楽しんで木・自然素材・土壁の家づくりをするために -2ページ目

新築工事打ち合わせ

先週の日曜日、新築工事打ち合わせ行ってきました。


現場で、外壁のサンプルを照ら幸せてるところです。

いつも打ち合わせは、お客さんのご実家でさせてもらってます。
広い玄関を入るとガラス越しに中庭が見えるんです。
そこの光の射し方が美しく、いつも明るい。

いつもあたたかく、お父さん、お母さん、ムズメさん、旦那さんが迎えてくれます。

なんとなく、温かい空気のなかで打ち合わせをさせてもらってます。
期待に答えないといけませんね。

そろそろ、このお家のネーミングを考えたいところ何ですが、まだ思いつきません。

当たり前なんですが、どのご家族もそれぞれ考え方が違います。
育った環境も皆それぞれちがいますから、当たり前のことです。、

いつも意識していることは、その家族に沿った家づくりを最大限生かしつつ、新しい風景を見せてあげたいなと思う。

家が建つ頃には家族が一人増えるので、その子が楽しそうに、家で遊んでいる姿が見れることをひそかに楽しみにしてます。

ある程度形になぅってきました。あとは私の実施図面の作業次第です。



いい家になるかは土地選びでほぼ決まってくる

最近、土地を購入される際に建物を建てる観点から見て欲しいと言われ、見に行くことが多くなってきました。


ですので、今土地を探していてご購入を考えてる方、これから土地を探そうと思っている方に向けて、お話したいと思います。


採光条件の良い、南や東が開け、その上整形な土地を探していませんか?
これがそもそもの間違いなのです。


こういった土地自体の条件が整ったところは当然人気の高いため、値段も高いはずです。
頑張って、高いを土地を購入すれば、当然建物に掛けれる費用は少なくなります。


家を建てるために買ったはずの土地に満足のいく家が建てれないのです。


土地を購入したらあとは建物本体に全ての費用をまわせるのかというとそうでなく、
土地の条件・状態によって建物の本体以外にかかってくる費用が発生するのです。


■水道メーター(20mm)が敷地内に引き込んであるか(ない場合や口径が小さい場合20万~)
■前面道路に公共給排水管が入っているか?(入っていない場合はまず買わない方がいい)
■建物に直接電気を引き込める位置に電柱があるか?(ない場合はポールが必要15万円~20万円)
■土地の地盤が良好か(改良の場合50万円~100万円支持地盤に依る)
■境界は明示されているか(ない場合地積更生登記が必要10万~20万円)
その他色々


上記のようなことは土地を売ることが目的の不動産屋さんでは分からないことなので、教えてはくれません。


ちょっと話を戻します。

もし採光条件の悪い土地でも採光を充分に取れる家が建てることができるとしたら?


私たち建築士は採光条件の良い土地でしか設計ができないわけではありません。
採光条件や敷地の形状がいびつで条件が悪い中で、知恵を絞り問題をクリアしていくかが腕の見せどころなのです。


ですので、それほどいい土地を選ぶ必要がなく、プラン次第でなんとでもなるのです。
それよりも、本体以外にかかる費用が嵩まない土地を選ぶ必要があります。


こういった話は建物よりも土地の資産価値を重視される方にはおすすめしません。
いい家づくりをしたいと土地をご購入される方だけには「人気のない土地」「いびつな形の敷地」を選ぶことをオススメします。


ちょうどこないだ建てさせて頂いた「ほたるの家」は市街化調整区域(建物を建てることを制限している地域)であらゆるハードルをクリアしないと家は建てれません。


そのため、この土地は人気がなく、変わり者しか買わないであろうと言われていたため、値段は200坪で1500万くらいいだったかな。坪75000円ですよ。
都会では考えられません。


ご購入される前に私に相談され、役所や県庁などで色々調査して、本体以外にかかる費用がそれほど、少なく建物が建てれることを確認し、GOサインを出しました。


ご購入にあたって、形状が複雑でや高低差のある土地で境界もあやふやでしたので、持ち主さんに測量をしてもらい境界を明らかにしてもらうように不動産屋さんにお願いしてくださいとお伝えしました。


結局、眺めの良い広大な敷地家を建てることができました。
土地をお手頃な価格で購入でき、家本体に予算を回すことができたため、こだわりのある土壁の家を建てることができたのです。


「人気のない土地」「いびつな形の敷地」を選ぶことで重要になってくる3つのポイント

・工夫された建物のプラン
・各行政へ法的な規制がクリアできるか。
・本体以外にかかる費用がどのくらいになるか。

この3つはあなただけでは判断できず、建築士が必要になってきます。


ですので、土地を選ぶ際には必ず同行させてください。


また、土地を探すお手伝いもできますので、お声をかけてください。


無機質な家よりもそれぞれの家族がこだわった個性ある家を造って欲しいので、
別に私に設計を頼む予定がなくても、喜んで同行させて頂きます。

現地調査と役所廻り

今日は敷地調査および役所調査をしてきました。

新築の物件で、土地を購入したとのことなので、とりあえず現地を見ることに。

前面道路と敷地とは2mくらいの高低差があるために、擁壁があって駐車場が掘り込みのガレージになっていました。



擁壁や掘り込みガレージは土圧がかかるために、扱いがなかなか難しいんです。
やり変えることになると、構造計算はもちろん、彫り込みのガレージとなると工作物として扱うので、それだけで確認申請を行う必要があります。

ですので、やり変えとなると、それなりの費用がかかりますので、高低差のある土地をご検討される際は気をつけなければいけません。


役所での調査はいつものと同じく、用途地域、防火指定、許容容積率、建ぺい率、道路斜線、北側斜線、その他条例の有無、埋蔵文化財が埋まってる土地の可能性があるのか等を調べてきました。

今回の特に検討する事柄は、地区計画と景観法があることでした。
地区計画とは、その地区で定められた条例で、今回はまだあまり詳しく読んでいませんが、絶対高さを9mまでとするというところが関係してきそうなところです。

景観法はその地域の景観を損なわないように設けられた法で、これはいつも気にかけてることなので、通常どうりすれば問題なさそうです。

今回擁壁もあるので、擁壁などの扱いは県なので、県の土木課の方へも行ってきました。
ひとつの場所を行くだけでよければ楽なのですが・・・

現在の既存の擁壁が申請して造られたものかどうか?
申請番号があるのかを調べました。
昭和45年くらいに造られた申請されたものでした。ふぅ助かった。

申請されていない場合は各々が勝手にしたものなので、ものによっては、強制的に指導が入りやり変えないといけない場合もあります。

全部やり変えとなると、1000万円単位になるので冷や汗ものです。

あと、今回地籍測量図(土地の測量図面)がありませんでした。
ないということはとなりとの境界が明らかでない可能性があるので、シビヤな設計をしなければ、問題が出てこない可能性はありますが、
できるだけ、土地を購入される際に不動産屋さんに前持ち主さんの方で測量をしてもらい境界ポイントを明らかにしてもらい、地籍更生登記をしてもらってください。

後々土地を売るとなった時の価値も値段が変わってきますし、お隣さんともめることもありえますので。

不動産屋さんは分かっていても、お客さんが言わないとスルーしちゃう場合もありますから。
これから建物を建てるということを考慮して土地を売るってことをしない不動産屋さんもいるので、ほんと気をつけてくださいね。

このように、どの地域もそれぞれ建物を建てるに当たっての制限が変わってきますので、毎回役所や県庁にいって調査しなければいけないのです。

敷地調査と役所廻りをきっちりしてから建物の計画や予算計画に入ります。
敷地の状況によって、本体(建物)に掛けれる費用は変わってきますので、土地を購入される前に、検討することをオススメします。







家具は家にとって大事

今日は同じように国産材を使った家造りをされているMUKさんの新築完成見学会に行ってきました。

ここに住んだら楽しいだろうなと思える、設計士さんの想いがこもったいいお家でした。
とてもいい刺激を受けました。


あと家具がよかった。家具が家を引き立てていて、ちょっと贅沢でおしゃれな空間になってました。
最近感じることなのですが、家具ってとても大事だなと思います。
家がとても引き締まります。

構造材や床材には杉や桧のような針葉樹と違った、広葉樹の家具を入れると木目も色合いも違うので、華やかになり、また後の色合いも楽しみの一つになります。

見た目の華やかさだけでなく、何を入れるかを考慮した使い勝手のよい収納、空間にあった形、コンパクトにまとめることによっての無駄のない有効なスペース利用、TVボードなどは腰掛けとしての利用も兼ねた多用途利用など、メリットはとても多いことがわかりました。

今回見学させて頂いたお家はキッチン、キッチン前の配膳台、食器棚が家具として造られていました。



部屋の壁や枠(幅木)のラインに沿って家具を造ってらっしゃるので、空間の統一感があり、キッチン配膳台、食器棚も同じデザインなのでいい感じでした。

キッチンといえばシステムキッチンを選ぶことが主流だと思いますが、家具として造ると、食器棚と配膳台との統一感もでます。


また無機質感がないので、食材がより新鮮にみえるような気もするし、料理の造り甲斐もありそう。まな板の木もまたいい。

木のキッチンって高そうに思うかもしれませんけど、仕様がちょっといいシステムキッチンと比べると変わりません。70万~100万くらいでできたりします。

今回のキッチンの天板はステンレスですが、システムキッチンでもよくあるヘアライン仕上げではなく、汚れが目立ちにくいバイブレーション仕上げ。

このステンの質感結構かっこいい。


引き出しなのの金物もいいものを使っているので、長持ちしそう。見た目のこっちの方がいい感じがします。

今回見させて頂いた家具はoguma さんが製作したもの。
ogumaさんの大橋くんとはフットサル仲間でもあります(^-^)

今度製作所見に行こーと思います。

作業

こんばんわ。
最近はプランが終わって、実施図面を書いているのですが。
いつもこのときが一番悩みに悩んで進まない時期なんです。

図面を進めるのあたって、1センチ、1ミリの高さや幅、奥行きが気になって、変えては戻しての繰り返し。

自分の中で、この作業を怠ると必ず後悔するなんて思うのです。

いつも「もうこれでいいや」と思いつつも、寝れずに考えてしまったり。

目に見えない空間をいかにいいものにするか?
統一感をどのようにとっていくのか?
すべての空間が意味のあるように。
風がどう流れるのか?
冬。夏の太陽はどうさすのか?
町並みにあった外観になっているのか?
照明はどこにあててればいい雰囲気になるのか?

私は昔から、理系のせいかなんとなく感覚で決めることに抵抗があり、すべてに意味をもたないと不安になります。

最近よく、人の建てものの見学会にいくのですが、間取りがどうとか?よりもその建築士が何を試みたのか?どういうコンセプトなのか?
を感じ取るのが好きです。

なんでここに段差があるのか?
なんでここに照明なのか?
なんでここにこの木なのか?

その答えが明確に感じ取れるものが多ければ多いほど空間は生きているような気がします。

ちょっとノイローゼ気味なブログでした。





イサムノグチの照明買いました。

照明を買っちゃいました。

というのも、最近目が痛いなと思って。
目がすごく重いと感じてたので、おそらく仕事で毎日パソコンの画面を見ているということと、仕事中、天井から何灯も蛍光灯から照られた灯りで目が疲れているのだろうと。

なので、家に帰ったときは黄色いふんわりした灯りの中に居ようと思って買いました。

イサムノグチのAKARIシリーズのスタンドS7183 ヤマギワ

1953年に発売された、彫刻家として、インテリアデザイナー、家具デザイナーとして活躍しイサムノグチさんのもので、竹ひごによる骨組みと、和紙との組み合わせにより構成された照明器具で、「光の彫刻」として世界中で高く評価され、日本グッ ドデザイン賞やニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションに選定された作品です。

現在においても当時の型を使用して職人の手により作られているんです。
メイドインジャパンのものと職人の手でというフレーズにはめっぽう弱くて、すぐ引き込まれてしまいました。

AKARIは「太陽の光や月の光を部屋に入れよう」という意味から「明かり」という名前がついていて、その漢字のとおり「日・月」で明。

照明って人工的なものだけど、出来るだけ自然の日や月に近いものにしたいと思うコンセプトがまたいい感じですね。

さっそく、使ってみたのですが、和紙から放たれる光はやわらかくて綺麗。
目が休まりますし、癒されます。


部屋の空間に照明スタンド一灯入れただけで、雰囲気も変わるし、体の調子も変わるんで、オススメですよ。

家の中の照明はやっぱり黄色い灯りがいいですよ。

あんまり点ける時間が短いならやっぱり白熱灯の方が綺麗で、ずっと付けるならLEDの白熱灯色がいいですよ。
イケヤのLEDの球LEDAREは513円で安くて演色性もそこそこなのでお勧めです。







狭くてもLDKを開放的で居心地の良い空間にするために



上の図は100年も前に公表されたミュラー・リヤーの錯視の図です。

2つの直線は同じ長さなのですが、くの字の方向によって、目の錯覚が生まれ、とうてい同じ長さには見えません。

これは建築の世界においても、物質的数値だけではない、錯視的な要素を空間に取り入れると、狭くても開放的にできたりするのです。

ちょっと話を挟みますが、天井を高くする=開放的ではなく、また広い=開放的でもないです。
ここでいう開放性は居心地の良い空間と意味で、

面積も大きく、天井も高くしても、体育館のようになれば、何か落ち着かず、トイレなども天井が高いと落ち着いて用が足せない気がします。

リビングやダイニングにおいても、椅子の生活か、床に座る生活なのか?によっても高さの見え方は変わってきます。

居心地の良い空間にするには「高さ」はとても大事な要素で、用途や広さによって高さに変化をもたらしてあげると、空間は生きてくるのです。

高さを整えたうえで、錯視効果を利用するとさらに空間は生きてきます。

●高低差をつけて、視界の変化を利用する。
一体化されたLDKのダイニングとキッチンをあえて2100mmの天井高にして、リビングだけを天井を高くして、天井に変化をあたえてやるのです。

そうすると、リビングはとても視界が広がったように感じるのです。


リビングを南に面した吹き抜けにすると、さらに開放的な空間となります。
その上、吹き抜け上部に開口部を設けると、冬には北側まで自然光を取り込むことができ、リビング全体が明るく気持ちのよい空間になります。

それに加え、リビングに階段をもってくると、階段が吹き抜けとして機能するので、吹き抜けの空間が増え、効果的です。

その際の階段はけこみ板をなくし、手すりも細いスチールも設け光や視線が通り抜けるようにするといいです。

高低差をつけると、空気が流れができるので、通風にも効果的です。

●開口部に向かって天井を下げて、重心を開けた庭の方へ。


庭のある開口部に向かって天井を低くしていく。

リビングの南に面する開口部一杯まで天井を下げてると、空間の重心は下がって、開口部がパノラマのような錯視効果が生まれよりキレイなシルエットの庭を眺めることができるのです。

天井を低くすることによって、より奥行のある庭が引き立って見えるのです。

カメラのレンズの絞りのように、絞ればよりシャープではっきりみえる効果と同じ思っているのでがちょっと違うかな?

●天井を通す 「抜け」の爽快感をいかす 
LDKを開放的に使いたいけど、キッチンにはガチャガチャしたものは隠したいので壁を設けたい。

そうなると当然LDとKは遮断され開放感はなくなります。

どうしよう?・・・

解決方法として、キッチンの壁を天井までぜずに、少しあけてLDKの天井を繋げるのです。

そうすると、LDKの一体感は損なわれず、視界は抜け、風は抜け、光は抜け、広がりが保てるのです。

上が空いているのもちょっと嫌だなという方には、透明のガラスやポリカなどを入れて、視界だけを通せば、開放性は失われません。


いい写真がなかったので同じ効果のものをのせました。
外壁の上部にガラスを入れることで、中の天井と外の軒がつながりができ、広がりが生まれています。

狭いところでは特に、「抜く」ってかなり効果あるんです。

●天井(壁)に間接照明をあてる

天井や壁を間接照明で照らすことにより、高さが強調され、 壁からの圧迫感が軽減するので、部屋を広く感じさせることができるのです。

天井から反射した光が拡散され、部屋全体を柔らかい光がふんわり照らすので、部屋全体が落ちついたやさしい空間になります。

いい写真がないのでまた載せます。


天井の高さは物理的な寸法よりも高さの変化とつながりの方は大事なんです。




いい家って?

こないだ竣工した25坪の家のお施主さんから小泉誠さんデザインのテープカッターのプレゼントと奥様、娘さんからのメッセージを頂きました。


とてもありがたいことです。
がんばってよかったなと思いました。

予算の限りに「大きい家よりも小さいけど、密度の濃い家を目指す」
お施主さんと同じ方向の道に終始進めたと思います。

打ち合わせも何回も繰り返し、無駄なスペース・ものは削ぎ落とし、こだわらないところを明確にし、こだわりたいところへは妥協をしない。常に数字を意識し、足したり、引いたりを重ねました。

お施主さんの以前のお住まいも整理整頓されているおかげで、新しい住まいも無駄な収納スペースを作らなかったことも小さな家にできた大きな要因かもしれません。

収納が少ないというわけでもなく、玄関収納・下駄箱・納戸・食品庫・配膳台・トイレの棚・洗濯機の棚など、目的に合わせて寸法を決めれたので、収納による面積を奪われることはなかったです。
収納って奥行がそれほどいらないので、ところどころに造れたりします。

あとお施主さんと話して面白かったのが、
実際に建ってみてはじめて水谷さんが提案したことの意味がわかった。もう一度最初から打ち合わせしてみたいです。」と仰っていました。

天井高をもう少し低くしたら、外観がよくなること
2階にトイレをなくすと予算をまたこだわりのある箇所につぎ込める。
など。

何が正解かはないのですが、
一歩引いてメリット・デメリットのバランスを見れるのがやはり建築士だと思うのです。

私としても住んでからも快適に過ごして欲しいと願っています。
やはり建築士との信頼関係が「いい家づくり」のキーを握るような気がします。


私が目指す家づくりは、今回のように、予算に限りがある中で、無駄と思えるスペース・ものは全て削ぎ落とし、こだわりのある部分は妥協をしないメリハリのある家づくりです。

無駄に広くての高い家・高価なものや便利なものよりも、居心地を追求した精神的に癒され、家族が楽しく居心地よく過ごせるもっと深い「ホントの贅沢な空間」を追求していきたいと思っています。


25坪の家の例

【こだわらなかったところ】
■25坪の面積だけでなく、天井も必要がないところは低くしている。
(吹き抜けを設けて高低の演出をしたりや視野が広がっているところを低くしたり、座って使う畳のところをひくくしたりしています。むやみに低くすると圧迫感出るので注意)
■寝室はベットとあとちょっとしたTVボードがおけるくらいで、4帖もないかもしれません。
(各部屋の建具を引き込みの引き戸を設けることで、建具を引き込むとオープンな空間にできるようにしています。)
■客間が欲しかったのですが、常に泊まりに来るわけでもなく、また寝れるだけのスペースいいので、
リビング続きに3帖の畳部屋を設け、引き戸をしまい込めるようしているので、普段は全開口しておくことで、リビング+3帖として利用できるようにしている。
■照明は必要な箇所のみ部分的に設け、明るすぎないようにしました。
器具のデザインよりも光の照らし方のほうが大事なので、裸電球と電球むき出しのスポットを選んだのでほとんど球の代金。
ダイニングのテーブルを灯すところだけ中村好文さんの5万円するペンダント。
それでも照明器具+取付費で10万くらい。
■設備は寿命15年くらいで取替が容易なので、今回はとり合えず抑えました。
トイレは集合住宅でよく使うもので5万くらい。
キッチンはこだわりたかったけど、ここもセーブし30万円くらい。
浴室もユニットバスで必要最小限30万くらい。(平均60~70万円)
■庭も塀などの土木工事を一切せずにオープンとし、その分植栽に当てました。

【こだわったところ】
■リビングに吹き抜けを設けた。
この土地は南が開けていて、道路を挟んだ隣地は農地で見渡しや採光条件がとてもいいんです。
25坪だけど、南のリビングの上には思い切って吹き抜けを設けたおかげで、北面の畳のあるところまでも日当りがよくなった。
■LDKの壁・天井には調湿性のある薩摩中霧島塗り壁。
■リビングに面して大きめのデッキを設けた。
リビングの延長として利用できるのでさらにリビングに広がりができた。
■薪ストーブを採用した。
吹き抜けを通して薪ストーブ1台で家全体をまかなえ、家の中の温度差がないので健康的。
■玄関戸・リビング外部に面する戸を木製にした。
外の庭・借景のつながりを持たすために、無機質なアルミではなく、木製を利用した。外観もやはりより自然な風合いになった。
■配膳台・洗面台などに桜の無垢板
■ダイニングテーブルは家具作家さんの栗のテーブル
■椅子は宮崎椅子製作所の小泉誠さんのbochair、カイクリスチャンセンno42、村澤一晃さんのpepe
■庭の植栽は高価なものよりは、色とりどりの種類のもので四季を通じて花が咲くように。

どうしてもマイフォームを考える際は夢を見がちで、どれもこれもになってしまい、目先のものを優先しがちです。
手入れがいらないもの、便利なもの、リスクを背負わないものを選択するのは毎日の生活に追われているから仕方のないことですが、一生に一度の大きな買い物である家にそれがメインになってしまっては、何か勿体無いと気がします。

使ってないスペースは全部勿体無い。
ものが溢れている空間は勿体無い。
生活に追われている人生は勿体無い。

心にゆとりを持たせる家でありたい。
そう思います。

私は打ち合わせの時にいつも「こだわらない部分を見つけてください」といいます。
贅沢せずに、削ぎ落せるところを見極めることができれば、必ずいい家づくりになります。

あれもこれもはどれもこれも中途半端になりますよ。























家造りの優先順位

生まれ育った住まいは夏暑く、冬寒くないですか?

”断熱をしっかりする”といった温熱環境に力を入れることは日本の家づくりの歴史においてもここ10年のことで、ましてや国や自治体が本腰を上げて動きだしたのはあの地震による原子力発電の問題からなのです。

ですので、家はそもそも夏暑く、冬寒いものとして認識しているかもしれません。

夏涼しくしようと思えば性能が良いクーラーを、冬温かくしようと思えば容量の高い暖房器具を取り入れることで解決すると考えるのも無理はないことだと思います。

冷暖房費は仕方ないものとして認識してしまっているかもしれません。
でも、毎月の光熱費はかなりこたえますよね。

そもそもなぜ家は夏暑く冬寒いのか?
答えは簡単で、家づくりの中での断熱に対する優先順位が低いからです。

断熱は住んで見ないとわからないことで、家づくりの際にどうしても目に見えやすい方へ優先順位がいくのです。

そして皆さんも「まあ建築士さんは標準的な断熱性能にしてくれているだろう」と決め付けているかもしれません。

しかし、先ほど言ったとおり断熱の歴史は浅く、標準と思われるものが実はスペックが低いのです。

スペックが低いとどうなるか?
冬のことでいえば、暖房をたいても壁・床・天井(屋根)の断熱が低いと外部の冷たい空気に影響を受け熱はすぐに温度が下がります。また、家の隙間(気密)が多いと熱はすぐに逃げていきます。

ですので、いい暖房器具を使っても熱は冷やされ逃げていくので、直接あたる温風のみを期待するしかないのです。
暖房の設定温度を上げれば上げるほど、エネルギーを使いますので、断熱性の低い家は自ずと、エネルギーの浪費になり、毎月の光熱費は増し、生活を圧迫するのです。

断熱性の高い素材を選び、熱が逃げないように隙間を塞ぐことで、室内の気温は保たれます。一定の温度を保つことができるので、温度差によって熱が動くこともないので、低い設定温度でも体感温度は高くなります。

断熱・気密の性能を上げる。それだけで室内の環境はかわり、無理のない設定温度の冷暖房、無理のない月々の光熱費なるのです。

家づくりの際に断熱・気密の優先順位を上げイニシャルコストを費やせば、ランニングコストは抑えることができ、光熱費の負担は減ります。

ですので、悪循環のスパイラルにならないためにも、家づくりの際にはとても大切な部分なのです。

どんな断熱材を選んだらいいのか?どういう工法がいいのか?
家はどこから熱が逃げやすいのか?
などは長くなりそうなので、またじっくりとお話します。

■さらに快適し、光熱費をさげるためには

冷暖房機器は私の生活にとって不可欠なものになっています。
しかし、夏はクーラーによって冷やされた室内の温度と外気の気温差があまりにも大きすぎて風を引いたり、冬はエアコンの乾燥した空気でインフルエンザにかかったり、機器に頼り過ぎてしまうと体に変化をもたらします。

やはりあまり機器に頼らず、光や風といった自然の力をうまく取り入れることが必要です。

機器に頼らず、その気候にあった家づくりの工夫で光や風をうまく取り入れることを「パッシブデザイン」というのですが、

それを組み込むことで冷暖房に頼りきらない自然な環境で暮らすことができるのです。


・東西南北それぞれの陽の入り方を考えた窓の配置とする。
・風が通るようにその土地の風向きを考慮して窓の位置を配置させる。

・夏の強い日射を防ぐために、庇をつける。すだれ、緑のカーテンその他。(最近、軒もなく、庇もない家が増えてきました)

・夏の日射しを遮光し、冬の日射しを取り入れることができるように庇の長さを決める。

・個室単位で考えず、家全体で温熱環境を整える。(結露、ヒートショック) ←開放的な間取り。


などなど。

自然の光や風をうまく利用することで、ある程度快適性は得れます。
出来るだけ、自然のもので対応し、どうしてもの際に冷暖房を使う。

それができればなお光熱費は下げることができます。









リビングや大事な空間には木製建具を!!

外と中をつなぐ素材ってとても大事なものだと思います。
外が自然溢れる植栽たちが賑わっていても、家の中から見たときに、無機質なものが目に入るとそこで何か境界線のようなものを感じてしまいます。

特にリビングにデッキが隣接した掃き出しの開口部のアルミサッシが代表的な例です。
アルミが悪いわけでななくて、映る景色が木のほうがしっくりきます。


でもね・・・
外周部周りなので、水掛りになり、木が濡れてしまいます。
冬の光を遮らない、雨が当たりにくい丁度いい庇をければ、ある程度は防げます。

角度のない雨はむりです。
外部用の木の機能性が失わない自然塗料と使うと水に対しての抵抗力は増します。
ですが、3年~5年くらい経つと木は風化され色が変わってくるし、時にはカビが生えることものあるでしょう。

その際、に刷毛で自然塗料を塗ることをすればなんの問題もありません。
カビに関しても、カビが繁殖して家中カビだらけになるってことはまあないでしょう。
心配であれば、カビ取りをすればすぐに落とすことができます。

自然塗料を塗ったり、カビをとったりする作業は刷毛で塗るので、誰でもできちゃいます。


古美(ふるび)ていく、自然な風合いを楽しみながら、気になったところを刷毛で塗る。

●まったく何もしたくないので、無機質な素材で我慢するのか?

●木にウレタン塗装したり、木に見える樹脂のものを利用して、木としての機能はないけど見た目だけを楽しむのか?


この3点の選択になります。

自然に囲まれた空間は何物にも代え難い「癒やし空間」になります。
常にではなく、たまの手間はかけるだけの価値は大いにしてあると思っています。

ちょーがつくほどめんどくさがりの私でもそう思うのですから、皆さんなら気になった時にちょっと塗る作業はそれほどめんどくさい作業でなないと思います。

皆さんおそらく、どんな塗料をぬったらいいのか?
どういう風に塗ったらいいのかとかが気になって手がつけれないんだと思います。

OSUMOの塗料 やコーナンでもよく売っていいるキシラデコール をただ刷毛で塗るだけでOKです。

私たち都会で生活しているとどうしても、無機質で便利なもの、煩わしくないもの、不動なものに慣れてしまいます。

その反面、大事な自然の恵みを失っていっていっているのです。

精神的な安らぎを得るにはやはり自然って欠かせないもので、少しでも自然と向き合う生活も取り入れたらこ心が豊かになるのではと私も含めて思います。

家づくりがそのきっかけになれば幸いです。