登場人物
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて
仕方ないが、婚約者の結衣の不倫確定で、弟のために
奔走している。
山田翔
…日奈子の2歳下の弟。赤門の大学出身で有名企業に
勤めている。仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。 女医の結衣と婚約破棄が決まった。
菊地結衣
…翔くんの婚約者だった。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。 母は専業主婦で曲者。
婚約破棄の理由も、その後の対応も最低。
辻さん
…結衣の医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
実は既婚者。そして結衣と不倫していた。
奥さんは結衣と友人でもある。
辻静香…辻の妻で、結衣の友人。小学生のお子さんが二人いる。
1ヶ月後
私は久しぶりに、
日奈子と翔くんに会っていた。
あれから翔くんは
一人暮らしもはじめて
生活には落ち着きを
取り戻しているようだった。
そもそも私たちが会うときに、
いつもテーマなんてなくて
誰かが何かしらの話題を始めたら
そこから話が広がっていくような
そんないつもの会話が
この日は出来た。
日奈子
「それで翔、最近どうなの？
仕事は相変わらず？」
日奈子も翔くんの近況を聞くのは
久しぶりだったようだ。
翔くん
「うん、おかげさまで順調。
…。
（ニコっ）←ハニカミ気味。」
爽やかな風が、そよそよ。
日奈子
「ん。」
私
「あれ。おや。」
日奈子
「なんか今の翔の笑い、
意味深だったんだけど。」
翔くん
「あ、いや、あれ。え。」
私
「はい。完全にこれは、
なんかありますね、姉さん。」
日奈子
「うむ。翔。
話してもらおうか(・∀・)」
そんな感じで翔くんは、
何か言いたげな。
ムーミンみたいな。
そんな感じだった。（どんな感じだ。）
そして
翔くん
「…あ、いや、だからあの…
だから、えっと
まぁ、…生まれて初めて…
告白された。」
私、日奈子
「え(*⁰▿⁰*)」
私
「こっ、こくはくっ？」
日奈子
「翔が？？」
翔くん
「あ、うん。僕が。」
きゃー。
♪───Ｏ（≧∇≦）Ｏ────♪
と、
30代の男女が集まって
何やこの会話は。
と、思われるでしょうが
ずーっと奥手で、
やっと結婚かと思ったら
相手が結衣で、こんな結果で
どうしたもんかと思っていたら
（いや、私と日奈子も当時独身。）
ここへきて
急な告白！
しかもお相手からっ！
いや、待て。
今度もまだ
どんな馬の骨やらなんやら
わからないわけよ。
いくら今回のことで
翔くんが色々学んだとはいえ
相手が変わればまた
何があるかわからない。
しかも翔くんはぐいぐい押されると
そのまま
流されてしまうかもしれない。
日奈子
「相手はどんな子っ？
なんの仕事してるの？」
日奈子の方が、先に聞いていた。
翔くん
「…も、もともとは派遣で…」
日奈子
「ふむふむ、派遣ね。
じゃあ、社内で出会ったのね。」
翔くん
「きっちり仕事が出来るからって
最近社員になった子で
話してみたら、大学は僕の後輩で」
私
「ふむふむ、じゃあまたお相手は
頭のいいお嬢さんなのね。」
翔くん
「うん。
見た目とかは
地味というかナチュラルで
仕事中も会話が控えめだから
目立たない人だったんだけどね。」
日奈子
「ふむふむ、結衣とは全く
逆のタイプなのね。」
翔くん
「ちょっとしたきっかけがあって
北方謙三の、
好きな本の話になって。」
私
「ふむふむ。
…いや、
私はどんなきっかけがあっても
職場で北方謙三の話になることなど
一生ないと思うけど。」
翔くん
「その本の、好きなポイントが同じで
盛り上がって。
（私のアホなツッコミは華麗にスルー）」
日奈子
「いやでも、歴史なら結衣も
めちゃくちゃ詳しかったはずだから
まだどんな子かわからないけどっ。」
そんなこんなで、
翔くんの姉である私たち二人は
あーだこーだと
久しぶりの明るい話題について
根掘り葉掘りしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Pick Item
私がブログを始めて、2年以上が経過しました。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」