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「IT/イット“それ”が見えたら、終わり」
 “IT”(2017/アメリカ)
 
 監督:アンディ・ムスキエティ
 原作:スティーヴン・キング
 脚本:チェイス・パーマー
     キャリー・フクナガ ゲイリー・ドーベルマン
 
 ジェイデン・リーバーハー ビル・スカルスガルド
 ジェレミー・レイ・テイラー ソフィア・リリス
 
 おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆
 

 

当初、よくあるB級ホラーかと思ってあまり興味はなかった作品。

でもレビュー等でもまずまず好評だし、口コミで注目度も上がっているというこで、ちょうどポイントも貯まっていたので思い切ってシネコンへ。

 

基本怖くないです。

お化け屋敷に入っていく感じ。

 

NEW LINE CINEMAのクレジットに子供たちの歌声が重なるオープニング。

あのフレディ・クルーガーがスクリーンに登場した「エルム街の悪夢」の雰囲気を思い出してゾクゾクしました。

あのシリーズもNEW LINE CINEMAの作品でしたね。

 

物語の背景は88年から89年にかけての一年。

 

27年に一度“それ”はデリーの町を襲い一年間子供たちを食らい続けてまた眠りに落ちる。

 

ペニーワイズの造形はフレディのそれと同じようにどことなくユーモラスな一面も持ち合わせているので、ビジュアルからはあまり怖さを感じませんが、きっと子供たちがこの映画を観たらあの不気味な白い顔が脳裏に焼きついてしまいそう。

 

井戸から出てくるあたりは「リング」だったり、キスで目覚めるシーンはまさに「白雪姫」、ペニーワイズが人を食らうときの表情は「エイリアン」だよな、そんな風にいろんな要素が放り込まれていて、比較的単調な作品なのでいいアクセントになっています。
 
同じスティーヴン・キング原作ということもあって「スタンド・バイ・ミー」とオーヴァーラップさせる人も多いようです。
むしろ少年たちが事件の真相に迫っていくあたりは「グーニーズ」のような冒険譚にもなっています。
 
それぞれに不安やコンプレックスを抱えた少年たち。
一応の主人公となるビルは一年前に行方不明になった弟ジョージーを探すために事件の真相を追う一方、吃音ゆえに不良たちの標的にされる。
 
やがて不良たちのいじめにあっている少年たちはビルを中心に結束し、ルーザーズ(負け犬)・クラブと名乗って彼らと対峙していく。
 
一方で少年たちにとってはある意味で異形の存在ともいえるちょっとクールな赤毛の女子ベバリーも仲間に加わってくる。
父親から変質的な虐待を受けている彼女は、ある日髪をバッサリ切ってボーイッシュな容姿となり、ビルはそんなベバリーに惹かれていく。
 
ベバリーを演じるソフィア・リリスは幼少期から演劇学校で学び、現在もマンハッタンにあるレパートリー・カンパニー舞台芸術高校に通っているという本格派の15歳。
 
ここ数年のハリウッドを見渡しても、実はスカヨハことスカーレット・ヨハンソンを超える少女スターはまだ生まれていない。
すでにジェニファー・ローレンスなども高い評価を得ているものの、スター性という部分では路線が違うのかなと思います。
 
おそらくこの作品をきっかけにソフィア・リリスという名前が多くの人に刻印されたと思うので、この先どういう活躍をしていくのか期待してもよさそうです。
 
ジョージーの失踪以降、町で相次ぐ子供の失踪事件の謎に迫るルーザーズ・クラブの少年たちは、異変が27年周期であることに気づき、その現場が町の排水路に沿って起きていると知る。
 
やがてたどり着いた廃墟でついにペニーワイズと遭遇する少年たちは、ついに本物の恐怖と対峙することになる…。
 
ペニーワイズは大人には見えないという設定。
子供たちの畏怖の対象として存在し、その恐怖をピエロの顔に隠している。
よく子供がピエロを見て怖いと泣き出す場面を目にしますが、あの感覚は大人になった今、もう一度味わおうとしてももう無理なんですね。
 
彼の正体はこの作品では明かされていませんが、続編でそのあたりも含めて描かれていくのでしょうか。
 
27年後、次の恐怖が訪れるのは2015~2016年、少年・少女たちの子供が襲われるのか、あるいは再びルーザーズクラブとして街を救いに戻ってくるのか。
 
原作では30年後のかつての少年たちの目線でのストーリーも展開しているようなので、その辺も含めて期待して次回作の公開を待ちたいですね。
 
作品としてもやや中だるみ感があったり、不良たちの残忍性がいじめの域を超えている不快感だったり、ベバリーに思いを寄せる少年の甘酸っぱい感じだったり、観ていていろんな感情が自分の中で錯綜してしまい、すっきりストーリーを楽しめたかといえばそうではないですかね。
 
相対的に期待していたような作品ではなかったのですが、きっと原作を読んでから観るとまた違った楽しみ方が出来そうです。
 
 
  MOVIX伊勢崎 シアター1