町田レコ屋⑰ | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

忘れない内に書こうということで、以下は昨年末のセール掘りのお話。

 

町田の友人と年末に会おうという事になり、会う前にレコ屋へGO!と計画を立てる。実はその前日(土)に町田D店で年末60-70's ROCK廃盤セールがあり、それをついでに覗いてやろうと(ハァハァ…)。普通ならこの手のセールは行かないのですが(=高額ゆえ、行ったところで買えるわけなしw)、事前に町田D店のSNSを見たら自分のターゲット・レコが出ており、値段も何とかすれば何とかなるくらいの値段だったので、それ狙いで(ハァハァ…)。

 

『何とかすれば…』と言っても考えられるのは、事前に売りレコを用意して買取に出し、その金で買うというリンク先のnaruru さん方式の買い方である(笑)。とは言っても、昨年も大量にレコを売ってしまったのでもう目ぼしいものは殆どなし。なのでロクでもないレコを9枚+まともなレコ1枚=計10枚を鞄に叩き込み、いざ町田へ出陣!

 

16時待ち合わせだったので、早めに昼頃店内へ滑り込む。町田にはブックオフを含めて駅周辺に4件(=Book Off, 帝国主義D店、線路を渡った老舗P店、新規参入個人経営D店)レコ掘り出来る場所があるので、早めに行って全店周ろうかなと。

 

町田D店入り口の画(その時の写真ではなく、以前行った時のもの)
 
さぁさぁさぁ!と到着したるは都内近郊(ここ数年は名古屋&大阪にも勢力範囲を拡大する)帝国主義レコ&CD店=町田D店である。年末セールをやっているさなかの日曜昼時である。店内はオヤジ+中堅+若い衆がギラギラしながらCD&レコを掘り捲っている。誰もお互いの事なんて見もしない(笑)。店員さんの「いらっしゃいませ~」が無言の衆に響き渡る中、10枚(これくらいのレコでもオヤジには重いのです)のレコをカウンターに叩きつけ、
 
「おネェチャン!買取や!」
 
と威勢良く行きたいところですが、チキンハートの中年オヤジは、
 
「これ…買取御願いしま~す…」
 
と消え入りそうなか細い声で、レコを静かに差し出す(レコを大切にw)。
 
「査定に…1時間くらい掛かります」
 
とのことで、待っている間にサクッと店内レコ捜索始める。店内奥地の壁に沿って並ぶレコ棚の、手前30~40枚ほどのレコがセール品のようだ。流石にセール翌日とあって、掘っているのは自分の他に2~3人ほどの自分の様なオヤジ達。あんたも好きねぇ、レコ掘りが(笑)。皆で群がって掘るのは嫌だったので、少しホッとする。
 
さぁさぁさぁと、一番左端のセール廃盤レコ棚から手を付ける。Genesis, Eagles, Bob Dylan…レコを掘り始めて30年以上経ちますが、一体何度これらのジャケットを見てきたことだろう?この手の Rockの名盤扱いされたオリジナル盤達は、ここで逃してもまた出てくるんですよ。よく売れたから…ただお値段は年々高騰の一途を辿っているので、買うか買わぬかはあなた次第(私は買いませんが)。
 
ウ~ム、流石に売れてまったか…と思うも、あんなサイケ盤を欲しがる奴はそういないだろう?とは言っても、サイケ本だと名盤扱いされてるからなぁ…とパタパタ繰り返し5~6列左に進んだところで、やっぱりあった!
 

Lightning - S/T ( P.I.P. PIP - 6807 ) US LP 1970年 6,800円

 

オオオッ、あった!…と言っても、サイケに興味がなければ無視しますよね(笑)。自分の予想通りでちょっとホッとしましたね。ジャケを手に取り直ぐに気が付いた!

 

天辺が裂けて、それを貼り合わせてあるでやんの(F***********CK!)。これで6800円だぁ??暴利ボッタクリのD店さんよ、幾らレコが出てこないか知らんけど、このコンディションでこの値段はなかろう? う~…これを目当てにここまで来たんだよなぁ…。ウ~ムどうしたものか?

 

取り合えず検盤だけはやろうとレジにて盤を見せてもらえば、レーベルはあのUK Blues Rock の至宝 Black Cat Bones US盤と同じPIPレーベル(ハァハァ…)。しかも盤面は大変美しい!しかし…あまりにも酷いジャケ裂け&杜撰な補修工事(涙)。少なくとも、レコ友の山崎さんの仕事じゃない(笑)。これだったら、最初からジャケが裂けた状態で安く売って欲しいよなぁ…。自分だったらもっときれいに補修できるし。取り合えず買取金額を確認してから判断しようとホールド・オン。

 

 


一応はヘヴィー・サイケなんだろうか?音も youtube で確認済みで、ガイド本にはよく出てくる1枚。結局買取金額が約3,000円と予想を下回るも、このレコを3,800円(=価格6800円 - 買取金額3000円 ) と思い込ませてご購入(これで良かったんだろうか?)。

 

家に帰って改めて Discogs で調べたら、大して相場は高くない!しかもヤフオクで、シュリンク付き美品が出てるではないか!(=確か1万円位でした…涙)。自分は youtube で『音』は確認するんですが、相場はあまり調べないので、平気でこういうことが起こるんだよなぁ…(トホホ)。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

何だかんだで初志貫徹と1枚確保し、更に掘り進める。すると次の棚でこれまた脳内で記憶していた1枚が出て来た!

 

The Electric Flag – The Trip (Original Motion Picture Soundtrack) ( Sidewalk ST-5908 ) US LP 1967年 1,900円

 

ウエッ!これは!? これもサイケ本に出てくる1枚で、何とこれがあの Electric Flag のデビュー・アルバムなのであった。何で彼等の1st がサイケ映画のサントラ盤なのよ?因みにElectric Flag は、

 

Harvey Brooks (B)
Nick Gravenites (Vo, G)
Mike Bloomfield (G)
Barry Goldberg (Or, P)
Buddy Miles (Dr)

 

という、USブルース・ロック界事始めのメンバーの集合体(その割には、アルバムはそれほどブルース寄りではなかったけど)。その後お世話になる、バリー・ゴールドバーグ先生もここ出身。ジャケットも正に『トリップ』しているサイケ感満載だし、よく市場に出てくるものでもないしで早速抱える。しかし…これも引き上げた時点で気が付いたんですが、天辺が全裂け(F***CK!)。またこれかよ!? しかし今度は補修工事をされてないようで、この方がホッとする。盤を見せてもらえば、スレは少々あるけどキズもないなと確認し持ち帰り決定!

 

 

全曲 Electric Flag の作曲。しかし、彼等っポイ曲はB面の最後の方の2曲くらいだけどな(笑)。どういう経緯でこの映画のサントラ制作を引き受けたんだろうか?謎だ。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

更に掘り返し作業をゆっくり進めれば、よく見るジャケだけど指が止まる:

 

 

Taste – S/T ( Polydor – 583 042 ) UK LP ラミネート・カヴァー カンパニー・スリーブ フラット・レーベル 1969年 2,650円

 

プライス・タグを見れば、『USオリジナル フラット・レーベル』と。は?何でUS盤にフラット・レーベルがあるんよ?それはUKポリドール盤だろ?しかもUSオリジナルは ATCOレーベルで、ジャケットも擦れやすいゴツイ感じのはず。当時のAllman Brorthers Band 等、皆さんもよく見かけているような感じのジャケットである。だけど、手に取ったのは明らかに表面がテカテカして、ところどころにシワが入っているラミネートではないか?

 

これは明らかに勘違いしてるな…とレジにて恒例の検盤させて頂くと、オオッ!やっぱりUK 1stプレスだ!

 

UK 2ndプレスの”リム・レーベル”。Discogs からの無断借用レーベル写(持っているはずが室内を探すも見つからないので、無断借用と相成りました…ゴメンナサイ)

 

2nd プレスは上の写真の如く、縁周り(RIM)が盛り上がっているのが特徴(1st プレスはそのリムが平らなので=フラット・レーベルと言われています)。Discogs で調べてみると、1974年(何月かは不明)にこのリム・レーベルが登場する模様。つまりポリドールのプレス工場・プレス機の金具が、交換されたのがこの時期という事。「お前は何を言っとるんじゃぁ⁉」と怒り心頭のディープなお方は、穏やかにご指摘プリーズ。ご教授お願いいたします~。

 

 

この2ndプレスを持っていて、それはそれで満足してたんですよ。なぜかというと、レコ番号も1stプレスと同じで、同じくジャケットもフル・ラミネート。おまけに音もUKっぽく艶があり、非常にシャープな切れ味。その2nd プレスは10年ほど前に都内のレコ屋で、2nd プレスと知りながら購入=2,000円。1st プレス=国内で5,000円程というのは知ってたんですが、まぁ良いやと無視してたのであった。時々セールで見かけてたし。そもそも Taste も Rory Gallagher も日本では大して人気もないしで価格高騰のターゲットにもなってなかったので、この時もスルーしようか?と思っていたくらい。

 

しかし、『US盤』と店側が間違え、初日に来た掘り師達もそれを信じて?無視したこの1枚を自分は見抜いた…と自己陶酔という沼に溺れた男は、これまたフラフラと購入に至りました(笑)。散財や…でも盤も極美やったんや…。それをこの価格で後から来た名もなきオヤジ掘り師に、持って行かれるのが嫌やったんや!と掘り師根性丸出しで、終戦と相成りました(完!)。

 

 

どブルースの A-3 "Sugar Mama" & B-3 "Catfish" が特にお気に入り。ブルース・ロック者として、この1枚は外せない。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 

 

実はこの後もう少し買ったんですが、疲れたので続きは次回(つづく…)。

 

 

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