の続きです。
※この記録は、４人目出産前に、３人目の自宅出産のことやこれまでのお産を振り返ってみようかなとふと思い、まずは一番初めに死産したムスメのことを記すことにしたものです。
私にとって人生観、死生観を大きく変え、これほどまでにいのちを見つめたことはなかった出来事でした。
ただ悲しい体験を記したいのではないく、この経験を通して感じたこと・・・どんなに短いいのちにも価値があるし、死と直面したことで、今生きてるってなんてありがたいんだと思ったことを綴りたいなと思ってます。
ご興味のある方だけ、おつきあいいただけると嬉しいです
突然の死の宣告、出産、火葬・・・。
激動の一週間が過ぎた。
退院後は、実家と自宅を往復して過ごした。
夫が仕事に行っている間、家に一人でいることが怖かった。
少しずつ友人に報告のメールを送った。
みんな一様に言葉を失った様子だった。
きっと返信に困っただろうなぁ。
でもみんな優しい言葉をかけてくれた。
ありがたった。
数名の友人から
妊娠や出産の報告もあった。
おめでとう。無事でよかった。
心からそう思う気持ちの裏に、
なんで陽菜子はいないんだろう・・・
と、深い悲しみが襲ってくる。
人をうらやましく思ってしまう気持ちが
自分を苦しめた。
順調にお腹で赤ちゃんが育っている人、
無事に生まれてすくすく育っている人。
その裏にはもしかしたら
見えない苦しみがあったかもしれない。
それでも今、生きているということが
うらやましくて仕方ない。
でも、人と比べること、羨むことで
幸せを得ることはできないし、
そんな風に思うことは陽菜子の
９ヶ月の命を否定してしまっているんじゃないか。
失ったことばかりを考えて悲しみに浸るより、与えてくれたことに感謝しないと。
ごめんね、陽菜子。
前向きに生きなければ。
そう思う反面、寂しさ、悲しみ、不安、喪失感・・・
そんな感情に押し潰されそうになったりもする。
浮いたり沈んだり、揺れ動く感情の波の中で、自分の強さも弱さも感じた。
そうして、泣いてばかりいた。
そんな中、迎えた私の２９回目の誕生日。
夫が買ってきてくれたケーキでお祝いし、
そしてプレゼントをくれた。
料理教室にたくさん通っていた私に、
エプロンを。
そして「陽菜子からもプレゼントがあるの」と言った。
その言葉だけで私は号泣してしまった。
何、陽菜子からのプレゼントって・・・。
それは一冊の本だった。
「千の風になって」
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何となく知ってはいたけど、内容はよく知らなかった。
ひとつひとつの言葉が心にしみこんできて
読みながらわんわん泣いた。
陽菜子はいなくなったんじゃないんだね。
風や、星や、雪や、光、鳥などに形を変えただけなんだね。
ずっとそばで見守ってくれているんだね。
本の最後に
小さなメッセージカードが添えられていた。
「ありがとう ひなこ」と書かれていた。
陽菜子からのメッセージだよって。
陽菜子と一緒に本を選んで、
陽菜子がパパの中に入ってきて、
メッセージを書いたって。
メソメソしているママに・・・。
涙がとめどなく溢れてきた。
でもそれは、悲しみではなく、感激の涙だった。
私は一人で悲しみに暮れていたのかもしれない。
でも私は一人じゃないんだ。パパもいるし、陽菜子だってきっと近くにいる。
陽菜子の分まで強く生きていかないと。
まだまだ寂しさや悲しみが
襲ってくることがあるだろう。
けれど、陽菜子がそばで見守って
くれていることを忘れないようにしないと。
陽菜子に恥じないママでいないと。
今生きていることに感謝して、
一日一日を大切に生きていかないと。
大切なことに気づかせてくれた。
ありがとう、パパ。ありがとう、陽菜子。
続く
