森から始める家づくりレポート1(森編)
先日、家づくりに使う木を見に森へ行ってきました。
この日は、空一面の青空で、日射しも程良く、とてもすがすがしい天気でした。
実は、この森私の田舎から40分位のところにあるんです。田舎の家はもうないので立ち寄ってはいませんが、幼い当時の田舎と同じ匂いがして、とても懐かしく居心地もよかったです。
家づくりに取り組むときには必ず、柱や梁などの骨組みになる木を森に見に行くようにしています。
「木を選ぶ」という目的もあるのですが、「どこの森で育った木を使うのか」を知ることて、より一層住まいに愛着が持てるのです。
みなさん田植え体験やイチゴ狩りなどに参加されたことありますか?
お米やイチゴなど、自分で採ったものを食べたら、いつもよりおいしく感じますよね。
また、何年か後に近所のスーパーでその産地のお米を見ると、親近感が湧いて思わず買ったりするものです。
家づくりに使う木も、ずっと共に暮らしていくものなので、やはり愛着を持って頂けたらなぁと思うのです。
それと、いつも感じることなのですが、身近な森の木を使えば、この新鮮な空気や田舎の雰囲気を、そのまま、都会に暮らすお客さんの家に届けれるような気がします。
上下の写真は、なかなか都会では見られない光景です。チェーンソーで、一本一本と木を倒して、運搬用の機械に積んで、平地まで運びます。そのあと、トラックで製材所に運ばれて、柱や梁に加工されて私たちの町にやってきます。
森で作業する人たちが、50年~100年丹念込めて育てた木を、都会に送り届けるときの心情は、娘を都会に嫁がせるような感じなんでしょうね。
山の仕事は常に危険と隣り合わせで、真剣な顔つきで、作業されてる姿をみると、建築士として、木の一本一本を大事に設計しないといけないといつも思います。
職人さんはやっぱりかっこいいですね。休憩時の方言まじりの会話がほのぼのしていて、いい感じでした。
家づくりのほとんどは、すでに柱や梁になった状態から木に触れると思うのですが、何世代も受け継ぎ、木を育て、そして伐採するといった森での仕事があってこそいい家づくりはできるのです。
森に行って実際に使う木や、そこで働く人と話をすると、家づくりはより楽しく取り組むことができますよ!
次回に続きます。
自分でできる家の診断「耐震診断」
前回 、家は、災害の苦い経験を基に進化してきている、とお話させて頂きました。
進化してきているということは、建てた時期によっては、今起こりうる地震に耐えられないものもあります。
みなさんの住んでいる家が、どのくらいの性能の家かを知ることは、今後、安心して住みつづけるためにも必要なことだと思います。
性能を知るためには、耐震診断 をした方がいいのですが、私たち建築士に頼む以前に、自分でも簡単に耐震診断することができます。
簡単な質問に答えるだけで、今後の地震に対する対策を判定してくれます。
「誰でもできるわが家の耐震診断」 (財団法人日本建築防災協会)
簡単内容の質問が10項目あります。
一度試しにやってみて下さい。
やってみて分からないことがありましたら、お気軽に質問してくださいね。
※この診断は木造平屋建てか2階建てが対象で、3階建てやマンションには使えません。
経験から学ぶ木の家づくり
今回は、日本の家の歴史(耐震編)を見て頂こうと思います。
大きな地震のたびに建築の基準は改正され、特に壁の構造は大きく変わってきました。
断熱も、昔は「夏涼しい家にすればよし」とされてきましたが、現在では、「夏涼しく、冬暖かい家」が主流となってきています。時代ごとに主流が変わるので、今後の家づくり(新築、リフォーム)を考えるにあたって、「どのように家づくりが変わってきたのか?を知ることは、大切なことです。
1950年(昭和25年)~1980年(昭和55年)に建てられた家 (築30年以上)
建築基準法(建築の法律)が定められたのが、1950年(昭和25年)。まだ60年程の歴史しかありません。
当時は、地震や風を受け止める壁(耐力壁)というものがありませんでした。
屋根には、「日本瓦」か「セメント瓦」が使われていた上、断熱のためもあり、土をできるだけ多くのせ、その土で瓦を止めていました。ですから、屋根が非常に重くなっています。
基礎にはコンクリートが使っていますが、鉄筋が入っていないものがほとんどです。基礎の形状は断面が逆T字型の布基礎と呼ばれるものが主流で、布基礎以外の床下の土間は土のままで、湿気がこもりやすくなっています。
そのため、土台などの床下廻りの木が、湿気やシロアリの被害により腐食しているケースがよくあります。
断熱材は、壁の場合、土壁か30~50mmのグラスウール、もしくは、全く入っていないかで、断熱はあまり重要視されていなかったと思われます。床や天井には断熱材はほとんど入っておらず、主寝室などの床は畳が主流だったので、それほど不快感は感じなかったかもしれません。しかし、廊下の床は夏暑く、冬冷たかったと思います。
1981年(昭和56年)~1999年(平成11年)に建てられた家 (築10年~30年)
1978年(33年前)にM7.5前後の宮崎県沖地震が発生し、その経験を基に、1981年に建築基準法が改正されました。
改正内容は、地震を受け止める壁(耐力壁)の量の基準が決められ、筋交(壁の中に対角線上に張り渡される部材)がしっかり入れられるようになりました。また、柱などの構造部材の接合部に、ボルトやプレートなどの補強金物が採用され始めました。(義務ではない)
屋根は、土を載せた重たい瓦に代わり、軽量で安価な石綿(アスベスト)屋根が使われるようになりました。しかし、アスベストは人体に有害なため、現在では使われいていません。この時期のアスベストの屋根をやり換えるときは、注意が必要です。
基礎は、布基礎のままですが、鉄筋が入るようになり、ひび割れが出にくくなりました。また、床下の防湿のため、基礎以外の土間に厚さ50mm程度のコンクリートが打たれるようになりました。
断熱は、壁はもちろん床や天井にも使われ始めました。1992年に「新省エネルギー基準」といって、断熱に対する基準が制定され、家の断熱性能が2~2.5倍にあがり、室内の環境が良くなってきました。
2000年(平成12年)~ に建てられた家 (築10年未満)
平成7年に阪神・淡路大震災が起こり、被害が目立った箇所などの構造の規制が強化されました。
この震災で、築30年以上の瓦屋根の家がほとんど倒壊したこともあり、軽量の金属のガルバリウム鋼板(亜鉛とアルミニウムの合金メッキ)が使われるようになりました。
震災の5年後の2000年(平成12年)に建築基準法が改正され、耐力壁の配置をバランスよく配置することが義務付けられました。今までは、位置の指定がなかったため、地震などの力がスムーズに建物から下部へ伝わらなかった建物が多く、崩壊してしまった建物が多かったのです。
基礎においては、布基礎と床下の土間を一体にしたべた基礎が主流になり、以前と比べて安定したものになっています。家を建てる際の地盤調査も、義務付けられました。
断熱においては、1992年の「新省エネルギー基準」よりも性能が高い「次世代エネルギー基準」が定められ、「夏涼しく、冬暖かい」家になりつつあります。次世代エネルギー基準は義務ではありませんが、税制優遇や助成金などで、国は普及を後押ししています。
また、長期優良住宅といって、これも義務でありませんが、「100年住める家」にするための「耐震、省エネ性、メンテナンス性、可変性」などの基準が定められており、これも税制優遇や助成金などで、国は普及を後押ししています。
今後の住まいは、長期優良住宅が標準基準になっていくと思います。
このように、木の家はいろんな経験を基に進化してきています。
今から家を考える人だけでなく、今住んでいる家も、安心して住み続けるために、今の基準はクリアしておきたいところです。
そのために、耐震診断をして自分の家のどこが、今の基準に満たないのかを確かめた方がいいですね。
今回の内容はちょっとむずかしかったですかね。
懐かしの曲
今日は日曜日なので、オフモードです。
毎日、通勤は電車で、約一時間くらい乗っているのですが、中学性の時いつも聞いていた、BOOWYの曲を最近ipodに入れたので、それを聞いてます。
今聞いても、当時と変わらずいい曲で、何だか気分が落ち着きます。
Boowyは氷室京介と布袋寅助が組んでいたバンドなんですが、ご存知ですか?
氷室はご存じだと思うのですが、布袋は今井美紀の旦那さんで、「プライド」を作ったひとです。
当時は氷室か布袋かで人気が2つに分かれていたのですが、私は氷室派でした。
あの声と歌い方、立ち振る舞いはかっこよすぎます。
氷室の髪型よく真似して、毎朝、ヘアースプレーで髪を立たせて学校に行っていました。
先生に水道で頭を洗わさせても、懲りずに毎日髪を立たせて登校していた記憶があります。
あほですね。
今は、社会にでて、常識を身につけたけど、失ってしまったものもあるような・・・
Boowyの曲でも特に好きなのが、Dreamin.
氷室が「最後に夢を見てるやつに贈るぜ!」がかっこいいです。
みなさん今も夢を見てますか?
みなさんは当時よく聞いていた曲はあります?
今、もう一度聞いてみてください。癒されますよ。
7年目の住まい「杉の変化」
こんにちは、水谷です。
前回は、7年前にリフォームした住まいの「桧の変化」 をお伝えしましたが、壁や床に杉 も使っているので、「杉の変化」も見て頂こうと思います。
リビングの壁一面に杉を使っています。桧と比べると、元々色が濃い茶色しているので、変化がわかりにくいですが、艶(つや)がでてとても綺麗でした。
壁に無垢板を使うと、時計や写真を画鋲で吊るすことができるのもいいですよね。
今回は自然な風合いの壁ですが、節の無い杉を使って、すっきりとした表情の壁にしても、面白いかもしれません。
杉の床をズームで撮った写真です。リフォームしたての時よりも、色が少し濃くなって、落ち着いた表情になっていました。今までに一回もワックスを掛けていないと仰っていましたが、杉の床には艶がでていて綺麗でした。
おそらく、杉そのものの油分が表面にでているのだと思います。
杉は、落ち着きのある色合いですので、壁や天井の白壁とよく馴染んでいました。
上の写真は玄関の「下駄箱の天板」をズームで撮ったもので、素材は松 を使っています。
写真では杉と似てるように思いますが、実際見ると明らかに、色や艶の表情が違うのがわかります。
いろんな木を使うとそれぞれ違った表情や変化を楽しむことができるので、面白いです。
今回、7年経過した住まいのを見て、無垢板は、その家庭に馴染んで、住む人が生活しやすいように日々変化してる感じがしました。
合板のフローリングよりも値段は高いですが、長年暮らしていくこと考えると、費用対効果は無垢板のフローリングのほうがいいと思います。
家づくりを考えるときに、値段だけを比較するのではなく、長く快適に暮らしていくために、「何を選べばいいのか」視野を広めて考えることで、いい家づくりができますよ。
7年目の住まい「桧の変化」
先日、七年前にリフォームさせて頂いた、お家に伺いました。
無垢板
のフローリングの変化があまりにも綺麗だったので、みなさんにも見て頂こうと思います。
ご夫婦と小さなお子さんの3人住まいで、ご夫婦は共働きで、奥さんも、なかなか掃除をする暇がないくらいとても忙しい方なんです。
フローリングのワックス も完成時に一度塗ったきりで、それ以降全く塗られてないし、掃除と言っても、掃除機でほこりを吸い取るくらいみたいです。
そんな話を聞いていたので、どんな感じになっているのか少し心配で訪問させて頂いたのですが、掃除をあまりされてないとは全く感じさせない綺麗さでした。
下の写真は桧
の床をアップで撮ったものですが、ワックスを7年前に塗ったきりとは思えない艶です。
お話を聞いてみると、よくご近所のお子さんが遊びに来るそうで、走り回ったり、寝そべったりすることが多いとか。だから、自然とフローリングが磨かれて、こんなに艶がでたのだと思いました。
また、無垢のフローリングは静電気がなくホコリが浮くので、掃除しやすいと仰っていました。
下のフローリングの写真はリフォーム時に張り終えた時のもので、7年生活した上の写真と比べると、まるで別ものような色に変化しています。以前お話した、「桧の黄金色」とはまさしくこれのことです。やはり自然に変化した色は、人工的な色よりも美しいです。
下の写真、お子さんがお母さんに書いた絵。
ちょっとかわいすぎますね。なんか「かあちゃん」という文字にじ~んときちゃいます。けっこうお母さんに似てます。この子将来画家になるかも(笑)
この住まいは予算の関係でフローリングや壁のクロスを替えたり、照明器具を入れ替えたりするだけの小規模なリフォームでした。
また、後日建築士の仕事については書こうと思っているのですが、建築士はなにも「特別な家」だけを設計する訳ではなく、こういったフローリングを張り替える小規模な工事もしていて、フローリングなど素材の選択や照明など、ご予算に合わせた提案をさせて頂いています。
身近にいる建築士をもっと活用することで、「自分らしい家づくり」はできると思いますよ。
この住まい、杉のフローリングも使っているので、次回は杉の変化をお見せしますね。
今回の住まいでは、写真の公表を許可して頂きましたが、写真を公開できない事例もありますので、その場合はアメンバー限定記事に載せさせて頂いています。
いつも見て頂いてる方は、申請して頂ければすぐに見ることができるので、お手数ですがよろしくお願いします。
3月の結果から「みなさんの知りたいこと?」
ブログを初めて、はや2ヶ月が経ちました。たくさんの方々にブログを見て頂いて、その上メッセージまで・・・ありがとうございます。
この一ヶ月のアクセスが多い順に並べてみました。
「無垢板のフローリングのお手入れはむずかしいのでは?」とよくご質問をうけるのですが、実はとても簡単なんです。自然系のワックスを塗れば、木目もはっきり出て、ますます綺麗な色になっていきます。
年数が経てば経つほど味のある家にしてみませんか?
これは、木の家と全く関係ない日記ブログで、
このアイテムを見て、幼い頃よくゴム鉄砲で遊んだことを思い出しました。ルパン三世も日曜日の昼に見ていた記憶があります。そのルパン三世が使っていたワルサ―p38のゴム鉄砲。私たちの世代には思わず欲しくなりますね。
このブログは私の日記。
「toU」ホントいい曲なので、一度聞いてみてください。
昔の家は設備が充実していなかった分、知恵を使って、自然をうまく取り入れて生活していたので、今の家づくりもそこから学べることってたくさんあります。
これを読んで頂いて、すぐに広島から京町家を見に行かれた楓風さん の行動力には脱帽です。楓風さん、高知県の建物も面白いですよ。
国産の木「杉、桧、松」について書かせて頂きました。住宅に使われる松は主に「唐松」で、あまり知られていないのですが、とても綺麗で使いやすい素材です。自分の家を建てるのであれば、唐松のフローリング使いますね。
■6 これいい!ブログ記事の下に過去記事を画面付きで自動表示
我ながらいいものをみつけたと思いました。記事の下にサムネイル写真入ると、ページの色合いもよくなるのでいいかんじ。
国産の木の中で一番みなさんがよく知っているのが桧だと思います。桧は強度も高いし、水にも強いので、家づくりにとても適しているのです。桧が黄金色に変化していく過程をみるのも楽しいですよ。
家づくりで一番よく使うのが杉です。桧と比べて値段も安く、色も落ち着いた茶色なので、人気が高いです。
最近はマンションのフローリングにもよく使いますよ。
国産の木の積み木を集めてみました。調べると結構たくさんありました。
お子さんに、身近で育った木を触れさせてあげて、「自然に優しい人」になってくれたらいいなぁと思います。
私は出産祝いに桧の積み木をあげました。舐めまわしてびちょびちょになってました(笑)
私たちの身近にある「木のもの」って本物の木ではないものが多いんですよね。
本物の木を知ってもらって、肌触りや匂いを感じて欲しいです。
今月は素材の説明が多かったので、来月は少し違った内容も交えて、お伝えしていきたいと思います。
家づくりの「お金」の話もちょくちょく入れようかな。。
「こんな内容を聞きたい」「こんなことで困っている」などありましたら、気軽にメッセージください。
ブログでできるだけわかりやすく説明したいと思います。
家のことだけでなく、「便利なもの」や「いいもの」も引き続きご紹介していきます。
これからもよろしくお願いします。
漆喰・珪藻土の塗り方動画
前回、漆喰と珪藻土のお話をさせて頂きました。
youtubeを見てみると、漆喰や珪藻を塗っている動画があったので、ご紹介します。
左官屋さんが鏝(こて)で漆喰を塗ってる動画です。
鏝でしっかり押えて塗ると、光沢が増して、綺麗な表情になります。
動画を見ていると、自分でもできそうな感じしませんか?
何回か塗り体験したことがあるのですが、すごいむずかしいですよ。
同じ力でまっすぐに鏝を動かさないといけないみたいで、これがなかなかできないんです。
簡単そうに塗っている左官屋さんの姿はまさしく「職人技」ですね。
動画の途中の「電話~」って声が庶民的でいい感じです。
漆喰のメンテナンスの動画です。
先ほど見た漆喰の動画の様につるっとした壁ではなく、この動画は、ラフに塗った壁にしてあるので、上から塗り足しても違和感なく、メンテナンスすることができます。
ちょっとしたキズやシミなら、塗り足さなくてもサンドペーパーで削れば綺麗になりますよ。
この動画はお父さんとお子さんが一緒に塗ってる様がかわいいです。
珪藻土はDIY製品もあるので、家族でも気軽に塗れます。
漆喰はちがって、雑に塗ってもけっこう味のある壁に仕上がります。
自分たちの家の壁を家族で塗れば、より一層愛着わきますね。
一度挑戦してみませんか?
塗り壁のススメ「珪藻土」
こんにちは、水谷です。
今回は前回の漆喰(しっくい) に引き続き、「珪藻土」についてお話します。
■珪藻土(けいそうど)
最近、室内に珪藻土が使われていることが多くなってきました。
DIY製品も販売されていて、住まい手自ら塗ることもあるみたいです。
「珪藻土」は、海や湖などに生息していた植物性プランクトンの死骸が水底に沈んで、堆積してできたもで、みなさんの身近なところで言えば、煮炊きに使われる「七輪」(しちりん)が珪藻土から造られています。
煮炊きに使われている七輪から想像してみても、耐火性や断熱性、保温性が高いことがわかりますよね。
珪藻土
は写真のように無数の孔が空いている(多孔質)であるので、吸水性や保湿性が高く、遮音性も高いです。
これらの性質から、室内の壁には適した素材なのです。
また、結露 もしにくいため、カビやダニの発生を防いでくれます。
珪藻土は土壁と違って、粘り気がなく、乾燥しても固まらないので、セメントやせっこうなどの「凝固材」を混ぜて使わなければいけません。
合成樹脂を凝固材として使っている珪藻土もあり、樹脂は珪藻土の孔を塞いでしまい、本来の効果が発揮されないこともあるので、注意が必要です。
質感はすこし凹凸があるため陰影できるので、つるっとした漆喰とはまた違った表情をしています。
色土や顔料を混ぜて、いろんな色の壁にすることもでき、また、塗った上に、くしで線を入れたり、左官屋さんが塗っているこてで模様をつけたりして様々な表情も楽しむこともできます。
柱、梁、天井は杉無垢板、壁は珪藻土。
自然素材を使った室内は、空気もきれいなので、居心地がいいですよ。
DIYキット
■道具
自分たちで塗るときはこれだけあれば塗れますよ。
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壁塗り用左官セット(珪藻土/漆喰などの壁塗り用)
by G-Tools |
■かんたん珪藻土
塗り壁のススメ「漆喰しっくい」
室内の壁や天井の仕上げは「クロス」「塗り壁」「タイル、石」などがありますが、無垢板
などを床に使うのであれば、やはり「塗り壁」がおススメです。
「土壁」 の時にもお話しましたが、「塗り壁」には、調湿効果があるので、多湿の日本の気候に適した素材なのです。さらに優れた耐火性能も特徴です。
塗り壁の種類としては、昔からある「漆喰」(しっくい)と最近注目されている「珪藻土」(けいそうど)が代表としてあげられます。
今回は漆喰についてお話しますね。
■漆喰
古くから城や寺社、土蔵などによく使われた、いわゆる「白い壁」が漆喰で、奈良や平安の時代からあったらしいです。
漆喰は、消石灰に砂や糊(のり)などを混ぜ、ひび割れを防ぐためのすさを混ぜ合わせて作られます。
「消石灰」とは、石灰石や貝殻などを高温で焼いたもので、糊(のり)は江戸時代より前は、食料として重要だった米が使われていたので、漆喰壁は権力と富のあかしだったみたいです。
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江戸時代には、武家や貴族の接待など、格式の高い座敷の小壁などに塗られていました。
さらに、漆喰は耐火性や耐久性が高かいので、近世の城の壁に塗られるようになって、城が増えるにつれ左官の技術が発展し、職人の数が増えたため、その後町家にも広がって漆喰壁は普及していったそうです。
漆喰壁は白色だけではなく、黒の漆喰も使われ、豪壮なイメージには人気があったみたいです。
今でも、田舎にいけば黒い壁をみることがありますが、あれが、黒漆喰です。
漆喰の特徴は硬くて、耐水性が高く、ツルっとしてとても光沢のある美しいです質感です。
漆喰の壁に温かい色合いの照明をあてると、程良く反射して、美しい光を放ってくれます。
漆喰の白壁は室内を明るくしてくれ、また、自然素材なので、柱や梁の無垢材 とすごく馴染みます。
漆喰の中でも、高知県の土佐漆喰は特に有名で、今でも、高知の住まいには決まって、外壁にも室内の壁にも漆喰が使われていますよ。
みなさん、高知に行った時には、ちょっと注目してみてください。