【 地域の2重構造と地域性の本質について 】


宅地造成の際に由来ある地名を無くして、

○○台や○○ヶ丘に一新される事があります。


先日の8月の広島の豪雨ではたくさんの方が被災されました。


その豪雨のあった地域である、安佐南区八木地区の一帯の地名は、

昔、江戸期では「蛇落地悪谷」(じゃらくじあしだに)と、

呼ばれていたそうです。


地名というのは、元々のその土地の用途や、

伝承的な要素を秘めている事があり、

この八木地区も「昔は蛇が降るような水害が多かったので、 


悪い谷・悪谷と名がついた」そうですが、

いつの間にか伝承が忘れさられてしまったようです。



現在ある都市の多くはその都市形成において、

室町期や江戸期など、

城下町や宿場町、門前町から発展した所が多く、

由緒ある地名や街割りが残っている都市が日本中にありました。



それが先の戦争での米軍の空襲によって焼けてしまい、

その後のモーターリゼーションを中心とした都市計画によって、

古くある地名や街割りが消失してしまいました。



しかし、今でも城下町を調べて行くと、

大名や家老、上級武士の住んでいた地域は比較的高台に多く、


今は高級住宅地街になっている所が多い。

東京の松濤などその代表的な地域だと思います。




また、商品街であった所は商店街に、

職人街であった所が下町や中小工場地域になっていたりします。



この場合、住んでいる客層が違うという事になりますので、

地域密着型の商売の場合、客層が変われば商品も変わり、

販売・営業の仕方も変わると言う事です。



さて都市部においては、合併を得て、

江戸期から伝わる町名を無くし、

丸の内○丁目などで統一されてしまう事があります。



元々の地名がビル名などで残っている事もありますが希であり、

元々は水が湧き出る池であった所であっても宅地造成されて、

なんとかタウンとかの名前がついていたり、


中には古来、罪人を裁いていたような場所でさえ、

堂々とマンションが建って人が住んでいることも。



地域というのは実は二重、三重の構造になっています。

その情報をおおっぴらにしないのは利権が大いに関連していると考察。



人とは違う視点を持つ意味でも地域の二重構造をよく調べて、

地域戦略に活かして行きたいものだと思います。



アサヒマネジメント 川端

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