マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

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70年代の日本を代表するプログレッシヴ・ロック・バンド”四人囃子”のキーボーディストとして活躍された坂下秀実さんが、2022年7月31日に逝去されました。(享年69歳)

 

 

2年前に不慮の事故にあわれ、復帰を目指しリハビリをされていたと、お聞きしていただけに残念でなりません。

 

四人囃子での変幻自在で魅力的なフレーズを奏でられていたのはもちろん、1979年の四人囃子活動停止後に、四人囃子のドラマーであり、坂下さんの盟友でもある岡井大二さんと組み、シティ・ポップにチャレンジされたPEGMO(ペグモ)、THE SCOPE(ザ・スコープ)での活動をはじめ、中村裕介さんとのデュオ活動、水越恵子さんのバック等、幅広い活躍をされていました。

 

【PEGMO 1st Album「PEGMO」とシングルカットされた「恋のけじめ」(1982)】

PEGMO

長沢ひろ Composed By, Bass, Synthesizer, Vocals
岡井大二 Drums, Percussion, Vocals
坂下秀実 Keyboards, Vocals
河越秀吉 Drums, Percussion, Vocals
恒田義見 Drums, Percussion, Vocals
植村侑広 Guitar, Vocals

 

 

PEGMOがNHK「ヤング・ミュージック・ショー」(1983.7.24放送)に出演した際の貴重な映像が、YouTubeにアップされています。(一番右側でキーボードを弾いているのが坂下氏です。)

ちなみにボーカルは、安全バンドの活躍で知られる長沢ヒロ氏です。

 

【PEGMO 君はインスタントコーヒー】

【2nd Album「にッ。」の裏ジャケット】

【セカンド・アルバム歌詞カードより坂下秀実氏(左)と岡井大二氏】

 

PEGMO解散後、PEGMOから恒田義見氏を除いたメンバーで結成されたTHE SCOPE

PEGMOは、いかにも80年代のポップ・サウンドでしたが、スコープは、インストを含む、都会的なポップ・ロックで、今聴いても古臭さを感じない名盤です。

 

【The SCOPE 1st Album「AFTER DARK」】

The SCOPE

岡井大二 Chorus, Drums, Synth
長沢ひろ Vocal, Chorus, Bass, Synth 
坂下秀実 Chorus,  Synth Piano
植村侑広 Vocal, Chorus, Guitar
河越秀吉 Chorus, Percussion

 

 

70年代後半の後期四人囃子においても、優れたソング・ライティング・センスを見せてくれた坂下氏。

1978年にリリースされた「包(Bāo)」には、自ら作詞・作曲・ボーカルを手掛けた「Sweet Lover Song」と、後期四人囃子の代表曲の一つともいえる作詞・作曲を手掛けた名曲「ファランドールみたいに」が収録されています。

 

【Sweet Lover Song / 四人囃子(ボーカル:坂下秀実)】

【ファランドールみたいに / 四人囃子】

 

2010年8月22日に日比谷野外大音楽堂で開催された「Rock Legends  Progressive Rock Fes」では、日本のプログレッシヴ・ロック代表として、スティーヴ・ハケット、ルネッサンスとともにステージに立った四人囃子。

 

 

四人囃子のライヴ後、会場を歩いていた坂下さんにお声掛けをしたら、気軽にお話をしてくれ、CDにサインも頂きました。

今となっては、とても良い思い出になりました。。。

 

 

四人囃子の代表曲のひとつであり、ライヴでは常にアレンジが変化していた坂下さん作曲の約17分の大曲「泳ぐなネッシー」。

最期にご紹介させて頂きます。

 

【泳ぐなネッシー / 四人囃子 作詞:末松康生 作曲:坂下秀実】

1973年7月21日杉並公会堂ライヴ

 

【泳ぐなネッシー 2008年ライヴ Part1】

森園勝敏:Gt, Vocol

岡井大二:Drums

坂下秀実:Keyboards

佐久間正英:Bass

【泳ぐなネッシー 2008年ライヴ Part2】

 

坂下さんのご冥福をお祈り致します。。。

ありがとう、坂下秀実さん。。

 

1970年代前半、庶民的な日常や、恋人との生活、出会いと別れを歌にした等身大の楽曲が、若者を中心に人気を博したフォーク・デュオ”古井戸”。

 

 

パワフルな歌声で聞く者を魅了したバンマスでメイン・ボーカルの加奈崎芳太郎と、卓越したソング・ライティング・センスとテクニカルなギターで古井戸を支え、その後、RCサクセションでも活躍した仲井戸”チャボ”麗市が奏でた音楽は、多くの若者の心を捉えました。

 

1970年に加奈崎芳太郎の歌声に感動した仲井戸麗市が、加奈崎に声をかけ、古井戸を結成。複数メンバーが存在するも、1971年のレコード。デビュー以降はアコースティック・デュオとして、当時の所属していたレコード会社「エレック・レコード」の盟友、泉谷しげるやケメ(佐藤公彦)などとともに、音楽イベント「唄の市」で活躍。

 

 

1972年5月にリリースされたシングル「さなえちゃん」は、ラジオの深夜放送でも話題を呼び、オリコンでは最高位17位とスマッシュ・ヒットしました。

 

 

ライヴ活動とともに、オリジナル・アルバムも「古井戸の世界」(1972年3月)「オレンジ色のすけっち」(1972年9月)、「ぽえじー」(1973年7月)、「古井戸ライブ」(1974年3月)、「fluid vol.4 四季の詩」(1974年10月)と順調にリリース。

特にエレック・レコード最終作品となった「fluid vol.4 四季の詩」は、「love song」「四季の詩」「セントルイス・ブルース」「ひなまつり」「熊野神社を通って」など、それまでの古井戸の集大成となる歌詞・サウンドと、新たな可能性を秘めた楽曲により、フォーク・デュオ古井戸の頂点ともいうべく名盤となりました。

 

【fluid vol.4 四季の詩】

【四季の詩/古井戸】

【love song / 古井戸】

 

この後、所属をしていたエレック・レコードの経営悪化とともにソニーに移籍。

しかし、時代はフォーク・ブームからニュー・ミュージック・ブームへと移り変わり始め、1975年10月には、ジャズピアニストの山本剛を迎え、ジャズ、ブルース、フォークをベースとした名盤「酔醒(よいざめ)」をリリース。

 

 

今でこそ再評価され紙ジャケットCDで再発されるなど、名盤として誉れ高いアルバムとなりましたが、発売当時の評価は、それまでのフォーク・グループ古井戸とのイメージが変わったことにより、レビュー等でも酷評され売り上げも低迷。

二人はライヴハウスで充実した活動を継続しつつも、ニューミュージック全盛となった1970年代後半は、注目されることも少なくなりつつありました。

 

その後、古井戸としてソニーから1977年4月にシングル「ローリング・ストーンズが鳴ってた/20才になったら]をリリース。

 

 

大野雄二をアレンジャーに迎えた「ローリング・ストーンズが鳴ってた」は、時代に合わせたニュー・ミュージック・サウンドで挑むも、ヒットには至りませんでしたが、B面に収録された「20才になったら」は、シンプルなアコースティック・サウンドで、従来の古井戸のイメージを復活させた名曲となりました。

 

その後、CBSソニーを離れ、「酔醒(よいざめ)」発表から2年以上たった1978年5月、結果的には最後のスタジオ・アルバムとなったアルバム「SIDE BY SIDE」とシングル「チャンピオンが負けた日/抱かれた後で」をリリース。

 


 

同時発売となったシングルの裏ジャケットには、アルバムの告知も掲載されています。

 

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【古井戸 SIDE BY SIDE】

Side:A
01.DATE SONG Vo.加奈崎芳太郎 作詞・作曲/仲井戸麗市
02.大都会 Vo.仲井戸麗市 作詞・作曲/仲井戸麗市
03抱かれた後で Vo.仲井戸麗市 作詞・作曲/仲井戸麗市
04.恋唄 Vo.加奈崎芳太郎 作詞/門谷憲二 作曲/加奈崎芳太郎 
05.さよならマスター Vo.加奈崎芳太郎 作詞・作曲/仲井戸麗市    
Side:B
01.星空ダンスホール Vo.加奈崎芳太郎 作詞/門谷憲二 作曲/仲井戸麗市
02.Morning Soup Vo.仲井戸麗市 作詞・作曲/仲井戸麗市
03.Rhythmic Lullaby Vo.仲井戸麗市 作詞・作曲/仲井戸麗市
04.チャンピオンが負けた日 Vo.加奈崎芳太郎 作詞/門谷憲二 作曲/加奈崎芳太郎
05.雪便り Vo.加奈崎芳太郎 作詞・作曲/加奈崎芳太郎
06.夜奏曲 Vo.加奈崎芳太郎 作詞・作曲/仲井戸麗市

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【古井戸 SIDE BY SIDE】

 

ニュー・ミュージック・サウンドを古井戸なりに消化し、古井戸らしさも感じられるポップなフォーク・ソング集となっています。

私がリアルタイムで初めて聞いたのは、ラジオから流れる「さなえちゃん」でしたが、初めて購入したアルバムは、この「SIDE BY SIDE」でした。

音楽雑誌のレビューでは、”古井戸らしくないアルバム”として、酷評されていましたが、美メロでシンプルなアコースティック・サウンドは、とても聞きやすく、長い間、フェイバリット・アルバムとして聞き続けた1枚でした。

 

この後、古井戸は、ソロ活動にも力を入れつつの活動でしたが、1年後の1979年11月16日に久保講堂で9年間に及ぶ活動に終止符を打ち、加奈崎芳太郎はソロ活動、仲井戸麗市はRCサクセションに加入、1979年12月にラスト・ライヴの模様を収録したライヴ・アルバム「ラスト・ステージ」が2枚組アルバムとしてリリースされました。

 

LP「ラスト・ステージ」の歌詞カードには、「長い間、「古井戸」を愛してくれたすべての人々に感謝します。ーどうもありがとうー」というメッセージが添えられています。

 

久保講堂で行われたラスト・ライヴは当時、東京12チャンネル(現テレビ東京)系列の30分音楽番組で放送されましたが、現在はYouTubeに完全版がアップされており、リストアして商品化が望まれます。

 

 

古井戸解散直後は、加奈崎さんとチャボの交友関係も続き、解散後に開催された「唄の市ライヴ」では、加奈崎さんのステージにチャボが出演、また、加奈崎さんのソロアルバムにもチャボが曲を書き下ろし、レコーディングにも参加していましたが、その後、交友は途絶え、チャボが古井戸の作品のCD化を拒む等、1970年代のアーティストのCD化が続く中、古井戸の作品はCD化されず、中古レコードが高騰化する状況が続いていました。

 

1990年に「酔醒」、1991年に「ラスト・ステージ」のCD復刻、1993年に新編集のベスト・アルバムが2枚組CDとしてリリースされた後、2005年以ようやく待望のエレックレコード時代のオリジナル・アルバムのCD化が実現しましたが、ラスト・スタジオ・アルバムとなった「SIDE BY SIDE」だけは、CD化が実現しませんでした。

 

2002年には、日本の黎明期のロックをCD化するプロジェクトが「ハガクレレコード」で企画され、「SIDE BY SIDE」の初CD化が発表され、古井戸ファンを喜ばせましたが、結果的にはCD化されることはありませんでした。。。

 

 

一番下に「古井戸 サイド・バイ・サイド(初CD化)」と記載されています。

 

この後、「SIDE BY SIDE」のアナログ盤は中古市場で高騰し続け、1万円を超える価格となると同時に、多くの古井戸ファンもLPは持っているが、CD時代となりプレーヤーがなく、聞くことが出来ない。。等の声が多く聞かれました。

 

長い間、そのような状態が続いていましたが、昨今のシティ・ポップ・ブームが続く中、過去のシティ・ポップ・アルバムが注目され、UNIVERSAL MUSICから<CITY POP Selections>として、2022年6月29日に、大橋純子/泰葉/濱田金吾/山本達彦/ハイ・ファイ・セット/マザー・グース/りりィ/西郡よう子/上田正樹/フライング・キティ・バンド/GORO SPECIAL BAND/和田加奈子/林 哲司/古井戸の全25タイトルがリリースされ、リリースから44年、ついに「SIDE BY SIDE」が初CD化されました!

 

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<CITY POP Selections> By UNIVERSAL MUSIC
《第一弾》2022年6月29日発売/全25タイトル/税込¥1,650/限定盤
https://www.universal-music.co.jp/jp/city-pop/

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タワーレコード新宿店でも、山本達彦、泰葉などの作品とともに、紹介されていました。

 

 

限定盤ですので、古井戸ファンの方は、早めのご購入をお勧めします♪

 

古井戸は、2015年、チャボののデビュー45周年記念ライブ「MY NAME IS CHABO」で加奈崎さんと共演し、古井戸の楽曲を演奏した後、同年9月6日、東京・東京キネマ倶楽部、10月18日に長野・諏訪市文化センターにて「古井戸『再会』」と題し、ふたりきりのライブが開催されました。

私は、長野のライヴに行きましたが、二人きりで3時間以上にも及ぶライヴで、加奈崎さんが「自分にとってのご褒美ライヴ」と発言されていたのが、とても印象深かったです。

 

 

また、2019年10月に札幌で開催された「加奈崎芳太郎50周年記念コンサート」でもチャボと再び共演しています。

 

根強いファンが多い、古井戸ですが、シティ・ポップという切り口で、新たなファンが生まれ、再評価/アーカイヴが進むことに期待です。

 

2019年より名盤「一触即発」発売から45周年を記念して様々な再発プロジェクトが始動している四人囃子。

 

 

【1989年のライヴ時の四人囃子】

 


 

2022年03月02日に名盤「ゴールデン・ピクニックス」(2021 remaster)がボーナストラック入りで発売されたばかりですが、早くも次の再発プロジェクトが始動しました。

 

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四人囃子『4 x 45 rpm』 [完全限定盤]

四人囃子のメンバー岡井大二が、音質にこだわった新たなアナログ盤企画を立ち上げた。

本企画は、ポニーキャニオンSEE・SAWレーベルに残したアルバム3枚『PRINTED JELLY』、『包』、『NEO-N』から代表曲4曲を選び、最新リマスターをほどこし、音質にこだわったアナログ12インチ/45回転/ブルー盤仕様となる。(メーカーインフォ)

こちらの商品化を目指して、ポニーキャニオンのパッケージ・オーダー・プロジェクト<POP>にエントリーし、予約・注文の受付が4月27日(水)からスタートした。本作の予約締切日は6月30日(木)。

■予約申込み受付はこちら

https://pop.ponycanyon.co.jp/product/532

 

収録曲
Side A
01 ハ・レ・ソ・ラ (『PRINTED JELLY』 より)
02 Neo – Polis (『NEO-N』 より)
Side B
01 眠たそうな朝には (『包』 より)
02 Noctovision For You (『NEO-N』 より)
 

『Printed Jelly』(1977年)、『包』(1978年)、『Neo-N』(1979年)の各A面トップの3曲に加え、1979年当時に果たせなかったシングル盤リリースへの想いを込めて、それに相応しい出来栄えを全うしている『Neo-Polis』をピックアップしました。(岡井大二コメント)

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ゴールデン・ピクニックスをリリース後、中心メンバーであった森園勝敏が脱退。

後にBOØWYやGLAYなどのプロデュースで名を馳せたベースの佐久間正英がバンドのイニシアチブをとり、テクニカル・ロック・ポップ・バンドとして再スタートを切った四人囃子。

 

【アルバム「Printed Jelly」より】

【左上「Printed Jelly」右上「包(Bao)」左下「NEO-N」】


その3枚のアルバム「Printed Jelly」「包」「Neo-N」からの代表曲をパッケージにした今回のアナログ企画ですが、今回セレクトされた3枚のアルバムは、2021年05月19日に「Ride on SEE・SAW」 CD3枚組BOX(UHQCD)として、ボーナストラック入りでリイシューされています。

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【Ride on SEE・SAW】

<収録内容>
CD 1 : アルバム「PRINTED JELLY」+ アウトテイク
CD 2 : アルバム「包」+ アウトテイク
CD 3 : アルバム「NEO-N」+ アウトテイク +「拳法混乱(カンフージョン)」(1979年シングル)

 

70年代後半ポニーキャニオン SEE・SAWレーベル時代に発表した「PRINTED JELLY」 「包」 「NEO-N」の各アルバムに、ハレソラの未発表マンドリン・イントロ音源を含むアウトテイクとシングル「拳法混乱(カンフージョン)」を追加したスペシャル・バージョン!

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今回セレクトされた4曲(「ハ・レ・ソ・ラ」「Neo – Polis」「眠たそうな朝には」「Noctovision For You」)ともに、四人囃子を代表する曲であり、キャッチーなロックサウンドでありながら、メンバーのテクニカルな演奏がちりばめられ、80年代以降にリリースされていれば、もっと売れていたのは。。などと思うくらい、今聴いても、新鮮なサウンドです。

 

【ハ・レ・ソ・ラ / 四人囃子】

【Neo – Polis / 四人囃子】

【眠たそうな朝には / 四人囃子】

【Noctovision For You / 四人囃子】

 

今回のアナログ企画は、エントリーが100%にならないと商品化されない企画で、5月4日現在、達成率9%と、まだまだ先は長いですが、ぜひ、商品化を期待したいと思います。

 

2022年3月16日にリリースされた青野りえのニュー・アルバム『RAIN OR SHINE』(FLY HIGH RECORDS(レーベル・プロデューサー土橋一夫氏) / VSCF-1776(FRCD-071))

 

【青野りえ / RAIN OR SHINE】

 

シティポップユニットaoyama、青野りえ&hums、沖井礼二( ex.Cymbals/TWEEDEES )ソロプロジェクトFROGなどで、魅力的なボーカルを聞かせてくれている彼女の待望のセカンド・アルバム「RAIN OR SHINE」が2022年3月16日にFLY HIGH RECORDSよりリリースされました。

曽我部恵一のプロデュースでアルバムをリリース、また、アイドルへの楽曲提供など幅広い活躍をされているシンガー・ソングライター関美彦(プロデュース、作曲、Key.)のもと、伊賀航(B.)、北山ゆう子(Dr.)、井上薫(作曲、Key.)、長谷泰宏(Strings Arr.)、吉田仁郎(Syn.)など、売れっ子ミュージシャンをサポートに迎え、極上のシティ・ポップを聞かせてくれています。
また、microstar、nicely nice等で良質なポップ・ソングを提供されている佐藤清喜さんが、ミックス&マスタリングを担当されています。

プロデューサーの関さん曰く、「アイドルポップで得たエッセンスをこのアルバムに注ぎこみました。」と言うだけあり、1曲目「Waiting for you」の短いイントロを聴いただけで、名曲の香りが漂い、そこに青野りえさんのWetなボーカルが絡むと、極上シティ・ポップの出来上がり。

具島直子さんや、サノトモミさんに通じる、正統派のシティ・ポップが展開されています。

 

【青野りえ「RAIN OR SHINE全曲試聴トレイラー」】

【青野りえ「RAIN OR SHINE 本人コメント」】


アルバムタイトル『Rain or Shine』は、「降っても晴れても、どんなときもという意味です。」「ここしばらく、色々な『待つ時間』があったと思います。 待つというのは、不安や淋しさもあれば、楽しみでもあります。 そんな日々を慈しみながら、夜明けを想い描くように10編の歌ができました」」とインタビューで語られているように、この2年間のコロナ禍の生活で待つ日々も明ける、という思いから、歌詞には、「雨や水をテーマに10曲中、9曲に雨、水、川、涙、といった雨や水に関わる言葉が入っています。」 と語られています。

 

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青野りえ 『RAIN OR SHINE』(FLY HIGH RECORDS / VSCF-1776(FRCD-071))2022/03/16リリース

1. Waiting for you
2. Rain Rain
3. Blue Moon River
4. 九月の水
5. Rainbow in your eyes
6. エンドロール
7. 雨に唄えば
8. ラストシーン
9. 片影
10. 夜明けのダンス

プロデュース:関美彦
作詞:青野りえ 作曲:関美彦
編曲:関美彦 with EASY PIECES
青野りえ(Vo. Cho.)
伊賀航(B.)
北山ゆう子(Dr. Per.)
山之内俊夫(G.)
長谷泰宏(ユメトコスメ)(Pf.)

ミックス&マスタリング:佐藤清喜 (microstar) 
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なお、【青野りえのサインCD屋さん】から購入すると、サイン入りCDが購入可能です。
先着で未発表音源「さよなら、こんにちは」を収録した特典CD-Rがつきます。

 

 

近年、シティ・ポップ再評価が海外から高まり、竹内まりや、松原みき、泰葉など、70年代~80年代の女性アーティストの評価が高まっていますが、最近のシティポップも素晴らしい作品が多いので、ぜひ、CITYPOPに興味のある方に聞いてもらいたい1枚です。

■青野りえさんオフィシャルサイト:https://aonorie.com/

 

シティ・ポップの名盤「HORO/ほうろう」、クリスチャン・ミュージック、そして、細野晴臣、松本隆とともに日本ロック黎明期のロックバンド「エイプリル・フール」のボーカリストとして活躍された名ボーカリスト小坂忠さんが令和4年4月29日、亡くなられました。享年73歳でした。


昨年11月5日、6日に日本武道館で開催された「松本 隆 作詞活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト! 風街オデッセイ2021」の2日目に復帰後初LIVEとして出演され、「しらけちまうぜ」「流星都市」の2曲を元気に歌う姿がとても印象的でした。



 

【しらけちまうぜ/小坂忠】

【流星都市/小坂忠】

 

その後、小坂忠さんは、GS(グループ・サウンズ)末期の1968年、ザ・フローラルのボーカリストとしてデビュー。
1969年には、小坂忠(Vo)、菊池英二(G)、柳田博義(ヒロ柳田)(Key)、細野晴臣(B)、松本零(松本隆)(Ds)により結成された「エイプリル・フール/APRYLFOOL」を結成。

 

【APRYLFOOL 中央が小坂忠、左が松本零(松本隆)、そのとなりが細野晴臣】

 

日本のロック黎明期の中、ニュー・ロックを標榜し、1969年9月にアルバム「APRYL FOOL」をリリースするも、音楽的思考の違いにより、同年10月に解散。


細野晴臣、松本隆は、その後、バレンタイン・ブルー(後のはっぴいえんど)を結成しましたが、小坂忠は、ミュージカル「ヘアー」への出演が決まったため、バレンタイン・ブルーへの参加を断念。
その後、細野晴臣の協力を得て、1971年に1stソロ・アルバム「ありがとう」(ミッキー・カーティスプロデュース)をリリースし、ソロアーティストとして活動を開始しました。

 


アルバム「ありがとう」には、細野晴臣の他、松本隆、鈴木茂も参加、幻のバレンタイン・ブルーが結成され、ミッキー・カーティス人脈として、大野克夫(スパイダース、井上堯之バンド)も参加しています。

その後、1972年には、林立夫、松任谷正隆、後藤次利、駒沢裕城と「小坂忠とフォージョー・ハーフ」を結成。アルバム「もっともっと」(ライヴ・アルバム)をリリース、1973年には、ソロ・アルバム「はずかしそうに」をリリースしました。

そして、細野晴臣を共同プロデューサーに迎え、演奏人陣にティン・パン・アレー(林立夫、鈴木茂、松任谷正隆)、鈴木(矢野)顕子、コーラスには山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子を迎え、それまでのカントリータッチの音楽から、小坂忠の好きだったR&Bをベースにした音楽スタイルで、1975年1月にリリースされたアルバム「HORO/ほうろう」をリリース。

 

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SIDE A
1.ほうろう(作詞・作曲・編曲:細野晴臣)
2.機関車(作詞:小坂忠 作曲・編曲:細野晴臣)*ファースト・アルバム「ありがとう」収録カヴァー。アレンジ違い
3.ボン・ボヤージ波止場(作詞・作曲・編曲:細野晴臣・矢野誠)
4.氷雨月のスケッチ」(作詞:松本隆 作曲:鈴木茂 編曲:細野晴臣・矢野誠)*はっぴいえんどカヴァー
5.ゆうがたラブ(作詞:高叡華 作曲:小坂忠 編曲:細野晴臣)

SIDE B
1.しらけちまうぜ(作詞:松本隆 作曲:細野晴臣 編曲:細野晴臣・矢野誠)
2.流星都市(作詞:松本隆 作曲:細野晴臣 編曲:細野晴臣)
3.つるべ糸(作詞・作曲:鈴木晶子 編曲:細野晴臣・矢野誠)
4.ふうらい坊(作詞・作曲・編曲:細野晴臣)*はっぴいえんどカヴァー

【ミュージシャン】

Backing Vocals – 山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子
Bass – 細野晴臣
Drums – 林立夫
Guitar – 鈴木茂
Keyboards –鈴木(矢野)晶子, 松任谷正隆
Percussion – 林立夫
Producer –小坂忠, 細野晴臣
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【ほうろう/小坂忠】

 

【ほうろう収録の名曲「機関車」】

 

「HORO」は、その後、多くのミュージシャンからも愛され、収録曲の「しらけちまうぜ」は桑名正博、東京スカパラダイスオーケストラ featuring 小沢健二、横山剣(CRAZY KEN BAND)など、多くのカヴァー・ソングも生み出されています。
そして、現在も、名盤として高い評価を得ているアルバムとなっています。

1978年からは、クリスチャン・ミュージシャンとして活動を開始、ゴスベル・シンガーとして活躍されたのち、2000年以降はポップ・フィールドにも復帰、細野晴臣とのコラボを再スタートし、コンスタントにアルバム・リリースとライヴ活動を続けていました。

2010年には、のマルチトラック・マスターテープを再編集し、ボーカルのみを再録音しアルバム「HORO 2010」をリリース。こちらも大きな話題になりました。

 

【ほうろう/HORO2010より】

 

2017年に病気発覚後は、入退院を繰り返されていましたが、2018年3月5日には「HORO」を初めてライヴでアルバム曲順に再現したライヴを開催。ライヴアルバム「HORO 2018 Special Live」として、リリースしました。

 

【HORO 2018 Special Live】

 

深みがあり伸びやかなボーカルがとても印象的だった小坂忠さん。
ご冥福をお祈りいたします。。。

 

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