フインキーのふんいき レビュー -61ページ目

小説「告白」 湊かなえ

映画を見そこねたので、小説を読みました。

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)/湊 かなえ
¥650
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スコア選択: ★★★★

生徒に娘を殺された教師が復讐するおはなし。

あらすじを読んだだけで、ホラーですね。
内容は相当ブラックで、結構落ち込めます。
が、とても熱中して読むことができる中毒性の高い作品。

教師が復讐するといっても、ずっと教師のターンではなく、全六章すべて語り部は違います。
一人は教師、一人は犯人、一人はその母親などなど。
それによって、違った視点で事件後の状況を見ることができ、事件の真相が徐々に明かされるドキドキ感が中毒性を増している要因となっているのでしょう。

それにしても、怖い。
登場人物、ダークな心をさらけ出しすぎ。
こんなことを皆考えていると思うとゾッとします。
でも、小説だから面白い。
こんな話もたまにはいいかなと思う今日このごろでした。

小説「そして扉が閉ざされた」 岡嶋二人

岡嶋二人 のミステリ小説。
クローズド・サークルものです。
最近でいうと「インシテミル」が有名ですね。

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)/岡嶋 二人
¥600
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スコア選択: ★★★★★

起きたら地下シェルターに閉じ込められていた4人の男女。
どうやら彼らは友達の母親によって、罠に嵌められたらしい。
母親によると、娘を殺した犯人がこの中にいるのだとか。
そして、この地下シェルターで犯人探しが始まる。


見に覚えのない疑惑をかせられた4人。
しかも、外、内から完全に遮断された核シェルターの中。
食料はカロリーメイトと水だけ。
犯人が分かるまで出してもらえない、こんな状況に置かれたら誰しも狂ってしまう。

しかし、ここにいる4人は冷静に当時の状況を推理する。

別荘に遊びに来た彼ら4人+被害者の5人は痴話喧嘩をきっかけに一時バラバラになってしまう。
そして、事故が起きた。

あのときあった空白の時間は?
誰々が言ったウソ、真実。
おかしい、おかしい、犯人がいない…

とてもよく出来た話でした。
これは犯人絶対わかりません。
だって…

気になった人は読んでみてください。
岡嶋二人の本を揃えたくなりました。

小説「Jの神話」 乾くるみ

乾くるみ のデビュー作。

Jの神話 (文春文庫)/乾 くるみ
¥720
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スコア選択: ★★★

イニシエーション・ラブ 」、「リピート 」、「クラリネット症候群 」とアタリ続きの乾くるみ。
今回も楽しみにしていました。

舞台は全寮制の名門女子高。
そこに入学した主人公が校内で起きる不可解な事件に巻き込まれるというもの。

女子高といえば、美少女、派閥、イジメ、生徒会長の独壇場…
最初、読み始めた雰囲気は何だか恩田陸の小説のようでした。

しかし、こちらはブラック度が強い。
乾くるみ作品に共通する部分ではあるんですが、後味は良くないです。

内容はクリスチャンの学校、美少女、シスターと、どこかしら神聖な雰囲気があります。
その対となるように、描写は生々しく、神々しい。
悪く言えばグロテスク。

生徒会長は誰しも認める美少女。
その生徒会長が謎の死を遂げる。
その真相は?

まぁ、最初は面白いです。
でも、後半が生理的に受け付けない感じでした。
神話的ではあるんですが、もう少しひねってほしかったです。

乾くるみ作品でこれを先に読むことはオススメしません。
他の作品読みましょうw

小説「Xの悲劇」 エラリー・クイーン

エラリー・クイーンの「ドルリー・レーン4部作」の1作目。

Xの悲劇 (創元推理文庫)/エラリー・クイーン
¥756
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スコア選択: ★★★★

海外の小説は普段あまり読みません。
なぜなら、名前が覚えられないから。

じゃあ、なぜ読もうと思ったかといえば、巷で名作とされる作品を読みたかったから。
でも、今回も名前が覚えられず…

物語は、多くの恨みを持つ、株式仲買人がニコチン中毒によって列車の中で不可解な死を遂げるところから始まる。
その犯人を見つけるため、探偵ドルリー・レーンがコミカルな演技で奔放するというものなんですが、登場人物が多い多い。
なんせ、被害者はたくさんの人の恨みを買った悪人、偶然電車の中に居合わせた容疑者だけでも、え?こんなにいるのっていう人数。

読んでいて、途中から人と行動が把握できなくなり、こりゃ失敗したなと思いました。
が、最後まで読んだ甲斐がありました。
こんな何となく読みでも、肝心の謎解き部分はきっちりと理解できる不思議。

よく出来てると思いました。
謎解きで明かされた犯人の言動や現場状況は、きちんと思い出せるし、理解もできる。
しかも、トリック、犯人も秀悦ときた。

名前なんて主人公以外関係ないって初めて思えました。
なるほど、名作と言われる所以はこういうところにあるんでしょうね。

でも、行動と名前を一致させながら読んだほうがもっと楽しいんだろうな。

DVD「パレード」 レビュー

行定勲 監督。
同監督の「今度は愛妻家 」に続き、これまたアタリな映画でした。
原作はいま映画「悪人」で有名な吉田修一の同名小説です。

パレード (初回限定生産) [DVD]/藤原竜也,香里奈,貫地谷しほり
¥3,990
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スコア選択: ★★★★

2LDKのマンションに暮らす4人の男女がいる。
映画会社勤務の直輝(藤原竜也)
イラストレーター志望の未来(香里奈)
フリーターの琴美(貫地谷しほり)
大学生の良介(小出恵介)
いつもの通り怠惰な生活をおくっていた彼らの前にサトル(林遣都)が現れ、明らかな変化が起こる。
それと同時期にマンションの周辺で連続暴行事件が起こりはじめ…


今までの行定作品には無かった人間の狂気な部分を描いた内容です。

自分はこの作品をマンションの中で繰り広げられる心理ゲームだと勝手に想像してたんですが、心理ゲームなんて全くないです。
みんな考えたこと、やりたいことをすぐ実行する人ばかりで、いつも裏を考えてしまう自分は各人の行動に裏切られっぱなしでした。

それにしても、怖い。
ホラーじゃないけど、ゾクッとするものがあります。

展開としては、5人の主人公に対し一人ずつ焦点が当てられ、それぞれの変態チックな行動を見ていくといったもの。
これだけでも大変面白い。
でも、これは全て序章なんです。

本番はラスト10分から。
特にラストは今までのこと全てがウソなんじゃないかと疑うほど衝撃がある…気がする。
みんなのあの目、あーいやだいやだ。

予告篇は本編の後に見たんですが、これネタバレしてますね。
本編より先見ない方がいいですよ。

群像劇が好きな方にオススメ。