今回はkia***さんが初めてトランクスを着用したときの感想や効果についてです。ブリーフ(slip)派がトランクスやボクサーを苦手とする理由が明快に説明されています。私自身も大いに納得でした。

 
と同時に、「思いがけないトランクスの効果」が指摘されています。これはもう一つの重要ポイントと思います。私も小6でトランクスを期間限定で試しましたが、当時、そのような効用については意識外でした。今改めて思い返すと、「確かに!」です。      ――――――――――――――――――――――――――――
  
7.自分自身への効果と感想-3:トランクス

8月に入ってから「風通し抜群」とされるトランクスを試しました。一見した印象は、外見はボクサーと似ている一方で裾口には弾力がなくてオープン、また生地自体もSlip、ブリーフ、ボクサーのニット編みとは違ってサラッとしていることでした。
 
7-1.初トランクスの印象 
 
穿いてみると「足口をオープンにして、生地の弾力性とフィット性、肌への柔らかい感触、股間部の保持性を全面的に取り去ったボクサーブリーフ」といった感じでした。確かに、腰部と太股の上部が「支えのない開放感」で覆われ、「風通し抜群」が実感できました。これで高温・高湿度下での汗ばみとボクサーへの不適応性は回避できそうでした。それに、短パン(short shorts, kurze Hosen )に似ているので、着替えでパン一になっても気恥ずかしさが減りそうなのもメリットです。

7-2.高温・高湿度下での穿き心地:ズボン着用で蒸れと肌密着      

 

しかし、トランクスの上にスラックス(制服や外出着の長ズボン)やジーンズを穿いて外出すると、そう甘くはありませんでした。トランクスに覆われている太股と腰部が汗ばんで、それを吸って湿った生地が股間・ヒップ~太股の付け根の下にわたって肌に密着してくるので、ボクサーのときととほとんど同じ感じになりました。図9のブリーフとの重ね合わせ比較から、トランクスとボクサーとがズボンの中では同じような状況になってしまうことが直感的にも分かると思います。
ブリ・トラボクサー比較
       B-T              B-B 

図9 腰部~太股の被覆状態比較:B-T(ブリーフとトランクス)およびB-B(ブリーフとボクサー). 

また、トランクスを穿いて汗ばむと股間物が左右どちらかの太股に張り付く感じになるのも厭でした。「これはどうも・・・」ということで、ボクサーのときと同様に、裾が短くて穿き上げの効くミッドライズのトランクスを試しました。しかし、裾の短いボクサーの場合とほとんど同じことが起こりました。

というのは、腰部~太股の上部が汗ばんでくると、裾の短さが仇となって、裾の生地がまくれ上がって股間部に重なってきたのです。そのときのトランクスの外形は丁度ブリーフと同じような形になっていました。つまり、「まくれ上がってくる生地(ブリーフには最初からない部分)は余計物」ということを実証してしまっているのが皮肉です(笑)。さらに極端にまくれ上がったときは、伝統的なお祭りやTV相撲などで見るフンドシみたいになって食い込んできたのには参りました。
    
7-3.裾長下着での熱気・湿気蒸れの理由と必然性の考察

こうしたことを図9の重ね合わせ比較で考えると、ズボンを穿いてしまえばトランクスでもボクサーと同じく熱気と湿気が籠もってしまう理由が分かってきます。トランクスが肌を覆っている領域(図9左)はブリーフに比べて遥かに広く、ボクサー(図9右)とほとんど変わらないのです。パン一のときに幾ら風通しが良くても、ズボンを穿いてしまえば足腰の全体がズボン生地で覆われてしまいます。ズボンの中での熱籠もり状況がトランクスとボクサーとでほぼ同じになるのは当然でしょう。 


以上の観点から、図9を見直してみるとトランクスとボクサーは図10のようになります

熱こもり
 
図10 トランクスやボクサーの上にズボンを穿いたときの熱気・湿気籠もりの要因。


橙色の太線で囲った領域は、ブリーフの場合には無い肌身の被覆域で、股間下部から太股付け根のかなり下側にまで及んでいます。つまりこの領域は、ブリーフの場合と違って、①ズボン生地+下着(トランクスやボクサー)生地の二重構造になっています。とくに②股間~股下では両足を揃えると、「ブリーフではあり得ない生地の四重重ね状態(下着-ズボン-ズボン-下着)」で肌身が被覆されることになります。しかもこの領域は、③ズボンの裾(開口部=換気口)から最も奥まっていて換気性が極少です。さらに重要なことは、④この中の股間~股下部は発汗が活発な領域と重なっていることです。
 

以上の①~④の要因から、ズボンを穿いてしまえばトランクスとボクサーとで大きな差はなく、どちらの場合も腰部~太股上部が「熱気籠もり・高湿度ゾーン」となってしまうことが納得できると思います。

 

これに比べてブリーフは、始めから股下被覆がないため、つまり熱気・湿気こもりの要因①②がありません。またそのことが③と④の悪影響を軽減する方向に働くため、必然的に高温・高湿度への対応性が優れていると言えるでしょう。

   

当時はここまで詳細に考えた訳ではないのですが、体感を通じて「やはり自分にはブリーフの方が良い」との結論に至りました。そうして、覚悟して「ブリーフ利用の”隠れslip派”」に戻ることにしました(以後の詳細は次回)。

 

7-4.他のタイプにはない「トランクスの効果」

 
以上に述べたことからすると、私にとってトランクスはあまり取り柄がなかったと思われでしょう。しかし、トランクスには他のタイプにはない一大長所があることを実体験しました。それはトランクスを穿くと、小用後の処理レベルが各段に向上することです(!)。

コットン製ニット生地のslipやブリーフ(とボクサー)は吸水性が高いので、小用後の残尿があってもそれを速やかに吸収してしまい、局所周囲の股間部は残尿濡れ・滲みをほとんど感じないで済んでしまいます。このため、幼少期からslip(ブリーフ)だけを穿いていると、用足し後の処理(チン振り())がイイ加減と言うか不十分になり勝ちとなってしまい、下着に残尿を吸収させてシミ作りをしてしまいます。

 

一方のトランクスは吸水性が低く体にフィットもしていないので、slipやブリーフの時のようなチン振り処理だと、残尿濡れ・滲みや残尿の太股伝い垂れの不快感を存分に味わわされます。このため、イヤでも小用後のチン振り処理に気を付けるようになります。そうしてこれが習慣化すると、slipやブリーフそれにボクサーを穿いたときの残尿シミ作りは目に見えて各段に改善されます。私自身も、この点でトランクスには感謝しています(マジに)。