「ダニエル」
“DANIIEL ISN’T REAL”(2019/アメリカ/フラッグ)
監督:アダム・エジプト・モーティマー
原作:ブライアン・デリュー
脚本:ブライアン・デリュー アダム・エジプト・モーティマー
パトリック・シュワルツェネッガー マイルズ・ロビンス サッシャ・レイン
メアリー・スチュアート・マスターソン ハンナ・マークス
おすすめ度…★☆☆☆☆ 満足度…★★★☆☆
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ここしばらく外国映画の新作がなかなか公開にならないこともあって、ちょっと気になっていていたこの作品を鑑賞。
なんか入場者プレゼントもらったけど、どう見ても動員には苦慮している感じなので、意外にレアなグッズになるのかな?
しかしこの作品をどう評していいのか。
心理サスペンスかと思ったら、サイコスリラーになって、さらにオカルトホラーかと思ったら、今度はエルム街のフレディみたいなの出てくるし。
ずっと継続する不協和音みたいな音楽と途切れのないストーリー。
あとで過去のいろんな作品が思い出されたり、それでいて今までに観たことのない感覚もあって不思議な一本でした。
幼少期に両親が離婚して母親と暮らす孤独な少年ルークには、彼にしか見えない空想上の親友ダニエルがいた。
しかしダニエルの指示で母親を殺そうとしてしまったルークは、彼の存在を封じ込めて青年期を迎える。
しかし大学生になったルークの前に再びダニエルが姿を現し、人づきあいが苦手なルークを誘導、そのことによって初めて恋人ができるなどルークの生活にも変化が生まれる。
ダニエルの存在があくまでも空想の存在なのか、具現化したルークのもう一つの顔なのか、やがてダニエルが次第にその本性を現わしていく。
このダニエルをどう理解すればいいのか、終盤でその実態がわかってくるのだけれど、過去に見たいろいろなキャラクターが思い出されてくる。
まあ原題が“DANIIEL ISN’T REAL”だし、ラストシーンで答えは出ているのだけれど。
ストーリー的には「オーメン」だったり、「バイロケーション」だったり…。
怪しい家の模型は「ヘルハウス」や「悪魔の棲む家」を思い出させる。
そういえば不断の連鎖の不安感の象徴としていろいろな部屋が出てくるけれど、あの扉の向こうの恐怖をあおる雰囲気は、ニコール・キッドマンの「リピーテッド」にも通じる感じもして。
いろんな繋がりを連想させるのはキャスティングも同じで、ティム・ロビンスとスーザン・サランドンを両親に持つマイルズ・ロビンス、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーとハリウッド二世がメインの二人を演じる。
そしてルークの母親を演じるのは「恋しくて」「友よ、風に吹かれて」のメアリー・スチュアート・マスターソンだった。
彼女はあの時代のハリウッドを席巻したヤングアダルト路線には乗り遅れたゆえに、その後なかなか作品に恵まれていない印象も、まさかこういう役で再びスクリーンで再会するとは思わなかった。
さらに製作に「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッド。
いろんな遺伝子がこの作品に関わっているけれど、時代を経た数年後にすごい映画だったと振り返られるか、あるいはカルトムービーとして語り継がれるか、このままF.O.してしまうのか。
少なくともあの稀代の難解映画「オンリー・ゴッド」よりはわかりやすいと思うのだけれど…果たして?
嫌いじゃないけど、間違いない観る人を選ぶ作品。
MOVIX伊勢崎 シアター6