私がアメリカに来て大学院生活を始めた最初の年に、IVYリーグの有名校(常に世界ランキング1位か2位くらい)の先生が「うちの学生は言語を教える時も決まったセンテンスを教えて覚えてその通りに話しなさいーなんて教育はバカにしちゃってダメなんですよ」と言っていました。
日本の英語の教科書のように、最初の例文は「This is a pen.」を覚えて、だんだんと難しい構文へと発展していくパターンが語学の教材の定番ですが、丸暗記ではなく文の構造を教えたらそこから自分で考えさせて文を作り、実際に使ってみるという指導法が台頭してきた頃でした。
言語教育については学会や論文で語り尽くしてきたので、退職後は少しずつ実名で世に出していこうとは思っているのですが、ここで書けることはまだ限られています。
私の持論は、「何もかも自分で最初から考えることが必ずしも言語習得に効果的ではない」ということです。特に大人になってから習う言語を初級のうちから「自分で言ってごらんなさい」とか「自分で書いてみて」と言ったら、間違いだらけになることが多くそれを直してもらって習うより、最初から正しいものをたくさん見て聞いて覚えていったほうが効果的だということにどうして気づかないのかまったく理解できません。
特になんというかプライドが高いタイプの人に限って「言われた通りにする」ことに抵抗がある気がします。そういう人はOpenAIとかGoogle Translationとかを忌み嫌うのですが、そういう人に限って間違いを指摘すると必死に言い訳したり、なんとかリカバーしようとしたりします。そういう過程(Try & Error)を繰り返すうちに学習していく方法でしか学べないんだとしたら本当に非効率だと思います。
私の学生に「AIを使って直してもらって」というとすごく嫌な顔をする人がいますが、私に直されて点数を引かれるのと提出前にAIに直してもらって先生には内容をよく見てもらうのとどちらのほうが大学生として意義があるのかを考えてほしいな〜と思います。まぁ、あと数日でリタイアするのでもうあまり気にしていないんですけどね。
上のアイコンをクリックして応援してくださると嬉しいです!