香織は中学時代からの

私の友達だ。

 

3人兄弟の末っ子で、

上の2人とは歳が離れているため

家族からとても

可愛がられていた彼女は

 

ショートカットで活発で、

笑いのツボが合うので

箸が転げても笑えるその時代は

いつも笑って過ごしていた。

 

 

高校を卒業し

私たちはお互い進学のため

 

私は東京へ、香織は大阪で

新しい生活を始めた。

 

一人暮らしの時代には

私が東京から大阪に遊びに行ったり

香織が東京に来てくれたり

 

単純に忙しさで

一旦疎遠になっていた

そんな時期もあるが

 

それでも何かある時には

必ず連絡を取り合っていた。

 

 

そして香織が27歳になる時

 

結婚が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

「香織ぃぃぃぃー!!

 綺麗だねーー!!!

 

 おめでとぉぉぉぉぉぉーー!!」

 

 

 

と。

 

 

 

香織の花嫁衣装を見た瞬間は

もう涙腺がぶっ壊れた

 

まだ27歳の

ピチピチギャルの私。

(相変わらず昭和が酷い。)

 

 

もう10年以上も前の話。

 

 

まだまだ結婚というものが

ピンときてなかった私でも

親友の幸せな姿は

いつだって嬉しいものだ。

 

 

 

 

大阪で行った結婚式には

高校時代の女友達が

何人も集まっていて

 

久しぶりに会えた私たちは

同窓会みたいな気分で

とっても楽しかった。

 

 

 

ちなみに私が

香織のご主人に会ったのは

この時が初めてだったが

 

背が高くて

育ちが良さそうな男性

 

という印象で。

 

 

2人は2年ほど付き合っていたので、

その期間に香織からは

色々と話は聞いていたが

 

たわいもない喧嘩もするし、

穏やかに惚気たりもするし

 

とても順調なお付き合いのまま

2人は自然に結婚をした。

 

 

 

ただ1つの、

不安要素を残して。

 

 

 

 

同級生Aちゃん

「ねぇ、今日の香織、

 すっごい綺麗だよね。

 

 いいなー、幸せそうでー。」

 

 

 

香織がお色直しのために

席を外している間

私たちは食事やおしゃべりを

楽しんでいた。

 

 

 

「うん、元々スタイルいいから

 あのマーメイドドレス

 すっごい似合うよね。

 

 このあとは

 フワフワ系かなぁ。

 楽しみだよねぇ。」

 

 

 

同級生Bちゃん

「それも絶対可愛いだろうねー。

 ねぇ、このお肉おいしーい!

 うれしーい。」

 

 

 

 

 

あぁ、

 

この当時の私たちったら。

 

 

 

 

なんて

ピュアな会話。

 

 

 

 

ドレスがふんちゃか。

 

お肉がほんちゃか。

 

 

かわいー、おいしー。

 

 

で、会話がもつ時代。

 

 

平和で震える。

 

 

 

 

 

同級生Aちゃん

「それにしてもこの結婚式

 豪華すぎて驚いたな。」

 

 

同級生Bちゃん

「いや本当にね。

 

 ご主人の方の

 出席してる親戚の方たちも

 なんか肩書きすごくない?」

 

 

「あぁ、ご主人のご実家

 老舗の割烹料理屋さんって知ってる?」

 

 

 

同級生Bちゃん

「それは前に、

 ちょっと聞いてた。」

 

 

同級生Aちゃん

「私も。」

 

 

 

「うん。 

 なんかおじいちゃんの時代から

 お偉いさんとか

 芸能の方たちも

 お忍びで来るらしいし

 

 お母さんの方は

 お医者さん家系なんだって。

 

 だからお知り合いは、

 多いんじゃないかな。」

 

 

 

同級生Bちゃん

「なるほどね。

 

 でも老舗ってことはそのお店、

 香織の旦那さんが継ぐの?」

 

 

 

「いや、なんか

 お兄ちゃんがいるみたい。

 

 だから香織も

 仕事は辞めずに

 そのまま続けるみたいだし。」

 

 

 

同級生Bちゃん

「そっか。

 

 香織って外資の会社だし

 英語ペラペラだから

 案外海外の人と結婚すると思ったけど

 

 後継じゃないとはいえ

 老舗のお店の息子と

 結婚するとはねー。

 

 なんかしきたりとか 

 大変そうだー。」

 

 

 

同級生Aちゃん

「でもまぁ恋愛結婚ってさ

 そういうの飛び越えて

 好きになるってところが

 醍醐味だからさー。」

 

 

 

 

と、当時誰も結婚していない

小娘3人組が

 

恋愛感や結婚観などを

呑気に話していた。

 

 

そのあとお色直しを終えて

現れた香織は、

 

お姫様みたいに可愛かった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

Oisix始めました。

 

 

これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

シーズン8  青木の芝生  男友達の告白。

シーズン9  紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」