※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。

よろしければ他のシリーズも合わせて、読んでみて下さい。

 

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

 

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

 

シーズン3 紀子さんの芝生

『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

 

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パンダ

「あれ、琴美ちゃん。

 

 どうしたの?なんか今日

 顔色悪いけど・・・」

 

 

 

鏡越しに、

いつもよりやつれて見える彼女の様子が

少し心配だった。

 

 

琴美ちゃんは、

私が通う美容室に勤めている

スタイリスト兼ヘアメイクの女の子だった。

 

 

私はもう20年ほど前から

学生時代からの友人である

男友達のエイジに

ヘアカットを任せているのだが

 

彼は長年女優さんやモデルさんの

ヘアメイクも担当していて

彼が経営するこの美容室に訪れると

必ず有名な俳優さんなどを見かける。

 

 

その友人が経営する美容室で

バリバリ働いているのが

この、琴美ちゃんで

 

琴美ちゃんはこの年

30歳になった。

 

 

 

彼女は今や

おしも押されぬ人気のスタイリストだが

 

アシスタント時代の

20代前半の時期から知っている私にとって

琴美ちゃんはなんだか

妹のような、子供のような存在なのだ。

 

 

エイジと私は昔よく飲みに行っていたので

琴美ちゃんもしょっちゅう一緒に飲んでは

若い恋話を聞かせてもらって

エネルギーを感じたり

真面目な仕事の話をしたりしていたが

 

彼女が売れっ子になってからは

休みの日や夜も撮影などが入ってしまう為

こうして私が美容室に訪れた時くらいしか

話せる機会は減ってしまった。

 

 

 

琴美ちゃん

「えーー、パンダさん

 わかります??

 

 やばいですよね、

 仕事中に顔に出ちゃうなんて・・」

 

 

 

「いやまぁ、元々可愛いから

 そのくらい大丈夫だけどさ。」

 

 

 

エイジ

「ちょっとバンダー

 甘やかさないでよねー。

 

 こんなおブスな顔してたら

 プロ失格だから〜。

 

 琴美ちゃーん。

 ちょっとメイク直しなさいよー。」

 

 

 

話し方でわかる通り、

エイジはこんな感じの人だ。

 

 

あ、エイジのキャラが濃い為

あまりここで語ってしまうと

エイジの物語みたいになってしまうが

彼はただただ私の長年の友で

 

琴美ちゃんにとっては

先輩で、オーナーという存在。

 

 

 

 

今回の主役はこの

琴美ちゃん。

 

 

 

 

いつも忙しいエイジのお店では

私は友人枠で

開店前の時間帯に呼ばれる。

 

その為エイジが

私のスタイリングをしているその隣で

琴美ちゃんはいつも

リラックスした様子で

何かしら手を動かしながら

一緒に世間話に入ってくれるのだが

 

今日の顔はなんだか

いつもと違っているので

どうしても気になってしまった。

 

 

 

「どしたの?彼氏と

 喧嘩でもしちゃった?」

 

 

 

エイジ

「ちょっとパンダ!

 そんなにはっきり聞くの

 やめてあげてっ。」

 

 

 

琴美ちゃん

「いえ、いいんです。

 

 むしろ聞いて欲しいですよー。」

 

 

 

 

そんな流れから始まって

 

 

私はこれからの琴美ちゃんの物語を

どっぷりしっかり

見届けてゆくことになった。

 

 

 

 

その日、琴美ちゃんは久しぶりの休日で

朝から部屋の窓を全開にして

張り切って部屋の掃除をしていた。

 

 

午後になったら買い物に行って

浩二の好きなハンバーグを作ってあげよう。

 

 

今日は収録が2本続くって言ってたから

きっと疲れてるだろうな。

 

お風呂もピカピカに磨いて

入浴剤は、

ちょっといいやつを買っておこう。

 

 

そんな風に思うと

掃除も楽しかった。

 

 

午後になり、買い出しも全て済ませて

さぁ、早速夕飯の準備

 

そう思った時。

 

 

 

電話が鳴った。

 

 

 

琴美ちゃん

「もしもし、浩二?

 どうしたの?もう仕事、終わったの?

 

 え?。。。そっか・・・

 

 そうだよね、

 先輩に誘われたら

 断れないよね・・・

 

 

 うん、わかった。

 行ってらっしゃい・・・

 

 それで、飲んだ後は、

 うちに来るの?

 

 

 そっか、終わる時間

 ・・・わからないか・・

 

 

 うん、わかった。

 じゃあもし来れたら来てね・・」

 

 

 

電話を切って、

琴美ちゃんは

ふぅとため息をついた。

 

 

 

琴美ちゃん

「・・せっかく材料

 いっぱい買ってきたのに・・」

 

 

 

せっかく楽しみにしていた

おうちデート。

 

それなのに、急なドタキャン。

 

 

 

こんなこと、初めてじゃない。

 

 

だけど、我慢するしかなかった。

 

 

 

 

だって琴美ちゃんの彼は

 

 

 

お笑い芸人だったから。

 

 

 

 

 

※今回のお話は、人物が特定されない為に、

年齢も時期も全てフェイクで書いてゆきます。過去のお話です。

 

 

登場人物

琴美ちゃん・・今回の主人公。30歳のヘアメイクアーティスト。

エイジ・・パンダの20年来の友人。女優・モデルさんを手がけるヘアメイクアーティスト。

琴美ちゃんが所属する美容室のオーナー。ヒゲマッチョな男性と猫っぽい女子と観葉植物が好き。

 

 

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