シーズン13 登場人物 

主人公の女性3人組は、皆30代半ばの同級生です。

 

●山田日奈子

パンダの中学時代からの友人。シーズン12の翔くんの姉。

 

●芽衣

日奈子の高校時代からの友人。仕事に恋に熱心。

ダメンズを選びがち?出版社で働くキャリアウーマン。

 

●桃子

日奈子の高校時代からの友人。愛されキャラの2児の母。

子供は7歳と5歳。

夫婦仲は良く、デザインの在宅ワークをしている。

 

●敦…桃子の夫。

●おばあちゃん…敦の母方のおばあちゃん。

 敦の両親と一緒に住んでいる。

 

 

 

楽しくも、夫のことで悩んだ

1泊2日の旅行から帰ってきて

 

こんな仕打ちが待っているとは

思いもよらなかった。

 

 

留守の時に来ていることさえ

嫌で仕方がなかった義母たちが

どうしてまだ家にいるのか。

 

 

 

主婦のテリトリーである

大事なキッチンに入り

桃子が使い慣れない調味料まで

増やしている義母。

 

 

 

 

桃子

「あの、何か

 お手伝い出来ることは…」

 

 

 

敦の母

「あぁじゃあ、

 このお料理が入りそうな

 器を出してくれるかしら。」

 

 

桃子

「はい…」

 

 

敦の母

「あ、このお料理ね、

 敦が好きだから

 

 ここのメモ帳に材料と作り方

 書いておいたからね。」

 

 

桃子

「わぁ、助かります。

 ありがとうございます。」

 

 

 

どうして、一番落ち着くはずの自宅で

こんなに

気を遣わなければいけないんだろう。

 

 

そう思いながら桃子は

義母が作った料理を

テーブルに運ぶ。

 

 

 

キッチン側のテーブルには、

もうすでに席を占領している

義父とおばあちゃん、敦

そして義母のお箸やおかずを並べ

 

リビングのテーブルには

桃子と子供たち二人の分を。

 

暗黙の了解でそうしたが

もちろん誰も何も言わなかった。

 

 

 

 

「食事の後、母さんたち

 お風呂も入っていくだろ?」

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

耳を疑った。

 

 

 

 

 

 

桃子

「いや、それじゃあおばあちゃんが

 湯冷めするだろうから

 お体に悪いし…」

 

 

 

義両親とおばあちゃんが

お風呂から上がるのを待っていたら

 

明日学校がある

子供たちの寝かしつけは

一体何時になるんだ。

 

 

っていうか、そんなことまで許したら

また泊まって行くなんて

言い出すに決まってる。

 

 

桃子は言葉を選びながら

夫に反論した。

 

 

夫は一体、

何を言い出しているんだ?

 

こんな人だったっけ?

 

 

 

桃子は苛立ちを抑えるために

子供たちが散らかした

リビングのおもちゃを片付けて

必死で気を紛らわそうとした。

 

 

 

 

義母

「あー、助かるわ。

 ここのお風呂、スイッチ一つで

 お風呂が沸いたのを教えてくれるから

 本当に楽よね。

 

 何もしなくていいし。」

 

 

 

いや、

何もしなくていいわけないだろ。

 

 

 

 

敦の父

「うーん。お風呂に入ったら

 ビール飲みたくなるだろう。

 

 明日仕事だから、

 このままここで長居していたら

 寝るのも遅くなって疲れるんだよな。

 

 だから、

 今日は夕飯食べたら帰るぞ。」

 

 

 

 

敦の母

「まぁねぇ。

 お父さんがそう言うなら

 仕方がないですけどねぇ。」

 

 

 

「じゃあ」

 

 

 

桃子

「うわぁ、お義母さん

 こちらも美味しそうですねー。」

 

 

 

 

桃子は慌てて、敦の言葉を制した

 

もしかしたら

(じゃあ、父さんだけ帰ったら?)

 

とか言ってしまう気がして、

怖かった。

 

 

 

 

義父は一人では何もできないので

もしそんな提案をしたとしても

義母が一緒に帰らないわけないが

 

桃子はもうそれだけ

敦が口を開くのが怖かったのだ。

 

 

 

 

それからすぐに

夕飯の準備が出来て

だらだらとした食事の時間が

1時間続いたが

 

微妙に席が離れているせいか

桃子の旅のことなどは

ほとんど聞かれなくて

 

食卓では義母と義おばあちゃんの

交互の独演会のようになっていた。

 

 

 

 

敦の父

「さぁ、じゃあそろそろ帰るか。

 

 すもも、こももまたなー。」

 

 

 

敦の父は立ち上がると、

目尻を下げて孫たち二人に近寄る。

 

 

 

すもも・こもも

「うん!!じーじまたね!!」

 

 

 

あぁ、子供たちが

まだ帰らないでーって

引き止めないでよかった。

 

 

 

 

 

敦の母

「あら、でもまだ

 何も片付け出来てないわよ。」

 

 

 

桃子

「あっ、それは私がやりますんで

 大丈夫ですよ!!

 

 今回は本当に、

 色々とありがとうございました。

 

 あのっ、これ。」

 

 

 

桃子は、

孫たちを見てくれていたお礼にと

買ってきていたお土産を渡す。

 

 

 

敦の母

「あらー、こんなこと

 気を遣わなくてよかったのにー。

 

 もう、これからは

 頼ってくれて大丈夫だから、

 桃子さんも

 いつでも連絡して頂戴。」

 

 

 

桃子

「はいっ。

 ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

パタン。

 

 

 

 

 

嵐のように去っていった

義実家の人たち。

 

 

 

玄関の扉が閉まったのを確かめると

桃子は、敦の名前を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

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ここまで読んでくださってありがとうございます。

「私がブログを書く理由。」

 

これまでのシリーズはこちら。

1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。

3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

8.青木の芝生   男友達の告白

9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」

10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」

11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋嫁ぐ

12、翔くんの芝生 「不器用で、愛すべき弟。」