2023年の収穫 | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

明けましておめでとうございます 2024年! 反省を込めて、2023年のレコ掘り活動を振り返ろうと思います。

 

♦昨年のレコ掘りの特徴

特徴も何も…と言ったところですが:

 

①仕事が上手く行かずイライラする

②ストレス発散の為、レコ掘り@ハードなオフ(我が街にはレコ屋はない)

③年を追うごとに不作@ハードなオフが深刻化し、更にイライラが募る

④円安なので海外から買うわけにもいかず、さりとてヤフオクで太刀打ちできる資金もなし

⑤仕方がないので、都内&近郊のレコ屋へ出撃する

⑥D店 (Disk Union) を中心にレコ屋巡りを繰り返すが、異様なレコの高騰ぶりに卒倒(数年前の2倍、3倍当たり前!)

⑦仕方がないと、今まではスルーしていた価格でも「クソが!」と自暴自棄になりカードで購入。金銭的に更に追い詰められる

①に戻る

 

という無限ループを繰り返しました(我ながらアホですね~)。なので昨年は例年になくレコ購入量も多く&お金も出て行きました…(金もないのに何をやっているのでしょう?)。果たしてその戦果は如何に?

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

ロック 部門

Humble Pie – Humble Pie (A&M AML-72) 国内盤 LP 帯付、見開きジャケ、インサート、ポスター 1970年 13,000円 @地方レコ屋

 

これ高かったなぁ…と今では思うものの、「ヌオアアアァ!」と心の中で絶叫しながら抱え込みました。

 

これに出会ったのは、某地方レコ屋。たまたま車で遠出する用事があったので、レコ掘り師としては道中のレコ屋に立ち寄る計画を立てるわけですよ(当然)。こんなところに滅多に来れないなと、他にレコ屋が全くない正に『ぽつんと一軒レコ屋』にドロップ・イン!無表情を装いながら(ハァハァ…状態 in my mind) 入店。トントン・ドロップ御法度を肝に命じながら(しかしさっさと掘らないと、近くのコインパーキングに入れた駐車料金も気になる)、一枚一枚ペラペラめくっていたらこれが出た!

 

3年程前にこれがヤフオクに出て、12,000円くらいで「ヌオアァ!」と入札すれば、終値が27,000円超+送料という素晴らしい結果となりました(トホホ)。

 

 

アッ、ヤフオクに出てた奴はプロモ盤だったんですね。なるほど~。この時に初めて、国内初回盤にポスターが付いてたんだなと知ったのでした。値段もヤフオク時に比べれば半額ではないか?と自分を説得させて買ったのを覚えています。今更 Rock Classic に手を出すこともないな…と思っていたんですが、盤もきれいだったし記念に購入(完!)。

 

 

メンバー4人の共作。A-1の冒頭を飾る名曲『Live with me』

 

A面ラストの Peter Frampton 作 『大地と海の歌』こちらも名曲

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

安レコ部門

Hot Tuna – Hoppkorv (Grunt BFL1-1920) US LP インナー・スリーブ 1976年 100円 @新宿D店(路面店)

 

新宿D店(路面店)に行ったとき見つけた1枚。特に買うレコもないし、外国人やらレコード女子、オッサン等でごった返す店内を後にしようと出口に向かう直前、入り口付近にあった100円レコ箱に気付く。最後にここを見て…とパラパラ見てたら出てきた1枚。何のことはない Hot Tuna のオリジナル盤である。どうも最初は800円の値付けスタートも、ジャケット右上が5cm 程裂けていて売れ残ってこのザマのようである(涙)。Hot Tuna は大昔に1st, 2nd と買って聴いたものの、あまりピンと来ずにそれ以降は聴いたことがなかった。

 

そもそもこのグループ、1969年に Jefferson Airplane の Grace Slick が喉の手術でグループを離れた際、同バンドの Jorma Kaukonen (G, Vo) と Jack Casady (B) で始めた Flok Blues デュオ。Blues は好きでも、Flok Blues はそれほど好きでもない。2ndアルバムでは、自分の苦手なバイオリン弾き Papa John Creach まで参加と、ここで自分は聴くのを止めた。それ以降も創設メンバーの Jorma & Jack を固定して、色々なメンバーが離合しながらのプロジェクトだった模様。

 

帰宅して、全く期待せずに聴いてみると…

 

 

オオオッ!素晴らしいブルース・ハード・ロック!このアルバム、Hot Tuna の7枚目のオリジナル・アルバムで、1975年にBob Steeler (Dr) が加入して、Cream的なゴリゴリのパワー・トリオになった模様(ハァハァ…)。いやぁ、この歳になるまで全く知りませんでした!オリジナル盤が高騰著しい昨今ですが、100円のオリジナル盤(ジャケは難ありも、盤はきれい)でこの名盤。2023年1番の目から鱗盤でした~。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

ハード・ロック部門

Test - S/T (Pronit SXL 1082) Poland LP 1974年 2800円 @新宿D5階店

 

誰が見ても買うわけないやろ、こんなジャケのレコ(笑)。でもこれ、結構有名なポーランド産70’sHard Rock の名盤なんですよ(…と言っても youtube で頻繁に上がって来るアルバムなので、そう受け取っています)。Discogs で調べれば、まあまあのコンディションが日本円で2000円位だなとインプット。それから1年程で今年新宿D5階フロアの Hard Rock 棚にて遭遇(あの 『アナログレコードにまつわるエトセトラ』山中明 著 の山中店長がいる店です)。想定価格よりちょっと高いな…と思いながらも、こういう辺境盤は一度逃すと出てこない!と肝に命じてご購入。

 

実は数年前渋谷D店で、同じく見たこともないジャケに一目惚れ(上のレコとは別のレコです)。そして試聴@レジカウンター。内容は自分好みのブルース・ベースのプログレ(Acid Rockというべきか?)!値段は2000円だったのですが、一体どういうバンドなのか全く不明で、いつもはやらないスマホで調べてしまった。するとDiscogs 調べで、ハンガリーの有名なプログレバンドらしく、相場は3ドル程と判明。何⁉ 昭和の叩き上げのこの私が、現地で3ドル・レコを暴利ボッタクリの2000円で買うだと?ありえんやろ!F*CK!!と無表情でスルー…。

 

しかしこれが大失敗だったと分かったのは、帰路に就いてから。よく考えれば、廃盤セールに出てくるUS, UK, 国内盤って供給量が多いから、一度スルーしてもまた何度でも出てくるわけですよ(今はヤフオクもあるし)。しかし東欧のプログレなんか、再び出てくるか?そもそもレコ屋の買い付け業者さん達は北米、欧州(英国、オランダ等)には行っても、東欧のレコ屋なんか行くかよ!それ以来見てないです、そのレコは。Discogs では今も安く出てますが、送料に1枚30ドル(=4000円以上!)かかるし(涙)。

 

なのでこれは逃してはならぬ。買うべし!の1枚でした~。

 

ポーランド盤あるあるですが、ジャケはいつもヨレヨレ。レーベルは焼付塗装ではなく、印刷した紙を貼ったものなので、盤を洗った時に下手すると色落ちします(涙)。アルバムの内容は良いです。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

プログレ部門

Ugly Custard ‎– S/T (Kaleidoscope – KAL100) UK LP ラミネート・ジャケット(表側)1971年 12800円 @大宮D店

 

買った経緯は下のリンクを:

 

今までだったら自重していたであろう1枚も、イライラが爆発したのか買ってしまった。でも盤もきれいだし、何しろ音がメチャクチャ素晴らしい!これを轟音と呼ばずして何という?Blue Mink 一派が変名でリリースした Progressive Jazz Rock のインスト・アルバムの1枚。2012年にはRSDで再発もされたらしい(驚)。レコ探しに残された時間はそう長くはない。いつかは買わねば…の1枚は入手すべし!

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

 

サイケ部門

Velvert Turner Group – S/T (Family Productions FPS 2704) US LP 1972年 5200円 @柏D店

 

先日投稿した年末御茶ノ水D店のセール情報(下のリンク):

 

このセールがあった日、昭和の叩き上げ掘り師は千葉は柏D店へ向かっていた。もちろん御茶ノ水D店で金持ちオヤジどもがゴリゴリやってるのは分かってたんですが、行ったところで買えるわけがない。なので自分は自分らしく、セールをやってる訳でもないD店最北?支店の柏まで来たわけです。

 

店内は土曜の12時頃というのに人も疎らで、明らかに都内の廃盤セールに掘り師が集結しているのが分かる状態(笑)。新入荷ROCKコーナーを見ても、以前の最低でも2~3倍になったような国内盤に嗚咽(ヌウウゥ…)。どこに行ってもレコ屋巡りは地獄なのか?諦めずに通常棚をペラペラ捲っていたら、通常Rock 棚からこれが出てギョッとした!5200円!? 普通2万円位したんじゃ?…と思うも、レジにて覚悟を決めて検盤。すると…やっぱりスレキズ多め(爆笑‼)。当たり前だよ、皆これがいくらするのか知ってるはずだしね(笑)。どのジャンルもそうですが、だんだん買うものがレアになり値段もそれなりになるので、あまり美品に拘っても…と試聴開始。気になるキズ部分を聴くも、変に音に出ることもないなと購入決定。全て美品でコレクション…は理想ですが、それができるのは前澤社長的なお方だけです(完!)。

 

 

 

ジャケに映る Velvert Turner 君は Jimi Hendrix の舎弟(友人?)だった模様。なので音もフォロワーそのもの。目を閉じて、「ジミヘンの未発表アルバム」と言われたらそのまま信じ込みそうな音。良いアルバムだとは思いますが、フォロワー止まりやなぁ…。

 

因みにこのレコ、同日行われた御茶ノ水D店廃盤セールにも出てた模様(上のリンクの写真で見つけるんだ!)。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

ジャズ部門

Miroslav Vitous – Purple (CBS SOPM 157) 国内盤 LP 帯付 インサート 1974年 900円 @地方レコ屋(上の Humble Pie を買った店)

 

上のHumble Pie を見つけた店の Jazz棚で発見した1枚。Miroslav Vitous (B)の2nd アルバム 『Infinite Search』を聴いて好きになり、探していた1枚。Discogs で調べるまで知りませんでしたが、このアルバムが彼の1st アルバムで当時国内でしかリリースされませんでした。なので見つけたときは「エッ?」と小さい声が出た。帯まで付いて3桁とは(ハァハァ…)。盤を見せて頂くと、B面に一カ所薄いながらもキズが少々ある部分があり、ガックリ(涙)。まぁ、そんなに上手くは行かんよなぁ。でもこれを逃してはとHumble Pie と同時購入!…そして今知りましたけど、これって1974年に出た2nd プレス(オリジナルは1970年に出てました…涙)。

 

Miroslav Vitous (B)
Billy Cobham (Dr)
Joe Zawinul (P)
John McLaughlin (G)

 

2nd同様、1st も素晴らしい!キズも大して音に出なかったし(ホッ)。

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

ソウル部門

The 5th Dimension – Up, Up And Away (Liberty LP 8378) 国内盤 LP 帯付、カンパニー・スリーブ、インサート、F/Bペラジャケ(独自ジャケ)、赤盤 1967年 3800円 @地方レコ屋

 

これもたまたま車に乗って、関東レコ屋に行った際に見つけた1枚(Humble Pie & Miroslav Vitous の店とは別のレコ屋)。

 

レコ屋でレコをペラペラ1枚づつ見て行くとき、予期せぬ1枚が出てくるのが堪らない。これ探してたんですよ~。既に4枚 = USオリジナル1枚、国内再発盤1枚(100円)、このアルバムの帯なし2枚(赤盤&黒盤…いずれも500円くらい)持っていたんですが、帯なしは気持ち悪いし、帯付き完品で欲しいなと。それが突如見つかるとは!数年前にこの完品がヤフオクに出たとき、価格約1万円程。買えるかF****CK!とスルー。でもその時目に焼き付いたのが、この緑帯。フィフディメとしては高額ですが、これも地方レコ屋に行った記念として(嬉)。

 

USオリジナル盤のジャケは上です。彼らに駄作なし。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

そして栄えあるレコード大賞は??

 

☆レコード大賞受賞作品

ブルース・ロック部門、最高額部門

Led Zeppelin - S/T ( Atlantic SMT - 1067 ) 国内盤 LP 帯、見開きジャケ(ミスプリント)1969年 約2万円(送料込み)@国内ネットレコ屋

 

遂にやってしまった…。Blues Rock者として避けては通れない1枚。今まで何度か再発盤等を買うも、その度リリース。現在持っているのが、オーストラリア盤の3rdプレス(=裏ジャケが少し違う&薄いラミネートジャケにやられました。安かったし)。

 

例のUKブルー・ターコイズ盤が3枚、4枚とヤフオクに出てきた昨年12月。どれもこれも40万、50万円で落札されるのを目の当たりにした男は常軌を逸し、正気を失い、怒りの鉄拳を喰らわせや!とポチっとなと(涙)。こんな値段のレコ、20年ぶりくらいに買ったか?デラエディBOXだったら3万円くらいするし、皆買っとるやろ?今時新品レコ2枚組で9000円やで!ターコイズ50万円に比べりゃ安いって!

 

 

…これもいつかはの1枚だし、もういいか(しかし金が…)。

 

因みに裏ジャケのメンバーの名前が 、Jimmy Page 以外間違っていることで有名なミスプリント盤。Beatles のブッチャー・カバーに準えると:

 

1st State: ミスプリント盤(メンバーの名前が間違ったまま流通…上のレコ)

 

2nd State: そのメンバーの名前を訂正したステッカーが貼りつけられたジャケ(これが一番レア?)

 

3rd State: メンバーの名前が訂正されて、再プレスされたジャケ(帯が白地にオレンジに変更)

 

自分が買ったのは "1st State" ですが、このお値段。気になる方はヤフオクにて調べられると良いんですが、これでも随分安いんですよ。なぜ?答えは簡単、盤がスレ&キズ満載だから(爆笑!!)。奇跡的にも帯&ジャケはまあまぁの状態(ホッ)。帯なしならね、それほどレアでもないのです。なので盤だけ美品を見つけて、後々違法ドッキングをしようかと(笑)。プロモの白でも見つけてドッキングさせれば、とんでもない値段になるだろうしと(ハァハァ…まぁ売りませんけどねw)。

 

 

 

スレキズ満載ですが、それでも一度は聴いてやろうと…これが結構良い音!以下は Discogs でのレヴュー:

https://www.discogs.com/release/3814366-Led-Zeppelin-%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%83%B3-Led-Zeppelin-%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%AA%E3%83%B3

 

 

1.

hobbes4444 Feb 12, 2023
This is a very nice sounding pressing though finding a reasonably clean copy can take some doing! The high end is a little more open compared to the P8041 version. That one has different mastering and perhaps it sounds a little more warm because I think they rolled off the top end just a little. The quality of the recording is a mixed bag anyway. But Communication Breakdown just sounds sublime here...

2.
Turkeycuts Sep 9, 2021
I had to have it for the misprint. It sounds amazing as well.

 

国内盤を邪険に扱う事なかれ。海外では結構人気なのである(完!)。

 

 

★動きます★ ↓↓↓