(1)E-コマース・プラットフォーム Spreadshirt
仕事上で交流のある米国人との世間話で、SpreadshirtというE-コマース・プラットフォーム(E-commerce platform)のことが出てきました。同社が用意しているT シャツ、パーカー、ポロシャツ、バッグ、帽子、マグカップなど200 点以上のアイテムに対して、個人がオリジナルなデザインを創案・提案すると、それを各種アイテムにプリントした製品にしてくれ、それらをマーケットプレイスあるいはデザイナー自身がオンライン販売できる仕組みになっています。
プリント・オン・デマンド (POD)+ Eコマース・ プラットフォームのサービスとして欧米主要国のアパレル業界で大きな存在感を持つようになっているとのことでした(年間売上高100億ドル≒1.5兆円!)。
(2)ブリーフをアパレル用にデザイン化!?
そうした話の中で、彼から「”オリジナル・デザイン“の中には、男性下着のブリーフをデザインモチーフにしたものさえ結構ある(笑)」と聞いたのには本当にビックリでした(日本的センスではそんなデザインあり得ないでしょう!)。
そうとなれば、本ブログの主旨からすると到底無視できません(笑)。早速、欧米各国のSpreadshirtサイトに行って検索すると、「ブリーフがデザインモチーフ」のメイン商品とバリエーションが幾つも出てくるので再驚愕でした。
今回は先ず、米国のSpreadshirtサイトに掲載されているデザインとその製品化の一例を採り上げてみましょう。
(3)ブリーフがモチーフのアパレル用デザイン:Brief Retro
図1はShrtDsgnさんというChiliの方のデザインによるステッカーで、図案化した「レトロ・ブリーフ」にGO RETROの語句が組み合わされています。Kia***さんの解説(注1)に沿って言えば、「米英でクラシックタイプとして位置付けられるY-フロント型ブリーフ」となります。
(注1)ブリーフの前開き:欧米から見た日本事情
https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12694015287.html
図2はこの図案をプリントしたTシャツの例です。生地色(31種)とサイズ(9種)の組合せは279通りにも及びます。
図2 Y-フロントブリーフ図案のTシャツ
また、このレトロブリーフ図案を用いた衣類はこのTシャツを入れて計7種もあり(図3)、そのそれぞれに対して複数種のカラー設定とサイズ指定が可能となっています。
さらに、このデザインは女性用(!)の各種シャツ・上着(図4)にも用いられています。
図4 Y-フロントブリーフ図案をプリントした女性用シャツ
このデザインは以上の上着類にとどまらず、トートバッグ(図5)やスナップ・バック・キャップ(図6)にまで商品展開されています。この広がりとバリエーションには驚きですね。
ブリーフに対する国内イメージ(注2)を考えると、以上のようなユニークなデザインと商品展開は日本でまずありえないでしょう。欧米を始めとした海外では、ブリーフという下着についてはやはりプラス面からマイナス面まで種々のイメージがあるようです。しかし、日本国内のような一方的マイナス・イメージやマイナス方向への同調圧力はないということが、このSpreadshirtのデザインや製品にも現れているように思います。
Spreadshirtのブリーフ(含Slip)図案・商品化については他にも相当数あり、そのデザインにはお国柄も現れているので、引き続き紹介したいと思います。
(注2)すでに掲載の本ブログ記事3件「ブリーフへの逆風と衰退https://ameblo.jp/lin-baelder/theme-10118502194.html
」の特にその2「https://ameblo.jp/lin-baelder/entry-12687163796.html?frm=theme
」のような状況ですから。