都会の女の子、
その違いなんて、
順平にはわかりません。
もっとファッションに詳しくて、
あれは青山でしか売ってないとか、
これなら国道沿いの
しまむら(企業関係の人すみません)でもあるとか、
そういうの分かれば違ったんですが、
とにかく順平には、
そこにいるのは、
久しぶりに見る
同世代の女性なだけでした。
金髪さらさらロングヘアーの子が目立ったのは、
顔立ちも整い、少しハデメなメーク、
まわりの男たちと変わらない
背の高さなんかでしょう。
それから、
なんか雑談に混じります。
順平にとってそれは、
別に楽しいってことなかったでしょう。
彼らの話は、
テレビのことか、地元の噂か、
センスのない、
どこかで聞きかじったギャグを飛ばすばかりです。
それでも順平がここにいるのは、
禁欲生活への
かすかな溜飲に過ぎず、
彼らとの接触で、
心の底洗いざらい浸すなんて、
そんなふうには考えていませんでした。
だから、
「なんか順平さんさ、とっぽいよなあ」
誰かが言いました。
一応年上なんでさんづけです。
「とっぽい?」
順平はきょとんとして聞きます。
それでまた笑いが起こります。
「あんだよお、とっぽいだよとっぽい、
東京でも言うだろお、とっぽい」
そう誰かが言うのですが、
順平にはよく意味がわかっていませんでした。
まあ、すかしてるとか、
落ち着いてるなんてことだと思うんですが。
「ねえ、背ぇ、高いね」
いつのまにとなりにいた金髪の女の子です。
彼女は、ミクちゃんと言いました。
「そうだね、けっこうね、」
順平は答えながら、
サトちゃんのことなんか思い出しながら、
「でも俺よりでかいやつ、まだいるからね」
「でもおっきいよねえ」
順平はミクちゃんの座っている姿を、
さっと上下に見ました。
すらりとした彼女は、
どんなに田舎に埋もれていても、
ぬきんでてきそうな
雰囲気を持っていました。
こういう子が、
東京に出て、原宿なんかでスカウトされて、
垢抜けていったりしちゃうんだろうな、
順平はそう思いながら、
また、彼女を見ました。
カラオケボックスの暗い照明の中で、
膝上の短いスカートから、
真ん丸い膝小僧が
白く浮き上がって見えます。
その真ん中に、
なにか傷のようなものが見えて、
「これ、怪我?」
思わず順平が口にしかけると、
ミクちゃんは慌ててスカートの裾をひっぱり、
膝を隠すようにして(実際には隠れていません)、
「やだあ、虫さされ」
「ああ」
蚊に、刺された跡だったみたいです。
夜は更けていきます。
時計に目をやると、
すでに12時近くでした。
誰かがカラオケを唄いはじめました。
スピーカーが
割れんばかりの歌声を流しています。
そのうねりの中で、
キャベツ畑の日の出の光景が、
頭の中をよぎっていました。
プロジェクト568日目。
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2020/1/28 568日目
■kindle 本日0冊 累計75冊 達成率0.71%
■文学賞公募作品の執筆状況 1作目半分くらい ※まだ賞は未定
■kindleアップのため『桜の闇』を推敲中
158ページ中50ページくらい了
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『僕を知らない君へ』オープニング 1日目
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