田舎のコンビニで
不良連中に絡まれた順平でしたが、
その危機を回避したばかりでなく、
なんと打ち解けて、
その夜、彼らと町にある
カラオケに行ったんだそうです。

順平はその日、
いつもだったら寝る時間に
寄宿舎に帰ってきました。
それも、なぜか意気投合した、
暴走族の連中が、
併走して走って帰ってきたのです。

翌日、バイト仲間の1人が、
眠そうな目を擦りながら、
「昨日うっさかったなあ、
田舎の族だろああいうのさ」
順平はそれを聞いて、
すぐに彼らのバイクの
排気音だと気づいたんですが、
「え、なになに」
「ほらあ、9時くらいにさ、
暴走族っぽい音、すっごいしてたじゃん」
「ほんと?」
「もう寝てたの?」
順平はただこくりと頷きました。
仲間はそれで一度起きてしまい、
今日は寝不足だって言ってました。

順平は、懸念があれば、
まだぼやのうちに気づく性質です。
まずいな、これから、
とは思っていたみたいです。

3日とあけず、族の連中からは、
携帯電話に連絡が入るようになりました。
また、遊びに行こう、て話です。
順平は別に
どっちでも良かったんですが、
断るのもなんだと思い、
結局また遊びに行くのです。

そして、だんだん寄宿舎に
戻るのも遅くなって、
とうとう、朝起きれないことがありました。

もう軽トラが出発する時間です。
従業員が扉をけたたましく叩きます。
彼はそれで無理矢理起き出して、
また、ドナドナになって、
荷台でうつぶせになって
寝込んでいました。

畑に到着して、他の連中が降りて
作業に取り掛かり始めても、
順平はそのまま
軽トラの荷台で寝込んでいました。

陽が、登り始めます。
白々とした空気にくるまれた、
高原の朝は、
夏にしても寒すぎるくらいです。
彼は身震いして、
ようやくうっすらと目を開きます。
荷台の中を、
40代のおじさんが覗き込んでいます。
従業員の1人です。
男は、
「おいおい、体調悪いのか、どした?」
「いえ、」
順平は立ち上がり、
ようやく荷台から飛び降りました。

続けられない、
こんなこと、いつまでも続けられない、
どうして俺は、弱いんだろうか、

朝陽に目を伏せながら、
そんなこと、ぼんやり思っていました。
 

プロジェクト564日目。

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2020/1/24 564日目
■kindle 本日0冊 累計75冊 達成率0.71% 
■文学賞公募作品の執筆状況 1作目半分くらい ※まだ賞は未定
■kindleアップのため『桜の闇』を推敲中
 158ページ中50ページくらい了
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『僕を知らない君へ』オープニング 1日目
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