秋葉原レコ屋⑤ | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

(前回からの続き)

stereo盤で安いとも言えないが、好きなアルバムのオリジナル極美品(上のリンクの John Mayall 盤)を入手してほくそ笑む堀り師。帰宅後『Wの悲劇』に見舞われるとも知らず…(上のリンクを参照して下さい)。

 

レコ屋巡り最初の一件目の序盤で資金という名の戦力の大部分を失い、後は流してサクッと次なる店に行こうか…とRock~Soulコーナーを華麗に横移動。基本的にオリジナル盤より、圧倒的に国内盤の方が多いんですよ、この秋葉原R店。国内盤も皆が欲しがる初回のレア盤ともなると、他店同様に話にならぬお値段。更に、再発でも以前の数倍もする値段が普通に棚でお出迎え状態なので、最初からあまり期待してなかったのだが…。

 

最後に、Jazzの新入荷と Jimmy Smith & Fusion の棚見たら御茶ノ水へ移動すっぺ!と新入荷コーナーをペラペラめくっていたらこれが!

 

 Nina Simone ‎– I Put A Spell On You (Philips ‎SFX-7167) 国内盤 LP 帯付き 見開きジャケット(インサートは内側に付属) 1970年前後 2800円

 

オオオッ!ニーナ・シモン!ん?こんなアルバムあったっけ?帯には『ファン待望のデラックス・アルバム!』と。もしオリジナル・アルバムなら『待望のニュー・アルバム!』のはずだから、1960年代によくあった国内オンリーの編集盤か(無念!)。でも素晴らしいジャケ(ハァハァ…)。帯のフォントも時代を感じさせるおどろおどろしさ。今の時代じゃ考えられん(笑)。

 

ニーナのレコは国内盤で以前からチマチマ買ってたんですが、基本的に編集盤(日本ではベスト盤とも言う)は、どのアーティストであろうと買わない掟なんだよな。と一旦棚に戻し、次に出てきたのが:

 

 

 Nina Simone ‎– Strange Fruit (Philips ‎SFX-7179) 国内盤 LP 帯付き 見開きジャケット(インサートは内側に付属) 1970年前後 2800円

 

また??何と2枚連続のニーナ攻撃!しかもタイトルが『ニーナ・シモン / ブルースの世界』ですよ!? ヤバいってこれは!…とは言っても落ち着いて考えれば、これも単なる編集盤なんだよな(笑)。しかし…『ニーナのブルース』と言われて、ファンは無視できるか?いくら何でも2枚購入は厳しすぎると、1枚を選ぼうとするもどうしても選びきれない。明らかに同一人物がリリースしたんだな、これ。

 

と、取り合えず検盤を!とレジに直行。盤質見て、キズでも入っていれば諦めも付くと思ったんですな。しかし…こういう迷っているときに限って、やっぱり盤質は良いんですよ。2枚とも見開きジャケだったんですが、どちらも今から50年前の遺物。普通は高温多湿の日本では、大抵茶カビ・シミ汚れで内ジャケが悲惨なことになってるんですが、どちらも外側同様美しい(ハァハァ…)。あぁ…ここで1枚しか買わなかったりしたら、帰ってから散々苦悩するな。どうせ苦しむなら、買って苦しもうと結局2枚ともご購入(涙)。

 

帰宅して、一応2枚共に聴きました(編集盤なので、あまり聴く必要はないのですがw)。そしたら、1枚はなかなかの高音質でしたが、もう一枚はこの時期の国内盤によくある凡庸な音でした(涙)。編集盤でも音の良い悪いってのがあるんですなぁ。これは音源云々より、カッティングした人間の問題でしょう。

 

 

もうこの2枚は聴かずに眺めるだけだな…やたら美品だし(盤もジャケも痛むのは嫌ですしね)。因みに、聴かないレコ・CDを買う奴=コレクターです。(完!)

 

 

 

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一件目のR店でほぼすべてのレコ資金を失った男。人波掻き分けサクッとJR秋葉原駅に舞い戻り、総武線で一駅先の御茶ノ水へ移動。聖橋口を出ると、否が応でも目に入って来る御茶ノ水D店。

 

同様の写真を撮ったつもりも、携帯内で見つからず。敢え無く御茶ノ水D店さまのHPより無断拝借(ゴメンナサイ)。

 

この店に入ったのが昼頃。土曜の昼下がりの御茶ノ水D店は、もうオヤジだらけですよ。右見ても左見ても。そこに新たにオヤジ掘り師(=本日の資金は枯渇しました)が投入されるも、「絶対に見つけたるわい!」という気概のない腑抜け状態。こんな感じで何か見つかるはずもなく、店内奥地のRock新入荷~Rock A~Z~Soul~Jazz と1枚1枚ペラペラめくりながら見るも敢え無く惨敗(何かあっても買う資金ないしw)。まぁ、『ウオァアアア!』という1枚が見つかれば、金なし掘り師の強い味方=魔法のカード(もちろんクレジット)で買う予定。

 

2023年はカードで買っては、その後レコを処分して穴埋め…という事例が多発。大量にD店に買取依頼してみたり、久し振りにヤフオク販売をやってみたりと色々やりました。そこで分かったのは、D店買取金額は以前とさほど変化を感じませんでしたが、ヤフオクは変に値段が付くものが出て来ましたね。やっぱりレコ・ブームなんだろうか?

 

まぁいいや。次行こうや次!と出口に向えば、Rock 安レコ箱を発見!100円~300円のレコが2箱ほどあるではないか(ハァハァ…)。これはこれはとペラペラめくれば、1枚だけ我が脳内レコ・レーダーに引っかかる:

 

The Paul Butterfield Blues Band – Golden Butter, The Best Of (Elektra 62011) Greece 2LP 見開きジャケ 1980年 200円

 

ウ~ム、ベスト盤とはいえ、これが200円とは…。ブルース・ロックの現状を垣間見た気がしましたね。2枚組で200円なら1枚で100円か?ハードなオフなら、北島三郎や軍歌でも110円もするのに(笑)。タグには『再発 ギリシャ盤』と。こんな文字見たら、普通のオリジナル盤コレクターは無視しますよね。しかし…一応検盤プリーズ@レジしてみれば、オオオッ、盤は2枚とも美品だ!というか、前所有者はこのアルバムに興味なかったのか?編集盤って、意外に聴かないしな…とこの1枚だけ購入し店を後にする。

 

帰宅して「安いし、レーベルにヒゲ(=スピンドル・マーク)が付いても気にしない~♪」とターンテーブルにパイルダー・オンすれば、オオッ、結構音が良い!マジか?Discogs で調べれば『1980年プレス』らしくガックリ来たけど、何でこんなに音が良いんよ?編集盤の Late Press (しかもギリシャ盤)で音が良いとか意味不明。最初はUSオリジナル盤のメタル・マザー盤を使ってるのか?と思いきや、Discogs のマト情報によると、アテネの"GPISA" という聞いたこともない会社のカッティングだそうな。素晴らしい仕事だ(完!)。

 

 

 

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御茶ノ水D店を出てハタと気付いた。以前リンク先の nori さんのブログ『あぁ今日もレコードがやって来る!』で紹介されていた、最近?開店したレコ屋の事を。そうだ、この際行ってみよう!スマホで確認すれば、御茶ノ水D店地下の『新御茶ノ水駅』から、地下鉄千代田線に乗って一駅先の『湯島駅』の近くにあるそうな。10分程乗車後、最寄り出口から3分位歩いて迷わず到着!

 

TOHTO Records(東都レコード)

 

 

上のHPによれば、コロナ禍の2020年7月に開店!ヒェエエエェ~、頑張りましたねぇ(汗)。店主様は33年間レコファンで勤務された後、このお店を立ち上げたそうな。レコファンやD店で修行後、お店を始める方って結構多いですね。

 

店内は上の写真の如く結構広く、反対側の壁は一面CDである。和洋のレコがバランスよく中央の島を占有している。国内盤+海外盤の割合は半々か?国内盤に拘るでもなく、さりとてオリジナル盤専門というわけでもなし。でも値段は安目だと思います。この時は特に「コレやっ!」というのは見つかりませんでしたが(もう金ないしw)、再訪を期して写真を宣伝がてら撮らせて頂き退店。

 

 

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再び千代田線に乗って、御茶ノ水へとんぼ返り。

 

この時既に15時くらいだったか?流石に腹が減ったな~。この辺りは学生街という事もあって、安目の飯屋が多いのでどこかに入ろうかと思案。いや…待てよ。よく『3度の飯よりレコが好き』なる文章を掲げる連中がいるが、それを見るたび「当たり前やろ!飯食う暇があるならレコ探せや、クソが!」との脳内で宣ってしまう。その私がノコノコと都内奥深く出撃して、わざわざ腰を落として大枚1000円程を投入して昼食休憩!? そのとき脳内レコード男塾塾長・江田島平八に一喝される!

 

 

 

『レコ屋巡りで30分も休憩取って、高い金払って飯を食うとは何事や!!』

 

グヌヌヌヌヌ~…ぐうの音も出ませんぜ、塾長。アッシが悪うございました。飯の誘惑にレコ掘りを疎かにするとは恥ずかしい。万死に値する所業でございます!

 

 

結局、近くの『スタ丼』なるお店にピットインしてしまいました(笑)。因みに上は、唐揚げ小盛定食。塾長、スンマセン(反省)。

 

 

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腹も膨れたしと、再度レコ捜索活動を再開。殆どの人が、御茶ノ水聖橋口D店からJazz Tokyo D店に行くのでしょう(否、メタル館D店へ行く人もいるか?)。拙者も行ってみたのですが、見るのは所詮CTI狙いのフュージョンと、オルガンレコだけ。そもそもオルガンは棚すらなかったし(いい加減、Jimmy Smith 以外の棚を作っておくんなせぇ!)。入店するもジャズをチョロッと見て、併設のSoul 館へ入店も、相変わらず何が何やら分からず退店(恥)。

 

次だよ次!と向かうは、結局この日のフィナーレとなった神保町D店。

 

人がいなくなったところを狙っての画(許可を頂いてます)。

 

ここはClassic 系が強いんですよねぇ~。そしてRockは他のD店と比べて弱い傾向。なのでここも見るだけか…とRock 新入荷コーナーをペラペラめくっていると、これが出た!

 

John Hammond – So Many Roads (Vanguard VSD-79178) US LP シュリンク付き 1970年代中期プレス 680円

 

オオッ、ジョニー・ハモンド!USホワイト・ブルースはこの人から始まったと言っても過言ではない偉人である。…その割には売れなかったみたいだし、今現在顧みられることもなさそう。この人のレコもコツコツ集めている最中ですが、このレコは持ってないんだよなぁ。しかもシュリンク付きだし(ハァハァ…)。タグには”オリジナル”とは書かれてはいない。しかし、万が一オリジナルなら…と検盤@レジカウンター。

 

見ればレーベルが、Vanguard 70年代中期の典型的再発盤(涙)。だよなぁ、いくら人気薄でも、オリジナルでこの値段はないよなぁ…。しかし盤がもうピッカピカ! オリジナルは1965年で、その10年後くらいの再発ですしね。ここで掘り師の本性が出るんですよ。オリジナル盤コレクターなら平然とスルーできるんですが、自分は美品で買いたい&聴きたいのが先なので…結局安さに負けてご購入(陥落)。今回裏ジャケ見て気付いたんですが、シュリンク付きとはいえ汚れてまっせ(涙)。

 

帰って聴いてみれば、メチャメチャ音が良い!スゲ~~~!オリジナル盤リリースから10年後の再発なのに!Discogs で調べれば、どうもマトがオリジナル盤と一致している模様(ただ、現物見ないと本当かどうかは不明)。これは初回US盤時のメタル・マザー盤を保管していて、それを10年後に使った?そんなに長い期間保存するか?(東洋化成によれば、かの工場では保存は1年間だそうです)。ウ~ム、これまた謎である。再発買ったけど、オリジナル盤を安く見つければ当然買います。こうやってレコは増えていくのでした~(つづく…)。

 

 

 

 

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