■購入の言い訳
初のクラシックギターです。
高校生の頃、初めてギターに触ったのはクラシックギターで、3年間ずっと練習していました。
なので、馴染みはあるのですが汎用性はないよねということで持たずに今に至っていました。
とはいえ、ナイロン弦を使った曲がそれなりにあるのでずっと欲しいとは思っていました。
アコギでソロギターを弾く際にも、ガットギターだと違う雰囲気で楽しめそうという思いもあり、フラメンコギター的な奏法も会得してみたいという思いもあります。
というわけで買ってしまいました。
持っていない仕様であれば、自分の中で簡単にGOが出がちです。
■選んだ観点について
必要なスペックとしては
・エレガットであること
おそらく単音弾きが多くなるので、マイクだと拾いにくいだろうということから、録音ではエレアコとして使うことは前提です。
・生音もそれなりであること
アンプに繋がずに弾くことも多いと思うので、その時の満足感は大事。
・電池ボックスが外付けであること
ナイロン弦だと弦交換の頻度が低いので、サウンドホール内に電池があると面倒な気がするので。
・17フレットくらいまで楽に弾けること
ポップスやロックでナイロン弦が使われている場合、ハイフレットでエレキ的なフレーズを弾くことがある印象です。
ハイフレットは腕を曲げて無理やり弾くのがクラシックギターの美徳みたいなところはあると思いますが、無理せず弾けるなら無理せず弾きたい。
・あまり値段が高すぎないこと
という感じ。
エレガットを作っているメーカーはそれなりにありますが、ラインナップに力が入っているのはYAMAHAとGodinくらいかなという印象。
単純にエレガットとしての性能としてはGodinが大正解なのだと思いますが、生音(分からないけど鳴らないのではというイメージ)の点と値段の点で見送りました。
YAMAHAの現行のNXシリーズがそれなりかなという印象。
NCXはクラシックタイプで、NTXがモダンタイプです。
ハイフレットはNTXの方が使えるので、そちらを選択。
ナット幅やボディ厚は特にこだわりはなかったですが、伝統スペックにこだわっているわけでもなし、弾きやすい方に越したことはないという気持ちです。
ただ、NTXの方がサウンドホールが楕円形でちょっとダサい気もします・・・。
そして1,3,5と型番があります。
5が一番ハイグレードな日本製。トップ材も一番グレードが高い。
3は中国製でナットやブリッジなどが樹脂製。
1は中国製でネックとサイドバックが安い木材、ピックアップも安いもの。
という感じです。
正直、1で良い気がしたのですが、3と5に採用されているピックアップが良さそうだったので、エレアコとしての性能に期待して3にしました。
本当は5が欲しかったですが、メインギターにするわけでもないし、予算的にアレかなと思いました。
国産ではなくても品質管理はしっかりしているでしょうという気持ち。
トランスアコースティックタイプのクラシックギターも楽器のイベントで弾かせてもらって、非常に良かったので狙っていたのですが、ハイフレットが弾きにくそうで止めました。
トランスアコースティックは最先端の技術を採用している割にスペックがモダン寄りではないようです・・・。
他にも、YAMAHAの前の世代の中古も探しましたが、案外値段が変わらないしハイフレットが足りない感じでした。
そして、世代が古いとピックアップの質も悪いようにも思います。
そんなわけで購入したNTX3です。
あと何年か前に買っていれば数万円安かったのに。ここ最近のギターの値上がりっぷりは辟易します・・・。
■購入後のインプレッション
非常に軽くて薄胴なのは取り回しが良いです。
生音もそれなりで、家で一人で爪弾くにはちょうど良いレベル。
アンプに繋いだ音も非常にナチュラルだと思いました。普通にレコーディングに耐えられますね。
ピエゾとトップ裏のコンタクトセンサーPU、サウンドホール内のマイクの音を良い感じにブレンドして出力できます。
操作はマスターボリュームとPUとマイクのバランス、トレブルコントロールの3つのみで超シンプルですが、十分なのかなと思います。
ネックの感じも薄めで握り心地は良いです。
ハイポジションの弾きやすさも選んでよかったと思えるレベルです。
ポップスやロックのナイロン弦ソロだと17~20フレットくらいを使うことも多く、クラシックスペックだと弾きにくいです。
電池が単3なのは地味に良いですね。
9V電池と違って売っている場所も圧倒的に多いし、家にストックしてあることも多いので嬉しい改善です。
電池が外付けの弊害なのか、他のレビューにもありましたが共鳴が起こります。
私の場合はD音で共鳴が起こりました。電池ボックスはしっかり閉まっているのに。
ボックスを抜いて、電池をセットし直して、再度ボックスを収納すると収まりました。
しっかり閉まっていたとしても、微妙な収まり加減で共鳴が起きてしまうようです。
不便ですが、何度か試して良いスポットではまってしまえば電池交換までは問題なく弾けると思います。
良いスポットがない個体があるのでは・・・と不安にもなりますが、どうなんでしょう。
最新のピックアップ「アトモスフィール」はコントロールがシンプルなのは良いのですが、チューナーくらいは欲しかったという贅沢な悩みもあります。
普通にクリップチューナーをつければ良い話なのでそんなに困りませんが・・・。
全体的に無難を極めた作りで、道具として使うには十分な性能だと思います。
NTX1もシェイプなども一緒と考えると同じくらいコスパは良いことが想像できます。
ピックアップもどうかなと思いますが、YAMAHAの現行モデルなので他の安いメーカーや古いエレガットなんかに比べると格段に良いはず。
ネック材の感触に違和感がなければNTX1でも十分に使える一本だろうと思います。
逆に、NTX5はおそらくそんなに変わらないだろうと思われますが、日本製の良さは弾き込むほど分かるものなので、メイン機にするなら上位機種にしたいと思いました。
2025年1月現在で、1シリーズが5万円台、3シリーズが10万円前後、5シリーズが16万円くらいです。
値上がりするんでしょうね・・・。