誤記に気付いて修正作業中に「複製ボタン」を押してしまいました。それに気付かない内に、アクセスして頂いた方々がいらっしゃったため、折角ですのでこのままにいたします。「前開きの有無に直結した形と着用感の違い:Slip(欧州型ブリーフ)とブリーフの比較」については近々掲載開始の予定です。

本ブログ記事の項目や内容が多岐にわたってきましたので、関係者の方々とも相談の上、テーマ毎に区分・整理し、各記事についても内容をより端的に表すように題目変更しました。


今回(注)は帰国子女のkia***さんが「slip派」であることを自覚するに至る最終段階の続編です。slipとブリーフの間で目立つ違いのpart-2ということで、前面部の相違点にスポットを当てています。

国内でお馴染みの前開きブリーフと欧州型ブリーフのslipは、ボクサーやトランクスとは明らかに異なっていて、多くの点が共通しています。しかしその一方、幼少期からのslip常用者からすると、slipとブリーフとでは見た目、着用感、機能性にかなりの違いがあることになります。今回の前面部はその典型例の一つということでしょう。

(注)kia***さん共々、年度末の会議・集会(on-line)とその資料作り等々で多忙となってしまい、今回もupが遅れてしまいました。

以下kia***さんの本論
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前回は以下の3-1までを述べました。
1.Slip(欧州型ブリーフ)派自覚への経緯概要

2.周囲反応への対策とその限界
2-1.slip(欧州型ブリーフ)に対する周囲反応
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12704667816.html?frm=theme
2-2.ブリーフ併用の隠れslip派(対策1)
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12705936851.html?frm=theme  
2-3.ボクサー併称の隠れslip派(対策2)
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12709371780.html?frm=theme
2-4.トランクス併用の隠れslip派(対策3)と対策1への復帰

3. Slipと比べたブリーフの特徴と印象(毎日の両者比較)
3-1.形と着用感の相異概要(比較1)
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12720909528.html?frm=theme



今回はslipとブリーフの前面部の違いについて、当時の私が気付いたことをやや詳しく述べます。


(より分かり易くするために図13の縮小図を要所に追加挿入しました)
 

3-2前面部の違い

(1)概況

図13は、要約版に出した比較図(下の再掲図1)を対象に、縁取りの帯を点線で、また前面中央部で二重生地となっているところを灰色着色した図です。


図13-2C
 
図13 ブリーフ(左)とslip(右)の前面部の比較。 一重生地と二重生地の境界にある帯を点線で、また二重部は灰色に着色して強調表示。強調表示前の状態は下の再掲図1を参照。


再掲図1S-B比較縮小


再掲図1.帰国後に着用したものと同型のブリーフ(左)とそれ以前から着用していたのと同型のslip(右)


ブリーフとslipでは前面部の構造とそれが与える印象、いわば「顔付き(笑)」が相当に異なっていることが分かります。それまでslip型を穿いてきた者にとって、初めて見る前開きブリーフの全面部=顔付きは非常に「個性的」で、slipとは別物に近い感じでした。

(2)上下に走る補強・縁取り帯
 
slipでは、細い縁取り(帯)で生地の一重部と二重部(灰色着色)が分かれていて、二重の裏地がかなり広い前面部域をスムースに覆っていることが分かります。

S-B比較縮小-S

     再掲13図のSlip(二重生地部の縁取り幅や位置に注意)

これに対して、ブリーフの前面部は相当に複雑です。まず、前開き部と他部との境界に上下に走る帯が付けられています。この帯はslipに比べて厚く幅広で、その両サイドには大きな皺が出ていたり、帯自体が曲がっていたりしています。これは、ブリーフがlow-leg cutである上に、着用時にこの帯とその両サイドにかなりの力が加わるためです。それを強度的に支え、型崩れを抑えるために、必然的に境界の帯は厚く幅広になってしまいます。

更に、前開き部内の表地と裏地の開口部には縁取り帯がやや斜めの上下方向に付けられています。この縁取りがなければ、前開きの使用毎に、その縁が局部的に引張り伸ばされてしまい、前開きの出入り口はすぐ型崩れしてしまいます。このため、前あき型には不可欠な補強縁取りとなっています。

S-B比較縮小-B
  再掲13図のブリーフ(前開き部の縁取りの位置や幅に注意)

こうして、ブリーフの全面中央の限られた領域に補強・縁取り帯(図13の点線帯)が上下に計4本も走っているので、slipの単純スッキリと比べるとかなり込み入っています。

特に、2本の開口部縁取り帯は中央部の狭い領域に走っているため、slipに慣れた者が着用すると、種々の体勢に応じてその存在を主張してくる感じがします。例えて言えば“ゴロゴロ”する感じとでも言うのでしょうか、初めて着用したときには「へえ~、ブリーフって穿くとこんな感じなのか~!?」と思いました。
 
(3)二重生地部の広さと形 
 
上記のような補強帯の幅と厚さ、それに前開き開口部の補強縁取りの有無によって、前面中央の二重領域(再掲図13の灰色部)の広さと形も大きく違っています。

S-B比較縮小

再掲13図(前開きの有無、二重生地部の形、縁取りの幅に注意)

slipの二重生地部は広くシンプルな形です。その結果、激しい運動や種々の体勢をとったときにも目的対象一帯(笑)を然るべく覆ってサポートします。

一方のブリーフでは、前開き構造であるために二重生地部はslipよりも狭く、下に向かって狭まっていく形となっています。
 
このため、ふとした拍子で被覆対象が二重生地部から外れたりします。これは特に、激しい運動をしたり大きく姿勢を変えたりすると頻繁に起こってしまいます。
 
「二重部と一重部のサポート感の差」と「開口部の縁取り帯の触感」は、ブリーフを初めて穿いた際に、物珍しさと多少の違和感を覚えました。また、幾度も穿き込んで行った際の穿き心地や機能性の変化も、slipとブリーフとでは違っていました。

このような穿き心地や機能性とその変化については次回以降に詳しく述べる予定です。