シーズン13 登場人物 

主人公の女性3人組は、皆30代半ばの同級生です。

 

●山田日奈子

パンダの中学時代からの友人。シーズン12の翔くんの姉。

 

●芽衣

日奈子の高校時代からの友人。仕事に恋に熱心。

ダメンズを選びがち?出版社で働くキャリアウーマン。

 

●桃子

日奈子の高校時代からの友人。愛されキャラの2児の母。

子供は7歳と5歳。

夫婦仲は良く、デザインの在宅ワークをしている。

 

●敦…桃子の夫。

●おばあちゃん…敦の母方のおばあちゃん。

 敦の両親と一緒に住んでいる。

 

 

子供達の寝かしつけをしている間、

 

やはり芽衣が言っていた

敦の『寝落ち』が心配で

桃子は気が気じゃなかった。

 

 

こんな日に限って

子供たちがなかなか寝ない。

 

1日ぶりのママに

興奮しているのだ。

 

 

 

すもも

「ママ、もっと絵本読んでー」

 

 

 

桃子

「ちょっと二人とも!

 ベッドの上で飛び跳ねない!!

 

 早く寝なさい!!」

 

 

 

普段ならこんなことで

怒ることなどない。

 

絵本なら、

何冊でも読んであげたい。

 

けれど今夜だけは

焦りでイライラが募る。

 

 

 

すもも

「ヤダ!あと1冊読んで!!」

 

 

 

桃子

「…もうっ。」

 

 

 

こんな風に、

子供にあたる自分が嫌だった。

 

 

 

 

結局30分以上かかって

やっと二人が眠り

桃子は急いでリビングに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、寝かしつけお疲れ様。」

 

 

 

あぁ、起きてた。

 

 

桃子は心からホッとした。

 

 

 

敦は、手に携帯を持って

テレビを見ながら

呑気に一人でビールを飲んでる。

 

 

 

その携帯で何をしていたのか

結婚してからそんなこと

1度も気になったことなどなかったのに

これからは毎日

気にすることになるんだろうな。

 

桃子は瞬時にそう思った。

 

 

 

 

桃子

「…私も、お酒飲もうかな。」

 

 

 

「おー、いいね。そうしよう。

 

 あ、じゃあ冷蔵庫にある

 チーズと生ハムも出そう。」

 

 

 

敦はすぐに立ち上がり

自分でテキパキと準備をする。

 

そして、対面キッチンから

笑顔で桃子に話しかけた。

 

 

 

「それで、

 旅館の雰囲気とかどうだった?」

 

 

 

桃子

「うん、最高だったよ。

 

 お風呂もそうなんだけど、

 おもてなしとかお料理とか

 口コミ以上に

 本当にいい宿だった。」

 

 

 

「そっか、それは良かった。

 

 桃子たち、仲良いんだから

 これからはもっとこうやって

 頻繁に女同士、大人同士の旅 

 行ってきたらいいよ。」

 

 

 

桃子

「え?あぁ、うん。ありがとう。」

 

 

 

 

今度家族で一緒に行こう、

って言わないのか。

 

 

 

これからも大人同士の旅に

もっと行ってきたらいいなんてセリフ

何も知らずに言われたならば

心からありがたいと思えるだろう。

 

 

けれどもうダメだ。

 

1つ1つが、全て引っかかる。

 

 

 

 

桃子

「だけど…昨日から、

 お義父さんやおばあちゃん

 うちに泊まってたんでしょ?」

 

 

 

「あぁ、そうだよ。」

 

 

 

悪びれもせず、

さも当たり前の表情で

チーズに生ハムを巻いている。

 

 

 

 

桃子

「いや、泊まりってさ…

 

 流石にそれって、

 どうして私に言ってくれなかったの?

 

 私は、お義母さんだけが

 子供たちの夕飯とかお守りとか

 そのお手伝いとして

 来てくれたんだと思ってた。」

 

 

 

「そうだよ、

 そうやってお願いしたよ。

 

 だけどさ、母さんだって

 父さんたちの食事の準備もあるし

 

 子供たちのことだけやったら

 あとは帰っていいよって言うより

 もううちで一緒に

 全員まとめての方がいいじゃん。」

 

 

 

桃子

「…いや…だって子供たちとか

 あなたの分の食事は

 私が作っていったじゃない。

 

 そもそも夜までお義母さんに

 面倒みていただくつもりじゃなかったし。」

 

 

 

「でもさ、母さんが孫たちと

 一緒にいたいって言うんだから

 そこは別に、断る理由ないだろ?

 

 ほら、おつまみ出来た!

 

 ついでにカプレーゼも作ったよ!」

 

 

 

敦の勢いに流されて、

桃子は一旦リビングのソファーに座り

ビールを飲むと

生ハムチーズを口の中に入れた。

 

 

 

芽衣の言葉が頭を駆け巡る。

 

 

 

核心をついてはいけない。

 

 

 

だけど、

このことだけは聞いておきたい。

 

 

 

 

 

桃子

「…じゃあさ、お義母さんが

 孫たちと夕食を食べたいと思って

 作ってくださった気持ちは

 百歩譲ってわかった。

 

 

 …それで、

 

 

敦くんが昨日、

家にいなかった理由は?」

 

 

 

 

 

桃子はそう言うと、もう一度、

ビールをグッと飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

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ここまで読んでくださってありがとうございます。

「私がブログを書く理由。」

 

これまでのシリーズはこちら。

1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。

3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

8.青木の芝生   男友達の告白

9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」

10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」

11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋嫁ぐ

12、翔くんの芝生 「不器用で、愛すべき弟。」