講演会情報
先日書いた麻耶雄嵩さんの講演会のことですが、
WMCの方にメールで尋ねてみて、いくつか(といっても2点だけですが)判ったことがあるので、こちらにメモ。
まず一つ。
講演会中、テープレコーダー等で録音するのは、商用利用を行わなければ可、ということです。
また、WMCの方たちの方でも、当日の講演は録音して、文字に打ち直してホームページに掲載される、ということです。
そして、もう一つ。
当日、講演会が終った後に、麻耶雄嵩さんからサインを頂ける時間がある、とのこと。
ただし、時間はあまり取れないとのことですが。
改めて、お返事下さったWMCの方にお礼を申し上げておきます。
というわけで。
MP3レコーダーと、サイン用の本そそれぞれ持っていくことに。
本は、今手元にある「螢」にしようかとも最初は考えていたのですが、
やはり圧倒的に好きな「夏と冬の奏鳴曲」にしよう、と。
明日にでも、新刊で購入してきます。丁度書店くじもやっていますし。
また、できれば来週中に「夏と冬~」再読するつもりでいます。
そのときはまた、感想でも。長くなりそうですが。
連城三紀彦 「美女」
- 連城 三紀彦
- 美女
この里苧のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか?
妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。
男の前で、妻とその妹、女将―3人の女の壮絶な「芝居」がはじまる。
逆転、さらに逆転劇!(表題作「美女」)息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。
◆ ◆ ◆
少し前に読んだのですが、感想を書き忘れていました。
政宗九さんのサイト で大絶賛されていたので、ならばと図書館で借りてきたものです。
一見、恋愛小説なのですが、実際は文字通りの超絶技巧が駆使されたミステリ短編集。
特に「喜劇女優」は凄いです。滅茶苦茶凄いです。こんな趣向を成立させてしまうなんて・・・・・・。
ただ、この「趣向」の凄さは判るのですが、まだ完全に理解できてはいません。
・・・・・・というより、一読で完全に理解できた人がいたなら天才以外の何者でも・・・・・・。
あと、「夜の二乗」も意外な真相。
これは確かに驚き。このような解法があったか、と。
完全に意表を突かれました。
ミステリという観点からは外れますが、単純に小説としてみた場合、「他人たち」が良かったです。
主人公の計算高さと、その計画のとおりに進んでいくストーリー。
ラストの展開も好み。
とにかく、全体通してレベルが高い作品集だな、と。
平均だと7点くらいですが、上にあげた三作品、特に「喜劇女優」は大傑作なので、ミステリ好きは是非。
見たいのに
今話題(なのかどうかはしりませんが)の「SAW2」(公式サイト )。
前作のノベライズを読んだとき、「これは面白い!」と思ったために、この映画が今日から公開されると聞いたときは友人達と見に行こうと思っていたのですが・・・。
R15指定。
「15才未満および中学生以下の方の観覧には適しておりませんので、ご覧になれません」
そ、そんな・・・・・・。
確かに前作は15禁かかってもおかしくない内容でしたし(実際そうだった)、今回もそうなりそうなことは予想していたのですけどね・・・・・・。
でも、「前作と並ぶどんでん返し」とか書かれるとどうしても気になってしまうわけです。一ミステリファンとして。
これもノベライズ出れば良いのに・・・・・・。
残念。DVD化を待つことになりそうです。
折角映画の話題なので、もう少しだけ。
僕が見る映画のほとんどミステリ映画です。
それも、いわゆる「どんでん返し」系ばかり。
一応、どんでん返し映画の基本はある程度抑えているつもりですが、
「シックス・センス」、「アイデンティティー」、「閉ざされた森」、「ショーシャンクの空に」など色々ある中で、
特に好きなのは「バタフライ・エフェクト」というマイナーな作品。
これはどんでん返しというのかどうかは判らないのですが、SFサスペンスの大傑作です。
あまりにマイナーなので、レンタルビデオショップなどに行ってもないかもしれませんが、
見る機会があれば是非。
ちなみに、公式サイトはこちら 。
何故これだけ素晴らしい作品なのに、ほとんど誰にも知られていないのかは謎。
そういう作品って、多いですよね。
竹内真 「カレーライフ」
- 竹内 真
- カレーライフ
カレーをめぐる冒険が、いま始まる!
人は死ぬものなのだと知ったのは、カレーライスを食べた後だった。記憶の中の祖父のカレー、幼い日の約束を巡って、僕は旅立つことに…小説すばる新人賞受賞第1作、書き下ろし青春ロードノベル!
◆ ◆ ◆
三日かけてようやく読了。
これも期待にもれず面白かった!
始まりは、「大人になったら、カレー屋やろう」という、いとこ5人で交わした約束。
この約束のために、主人公のケイスケがいとこの一人、ワタルと共に、各地を回っていろいろな人と出会って、カレー屋開業をめざす青春小説。
タイトルを見れば一目瞭然ですが、最初から最後までカレー尽くし。
こんな小説、今まで見たことがないです。
小説を読みながらカレーを食べたり、
作中に出てきたカレートーストを自分で作って朝食にしたりもしました。
普段はあまり意識しないのですが、この作品を読んだらカレーが食べたくなります。
間違いなく。
とにかく様様なカレーが出てきて、一口にカレーといってもこんなに種類があるのか、と驚いたり。
舞台も富士山から始まりアメリカ、インド、沖縄と移り変わり、それぞれの場所で出会う人々(そしてカレー)がまた良いです。
竹内さんは、こうした「人と人とのつながり」を描くのがとても上手いな、と感じます。
個人的にお気に入りなのは、バーモントでの現地の人々とのやり取り。
ここは特に面白いです。僕もその事実を知らなかったので、これもまた、驚かされました。
ところで、この作品に出てくるワタルは、「図書館の水脈」にも出てきますね。
このような、作品同士の「つながり」も楽しいです。
とてもお薦めの作家なので、まだ読んだことがない方は是非。
「自転車少年記」「風に桜の舞う道で」と並ぶ、高めの8点です。
ミステリ系
「ミステリを中心とした書評など」
と書いておきながら、
実のところミステリ以外の書評のほうが圧倒的に多かったりする、という事実。
・・・・・・いっそのこと、紹介文(概要)を変えてしまおうかとも思いましたが。
ま、これはこれでいいか、と結局そのままにしておくことにしました、
あまりジャンルにこだわらないほうがいいかな、と。
気分次第で読んでますので・・・・・・。
ただ、近いうちに本格ミステリ系作品をまとめて読むつもりではいます。
図書館に予約してあった、
今年の話題作、石持浅海「扉は閉ざされたまま」と、
何故か未だに読んでいない昨年の話題作、「硝子のハンマー」が届いたようなので。
一応、「本ミス」の読者部門に投票しようかな、とも思っているので、
「扉は~」はとりあえず抑えておく必要があるかな、と。
今のところ、
麻耶雄嵩「神様ゲーム」
東野圭吾「容疑者Xの献身」
米澤穂信「クドリャフカの順番」
あたりは投票するとしたら確定なのですが。残りどうするか・・・・・・。
まだ時間はあるので、ゆっくりと考えます。「扉は~」ももちろん読んで。
・・・・・・ということで、久々にミステリ的な話題でもしてみました(と、なんとなく最初につながったり)。
書評ではないのですけど。
ちなみに、今読んでいるのは竹内真の「カレーライフ」。丁度、半分を過ぎたくらいです。
これを読み終わったら「さよなら妖精」再読。何だかんだで、「扉は~」、読むのは来週の中ごろになりそうです。
羽海野チカ 「ハチミツとクローバー」7、8 (漫画)
- 羽海野 チカ
- ハチミツとクローバー (7)
- ハチミツとクローバー (8)
とりあえず、これで今単行本で出ている分は全部。
この二冊も、文句のつけようがないほど良いです。
青春小説、成長小説系が好きな方なら、まず面白く読める物語だと思います。
まあ・・・・・・。あらすじ紹介や帯など見ると、どうしても手を出しづらいと思われる方もいるでしょうが。
そういった意味で、何の事前情報もなしに読めた自分は良かった・・・・・・。
さすがに、帯に、
「超☆大ヒット!」とか、「トキメキ☆逆走ラブ・ストーリー」
なんて書いてあるのを見かけたら、まず間違いなく読むのをためらっていたでしょうから。
それにしても、この帯はどうなのかなぁと本気で疑問を感じたり。
そんな話なのか!? と。男子の視点だからかもしれませんが。こんなに過剰に「少女漫画」的なことを前面に押し出さなくても良いのではないかと思います(少し偏見あり?)。
普段どおりにすごしていたら、絶対に読まなかっただろうシリーズであることは間違いなく、
そういった中にもこのような作品が埋もれているのですから、
皆さんのお薦めを教えてもらう、というのはやはりとても良いことだな、とまた実感。
ありがたいことです。
まあ、色々と書いてきましたが、結局この漫画は素晴らしい、ということを言いたかっただけなので。
苦手だな、と感じたら手を出す必要はないかもしれませんが、少しでも興味が湧いたなら、ぜひともどうぞ。
麻耶雄嵩の・・・・・・
「好きな作家は?」と聞かれたら、
まず真っ先に加納朋子さんと麻耶雄嵩さんの名前を挙げます。
それから、恩田さん、はやみねさん、北山猛邦さん・・・・・・と挙げていくとキリがないのですが。
とにかく、加納さんと麻耶雄嵩(あと、恩田陸も入るかな?)は特に思い入れが強い作家なのです。
正確には、麻耶雄嵩の場合は、本当に好きなのかどうか判らないのですが、とにかく凄い作家であることは間違いありません。
麻耶さんのデビュー作である「翼ある闇」で圧倒され、第二長編「夏と冬の奏鳴曲」でかつて体験したこともない驚き、恐怖、感動、崩壊感を味わった自分としては、とにかく麻耶雄嵩は「凄い」としか言えない。
ちなみに、「夏と冬~」は10点をつけた作品ですが、本当はそれ以上の点をつけたかったくらいです。
ミステリとしてみた場合、これより凄い作品を今後読める気がしません。それくらい感動しました。
・・・・・・といっても、賛否両論はかなり激しく、どちらかというと「否」のほうが多そうな気がしますが。
まあ、「夏と冬の奏鳴曲」に関しては近いうちに何か記事を書くので(前にも言っていましたが)、ここでは置いておいて。
本題。
その麻耶雄嵩の講演会が、11月5日(土)に早稲田大学の西早稲田キャンパスであります。
(詳細はこちら )
これは是非聞きに行きたいな、と思ったら、その日学校があるんですよね・・・・・・。
さすがに学校を休むわけにも行かないので、どうしようかと思っていたら、時間的に部活を休めば何とか間に合いそうだったので、
これは・・・・・・と思って今日顧問の先生に相談してみたら、「休んでも全然かまわないよ」とのご返答が。
・・・・・・ということで。
多分、行ってきます。
楽しみです。尤も、本当にいけるかどうかはまだわからないのですが。
もしいけたら、そのときは何かレポートでも書こうかと。
ついでに、その週の月曜日(10月31日)は、僕の通っている学校の「歩く大会」があります。
夜歩くというわけではないのですが、20数kmの距離をただひたすら6時間かけて歩くという行事で、なんとなく恩田さんの「夜のピクニック」を思い出したり。
こちらも、楽しみだったり。しかも、終れば三連休。また、まとめて読書の時間が取れそうです。
羽海野チカ 「ハチミツとクローバー」4~6 (漫画)
数日ほど前、「続きも読みます」と言っていた漫画ですが、とりあえず6巻まで読了。
傑作です。
もし少女漫画だから、などの理由で敬遠しているのでしたら、だまされたと思って読んで欲しい作品。
僕も、それほど多く漫画を読むほうではないのですが、それでも(それだからこそ?)この作品は良い、と断言できます。
先にも書きましたが、とにかくバランスが良いのです。
重いだけじゃなく、かといって軽いだけでもなく。
全員に何らかの悩みがあって(一見、何の悩みもなさそうな人もいますが)、そしてその悩みを抱えた人たちの、心情の描写が素晴らしい。
悩みといっても別に恋愛にとどまらず、将来のことや、本当の自分とは、など、読んでいていろいろと共感できる部分もあるわけです。
こういったテーマを、さらりと、自然に描いているのが凄い。
あと二冊、今のところ出ているわけですが、こちらも明日には読み終われるかな、と。
密度が濃いので、一冊読み終わるのに割と時間が掛かってしまうのですが。それもまた、良い感じ。
このシリーズは、完結まで追いかけたいですね。
竹内真 「風に桜の舞う道で」
- 竹内 真
- 風に桜の舞う道で
90年春、高校を卒業した青年が大きな荷物を手に「桜花寮」に集まる。1年間彼らが住まいとする予備校の寮である。10年後の2000年春、彼らの夢は形をとりつつあった。懐かしさとほろ苦さを感じさせる青春小説。
◆ ◆ ◆
さかきさん(お名前挙げて宜しかったでしょうか?)からお薦めいただいた作品。
予想通り、いや予想以上に良い作品でした。どうもありがとうございます。
浪人時代の寮での一年間と、それから十年後の彼らを交互に描いた青春小説。
一つ一つのエピソードは何でもないようなことなのに、それが何でこんなに面白いのか。
上手く言葉には出来ないのですが、とにかく読んでいて心地良いのです。
また、ただ面白いというだけでなく、自分の将来のことなども色々考えさせられました。
今でも、あと数年後のことを考えるとどうしても不安になってしまうのですが、この作品をそんなときに思い出せたら・・・・・・。
とても良い本に出あった気がします。
十人いれば、それだけの道があって、未来がある。
そして、未来は誰にもわからない。
そんな当たり前のことを深く実感しました。
「自転車少年記」と同じくらい好きです。
9点に限りなく近い8点。尤も、この評価は今のところのものなので、これからもっと上がると思います。
また読み直したい、と感じさせる本ですから・・・・・・。
人によってこの作品の見方は全然違うと思いますが、ぜひ色々な方に読んで欲しいな、と。
僕からもお薦めします。
十年後、今よりも成長してから、もう一度読んでみようと思いました。
水城正太郎 「ハーフダラーを探して 3」
- 水城 正太郎
- ハーフダラーを探して〈3〉
大人気コンゲームノベル、怒濤の大転回!!
新都心名うての〈詐術師〉練四郎と弟子の魔夜美が袂をわかち、しばらく後。練四郎は家族惨殺の過去の事件に関わる人物の情報を入手する。一方魔夜美は事件の真犯人の罠にはまり、絶体絶命のピンチに!
◆ ◆ ◆
前の二作を読んでいるということで、なんとなく惰性で読んでしまった作品ですが、内容はひたすら「詐欺」。
で、見れば判ると思いますがライトノベル。
・・・・・・正直なところ、完全にストーリーやキャラクターを忘れていたために、全然ついていけませんでした。
前作読んだの、三ヶ月ほど前なのですが。・・・・・・忘れるの早すぎです。
でも、確かにあまり印象に残らない作品かな、と。
ストーリーもキャラクターも。
一応、このシリーズはこれで最終回らしいです。
また、あとがきで作者が、「この作品から読んでも大丈夫」的なことを書いていますが、多分ついていけません。
富士見ミステリー文庫ということで、多少はミステリっぽい仕掛けもありましたが、これも前作までの内容を完全に頭に入れておかないと頭が混乱して終わりな気が・・・・・・。
評価は5点。
三作通して読めば、面白いのかもしれません。
ところで、この作者の名前から舞城王太郎を連想した人は少なくないと思うのですが、どうでしょう?