登場人物

シーズン12」の始まりはこちら。

 

山田日奈子

…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて

仕方ないが、婚約者の結衣の不倫確定で、弟のために

奔走している。

 

山田翔

…日奈子の2歳下の弟。赤門の大学出身で有名企業に

勤めている。仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、

女性には口下手で奥手。 女医の結衣と婚約破棄が決まった。
 

菊地結衣

…翔くんの婚約者だった。大学病院に勤める外科医。

父も兄も親類も医者。 母は専業主婦で曲者。

婚約破棄の理由も、その後の対応も最低。
 

辻さん

…結衣の医学部時代からの同期。外科医。

日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で

実は既婚者。そして結衣と不倫していた。

奥さんは結衣と友人でもある。

 

辻静香…辻の妻で、結衣の友人。小学生のお子さんが二人いる。

 

 

離婚を決意した静香さんは、

夫の辻に、それを告げた。

 

 

 

静香さん

「夫はこの話の時

 ずーっと泣いてました。

 

 そして、謝り続けていました。

 

 いつかまた、この家族で

 家族に戻りたいと。」

 

 

 

日奈子

「…戻りたいって…本当に、、、

 身勝手なことを言いますね。」

 

 

 

静香さん

「はい。ですが私の心はもう

 そんな言葉では、

 揺れたりしませんでした。

 

 以前夫のお母様に、

 孫に会えなくなると泣かれた時が一番

 再構築について考えましたけど

 

 よく考えてみたら、

 そんなことで私の本音を押し殺して

 生きていくのは、 

 辛いなって思ったんです。」

 

 

 

「そうですよ。その通り。

 だって身勝手なことをしたのは

 辻さんと結衣さんなんですから。」

 

 

 

静香さん

「はい。だから夫には

 

 

(今まで通りにはもう戻れないよ。

 

 だって

 子供や家族を本当に愛している人は

 決して裏切ったりしない。

 

 

 だけどずっとあの子たちは 

 あなたの子供で、

 お義母さんたちの孫。

 

 側にいなければ愛せないなんてこと

 あるわけないでしょう?

 

 だからこれから先もずっと

 子供たちを愛してあげて欲しい。)

 

 

 

 そう言いました。

  

 それが私の、本心なので。」

 

 

 

「そうですか…はい、もう…

 

 静香さんの決断、心から

 応援しています!

 

 今の清々しい

 静香さんのお顔を見ていると

 なんか私まで

 スッキリした気持ちになれます。」

 

 

 

静香さん

「ありがとうございます。

 

 ねぇ、だけど二人は

 いい人が見つかったら

 ちゃんと結婚してくださいね。

 

 私は、今回のことで

 結婚そのものが悪いことだとか

 無駄だったなんて

 思ってないですから。」

 

 

 

私・日奈子

「あ、はい。

 

 そこは、、あ、いや別に

 したくないって思ってるんじゃなくて

 

 …出来てないだけ…( ̄▽ ̄)」

 

 

 

 

静香さん

「ふふふふふふ」

 

 

 

 

静香さんが楽しそうに

笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

それから2年以上が経過した頃

 

この頃辻は風の噂で

お子さんたちとの関係性は

円満ながらも

 

どうやら結局、

 

 

彼女はいるらしい。

 

 

 

まぁ、離婚したんだから

勝手にすればいいとは思うが

やっぱりあの男は、

女性がいなければ

生きていけないのだろう。

 

 

 

それでもまた、それから月日は流れ

静香さんのお子さんたちは

中学校受験をし

将来医師を目指しているそうだ。

 

静香さんはお母様の

チャリティーのお仕事などを

手伝ったりしながら

毎日忙しくしている。

 

お子さんたちには

両親がなぜ離婚したのか

いまだに伝えていないそうだが

父親との関係が円満である限り

静香さんは辻のことを

この先も

悪くいうつもりはないと決めている。

 

 

今が幸せだから、それで十分だと。

 

 

 

 

 

結衣はあれから

ずっとアメリカに住んでいて

帰ってくる予定はないそうだ。

 

 

コロナ禍で大変だった時期

彼女は医療従事者として

大変な思いもしたのだろうか。

 

今ならちょっと、

そんなことも考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後に。

 

 

 

 

翔くんは、

苺大福ちゃんとお付き合いして

1年以上が経過した頃

彼女のご実家に招かれた。

 

苺大福ちゃんのお父さんは

大学の教員。

お母さんはご自宅で

ピアノの先生をされていたらしく

 

朗らかなご両親の間で

ケラケラと笑う苺大福ちゃんを見て

翔くんは

 

この人が生涯を共にする相手だと

結婚を意識した。

 

 

 

それからまたさらに

1年以上が経過して

 

 

 

翔くんはめでたく

 

私たちよりも先に(笑)

 

 

 

 

苺大福ちゃんと、結婚した拍手拍手

(おめでとーーー!!!ちゅー

 

 

 

 

翔くんは結婚式での最後の挨拶の時、

日奈子にサプライズで手紙を用意し

 

 

びっくりした日奈子と二人で、

サプライズ側の翔くんまで

鼻を垂らしながら泣いていて(笑)

 

 

姉さんも、早く結婚してねと言って

 

日奈子に、コラーと突っ込まれ

 

 

それを見た苺大福ちゃんが

またケラケラと可笑しそうに笑って

 

 

 

日奈子は言った。

 

 

 

日奈子

「あなたが弟で、私は幸せです。

 

 あなたの姉であることが

 私の誇りだから。」

 

 

 

会場が、この上なくハッピーな

泣き笑いに包まれた。

 

 

 

 

 

それからさらに月日が流れ、

 

 

 

 

今、翔くんは言う。

 

 

 

 

翔くん

「もうあの頃のことを思い出すことは

 ほとんどないんです。

 

 結衣さんが今、

 どこでどうしているかも知らない。

 

 だけど時々思い出すとしたら

 結衣さんがお母さんのことで

 どれだけ苦しんできたのか…

 

 やっぱりそこは

 切なくなったりもします。」

 

 

 

 

「切なくなるって…

 

 翔くんは、嫌な部分を

 思い出したりはしないの?」

 

 

 

 

翔くん

「今は…うん、しないです。

 

 人って、

 一つの側面から見たその人が

 その人の全てじゃない。

 

 いろんな面がある。

 

 

 だから僕は、なるべくその人の

 良かった面の方を

 覚えていたいです。

 

 

 長い人生のうちの一部で

 例えその時に何かあったとしても

 

 人はいくらでも変われるし

 

 今がそうだと、信じたいから。」

 

 

 

 

 

 

そう言う翔くんの目に、

嘘など一つもない。

 

 

ずっと奥手で、気弱で

不器用だった翔くん。

 

 

 

 

 

 

「パパー!」

 

 

 

 

 

振り向いて、

 

 

我が子を抱き上げる

翔くんのその腕と眼差しは、

 

 

暖かくて強くて、優しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーズン12  翔くんの芝生  完

 

 

 

 

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私がブログを始めて、2年以上が経過しました。

「私がブログを書く理由。」

 

これまでのシリーズはこちら。

1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。

3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

8.青木の芝生   男友達の告白

9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」

10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」

11、香織の芝生 「老舗割烹料理屋嫁ぐ