マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー -2ページ目

マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

1970年代後半、日本でベイ・シティ・ローラーズに次ぐ人気を誇ったイギリス出身のポップ・ロック・グループ“BUSTER(バスター)”

 

そのバスターの中心人物であったロブ・フェンナー(Rob Fennah)が2021年11月1日、待望のソロ・アルバム(おそらく初ソロ・アルバムだと思われます)、「JUNCTION 39」をリリースしました!



ロブ・フェンナー JUNCTION 39

【Rob Fennah / JUNCTION 39】


■1977年バスター日本デビュー

1970年代後半、日本の洋楽界では、ベイ・シティ・ローラーズの“タータン・チェック旋風”が吹き荒れ、10代の女の子を中心に人気が爆発していました。

その加熱した人気に、“ポスト・BCRはどのグループ?”と、当時、洋楽雑誌はこぞって特集を組んでいました。

フリント・ロック、ベイビーズ、元BCRのイアン・ミッチェル率いたロゼッタ・ストーン、こちらも元BCRのパット・マッグリン&スコッティーズ、デッド・エンド・キッズ、ハロー…など、まさに洋楽アイドル・グループが群雄割拠でした。
 

【音楽専科1977年4月号より】


元BCRのイアン・ミッチェル率いたロゼッタ・ストーン、こちらも元BCRのパット・マッグリン&スコッティーズは、BCR関連グループとして、高い人気を誇っていましたが、そんな中、ビートルズの出身地リバプールから登場したバンドとして1977年1月に日本デビューしたバスター(Buster)は、デビュー・シングル「Sunday(すてきなサンデー)」が前年に母国イギリスで49位を記録、日本では、洋楽チャートで1位を記録するなど、デビュー当時から高い人気となりました。(バスターの結成は1972年)

 


バスターライヴ紹介記事

【音楽専科1977年6月号より】

 

その後も、同年にリリースされたシングル「恋はO.K.!/Love Rules OK」「夢みるダンス/Dance with Me」「ビューティフル・チャイルド/Beautiful Child」は、洋楽チャートで上位にランクイン。特に3rdシングル「夢みるダンス」は、森永チョコフレークのCMに採用され、本人たちがCMに出演するなど、大きな話題を呼びました。

 

 

日本デビューからわずか9カ月の1977年12月に初来日。12月25日の日本武道館における1日2回の公演を含む8公演(福島・大阪・倉敷・京都・福岡・広島・名古屋・武道館)という人気ぶりで、来日の際には、「レッツゴーヤング」「銀座ナウ」「ポップス・イン・ピクチャー」といったTVにも出演、バスターはベイ・シティ・ローラーズと並ぶ人気となりました。


バスター来日記事
バスター来日記事バスター来日記事
【音楽専科1978年2月号より】


日本ツアーを成功させ、日本でのレコード売上により、ゴールドディスクも獲得しています。

1977年は、日本以外でもイギリス、フィリピン、オーストラリア、ドイツのツアーを成功させ、世界的な人気も高まりました。

 

1977年のバスターは、シングル4枚、アルバム3枚(ライヴ盤含む)をリリースするなど、まさに日本の洋楽界のトップ・グループとして、存在を示すようになりましたが、1978年になると、活動も徐々に縮小され、日本でリリースされたのは、シングル1枚のみ、音楽雑誌等でも取り上げられる機会が急速に減りました。


バスターレコード
バスターニュースバスターアルバム広告
バスターライヴ盤広告


1978年前後の洋楽界は、ポール・マッカートニー&ウィングス、キッス、クィーン、ビージーズ、イーグルス、ドゥービー・ブラザース、フリートウッド・マック、ピーター・フランプトン、ビリー・ジョエルなど、実力派のグループやアーティストが世界的に幅広い人気を誇る中、バスターはティーン・アイドル・グループというレッテルから逃れられず、1979年に日本で最後のリリースとなったベスト盤「青春の日記帳 バスター・ベスト・コレクション/Diary: Best Collection」がリリースされましたが、RCAレーベルとの契約が打ち切られ、日本でも、その後、バスターの情報も途絶えてしまいました。。。

ベスト盤に収録されたメンバーインタビューでは、「来年、日本で会いましょう」というメッセージも寄せられていたのですが、その後、バスターはバンド名の変更、メンバーの変更等を経て1982年10月に解散しています。。。

 

バスター再結成

時代も過ぎ2000年代に入ると、インターネットの普及により、当時のファンを中心に盛り上がり、日本で2008年にバスターの3枚のアルバムが紙ジャケで再発、この頃、オリジナル・メンバーでバスターが再結成され、レコーディングも開始という情報が寄せられました。

日本でもバスター熱は冷めることなく、再来日の機運も高まりつつある中、2014年1月25日に、バスター37年ぶりの新譜となるベスト盤と新録による2枚組アルバム「バスターの軌跡/ベスト&ニュー」が遂にリリースされました。


「バスターの軌跡/ベスト&ニュー」には、2008年以降に断続的にレコーディングされた新曲9曲とジェネシス・カバー1曲の計10曲収録されていますが、どの曲もいい意味で年齢を重ねたメンバーによる正統派ブリティッシュ・ポップ・ロックで、変わらない良質なサウンドと今後が期待できる充実した新曲を聴くことが出来ました。


バスター紙ジャケット復刻
【ディスクユニオンでは、まとめ買い特典として収納ボックスがつきました】
 

バスターの軌跡/ベスト&ニュー
バスターの軌跡/ベスト&ニュー
【特典としてデビューシングル「すてきなサンデー」のシングルCDがつきました】
 

しかしながら、ニュー・アルバムのリリース直前の2013年12月26日、バスターのリーダーでリード・ギタリストとして活躍していたピート・リーが自宅の階段から転落し急死。享年54歳という若さでした。。

 

 

その後、ドラマーのレス・ブライアンズも2016年に死去される等、往年のファンに悲しいニュースが続きました。

 

 

バスターのサウンドは、甘くキャッチーな正統派のブリティッシュ・ポップ・ロックで、一度聞くと忘れられないフレーズも多く、そのサウンドは、多くのティーン・エイジャーを魅了したものでした。

また、アルバムやライヴでは、ポール・マッカートニー&ウィングス、ウイッシュボーン・アッシュ、ジェネシスなどのカヴァー曲もあり、幅広い音楽性を聞かせてくれていますが、セカンド・アルバム「夢みるバスター/Buster 2」では、バンドとしてのオリジナリティが発揮され、その後が非常に楽しみなバンドであっただけに、その後の活動が継続されなかったことが悔やまれます。

 

■ロブ・フェンナーのニュー・アルバム「JUNCTION 39」

その後、メンバーのロブ・フェンナーは、自身のバンドAlternative Radioでの活動や、舞台や映像音楽活動、ギター講師等、コンスタントに活動を続け、YouTubeでは、ギターレッスン動画が好評を得るなど、往年のファンを喜ばせてくれていました。

 

そして、2021年11月、待望のソロ・アルバム「JUNCTION 39」がリリースされました!

同時にロブ自身のオフィシャル・サイトも開設されています。(オフィシャルサイトより購入可能です)

■ロブ・フェンナーオフィシャルサイト:https://robfennah.com/

またTwitterも2020年4月よりスタートしています。

■ロブ・フェンナーオフィシャルTwitter:https://twitter.com/FennahRob
 

Rob Fennah JUNCTION 39

【購入特典として、ジャンクション39の道路標識ピンバッヂがつきました】
 

Rob Fennah JUNCTION 39


「JUNCTION 39」は、ロブ自身の運営するレーベル「Pulse Records」からリリース。

全11曲、作詞・作曲・アレンジともに全ての楽曲をロブ自身が担当しています。

 

 

全体的にアコースティックの響きが心地よく、落ち着いたサウンドの作品が中心ながら、バスター・ファンなら、きっと大満足な1枚です!

どの曲からもロブの人柄が滲み出ており、バスター時代を彷彿させるポップな作品となっています。

 

また、アルバムは、打ち込みやシンセサイザーを一切使わず、ロブは6弦&12弦のエレクトリック&アコースティック・ギター、ベース、ウクレレ、マンドリン、一部のドラムを一人でこなし、息子のアルもギターで参加するなど、「生の音」にこだわった1枚です。

ギターの響きとアレンジが絶妙で、そこにロブの歌声が重なり、懐かしくも新しい大人のバスター・サウンドと言っても過言ではない1枚です。


Rob Fennah JUNCTION 39

01. Miviam

ギター講師としての顔も持つロブ。ギターのお手本となりそうな、軽やかなアコースティック・ギター・インストの小作品Miviamからスタート。

02.Precious

軽やかな8ビート・サウンドで、アコースティック基調ながら、エレクトリック・ギターが良いアクセントとなったポップ・ソングで、バスター時代を彷彿させるメロディと、ロブのやさしい歌声がとてもマッチしています。

03.Blurred White Lines

軽快なギターのエレクトリック・リフが印象的な楽曲です。

04.Shooting Star

アルバムの中核をなす1曲で、歌詞は切ない内容ですが、泣きのメロディ・ラインが美メロで、静かなスタートから、徐々にリズミカルなエレクトリック・ギターのリフとサビのメロディで曲が盛り上がってゆく曲です。

この曲では、ロブ自身がドラムを叩いています。

05.Enemies And Friends

カントリー・タッチでアップテンポな楽曲で、バンジョーがとても良いアクセントとなっています。エンディング近くのマンディ・バービルによるクラリネットも印象的なメロディを奏でてくれています。

06.Wait For The Moment

印象的なエレキのリフとリードで始まるちょっと60年代を彷彿させるサウンドの楽曲です。

07.Big Moon High Tide

レゲエ・タッチの軽やかなで楽しい楽曲です。YouTubeでPVも公開されています。

 

 

08.Nobody Gives A Damn

軽快な8ビート・ロック。ロブの演奏するギター・ストロークがとても心地よく響きます。

09.Junction39

アルバム・タイトルとなる曲で、「成功の道のりの過程で、様々なことに巻き込まれ、ジャンクション39で立ち往生しているが、いま、やるべきことに気が付いた。今、僕は行き先を見つけた。私はあなたのもとへ帰る。」と歌われるロブ自身の人生を振り返った曲?でしょうか。。

ロブの歌声にも熱がこもります。

10.I'll Never Give Up

軽快な8ビートにのせて、軽やかに歌うラヴ・ソング。

「今こそ、私が本当に必要なのはあなた。探し求めたものがドアの向こうにあった。あなたを愛することを決してあきらめない。だから過去にとらわれず明日を楽しもう。今を犠牲にして 過ぎ去ったことはしたくない。あなたを愛することを決してあきらめない。。」

11.Miviam (Reprise)

1曲目のインストのリプライズ。軽やかに始まったアルバムの終わりに余韻を残す素敵な小作品です。

 

残念ながら、アルバムは、日本発売の予定はなさそうなのですが、ロブのオフィシャルサイトより購入することが出来ます。

https://robfennah.com/buy-music

ダウンロード版とCD+ダウンロード版があります。

私はCD+ダウンロード版で購入しましたが、特典としてジャケットに移っているJunction39の道路標識のピンバッジが付いてきました。

 

ロブは、2021年12月には、弟とAlternative Radio名義で2回ライブを行うなど、コンスタントに演奏を続けています。(YouTubeにもAlternative Radioはアップされています。)

 

バスターの楽曲は、2021年12月より主要な音楽配信サイトで配信開始されており、オリジナル・アルバム2枚、ライヴ1枚、、2014年リリースの「バスターの軌跡/ベスト&ニュー」の新曲アルバム分が「Here and Now」というタイトルで配信されています。

 

Junction39のリリースや配信がきっかけとなり、日本でバスター人気が再燃し、待望の再来日が実現することを期待したいです。

 

現在も、バスターのウィキペディアは、ファンの方が常に情報を更新されていますので、気になる方は、ぜひ、ご覧になってみてください。

 

 

あの頃、バスターに夢中だったみなさん、ぜひ、この機会にバスター&ロブのニュー・アルバムでテーンエイジャーだった頃に戻ってみませんか。。。

 

We Want Buster !!

We Want Rob!!

 

 

 

ビートルズと同じリバプール出身の平均年齢17才の4人組グループ"バスター"。
1976年に「すてきなサンデー」でイギリス・デビュー。翌1977年3月、日本でもデビューを果たしました。
 
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当時、ビートルズにハマっていた私は、”リバプール出身の新しいバンド”ということで興味を抱き、デビュー曲「素敵なサンデー」を聴き、即、ファンになってしまいました。
 
【Sunday / Buster】
この「すてきなサンデー」は、日本の洋楽チャートでも瞬く間に上昇し、FMの洋楽ベスト10番組でも1位を獲得するなど、日本における人気もデビュー時から爆発していました。
デビュー1カ月後の1977年43月には、既にイギリスでリリースされていた1stアルバムが日本でリリース。この年の9月に2ndアルバム、そして12月には初来日公演が実現、熱狂的に迎えられました。
 
当時、来日を記念し、全90ページ近い「ポエム&写真集」も発売。
私も購入しています(笑)。
 
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メンバーのプロフィールも掲載されています。
メンバーのひとり、ロブ・フェンナーは好きなグループとして「ウィングス、ビートルズ」を挙げています。
 
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ポエム&写真集というだけあって、随所にポエム?がちりばめられています。。
 
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こちらは裏表紙。
 
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アルバムリリースに合わせて、楽譜も発売されています。
 
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楽譜にもグループのストーリーやメンバーのプロフィールが掲載されています。
 
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こちらはギターのピートのプロフィール。。
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私もギターを始めて間もないころだったと思います。。
よく楽譜を開いては、「すてきなサンデー」を弾いていました♪
 
そんなバスターが来日直前の1977年11月に来日記念盤としてリリースしたのが、4枚目のシングル「ビューティフル・チャイルド」でした。
 
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【Beautiful Child / Bustar】
【POP TEEN / ビューティフルチャイルド ハートで歌おう 伝説のチャンピオン】
懐かしさでいっぱいです(笑)。。。

 

自信みなぎる良質なパワーポップ。。
実にイギリスのバンドらしいサウンドだと思います。。。
 
「ポエム&写真集」には来日日程も記されています。。(消してある部分には、ファンクラブのTELが明記されています。)
 
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熱狂的に来日ツアーも終了し、次の活躍が期待されたバスターでしたが、1978年、レコード会社とのトラブル等により、表立った活動を停止。
1978年末にベストアルバムをリリース後、新曲がリリースされることなく1982年に解散してしまいます。。。
人気絶頂だっただけに残念でした。。
 
しかし熱心なファンのリクエストにより2008年に紙ジャケ仕様でオリジナルアルバム2枚とライヴ・アルバム1枚が日本でもCDとして初リリースされ、ファンを喜ばせてくれています。
 
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私は、ディスクユニオン特製ボックスセット付きのまとめ買いで購入しました(^^ゞ
 
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そして、このCDリリースがきっかけとなり、オリジナルメンバーが集結。
2013年には、本国イギリスでは初となるベストアルバム+新曲のリリースが予定されています!
 
詳細はまだ発表されていませんが、いまから心待ちにしています♪
 
最後に、当時の日本での人気が伺える動画をご紹介します。
 
 

 「ノーサイド」「霧雨で見えない」「青春のリグレット」「残暑」..

 「誰の曲?」と聞かれたら、多くの方はユーミン(松任谷由実)と答えるのでは、ないでしょうか?

 

 1984年1月1日にデビューしたアーティスト、麗美(れいみ)。(姉は元クラリオンガールである堀川まゆみ)

 

 麗美は松任谷正隆・由実の全面バックで1984年1月1日、シングル「愛にDESPERATE/何もいらないから」(共に松任谷由実作詞・作曲、松任谷正隆 編曲)    でデビューしました。

 

 

 「ノーサイド」「霧雨で見えない」「青春のリグレット」「残暑」などの楽曲は、ユーミンが、麗美に書き下ろし、その後、自らのアルバムで取り上げた楽曲です。

 

 若いころのユーミンを彷彿させるハイトーンでコケティッシュなボーカルを聞かせてくれた麗美。

 

 松任谷夫妻の全面バックアップもあり、ラジオスポットやTVでも、よく麗美の曲が流れていた記憶があります。

 

「愛にDESPERATE」

 

 この頃、女性シンガーとしては、ユーミン、尾崎亜美、矢野顕子、大貫妙子等の70年代デビュー組を中心に、竹内まりや(1978デビュー)、松原みき(1979デビュー)、山下久美子(1980デビュー)、白井貴子(1981デビュー)、EPO(1980デビュー)、泰葉(1981デビュー)等の若手女性シンガーが続々とヒットを放ちはじめた時期でした。

 

松任谷夫妻もほれ込んだ麗美。

デビューシングルを含め、4枚のシングル、3枚のアルバムが松任谷夫妻の全面バックアップでリリースされています。

 

1984年1月01日1st Single「愛にDESPERATE/何もいらないから」

1984年1月21日1st Album「REIMY」  オリコン最高位16位

1984年5月21日2nd Single「青春のリグレット/君の友達でいたいから」

1984年9月21日3rd Single「残暑/恋の一時間は孤独の千年」

1984年9月21日2nd Album「"R"」 オリコン最高位6位

1985年5月21日4th Single「Time Travelers/思い出よりたしかに...」

1985年5月21日3rd Album「PANSY」オリコン最高位9位

 

 こちらはサード・シングルの「残暑」のシングル・ジャケットです。

 

 ファースト・アルバム「REIMY」には、ファースト・シングル「愛にDESPERATE」「何もいらないから」の他、「ノーサイド」「霧雨で見えない」といったユーミンの名曲も収録されています。

 

ファーストアルバム「REIMY」(1984)

麗美「ノーサイド」

 

 「ノーサイド」は、この後、ユーミンがアルバムのタイトル・トラックとしてリリースしますが、麗美バージョンから一部歌詞を書き換えています。

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「REIMY」 収録曲

MOMMY HURRICANE 作詞: 田口俊 / 作曲: REIMY

こごえる心 作詞: 田口俊 / 作曲: 松任谷由実

ノーサイド 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

霧雨で見えない 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

愛にDESPERATE 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

哀しみのバスジャーニー 作詞: 田口俊 / 作曲: 桐ヶ谷仁

どんなふうに 作詞: 田口俊 / 作曲: 松任谷由実

何もいらないから 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

時のめぐりあい 作詞: 田口俊 / 作曲: 松任谷由実

君の友達でいたいから 作詞: 田口俊 / 作曲: REIMY

全編曲: 松任谷正隆

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 セカンド・アルバム「"R"」は、彼女の代表曲となった「青春のリグレット」、ユーミンが1992年リリース「TEARS AND REASONS」で取り上げた「恋の一時間は孤独の千年」、2000年リリースの「天国のドア」で取り上げた「残暑」、そしてユーミンが2003年のセルフ・カヴァーアルバム「Yuming Compositions: FACES」で麗美の曲をカヴァーした「星のクライマー」等、名曲揃いの好アルバムです。

 

セカンド・アルバム"R"(1984)

 

麗美「青春のリグレット」

麗美「残暑」

麗美「星のクライマー」

松任谷由実「星のクライマー」

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"R"収録曲

鏡の迷路 (STRANGLED IN LOVE) 作詞: 田口俊 / 作曲: MAYUMI

空が一面海に見えた日 作詞: 田口俊 / 作曲: REIMY

ポニーテイル 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

恋の一時間は孤独の千年 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

残暑 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

CARRY ON 作詞:田口俊 / 作曲: MAYUMI

星のクライマー 作詞: 松任谷由実 / 作曲: REIMY

青春のリグレット 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

だって 作詞: 田口俊 / 作曲: 松任谷由実

風は明日へ 作詞: 田口俊 / 作曲: REIMY

全編曲: 松任谷正隆 (#9 松任谷正隆・村岡健)

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 そして、松任谷夫妻の最後のサポート作品となったサード・アルバム「PANSY」

ユーミン作の名曲「Time Travelers」をはじめ、ボーカリスト麗美の成長が伺える作品です。

 

サード・アルバム「PANSY」(1985)

麗美「Time Travelers」

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PANSY収録曲

Time Travelers 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

真夜中のシンフォニー 作詞: 田口俊 / 作曲: REIMY

国際線 作詞: 田口俊 / 作曲: MAYUMI

すぐそばにいるの 作詞: 田口俊 / 作曲: MAYUMI

パンジーとトパーズのネックレス 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

花びらの舞う坂道 作詞: 田口俊 / 作曲: 松任谷由実

ひとちがい 作詞: 松任谷由実 / 作曲: 松任谷由実

Ring! 作詞: 田口俊 / 作曲: MAYUMI

思い出よりたしかに… 作詞: 相良好章 / 作曲: REIMY

虹の朝 風の空 作詞: 田口俊 / 作曲: REIMY

全編曲: 松任谷正隆

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 この後、麗美自ら、松任谷夫妻の手元を離れ、音楽活動を続けてゆきまます。。。

 

この3枚を聴くと、麗美の作曲クオリティやボーカリストとして急成長してゆく姿も見受けられます。

 

そんな、松任谷夫妻との蜜月期であった、この3枚のアルバムから、ユーミンの楽曲を中心にセレクトしたベストアルバム「麗美GOLDEN☆BEST -REIMY BRAND COMPLETE」が2005年にリリースされています。(現在も発売中です。)

 

麗美GOLDEN☆BEST -REIMY BRAND COMPLETE-

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麗美GOLDEN☆BEST -REIMY BRAND COMPLETE-

1.「愛にDESPERATE」作詞・作曲:松任谷由実

2.「何もいらないから」作詞・作曲:松任谷由実

3.「ノーサイド 」作詞・作曲:松任谷由実    

4.「霧雨で見えない」作詞・作曲:松任谷由実

5.「こごえる心 」作詞:田口俊 作曲:松任谷由実

6.「どんなふうに」作詞:田口俊 作曲:松任谷由実

7.「時のめぐりあい」作詞:田口俊 作曲:松任谷由実

8.「青春のリグレット」」作詞・作曲:松任谷由実

9.「残暑」作詞・作曲:松任谷由実

10.「恋の一時間は孤独の千年」」作詞・作曲:松任谷由実

11.「ポニーテイル」」作詞・作曲:松任谷由実

12.「星のクライマー」作詞:松任谷由実 作曲:Reimy

13.「だって」作詞:田口俊 作曲:松任谷由実

14.「Time Travelers 」」作詞・作曲:松任谷由実

15.「パンジーとトパーズのネックレス」」作詞・作曲:松任谷由実

16.「花びらの舞う坂道 」作詞:田口俊 作曲:松任谷由実

17.「ひとちがい」」作詞・作曲:松任谷由実

*全曲編曲:松任谷正隆

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 ユーミンは、1984年12月にアルバム「NO SIDE」、1985年11月にアルバム「DA・DI・DA」、そして発表当時大きな話題となったオリジナル・ビデオ「コンパートメント TRAIN OF THOUGHT」のリリースなど、自身の創作活動がとても充実していた時期であり、麗美への提供曲もクオリティの高い作品ばかりとなっています。

 

「コンパートメント」制作時期のビデオテープの広告に登場したユーミン

(ミュージック・ステディ1984年8月号掲載)

 

 「麗美GOLDEN☆BEST -REIMY BRAND COMPLETE-」は、麗美を聴いたことがないという方に聞いて頂きた1枚です。
 昨今のシティ・ポップ・ブームの中、今一度、麗美も再評価されていいアーティストだと思います。

 

1978年にデビューした、惣領智子と日系アメリカ人高橋真理子からなる女性デュオ”TINNA(ティナ)”。

 

ティナのふたりは、1970年代に良質なシティ・ポップスをリリースしていた惣領泰則が率いたブラウン・ライスの元メンバーでした。


ブラウン・ライスは、1971年、MGMの社長の来日オーディションに合格した後に渡米、アメリカでシングルを3枚発表(中には、ロジャーニコルス&ポール・ウィリアムス作の作品も!)しました。
また、アメリカのミュージシャン・ユニオンのライセンスも取得し、1973年には、全米ツアーも敢行しています。

ポール・マッカートニーが、このグループのために「カントリー・ドリーマー」を書き下ろし、ブラウン・ライスはシングルとして発表しています。(ポールもセルフカバーしています。)

ブラウン・ライス解散後、リーダーであった惣領泰則が、メンバーであった惣領智子と高橋真理子により結成したのがティナでした。

 

日本のシティ・ポップスの黄金時代であった70年代末、ティナは、CMタイアップやFMでのライヴ等、順調に活動を続け、良質なアルバムを4枚発表しましたが、高橋真理子がアメリカに帰国することになり1981年に解散、活動は、3年と非常に短いものでした。

 

 

70年代末にニッポン放送で日曜の夜に放送されていた「滝良子のミュージックスカイホリデー」という全日空がスポンサーの番組でよく流れていたのが、全日空のCMソングであった「シャイニング・スカイ」(1978)でした。

 

 

 

今聴いても、古びない名曲です。

 

ティナのアルバムは、ファーストアルバムであった「ロング・ディスタンス」が、過去にCD化されていたものの、廃盤となり、他のアルバムは未CD化で、シティ・ポップ等のコンピレーションアルバムに数曲が収録される程度でした。

 

【ファースト・アルバム「ロング・ディスタンス」】

 

そんなティナのベスト・アルバムが2021年1月にSTEPS RECORDSより待望のリリースとなりました!

 

【Tinna/The best of Tinna】

 

リリース情報はこちら:

【収録曲】

1. マンディ・モーニング・レイン
2. 愛の雨
3. 恋のゲーム
4. スペイシー・カウボーイ
5. 風媒花
6. FEEL IT-さりげなく女らしく-
7. Little bit bad thing
8. DREAM AWAY
9. モラトリアム
10. DREAM MACHINE
11.もうひとつの心
12. 私の彼
13. 錯覚
14. PLAY THE GAME
15. Newport Bay
16. WAY DOWN SOUTH
17. PEOPLE AROUND ME

1,4,11はシングル盤A面(3rdアルバムのコンピレーション「マンデイ・モーニング・レイン」にも収録)
3,5,7,12,15は1stアルバム「ロング・ディスタンス」より(唯一CD化されたオリジナル・アルバム:廃盤)
2,8,10,14,17は2ndアルバム「童夢」より
6,9,13,16は4thアルバム「1999」より
 

なぜか、「シャイニング・スカイ」は収録されていませんが、各アルバムよりバランス良く収録され、初めてティナを聴く人にも、親切なアルバムとなっています。

 

YouTubeには、1979年2月にシングルとしてリリースされた「ペーパードール」のTV出演シーンがアップされていました。

 

向かって左側が惣領智子、右側が高橋真理子です。

惣領智子の透明感ある歌声と高橋真理子のハスキーでビート感のあるハーモニーが素晴らしいです。

 

STEPS RECORDSさん、ぜひともオリジナル・アルバムの復刻や、未発表ライヴのリリースなど、期待しています♪

 

キング・クリムゾンが1970年3月にリリースしたシングル「Cat Food/Groon」

 

(ジャケットはメンバーのピート・シンフィールドによるものです。)

 

衝撃デビュー作となった「クリムゾン・キングの宮殿/IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」でしたが、その後のハードなアメリカンツアーがきっかけとなり、オリジナル・メンバーであったグレッグ・レイク(EL&P結成)、マイケル・ジャイルズ、イアン・マクドナルド(マクドナルド&ジャイルズ)の3人が脱退し、解散状態にあったクリムゾンでしたが、リーダーであるロバート・フリップは、バンドを維持すべく新たなバンド・メンバーの補充と、脱退したグレッグ・レイク、マイケル・ジャイルズ、そして、クリムゾンの前身バンドであるジャイルズ・ジャイルズ&フリップとして、一緒に活動していたベーシストのピーター・ジャイルズの協力を得ながら、セカンド・アルバム「ポセイドンのめざめ/IN THE WAKE OF POSEDON」のレコーディングを開始しました。

 

「ポセイドンのめざめ/IN THE WAKE OF POSEDON」

 

1970年5月15日のアルバム・リリースに先駆け、1970年3月にリリースされたのが「キャット・フード」でしたが、時間的制約があった中、ロバート・フリップは、脱退したイアン・マクドナルドが大半を書き上げていた楽曲であった「キャット・フード」をシングルとして選択しました。

 

フォースト・アルバムでも、影の主役と言われたイアン・マクドナルドですが、「キャット・フード」は、ファースト・アルバムとは違う、ビートルズ・テイストが感じられるキャッチーな楽曲で、クリムゾンの多様性のある音楽性を知らしめる楽曲となりました。

 

(左)マイケル・ジャイルズ (右)イアン・マクドナルド

 

シングルとしてリリースされた「キャット・フード」には、ゲスト・プレイヤーとして、イギリスのジャズピアニスト、キース・ティペットが参加し、アバンギャルドで印象的なプレイを披露しています。(キース・ティペットは、2020年6月14日に72歳で亡くなられました。)

ロバート・フリップとピート・シンフィールドは、1969年にキース・ティペットのライヴを観て熱烈なファンになったそうです。

 

2019年にクリムゾンのオフィシャルサイトで発表されたキャット・フードのオルタネイト・ミックスをご紹介します。

オフィシャルサイトでは、「最後のエレクトリック・ギターラインが取り除かれ、キース・ティペットの、素晴らしくラウドで威厳に満ちたピアノ・パートにスポットライトが当たるのはとても喜ばしいことです。」と紹介されています。

 

【King Crimson - Catfood (Alt Mix) [50th Anniversary | Previously Unreleased]】

 

この曲のハイライトは、何といっても、1970年唯一のクリムゾンのオフィシャル・パフォーマンスとなった、1970年3月25日に放送されたイギリスBBC放送の「トップ・オブ・ザ・ポップス」での「キャット・フード」のパフォーマンスだと思います。

King Crimson Cat Food Top Of the Pops

 

 

口パクですが、このパフォーマンスでは、唯一となった、ロバート・フリップ、グレッグ・レイク、マイケル・マクドナルド、ピーター・ジャイルズ、キース・ティペットという、1日限りキング・クリムゾンというレアな映像で、クリムゾン史上でも貴重な映像となっています。

 

 

クリムゾンのオリジナルメンバーのイアン・マクドナルド、マイケル・ジャイルズとピーター・ジャイルズ、元メンバーのイアン・ウォーレス、そして現在クリムゾンのメンバーであるメル・コリンズ、ジャッコ・ジャクジクがメンバーであった21st Century Schizoid Band(2002-2006)でも、キャット・フードは演奏されています。

 

 

そんな「キャット・フード」ですが、2020年は、リリースから50周年ということで、ライヴ&別ミックスが追加された「50周年記念エディション」がアナログとCDで3月6日に発売されました。

 

「Cat Food」(2020)

1) Cat Food (single version)

2) Cat Food (2019 live version)
3) Cat Food (2019 alternate mix)

4) Groon (original single B-side)
 

日本でも5月27日にようやくリリースされ、CDには、日本独自ジャケット・スリーブが作成されるとともに、CDには、ボーナストラックとして、ジョン・ウェットンのボーカルによる1973年のライヴ音源が収録されています。

 

レコード・コレクターズ6月号に掲載されたリリース広告。

「猫にはちゅ〜る、プログレもんにはコレ!」のキャッチが秀逸ですね(笑)

 

 

日本版シングルCDのオリジナル・スリーブ。

 

 

日本では、輸入アセンブル仕様で、アナログとCDが同梱されたヴァージョンもリリースされました。

 

日本盤EP(10inch):
A side01    キャット・フード(オリジナル・シングル・ヴァージョン)/Catfood (Original Single Version)    
A side02    キャット・フード(ライヴ・イン・トロント2019)/Catfood (2019 Live Version)    
B side03    キャット・フード(別ミックス:通称キース・ティペット・ミックス)/Catfood (Alternate Mix)    
B side04    グルーン(オリジナル・シングル・ヴァージョン)/Groon (Original Version)    
日本盤CD:
01    キャット・フード(オリジナル・シングル・ヴァージョン)/Catfood (Original Single Version)    
02    キャット・フード(ライヴ・イン・トロント2019)/Catfood (2019 Live Version)    
03    キャット・フード(別ミックス:通称キース・ティペット・ミックス)/Catfood (Alternate Mix)    
04    グルーン(オリジナル・シングル・ヴァージョン)/Groon (Original Version)    
05    キャット・フード(ライヴ・ヴァージョン)/Catfood (Live Version)
 

ディスクユニオンではオリジナル特典として、トップ・オヴ・ザ・ポップス出演時のカラー・ポスト・カードが同梱されています。

 

 

ちなみに、便乗して、ねこめしTシャツもオフィシャルで再発されています(笑)

現在、キング・クリムゾンのライヴはコロナウィルス感染症拡大の影響で、中止されていますが、ロバート・フリップは奥様のトーヤとの夫婦漫才の披露等、元気そうでなによりです(笑)

 

 

今回の「キャット・フード」は、イギリスでも大きな反響を呼び、1970年にリリースされた際は、チャートインをしなかったもの、今回はイギリスチャートでは2位を記録しています。

 

クリムゾン・ファンの散財は今年も続きそうです。。あせるあせる