齢の離れたカップルのことを言う。
36歳の既婚女性が13歳の少年と恋に落ちて関係を持ち、しかしそれは犯罪(児童強姦罪)なので女性は逮捕される。服役中に彼女は彼の子を獄中出産し、出所後に結婚。
というスキャンダラスな出来事の20年後。
この物語を映画化するということで、ヒロインを演じる女優役のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が、モデルになった実際の女性グレイシー(ジュリアン・ムーア)に取材を兼ねて訪ねる、という設定だ。
事実をそのまま映画化しないでひねりを加えているところが、トッド・ヘインズ監督らしい。特にナタリー・ポートマンは難しい役どころだが、取材していくうちにどんどんのめり込んで、グレイシーと一体化しようとする様子が描かれている。
鏡のシーンなど、演技者と当事者の駆け引きめいた場面は非常にスリリングだった。
グレイシーと23歳年下の夫ジョーは、年齢差以外は普通の夫婦に見えなくもないが、やはりどこかいびつな関係を匂わせていた。
「私のこと誘惑したくせに」だなんて、36歳が13歳の少年に本気でそんなことを思ったのか。
グレイシーの精神的な不安定さや幼児性は以前からなのか、必死で耐えようとしている年下のジョーがあわれにも感じる。あの頃は純粋な愛だと信じて(信じこまされて)いたことが、時が経って振り返ると少し違うのではないかと、ジョーは疑問に感じ始めたのかもしれない。
しかしシリアスになりすぎず、この監督らしいシニカルさ、乾いたユーモアがそこここに漂う作品だった。
ところで実際の二人は、映画の設定のようにペットショップのバイトで知り合ったのではなく、36歳の女性教師と13歳の教え子だ。教師は既婚ですでに4人の子どもがいたというから驚きだ。もちろんどんな立場であっても愛は生まれるだろうが、ろくに社会経験もない13歳と「合意の上」と主張するのはやはり無理がある。
彼女の出所後に結婚し、さらに子どもももうけた二人だが結婚13年で離婚。
その2年後に彼女はガンにより58歳で亡くなっている。
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
全寮制の学校で、クリスマス休暇に家に帰れず居残り組の生徒と、監督の教師、食堂の料理人が繰り広げるドラマ。
1970年という時代設定なのに、まったく古さを感じさせない。スクールカーストでいじめられがちなアンガスは、一見ひょうひょうとしているが実は傷つきやすい。複雑な家庭環境のため、クリスマスも居残りだ。他の居残り組がスキーに出かけた時も、ひとりだけ両親と連絡が取れず寮に置いてけぼり、という運の悪さ。
監督として居残った教師のポールは、生徒から嫌われている変わり者で独身の中年。
料理人のメアリーはベトナム戦争で息子を亡くしている。
そんな孤独な3人がたまたまいっしょにクリスマスを過ごすことに。2週間の休暇の間に反発しながらも、次第に心を通わせるようになっていく…
人物描写がとても丁寧で細かい。アンガスは悪い子ではないのに友だちが少ない。複雑な性格だから他人、特に同世代からは理解されにくいのだ。こういう子は苦労するな、と彼と似たような気質を持つ人間にはよくわかるのだが。
偏屈な教師も、ポール・ジアマッティの渋い演技が炸裂し味わいを見せる。ただの頑固おやじではなくちゃんと解っている人なのだ。特にアンガスの実の父親とのエピソードでは泣かせる。
そして何といっても今回デビューのアンガス役、ドミニク・セッサ(オーディション時には高校生だったそうだ)が将来楽しみな存在感を見せた。クセの強い難しい役どころにもかかわらず、どこか放っておけない繊細なキャラを見事に演じた。
全体に重くなりがちなテーマに軽みを持たせ、ユーモアのセンスも盛り込んで、いい意味での70年代テイストが彩りを与えていた。ほっこりするけど、ちょっとほろ苦い、個人的にはとても好きな作品だ。
「クワイエット・プレイス Day1」
音をたてる物すべてに反応して襲いかかる謎の怪物が、ある家族を襲撃する471日前。「奴ら」が初めてやってきたその日を描くシリーズ第3弾。
個人的にはこの3作目は予想をいい方に裏切ってくれたので、3作のうちでいちばん好きな作品になった。
今回はエミリー・ブラントのお母さんやいつものファミリーは登場しないし、舞台は騒音であふれるニューヨークだ。
ルピタ・ニョンゴ演じるヒロインは、末期ガンでホスピスで暮らしている。たまたまみんなで外出したマンハッタンで、例の侵略者が突然現れて攻撃を開始し、街中がパニックになってしまう。
余命いくばくもないヒロインのサバイバル劇、という発想がとても面白い。
ホスピスで希望の見えない日々を送っていた彼女が、大パニックに直面したことで逆に生きる意味を考える。彼女の心の動きを映画は丁寧に追っている。
どうしても最後にやりたいこと、をするために彼女は、助かりたい群衆とは逆の方向へ急ぐ。
その間に短い時間ではあるが、様々な人に出会い助け合ってはまた別れていく。パニック映画ではあるが、なかなか叙情的でもある。そこが前2作と異なるところか。
逃げ回っている最中に、たまたまイギリスから来ていた男性と知り合い、お互い助け合ううちに親交を深める。
でもありきたりの男女ロマンスには発展せず、もっと根源的な人間愛に徹しているところに好感が持てた。
そしてまた、もうひとり(1匹)隠れた共演者として、猫が大活躍したのも猫好きにはうれしい。前作では、いつ何時泣き声をあげるかわからない赤ちゃんがひとつのネックになったが、今回は猫。だがこの猫は(介助猫か?)とてもお利口で、鳴き声ひとつあげない。1回ぐらい猫が鳴いてヒヤリとさせられるベタな展開があってもいいのに、と思ったが、おとなしくヒロインに寄り添っていた。
ラストもまた十分に感動的で、次へのつながりも納得できた。「奴ら」の謎はまだ解明されていないので、続きがありそうだ。
ところでヒロインがどうしても行きたかった「パッツィーズ」のピザは本当に美味しいのだ。マンハッタンだけでも数軒あるが、私も以前NYに行った時に、在住していた友人から勧められて食べに行ったことがある。ピザはもちろんだが、デザートのケーキもとても美味だった。
少し前に観た邦画2本をまとめて。
期待値が高かっただけに、今ひとつの感が否めなかった…
「告白 コンフェッション」
コミックが原作だそうだが、こういうのは漫画で読んだ方がいいのかもしれない。
雪山で遭難した2人の男。死を覚悟したひとりが、ある罪を告白する、というワンテーマを74分という短い尺で。主な登場人物は2人のみ。
なかなかスリリングな展開でホラー的要素も。ていうかホラー映画なのかな、これ。
しかし、途中の夢オチ的なところあたりから、あれ、なーんかちょっと、と思い始めて急にシラけた。そもそも生田斗真は最初から胡散臭かったし。
確かに面白くて目が離せなかったが、その割に疲れたし個人的には74分で十分という感じ。
「あんのこと」
コロナ禍に、実際に起きた事件の新聞記事から発想を得た映画だそうだ。
過酷な環境下で育ったあんは、売春や違法薬物の使用で補導された。人情深い刑事と関わったおかげで、更生の道を歩み始めるあん。刑事の友人である記者の助けも借りながら、新たな仕事や住まいも見つけ出し、順調にいき始めた矢先のパンデミック。事態は一変するのだった。
主演のあんを演じた河合優実がとてもいい演技をしていた。彼女の存在なしにこの映画はあり得ない、と感じたぐらいだ。
しかし刑事役の佐藤二朗はせっかく芝居の上手さを、脚本のせいなのか表現しきれていなかった。稲垣吾郎が演じた記者も、描き足りずに存在が活かされていない。2人に関しては掘り下げが足りない(脚本が弱い)ので、物語に深みを持たせられなかったという感じだ。
ヒロインを描ききるのに精一杯だったのか、惜しい気がする。
幻冬舎plus で毎月連載している12星座占い。
こちらにも転載しておきます
2024年 7月20日~8月19日
◎牡羊座
十分に自分をアピールできる時期なので、牡羊座はとても生き生きしていられるでしょう。あなたが注目を集めても、目立ちたがり屋などと言われずに好意的に受け入れられるはず。議論の場でも自分の思い通りに進められる可能性が高いです。
プライベートでは、いつもよりあなたの人気運が上がっているので、人から嫉妬のまなざしを向けられることもあるでしょう。気にせずスルーするのがいちばんです。
健康運はとてもいいです。やる気に満ちていくらがんばっても疲れ知らずといった感じですが、この時期やはり熱中症には気をつけて。睡眠不足も大敵です。
メンタル面もとても前向きで、ポジティブに物事をとらえられるでしょう。またクリエイティブな能力を発揮しやすい時期なので、何か書いたり表現したりして発信するのにも向いています。
◎牡牛座
人があまり気づかない細かい配慮や小さな気遣いが、あなたの評価アップにつながるでしょう。地味で目立たないけれど、素晴らしい仕事として認められるはず。仕事や人間関係において、影の実力者として活躍できる時です。プライベートでは、できるだけ家族優先を心がけるとでしょう。面倒でも家族の言い分には耳を傾けてあげて。シングルの人は家で過ごす時間を大切にして、出かけるより人を家に呼ぶといいです。健康運はあまりよくないので注意が必要。休養がいちばん大事なので、少しでも無理をしたと感じたら早く寝て休むようにしましょう。睡眠の前後も水分補給を忘れずに。同僚や友人、家族などから相談を持ちかけられることがありそうです。メンタル面できついなと感じることもあるでしょうが、できるだけ力になってあげると感謝されます。
◎双子座
この1ヶ月は非常にやる気に満ちて、やりがいのある仕事や目標に向かって邁進する時です。のんびりしていてはもったいない、とにかく行動することに意味があります。新しいことにどんどんチャレンジしていくといいでしょう。
プライベートでは、運気を見ると可能なら、休暇の夏休みは9月に入ってからの方がおすすめです。双子座が得意のリサーチ力で、休みの過ごし方や行き先を調べておくといいでしょう。
健康運は悪くはないですが、やる気を支えるためにもスタミナ・メニューで乗りきりましょう。特に夏バテ防止に役立つ、ビタミンB1が豊富な豚肉を使ったメニューを積極的に摂るといいです。
メンタル面では、前向きでポジティブ志向の時なので、あまり深刻に物事をとらえない方がうまくいくでしょう。人間関係も軽いノリの方が今はうまくいきそうです。
◎蟹座
生まれ持っての才能や特性を意識し、それを再確認するための時期です。自分のことなのでわかりづらいし判断も難しいのですが、自分らしさを発揮するためにも必要になります。得意なこと、苦手なこともはっきりしてくるでしょう。
プライベートでは、家族や親しい人からお金の話題をふられることがありそうです。経済的な安定を求められたり、または投資や運用の相談や誘いといったこともあり得ます。
健康運は特に問題ありません。暑さの中でも食欲減退といったことはなさそうで、食べているのにあまり動かないことによって、体重増加もあるでしょう。暑くてもある程度は身体を動かした方が健康のためです。メンタル面でも安定している時期です。たまには少し高めのお店で買い物したり食事したりすることで気分がぐっと上がって、またやる気が出てくることがあります。
◎獅子座
この1ヶ月のあなたは、周りの人たちに影響を与えたり動かしたりといったことで、存在感を増していきます。先頭に立って皆を引っ張っていく立場になるでしょう。守りの姿勢ではなく、どんどん前に向かっていく態度の方がむしろ好まれます。
プライベートでもあなたが主導権をにぎり、自分のペースに相手が合わせるぐらいでも大丈夫。期待されているので、優柔不断な態度を見せるとがっかりされるかもしれません。
健康運はとてもいいです。疲れていても一晩寝ればすぐ回復する、といった具合です。体調がいいので健康のことなど気にならないでしょうが、あまり過信しすぎないように。
メンタル面では、いつも気持ちが高揚しているような状況で、やや傲慢になりがちに。目立つ立場にあって批判を浴びると、プライドが傷つけられかなり落ちこんでしまいます。気分の浮き沈みが激しい時期になるかもしれません。
◎乙女座
エネルギッシュに動き回るあわただしい生活は小休止。心身ともに癒される環境で過ごすことがいい時期です。今年の前半を振り返ってみるのもいいでしょう。年頭に立てた目標に近づいているか、達成できそうか修正するにもいいタイミングです。
プライベートでは、休暇はできれば静かに過ごせる環境が望ましいです。家族がいて難しければ、少しの間でいいのでひとりでほっとできる時間を作れるように努力しましょう。気持ちに余裕ができて周囲にもやさしくなれます。
健康運は特に問題ありませんが、アルコールの飲みすぎだけは注意を。また、薬やサプリメントに頼りすぎないように、生活習慣を正すなどして健康を心がけるといいです。
メンタル面でも精神的には安定しています。親しい人や家族とおだやかに過ごして、絆を深めるのにいい時期です。
◎天秤座
人に恵まれる時期になるでしょう。仕事関係でいい人を紹介してもらったり、縁ができたり、先々までお付き合いできる相手と知り合えたり、といったことです。プライベートでは、仲のいい人と
楽しく過ごせるでしょう。でもあまりベタベタした関係ではなく、あっさりが好まれそう。交際範囲を広げるのにもいい時期なので、人が集まるような機会は逃さない方がいいです。
健康運は悪くないですが、夏バテには注意。暑いとさっぱりした食べ物ばかりになりがちですが、肉や動物性たんぱく質もしっかり摂って。貧血の予防にもなります。
もともと人付き合いが上手な天秤座は、いろいろな人と出会ってもメンタル面であまり負担を感じないかもしれません。それでも気疲れすることはあるので、ひとりでくつろぐ時間もしっかり確保するといいでしょう。
◎蠍座
上司や目上の人から信頼を得て、目をかけられることがありそうで、モチベーションが上がります。キャリアアップのチャンスなので期待に応えられるようにしましょう。新しい目標を設定するのもいいです。
プライベートでは家族や親しい人があなたをサポートし、応援してくれるはず。いい意味でのプレッシャーになり、刺激になるでしょう。人知れず努力するのも蠍座らしいのですが、この時期はやる気をアピールした方が周囲の人ともうまくいきます。
健康運はやや不調です。オーバーワークによる睡眠不足が考えられますが、早く寝ようとしてもなかなか寝付けなかったりも。カモミールのお茶がおすすめです。また夏風邪にも注意しましょう。
メンタル面は、周囲の期待がプレッシャーに感じることもありますが、思い悩むよりとりあえず動いた方が解決の糸口がつかめるでしょう。
◎射手座
視野を広げて新しい可能性を見出す時期です。小さくまとまらず自由な発想で、人前で堂々と発言しましょう。こんなこと言ったら笑われるんじゃないか、と遠慮することはなしです。またいろいろな人たちとの意見交換や、学習、研究が視野を広げる助けになります。
プライベートでは、家でのんびり過ごすより外に出ていろいろなことにチャレンジする方が、身につく経験となるはずです。夏休みに家族や友達と、冒険的なことに挑戦するのもいいでしょう。
健康運はとてもいいです。体調がよく食欲も旺盛なので、これまで食べられないと思っていた食べ物に挑戦してみては? 「食べず嫌い」を克服できたら世界も広がります。メンタル面では、射手座らしいポジティブでおおらかな状態が保てるでしょう。楽しいと実感できる夏休みが過ごせそうです。
◎山羊座
ひとつの仕事や作業に没頭できる時です。やるべきタスクがあるなら、集中できてとてもはかどるでしょう。この時期は「手を広げる」より、ひとつのことに絞った方が効率よく進みます。プライベートでは、特定の友人や仲間といっしょに夏休みや休日が楽しめそうです。特に親しい人や大事な相手には、ちょっとしたプレゼントをするのがおすすめです。
健康運は特に悪くはないですが、エアコンによる冷えが身体の不調を呼ぶことがありそうです。暑くてもシャワーだけですませず、ぬるめのお風呂にゆっくり入るのが、心と身体にいいでしょう。
メンタル面では、集中した後にはリラックスが必須です。自分ではまだ大丈夫と思っていても、なかなか緊張モードが解けず、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなることも。寝る前のスマホはやめて好きな音楽を聴いたり軽いストレッチなどで、できるだけ心身ともに休まるようにしましょう。
◎水瓶座
人間関係が華やぐ時期です。日常生活に欠かせないパートナーや仕事の同僚はもちろん、新しい人にも出会える時です。中には親密な関係を結べる相手もいるかもしれません。
プライベートでは、結婚に関して動きがありそうです。婚活中の人は相手が見つかる可能性が大。交際中の人は結婚に向けて具体的な動きがあるかもしれません。既婚者は、家族と夏のイベントが楽しめそうです。
健康運はやや注意が必要。疲れやすかったり倦怠感があったり、といった症状が出そうです。医者や薬に頼るほどのことはないと感じるでしょうが、やはり休養がいちばん。暑い中少しでも疲れたと感じたら、無理をしないように気をつけましょう。
メンタル面では、親しい相手と意見を交わす上でぶつかる可能性があります。けれども致命的な関係解消にはつながらないので、あまり神経質にならなくても大丈夫でしょう。
◎魚座
仕事でも役割でも「きちんとしていること」が求められる時期です。「まあ、いいか」といったいいかげんさやアバウトさは捨てて、規則やルールを守りできるかぎり予定通りに行い、勤勉さを見せましょう。あなたへの評価が変わってくるはず。
プライベートでも約束はきちんと守って。連絡しようと思っていたのに忘れた、といったことがないように。親しい人からの信頼を裏切らないように気をつけしましょう。
健康運は問題ないですが、不規則な生活習慣が心と身体の不健康を呼びます。日々の暮らしも「きちんとした」態度で送ることが大事。夜更かししたり食生活が乱れていては、暑さが乗りきれず夏バテします。
メンタル面では、きちんとすることが苦手な方の魚座なので、ストレスを感じがちかもしれません。オフの時は思いきり好きなことをして発散するなど、うまく気分転換をするように心がけましょう。
「関心領域」
まったく、すごい映画があったものだ。衝撃的、などという軽々しい表現では語れない。
何がすごいと言って、見せないことがこれほどまでに人の関心を惹きつけるとは。
広い屋敷に住む幸せそうな一家。さまざまな植物や樹々に囲まれた広い庭にはプールまである。
母親は抱いている赤ん坊をあやしながら、花の香りを嗅がせようとしている。そんな平和な光景が繰り広げられているのは、アウシュビッツ強制収容所と壁を隔てたすぐ隣なのだ。
この一家は収容所長であるルドルフ・ヘスの家族。
塀の向こう側では鬼畜の所業が行われているというのに、何も見えないし聞こえない。何より完全に関心領域の外なのだろう。
しかし観客には聞こえる。塀の向こう側から低い音で、何か不気味な響きやら機械音、遠くの悲鳴、乾いた銃声。時折煙も立ち上っているし、おそらく庭を歩けば臭いもあっただろうに。
この家族は何も感じないのか、無関心だけなのか、人はそこまで「馴れて」しまうものなのか。
実際、妻の母親はわざわざ遠くから遊びに来たというのに、この環境に耐えられなかったのか一晩で帰ってしまった。
映画は所長のヘスよりも妻の方に力点を置いた描き方だ。ユダヤ人から没収したであろう高価な毛皮コートを鏡の前で試着し、悪くないわね、という顔をする。
ザンドラ・ヒュラー演じるこの妻は、「またイタリアを旅行したい」とか夫に甘えたり、お気に入りのこの屋敷を離れたくないあまり、夫に単身赴任させたりとやりたい放題。
「落下の解剖学」の時も圧の強い女優さんだと感じたが、今回も圧倒的な存在感で君臨している。しかしこの映画に出演するべきかどうか、かなり悩んだそうだ。
人の顔をアップにしない突き放した撮り方をしているが、実に端正な映像で逆に訴えかけてくる。
時折挿入されるモノクロのシーンは、リンゴを配るレジスタンスの少女だろうか、このパートも重要だ。
ラスト近くで突然、所長のヘスが嘔吐するが、これがこの作品内でのオチなのか。
わかりにくい、という指摘もあるようだが、観客自身の関心領域を試されているようで、思わず背筋が伸びる1本だった。
ところでこの一家は実在した。映画に出てきた元所長宅は現在、博物館になっているという。
ルドルフ・ヘスは終戦後、しばらくは家族と離れて逃亡していたようだが、捕まり戦犯となる。アウシュビッツ強制収容所内の、自らが設置したガス室のすぐ横に設えたで絞首刑台で処刑された。45歳。
妻の方は再婚した後、アメリカに渡り81歳まで生きたそうだ。
音楽映画を2本まとめて。
「ボブ・マーリー one love」
ボブ・マーリーの伝記映画。遺族公認の作品とあって、とても見やすい作りになっている。
中心になって描かれるのは最後の3年間だが、途中途中で過去のシーンが挟みこまれているので、彼の生涯は一通り理解できる。ボブ・マーリーのことを、あまり詳しく知らないという人にもわかりやすく楽しめるだろう。
曲が出来る瞬間を描くなど、興味深いシーンもありなかなか興味深かった。
しかし何か、するするっと見られすぎて、稀代のアーティストの魂に深く切り込むというには、物足りない気がしたのも確か。
信仰するラスタファリのこともだが、祖国の政情に対しての思いや、曲作りの苦悩など、あまり深くは追及されていなかったような。エンタメ映画としては楽しめるかもしれないが。
マーリーを演じたキングスリー・ベン=アディルは、現代風のあかぬけた容貌でいささか格好よすぎるのだが、なりきり度としてはかなり高いだろう。
それにしても、36年の短い生涯で子ども10人(妻との間の子は4人)とは、驚いた。孫は何十人もいるそうだ。まあ、彼の奥さんのリタもなかなかすごい人だったようだが。
「シド・バレット 独りぼっちの狂気」
こちらはドキュメンタリーでエンタメ作品ではないので、ピンク・フロイドやシド・バレット好きのための映画。
ピンク・フロイドのデビュー当時、リーダー的な存在だったシド。売れ始めてやっと軌道にのってきた頃、薬物中毒と精神疾患のためバンドを去る。ソロアルバムも出したが、病は重くなりわずか数年で表舞台から消えてしまう。活動していたのは67年〜72年ごろまでと短い。
時代的なこともあり、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズと重なるイメージがあるが、シドは病を抱えながらも60歳まで生きた。田舎の実家で完全に隠遁生活だったようだが。
映画は彼の周辺にいた人たちから(もちろんピンク・フロイドのメンバーも)のインタビューが中心。興味深い内容もあったが、これでシドが考えていたことがわかったか、と言われるとまだよくわからない部分も多い。
ピンク・フロイドのアルバム「炎」のレコーディング時に、突如としてスタジオに現れたというシド。これは割と有名なエピソードだが、個人的にその時のことはもっと詳しく知りたかったのだが、特に言及されなくて残念。シドの風貌が変わりすぎていて誰だかわからなかった、という以外に語ることはなかったのかもしれないけど。
映画に登場し証言した人の中で、もう何人もが亡くなっていた。時代の流れを感じさせる。シド・バレットも生きていれば78歳…
「悪は存在しない」
「ドライブ・マイ・カー」の濱口監督作品、というだけで興味をそそられるのだが、実際に鑑賞してまたまた恐れ入ってしまった。
今まで観たことがなかったような作品、と言えばいいのだろうか。寡黙なようでいて雄弁、静寂でありながら音に満ちている。一見矛盾しているようだが筋が通っている感じ。この感覚はやはり観ないと伝わらないかもしれない。
一般の人が書いたレビューを読むと、評価が最高と最低にはっきり分かれている。低く採点した人は、おそらくこの映画に合わなかったのだろう。映画の中で説明が少ないと、もやもやして不愉快なのかもしれない。
私は当然、高評価だ。1から10まで何でも説明してしまう映画の方が、私は遠慮したい。伏線の回収に躍起になっているような作品も好きじゃない。もっと観客を信用して、余韻や余白部分を残してほしい。それが味わいというものではないか。
長い前置きになったが、実際に観た人なら私が言いたいことが、わかってもらえると思う。
主人公の巧を演じる男性は、もともとこの映画のスタッフだったという。台詞が棒読なのは、狙ってのことか演出か。でも小劇場の俳優さんのような風貌だし、悪くない。というかぴったりだ。
自然あふれる高原に娘と2人で暮らしている主人公。2人の生活は素朴で簡素だが、同時に非常に豊かでもある。
しかし東京のある会社がそこにグランピング施設の建設を計画しているという。そうなると、巧たちの生活の変化も、自然への影響もとても大きなものになるのだが…
テーマが環境問題の方向にいくのかと惑わされるが、それは監督によるミスリードだ。グランピング施設の建設問題は、この先どうなろうと関係ない話だった。
おそらくこの映画の最大の注目点はラストあたりの展開だろう。きっと様々な考察がなされたと思うが、監督は完全に突き放している。つまり自由に解釈していいのだ。
答えなんかどこにも載っていないから、自分で考えろ、と。
まだ雪が残る高原の冷たい空気が身体に染み入るようだった。樹々の連なりが空に透けて見えるシーンは非常に長いが、森の奥深さを物語っているようだった。音響も効果的だ。
田舎ホラー的な土着な中にも、どこかスピリチュアルで魔の世界に足を踏み入れたような感覚、とでも言えばいいのか。
自然への畏怖を改めて感じつつ、とても刺激的な映像体験をした気分になった。










