登場人物
山田日奈子
…パンダの同級生。不器用な弟のことが可愛くて
仕方ないが、婚約者の結衣の不倫確定で、弟のために
奔走している。
山田翔
…日奈子の2歳下の弟。赤門の大学出身で有名企業に
勤めている。仕事も出来て優しく穏やかな性格だが、
女性には口下手で奥手。 女医の結衣と婚約破棄が決まった。
菊地結衣
…翔くんの婚約者だった。大学病院に勤める外科医。
父も兄も親類も医者。 母は専業主婦で曲者。
婚約破棄の理由も、その後の対応も最低。
辻さん
…結衣の医学部時代からの同期。外科医。
日奈子といい仲になりそうだったが極度の潔癖症男で
実は既婚者。そして結衣と不倫していた。
奥さんは結衣と友人でもある。
辻静香…辻の妻で、結衣の友人。小学生のお子さんが二人いる。
学長（男性）
辻や結衣が務める大学病院のトップ。静香さんのお母様とは、
旧知の仲でもある。
着地点も定まらないまま
ただの報告会のようなものになってしまい
なんだか消化不良だった私たち。
なんとなくその日はまだ
静香さんは辻とのことを再び
悩みあぐねている感じだったし
翔くんは結衣とのことも進まず
こういったことは
自分一人の気持ちだけではなかなか
進まない難しさを感じる。
いつもなら強気な私や日奈子も
この状態で
話が通じない結衣たちの言葉を
想像して話し合っても仕方なかった。
◆
翌日の夜。
翔くんの元にまた
結衣からLINEが入った。
結衣LINE
「ねぇ、もう弁護士なんか入れて
まどろっこしいことしないで
やっぱり二人で話し合わない？
こんなことで争ったって
仕方ないじゃない。」
引越し先が決まるまで
日奈子の家に居候状態の翔くんは
結衣からのLINEを日奈子に見せた。
翔くん
「なんかほんと…
もうさすがに、
ブロックした方がいいのかな。
引越しや式のことは
もうやりとりする内容もないし。」
日奈子
「…うん、そうだね。
母親とセットで
ブロックするべきだと思う。
この場所は結衣達には
知られてないから
マンションに突撃してくるとかは
しないだろうし。」
翔くん
「そうだよね。
あとは弁護士に任せて
やっていくしかないもんね。」
翔くんはそう言うと、
返事を返すこともなく
迷いなく結衣と母親をブロックした。
◆
その翌日。
翔くんはオフィスで、
いつものように仕事をしていた。
会社の女性
「山田さん、山田さん宛に
営業のお電話です。」
（本当はもっと詳細なことを伝えています。）
翔くん
「営業？わかった、内線回して。」
仕事中の、いつもの会話。
翔くんは何気なく電話に出る。
翔くん
「はい、もしもし。」
「ちょっと翔さん。
あなた、私たちの携帯、
ブロックしていらっしゃる？」
は。
っていうか
は？
この声は間違いなくあの人。
結衣の母。
翔くん
「あの。…今仕事中なんですけど。
一体どういうつもりですか。」
翔くんは小声でそう言った。
結衣の母
「そんなの
ご自身が一番お分かりでしょう？
電話もLINEも、結衣だけじゃなくて
わたくしのことまで
ブロックしてるじゃありませんか！」
翔くん
「…それは、それだけ僕が
ブロックしたくなるほどの
精神状態であることが、
お分かりになりませんか？」
結衣の母
「精神状態って、
じゃあ結衣はどうなるんですか！
あっちこっちから
悪者扱いされて！！」
翔くん
「…とにかく今は仕事中です。
終わったら一旦
お電話させていただきますので。」
ここで言い返したいことは山ほどあったが
翔くんは、
怒りで震える声を抑えながら
小声のままそう伝えて、電話を切った。
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私がブログを始めて、2年以上が経過しました。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性」