『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (6/17-18) | ラフラフ日記

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ayumi hamasaki 『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (第一章)
2017年6月17日(土)18日(日) 国立代々木競技場第一体育館


今回のツアーが発表されたとき、公演数にも驚いたけど、会場の中に、

国立代々木競技場第一体育館

の名前があったこと!

あれ? カウントダウンライブが改修前ラストだったんじゃ?
MADE IN JAPANツアーが改修前ツアーラストだったんじゃ?
あの涙は?みたいな(笑)。

それがふっつーに代々木の名前もあったから。

けど、それが嬉しくてね。
しかも、初日でも最終日でもなく、ツアーの途中にふっつーに代々木の名前があったから。なんか、感動のラスト!とかじゃなくて、続いていくって感じでいいじゃん。こういうのをあゆらしいって言いたい。

そして、横浜に続いて、代々木に行ってきました!!



今回はいつにもまして印象的なオープニングだった。

暗くなった会場に、客席の方からゆっくりと歩いてくるダンサー達。それは、これからはじまるライブ…「これからのこと」に想いを馳せるというよりは、「これまでのこと」を慈しむような表情や雰囲気で、「はじまり」にして「おわり」を思わせる。
そして、花道の先にあるセンターステージに一輪の花がそっと置かれる。

それはまるで、「葬列」であり「献花」だと。
そして、そのあと、幕は上がり、テーブルを前に一列に並んだ、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』をモチーフにしたステージがはじまる。
つまり、時間軸が一日戻り、イエス・キリストが処刑される前夜を描いた『最後の晩餐』がはじまると。

ステージへの献花は、アーティスト浜崎あゆみの死を意味し、幕が上がるとともに、前夜である『最後の晩餐』がはじまる。

………という、ある方の感想を読んだ。自分で気づいたかのように書いてしまったけど、そうではない。

もちろん、正解があるというのではなく、1曲目「ourselves」がとてもカッコ良かったから。抑えた演奏ではじまり、ジャズやほのかにファンクのテイストを感じさせながら、テーブルをみんなで一斉に叩いたり、クールなのに熱い。テーブルを叩く様が裁判みたい。そういえば、「ourselves」のはじまりの音は、時計の針の音みたいだった。だから、私は気づいていたのかも知れない。というか、ライブに気づくも何もないのだ。
(こう書くと、浜崎あゆみは自分をキリストだと思ってるのか?と言われるかもわからないが、それは違って、思ってないからできるというか)

第一章のはじまり。

死に場所というのは、生きる場所でもある。
死に様こそが生き様だと歌う曲でエレカシのツアーもスタートするじゃないか!



今回も写真撮影OK(本編のみ)。これは写真撮りたくなっちゃうんだよね。
でもこれ、ネタバレじゃないか!って思うでしょ? でも、今回は「M」じゃないからね。

小室系とグランジが出会って爆発した荒野に一輪の花が咲くみたいな「NEVER EVER」(2001年)。
レディオヘッドの『OKコンピューター』(1997年)には日本の音楽もたくさん影響を受けたと思うけど、このころのあゆの曲にもそれを感じて、それでいながら、「ああ、このときはそんな時代だったのね」みたいな感じじゃなく、今も堂々としている。それをライブでさらに証明していく。

かと思えば、クラシカルなバラードもあるし、ハードロックもヘビメタもあるし(プログレか!?)、ダンスミュージックもある。
といっても、ダンスミュージックは少なかったか。「You & Me」も横浜初日ではなかったし、宇多田ヒカルのカバーくらい。でも、それだけで強烈な印象を残すし、あゆのダンスミュージックとの距離の取り方って興味深いかも。アンコール前にグッズ紹介で流れたのがダンスミュージックメドレーだった(あゆ不在)。

「Fly high」のアレンジに驚く。トランス+歌謡曲+ラップだった曲を、ヘドバンさながらのロック+ラップ+ハウスにしたり。(あゆはいち早くミクスチャーロックをやってた? え? ミクスチャーロックって何だって?)
しかしそれも、「あのころの音楽をまだやってる」ではなくて、「あのころの音楽を今も更新し続けてる」で、壊しながら守ってるみたいな。(エイベックスサウンドを脱しながら更新するみたいな)

でも、どれも曲の良さに気づかされるというか、その曲をどんどん良くしていく感じ。そこに驚く。



トロッコであゆが近くに!! しかし、あゆが目の前にいるときに写真撮るの無理!
通り過ぎたあとに撮るので精一杯。

20周年への布石。
代々木改修前ラスト。

いろいろなトピックがあったけれど、浜崎あゆみの物語だけのライブじゃないんだよ。「talkin' 2 myself」とか「Mirrorcle World」とか、今の時代、今の社会、今の世界を射抜く曲なんだよ!

浜崎あゆみというと、「夢」のようなライブをやる人というイメージがあると思うけど、そしてそれは間違っていないけれども、同時に、こんなに「現実」を射抜く人いるかってくらいのもんだから驚いてしまう。

先日のナイン・インチ・ネイルズのライブで、ナイン・インチ・ネイルズと言えばハイテク照明映像のパイオニアみたいな感じだったのが、今はみんながそれになっちゃったから敢えて使ってなくて、スクリーン映像も低解像度で、そこがラジカルでカッコ良かったという中村明美さんのツイートを読んで、私は今回のあゆのライブを思い出した。横浜の記事にそのことをちらっと書いたけど。私はそのナイン・インチ・ネイルズのライブを観ていないから的外れだったらごめんなさいなのだけど、もしかしたら、あゆは、レディオヘッドよりもナイン・インチ・ネイルズ!?

アンコールで宇多田ヒカルの「Movin' on without you」を歌った。

浜崎あゆみによる宇多田ヒカルのカバーを良いと言ってくれた人の中のどれくらいが、“今の” 浜崎あゆみを聴いてくれただろうか。

まぁそれはわからないけれども、私は今、浜崎あゆみが歌う宇多田ヒカルを聴いている。やっぱ、すごいことだよこれは! 何回聴いてもゾクゾクする。あなたも浜崎あゆみのライブに遊びに行ってみなよ! そんなこと何も知らなくても知っててもいいから、気楽にふらっとそこに行けばいいんだから、遊びに行ってみなよ!

聖地・代々木改修前ラストで、濃いファンがたくさん集まったと思うけど、でも私は、あゆのライブはじめてって人と、あゆの単独アリーナ公演は初って人と行ったんだよ。まだまだ続いていく道がある。

そして、あゆが言った。

「またこの場所で会おうねー!」

記憶で書くけど、

「終わりじゃないよ、続いていくよって、ステージはこのままにしておきます。良かったら写真とか撮って、今日来れなかったみんなにも伝えてください。また必ずここに戻ってくる」

博多弁まじりであゆは言った。

そのときの写真です。



この日、代々木体育館は「約束の地」になった。(U2「約束の地」が流れる、私の頭の中で)

“いつかの その日まで...”

浜崎あゆみの「until that Day...」の “いつかの その日まで...” は、“いつか終わる日まで” だった。

けれどこの日、浜崎あゆみの「until that Day...」の “いつかの その日まで...” は、“いつか再び会う日まで” になった。

最後、ローリングストーンズみたいに挨拶しようっていってエレカシが挨拶するやつ、バンドがよくやるメンバーが横一列に並んで手をつないで挨拶するやつ、あれをあゆもメンバーと一緒にやったの! それがすごく嬉しかった!

【セットリスト】

01. ourselves
02. WARNING
03. NEVER EVER
04. Because of You
05. Virgin Road
06. Walk
07. my name's WOMEN
08. appears
09. Fly high
10. UNITE!
11. talkin' 2 myself
12. Mirrorcle World
13. Voyage

14. Movin' on without you
15. You & Me
16. SURREAL~evolution~SURREAL
17. Boys & Girls
18. Who...

19. MY ALL

【同ツアーの記事】
『Just the beginning -20- TOUR 2017』 (5/13)