「キャプテン・アメリカ:プレイブ・ニュー・ワールド」
“CAPTAIN AMERICA: BRAVE NEW WORLD”
(2025/米/ウォルト・ディズニー・ジャパン)
監督:ジュリアス・オナー
原案:マルコム・スペルマン ダラン・ムッソン
ロブ・エドワーズ
脚本:ジュリアス・オナー ピーター・グランツ
マシュー・エドワーズ
アンソニー・マッキー ダニー・ラミレス シラ・ハース
平岳大 リヴ・タイラー ジャンカルロ・エスポジート
ティム・ブレイク・ネルソン ハリソン・フォード
おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆

サノスの指パッチン以降のマーベル映画は、ヒーローもヒロインもヴィランも、あまりにも多くの作品が送り出された結果、文字通りキャラクターが激しく渋滞中。
とりあえずマーベル映画好きとしても追いつくのが必死で、次から次へと投入される新キャラが、単独キャラなのか、今後のシリーズ展開になっていくのかも判断がつかず、ストーリーも含めて観たら一旦リセットしていかないとついていけないのが正直なところ。
これ、いきなり観た人は混乱するだろうな。
いや、面白かったのは間違いないんですよ。
でも終始なんか集中しきれなくて、ずっとシートで落ち着かなくて、体の向きを右や左に変えたりしながら2時間観ていました。
何だろう?
たぶん軸となるキャラクターがずっと見えてこないというか、サムがファルコンとしてアベンジャーズに参加していたイメージが強く残っていて、過去に残ったスティーブ・ロジャーズからキャプテン・アメリカを引き継いだ経緯が少し曖昧になっているんだと思う…というか「アベンジャーズ/エンドゲーム」から5年以上経ってるわけで。
それはテレビシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)も含めて予習復習してから観てねっていうことなんだろうけど、さすがにわざわざディズニー+に加入してまで追いつくつもりはないので、劇場作品として公開されたもので最低限の補完はしてほしいかもね。
ハリソン・フォードが大統領役で登場してほぼ全編にわたってキーを握るというのは予想外…もう齢80をとうに超えているのにこういうアクション系のエンタメ作品に出演するのもすごいが、一方で確実に外見の老いは否めないわけでまさかのクライマックスまでの出ずっぱりは驚いた。
それでもここのところ観る側を混乱させ続けているマルチバースの概念をあえて封印したことで、新しい「アベンジャーズ」の世界観がようやくスタートするのだろうかと期待させるのは悪くない。
また日米による新しい枠組も描かれていて、それがそのままあわや日米開戦!?と思わせるクライマックスに繋がっていく展開も意外というかびっくりする。
ただ日本人の描き方が相変わらずのステレオタイプで、平岳大演じる尾崎首相の平板な感じはなんともイライラさせられる。
アイアンマンとキャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャースを軸に多彩なキャラクターが一堂に会した「アベンジャーズ」シリーズがリセットされて、新しいキャプテン・アメリカ=サム・ウィルソンを軸に再始動へ向けて動き出した。
サノスの指パッチン以降も、アントマンやドクター・ストレンジそしてスパイダーマンといったキャラクターにガーディアンズの面々などが今後のシリーズにどう絡んでいくのか、さらに本編で登場した新しいファルコンやウィドウなどの成長も含めて期待だけはしている。
上映前の予告編でDC系の「スーパーマン」のリブート版に「ファンタスティック4」そしてマーベルの次作「サンダーボルツ」まで話題作のオンパレード。
マーベルもDCもどこに向かっていくのか、これからも観続けるのが大変そうだ。
ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン9