こんにちは。

初めましての方も

これまでご覧になられている方も

いつもありがとうございます。

 

このブログは様々な女性の

人生の一部を、

私が本人に変わって書いています。

 

シーズン1 ミキの芝生

シーズン2 武田さんの芝生

 

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今年40歳になる

紀子さんは悩んでいた。

 

24歳の時に

大学時代の先輩だった

夫のマサルと結婚して、

一人息子は高校生。

 

ご主人は、

祖父の代から引き継いだ

不動産の仕事で

かなり稼ぎがあった。

 

都内の一等地に住み、

生活には何不自由ないと思っていたが

 

息子が小学校に上がる頃には

贅沢だとは思いながらも

時間を持て余す生活に

不自由さを感じ、仕事を始めた。

 

 

仕事は大変なこともあるが

やりがいもあった。

 

家族中は良く

毎年海外にも良く行った。

 

 

夫のマサルは不規則な仕事で、

職業柄土日も忙しいし

付き合いも多いが

 

マサルは学生時代から男女問わずモテて、

羽振りもいいため

夜のお店で豪遊したり

ちょっと火遊びをすることくらい

紀子さんにとっては

大したことではなかった。

 

 

紀子さんの料理の腕前は

フレンチのフルコースが作れるほどで

どんなに仕事が忙しくても

息子と夫のために、必ず夕飯は

手のこんだものを作っていた。

 

夫婦の会話も多く

自分は恵まれている。

 

 

いつもそう思っていた。

 

 

 

シーズン3は

そんな夫婦とその周りに起こる

隣の芝生を書いてゆきたいと思います。

 

 

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去年の夏

 

紀子さんの家族は

毎年恒例で行う、2家族合同の

避暑地キャンプに出かけた。

 

 

その家族とは、

 

 

マサルの大学時代の親友(健二)と

紀子さんの高校時代の親友(真子)が

 

紀子さんたちの結婚式で知り合い

結婚したという

いわば紀子夫婦が取り持った縁だった。

 

 

子供同士の年齢も近く

親友同士が結婚したものだから

ことあるごとに集まって

毎年行事を楽しんできた。

 

 

そんな中

 

 

紀子さんが

バーベキューの野菜を準備している時

真子が深いため息をついていた。

 

 

紀子さん

「……真子、なんか今日

 会った時からずっと元気なかったよね。

 

 どうしたの?」

 

 

真子

「あぁ…紀子…

 ごめんね、わかりやすく落ち込んじゃって。

 

 周りには気づかれないようにって

 思ってたんだけどね…

 

 最近ちょっと落ち込むことがあって

 よく眠れてないの…」

 

 

紀子さん

「…落ち込むこと?大丈夫?

 

 …そういえば今日健二くんと

 あんまり話しているところ見てないけど

 

 夫婦喧嘩でもした?」

 

 

真子

「うわ…ごめん…。

 話してないのわかっちゃう?

 

 子供たちには

 バレないようにしないとね。

 

 子供たちは

 楽しみにしてきたんだから。」

 

 

紀子さん

「うん…でもまぁ

 無理しないでね。」

 

 

紀子さんはもう少し

真子の話を聞いてあげたかったが

すぐに子供たちが話しかけにきて

それ以上、この会話を続けることは

できなかった。

 

 

 

 

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