シーズン13 登場人物
主人公の女性3人組は、皆30代半ばの同級生です。
●山田日奈子
パンダの中学時代からの友人。シーズン12の翔くんの姉。
人想い。才女なのに少し抜けているところがまた素敵。
●芽衣
日奈子の高校時代からの友人。仕事に恋に熱心で情に厚い。
ダメンズを選びがち?出版社で働くキャリアウーマン。言い方はキツいが的を射ている。
●桃子
日奈子の高校時代からの友人。愛されキャラの2児の母。
子供は7歳の娘、すももちゃんと5歳のこもも。
デザインの在宅ワークをしていたが、夫の不倫を知り、一悶着のあと、現在離婚に向けて弁護士に依頼中。
●敦…桃子の夫。イクメンだと思われていたが、実際は不倫三昧。後にパーソナリティ障害とわかったり、実母に貯金を使い込まれたりして、なかなか慰謝料を払わない。
●敦の母…桃子たちの家の割と近くで自分の母親(おばあちゃん)と夫(義父)と同居中だったが、息子の貯金の使い込みなどがわかり、おばあちゃんに追い出される。その後の諸々で義父から離婚を切り出されているが、納得していない。
不貞した人に対して
日本の法律が酷いとかどうとか
書類を家に持ち帰ってもいいかとか
ずっと寝言を言い続ける敦に
上野弁護士は一切耳を貸さず
婚姻費用の支払い合意書に
サインをもらうところまで
漕ぎ着けてくれた。
それからも慰謝料や
離婚後の養育費について
淡々と説明してゆく上野弁護士。
もうこんな話を
何百回もしてきたのだろう。
敦
「…ひとまず、、慰謝料とか
離婚後のことについて
…内容は理解できました。」
すると、敦が唇を噛みながら
桃子をみつめる。
敦
「でもこれって全部、
桃子が納得して
提示してるんだよね。」
咄嗟に桃子が上野弁護士を見ると
彼女はゆっくり、頷いた。
桃子
「…納得という表現が
適切かどうかはわからない。
金額的なことは
法律とか一般的な数字で
先生と考えたけど
お金だけで私の今の気持ちが
軽くなるわけじゃないから。」
敦
「一般的な数字って言うけど
俺のお金の事情、
桃子は知ってるでしょ。
それに…お金のことでいえば
桃子はこの先
おばあちゃんから
もらえるだろ? 」
桃子
「……」
この数日の間で
私は何度この言葉を、
言わなければいけないのだろう。
は?
この後に及んで謝るどころか、
言いたいのはそれか?
上野弁護士
「…敦さん、何度も言いますが
この話し合いは、
敦さんと桃子さんの
離婚に向けての協議です。
敦さんの不貞と、
おばあさまのことが
どう関係あるんですか?」
敦
「…それは、、
だってお金のことなら
わざわざ僕から取らなくても
困らないでしょってことですよ。
だって弁護士さん
知ってますか?
僕の口座のお金は母おや、、」
上野弁護士
「あの!
それでは今日は本当に、
これで終わりです。」
桃子の肩が震え始め、
上野弁護士はこれ以上もう
無理だと判断した。
上野弁護士
「先ほどお話しした件の
書類はまた改めて
作成してお送りいたします。
この後
気が変わったとおっしゃるなら
敦さんの方でも
弁護士を雇われるのが
いいかと思いますよ
先ほど口頭で合意された内容は
こちらに録音させて
いただいておりますので。」
敦
「……。」
上野弁護士
「それではこれで
失礼いたします。」
上野弁護士が
1000円札を数枚出して
桃子が立ち上がる間も
敦はもう何も言えず
ただただそれを、
黙って見ていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
Pick Item
instagramではシーズン3を配信中です!
読んでくださって、ありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生は 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」
12、翔くんの芝生 「不器用で、愛すべき弟。」