はじめに
ブリーフの日米型と欧州型の区別が国内では一般的ではないことから、前回は今回の予告も兼ねた要約版をkia***さんに作成して頂きました。
今回からこのテーマの継続として、詳細な経緯と関連の諸事項を含む本編版を掲載いたします。kia***さんのケースを初めて読む方は、前回の要約版に目を通して頂くと分かり易いと思います。
なお以後の記事には、前置きや本体記述に要約版と一部重複する部分がありますが、各所のポイントと全体の流れに一貫性を持たせるためですのでご了解下さい。
解題:kia***さんのケースの意味
kia***さんは幼児期からボクサーやトランクスなどに移行したことはなく、このような他タイプは一時的に着用したことがある程度とのことです。国内で時々聞く、私やatp***さんのような「出戻りケース(下記記事)」とは少し意味合いが違っています。
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12684828771.html
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12685223288.html
彼のケースを本ブログの英文標題“Research on Men’s Briefs and Slips”(注1)に沿って言うなら、「kia***さんが”slip派”になった経緯」となります。しかしbriefsもslipもカタカナ語に訳してしまえば「ブリーフ」なので「一体何のこと?」となって判じ物になってしまいます。
そこでポイントとなるのが「日米型のブリーフ・briefs」と「欧州型ブリーフ=スリップ(slip、Slip、σλιπ、slipy 等(注2)」との違いです。そうしてkia***さんが「自分には”slip”がいい」と意識して確信した時から「slip派になった」と言うわけです。
以下の記事と説明からは、国内で一般的に言う「ブリーフ」や「ブリーフ派」とは違った視点や観点を知ることができると思います。
(注1) 実際の経緯は逆で、以前kia***さんから頂いた説明に基づいてブログの標題を”・・・Briefs and Slips”としています。
以下Kia***さんの本文
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このため、着替えのある登校時などに限って「国内で普通のブリーフ」をメインに穿いて、ボクサーやトランクスも試しました。しかし、「やはり自分には合わない」と確信するようになり、それを意識した上で自宅外でもslipをそのまま着用する「slip派」になりました。
今回は下記の2-1項について述べます。
2-1.slip(欧州型ブリーフ)に対する周囲反応
私は物心がついて以降ずっと居住していたEU域(大陸側)ではごく一般的な下着のパンツ=slip(スリップ)をとくに何も意識することなく穿いていました。以前の記事にも掲載の図1に沿って言うと、「ノーマル・カットでミッド・ライズ、前二重、前閉じ」の欧州ではごく普通のタイプです。
![カット全容](https://stat.ameba.jp/user_images/20211018/19/lin-baelder/58/f4/j/o0828032415017836619.jpg?caw=800)
図1.ブリーフ(slip)の穿きこみ深さとカット。詳細は以下の記の記事をご覧下さい:
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12697798181.html の図1と2
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12690997292.html の図2のS
(2)帰国後の周囲コメント:「それってビキニ?」
帰国して中学に入ると、体育の着替えや検診のときに、周囲の子達から下着パンツのタイプというか形が「国内の”普通”」とは違っていると気付かされました。国内ではブリーフが少数派の上に、そのブリーフ自体の形が違っている、ということだったのでしょう。
図2は、幸いにも(?)実家に保存してあった中学生当時の私のブリーフを比較したものです。Bは国内で購入してもらった「普通のジュニアブリーフ」、S1とS2は「欧州で普通のジュニアslip(ブリーフ)」です。BとS1の本体は100%綿、S2は5%スパンデックスの混紡タイプです。確かに、国内型(日米型)と欧州型とでは形と全体的なサイズがかなり違っていることが一目瞭然です。
図2 ジュニアブリーフの日欧比較。B:160サイズの国内型ブリーフ、S1とS2:164サイズの欧州型Slip(ブリーフ)。後者の2枚は、私がslip派を意識するようになった後、親が仕事で渡欧したときに現地購入してくれた”幼なじみ”のシリーズ製品。日本で言えばグンゼやBVDのジュニア用相当で、S1は92~188サイズ、S2は92~176サイズをカバーしていました。
そのため、体育や身体計測などの着替えの際に、「・・君が穿いてるのってビキニ?」とか「ビキニ穿いてるの?」と聞かれました。また部活の着替えでは「サポーター着けて来たの?」といった質問もされました。
在欧当時は「ビキニブリーフという語(今も男子用下着で一般的な用語ではありません)」自体を知らず、聞いたこともありませんでした。これはサポーターについても同じで、在欧時代の同学年前後の子達はもちろん、街のスポーツクラブで一緒のハイティーンの人達の中でも着用者はまず見掛けませんでした。
従って、「ビキニやサポーターがどうこう」というのはどれも私にとっては思いも掛けない質問なので、「何それ!?」とビックリでした。そうして「これ普通のパンツだよ」と返事するしかありませんでした。しかし、この返事ではどうも納得して貰えなかったようです(しばらく経つ内にその理由というか、国内での背景が分かってきましたが・・・)。
問題は、国内ではブリーフ自体がそもそも少数派である上に、そのブリーフ自体の形が相当に違っているということでした。こうして上記のような質問や感想・コメントがなかなか止まないため、「何らかの対策が必要」と思うようになりました。
(以下、次回に続きます)