ゴールデンウイークに「映画館」で映画を観ようってそもそも映画業界が作ったムーブメントじゃないの?
確かにそういう歴史があったことは知っているけれど、ここでこだわりたいのは「映画館で」ということで、現在の映画興行の主体となっている「シネコンで」とあえて差別化したいという思いがあるわけです。
以下、あくまでも長年映画が好きで映画館で映画を観ることが生活の一部になった一映画ファンの戯れ言とお断りしておきます。
まず地元のあるシネコンのこのGW期間(5/1~7)の上映作品と上映回数を書き出します。
ちなみにこのシネコンは全9スクリーンですが、その中に4DX上映とIMAX上映が各1スクリーンずつあり、通常のスクリーンは7となります。
「プラダを着た悪魔2」…6スクリーン
吹替…3スクリーン
字幕…3スクリーン
「SAKAMOTO DAYS」…7スクリーン
通常…5スクリーン
IMAX…2スクリーン
「アギト 超能力戦争」…3スクリーン
「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」…12スクリーン
吹替 4DX3D…3スクリーン
吹替 IMAX…2スクリーン
通常…7スクリーン
「名探偵コナン ハイウェイの堕天使」…11スクリーン
4DX2D…2スクリーン
IMAX…2スクリーン
通常…7スクリーン
「最終楽章 響け!ユーフォニアム 前編」…3スクリーン
「人はなぜラブレターを書くのか」…3スクリーン
「ONE OK ROCK DETOX JAPAN TOUR 2025 AT NISSAN STADIUM IN CINEMAS」…2スクリーン
4DX2D…1スクリーン
通常…1スクリーン
「ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です! 第4幕」…1スクリーン
「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」…1スクリーン
「劇場版「暗殺教室」みんなの時間」…1スクリーン
「超かぐや姫!」…2スクリーン
「私がビーバーになるとき(吹替版)」…1スクリーン
「映画ドラえもん 新・のび太の海底奇岩城」…1スクリーン
「ほどなく、お別れです」…1スクリーン
全15作品中アニメ作品が8作品、全55スクリーン中32スクリーンを占める。
いわゆる劇映画は6作品で21スクリーン、ドキュメンタリー映画が1作品2スクリーン。
こうした傾向はほぼ年間を通じてであり、シネコンで一般的な劇映画を観ようと思ってもなかなか叶わない。
普通の劇映画を観たいと思ったら、新作の上映開始週に駆けつけるか、週末に朝一の上映回を狙うか、腹をくくって仕事終わりのレイトショーしか選択肢がないのが現実。
そう、普通に劇映画を観たいと思ってもそもそもの選択肢がない…それが現在のシネコンシステムの弊害なのはずっと変わらない。
ちなみに「名探偵コナン ハイウェイの堕天使」の公開初週には、4DXとIMAXを含めて一日に25回も上映されていた。
これはひとつにはエントランスの混雑を避けるために、タイムテーブルを細かく設定することで観客をばらけさせる意味もあるのはわかる。
同じ時間帯に複数の作品の上映時間が重なるとき、大人気の作品の大勢の観客とほんの数名しかいない他の作品の観客が混在することで、下手をすると空いているスクリーンの観客の入場が上映ぎりぎりになったりするケースもある。
シネコン側は上映前の予告編が10分ほどあることを前提にアナウンスするケースもあるけれど、ゆっくり入場して予告編から楽しみたい映画ファンも多いことを知ってほしい。
誤解のないようにいうと別にアニメ作品を否定しているわけではない。
個人的には劇映画もアニメ作品もドキュメンタリーも気になる作品はチェックするようにしています。
ただコナンもスーパーマリオも大ヒットした鬼滅もまったく興味がないのは事実で、普段からアニメはあまり観ないし、ゲームもまったくやらない人なので、そもそも論として選択肢にならないというのは間違いない。
もっとも昨今のシネコンの隆盛のベースにあるのは「映画館で映画を観よう」ではなくて「シネコンでコナンを観よう」だったり「シネコンでマリオを観よう」というまず作品ありきのスタンスの観客が中心になっていることで、必ずしも元来の映画好きが上客というわけでもない。
確かにね、時間帯にもよるけれど自分が選んだ作品の観客が両手で足りるくらいしかいないのもよくあるわけで…。
なので「シネコン」ではなくて「映画館」で映画を観ようという選択肢になると…まあGWに限ったことではないけれど。
幸いなことに地元にはミニシアター系の映画館があって、ここではメジャー系から外れた作品やアート系あるいはドキュメンタリー映画をメインにセレクトされた作品がラインナップされていて、新作公開から数ヶ月遅れながらもコンスタントに上映されています。
ちなみにGW期間のラインナップは…。
「センチメンタル・バリュー」
「ARCO アルコ」
「ブゴニア」
「恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た」
「父と家族とわたしのこと」
「女性の休日」
本年度のアカデミー賞で何らかのノミネートとなった作品が3作品、子供向けの映画が1作品、ドキュメンタリー映画が2作品、この6作品を2つのスクリーンで回しています。
アカデミー賞関連の3作品は地元のシネコンでは未上映、このあともジェシー・バックリーが主演女優賞に輝いた「ハムネット」がラインナップされています。
ただし基本各作品とも上映期間が2週間となっているので週末のスケジュールを合わせないといけない。
一方でシネコン上映ではこうした作品は必ずしも最初から集客力があるわけではなくすぐに上映回数が減って、気がついたら朝一の上映回のみとかレイトショーのみとかになって、そのままフェードアウトのパターンもあってなかなかタイムテーブルを合わせづらい。
昨年は「国宝」が劇映画としては異例のロングヒット、口コミの評判も相まってロングラン上映となりましたが、もともと話題性のあるキャスティングと東宝というバックボーンがあっての興行なので単純に比較できるわけもない。
そう考えると一般の劇映画を楽しむという機会は引き続き難しい現状は変わらず、いつでも観たいときに観られるという話題のアニメ作品のような興行は期待するだけ無駄なんですけどね。
こうした大ヒット作の映画興行の話題が出れば出るほど、普通の映画ファンは限られたタイムテーブルの中での作品選択の難しさを痛感するわけです。
もちろん映画界が盛り上がるのは映画ファンとしても喜ばしいことなのは変わりないし、昭和の時代には大入り満員の映画館の中で立ち見で2本立てを観た経験もあるし、地元ではかつての映画館がすべて閉館してシネコンがオープンするまで映画館の灯が消えた時期も経験しています。
またミニシアターブームが起こった時代には地元では上映されることのない映画を観るためにわざわざ上京するなんてことも日常的にありました。
そのころを思えば奇跡的なくらいたくさんの映画を観る機会が増えたのはシネコンのおかげだということも理解しています。
それにしてもです、もう少し映画ファンに寄り添った上映スタイルがあってほしいとないものねだりとは知りながらも思ってしまうわけです。
さて、ゴールデンウイーク。
皆さんは映画を観に行きますか?
まずは二度と同じ顔ぶれにはならない不特定多数の人々が暗闇の中で同じ映像体験を共有するという映画ならではの千載一遇の時間を楽しみましょう。
そして予告編等で気になったら他の映画にもぜひ足を運んでください。
しかしながら先日もイオンシネマの鑑賞料金値上げのニュースがありましたが、映画を一本観るために2000円以上の金額を払って
、さらにコンセッションに並んでドリンクやポップコーンを買って、2時間以上もシートに座って結果的に半日を費やすという行為はまさに映画鑑賞のレジャー化そのものにほかならない。
そう考えるとかつて映画が娯楽の王様として身近なところに映画館があった時代を体験してみたかったと思ってしまう。
いずれにしてももっと気軽に映画を観るという時代はもう来ないだろうな。
自分はGW後半にシネコンと映画館で映画を観る予定です。



