佐世保市議会議員 橋之口裕太の熱血通信!!

佐世保市議会議員 橋之口裕太の熱血通信!!

元高校教師の新たなチャレンジをお伝えします!!

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教育委員会で毎月行われる定例の会議で、何が議題となり、どのようなやりとり(説明、質問など)があったのか。

 

その議事録は、佐世保市のホームページで公開されている。

http://www.city.sasebo.lg.jp/kyouiku/kyouik/h28gijiroku.html

 

議員という仕事の特性上、佐世保市に関係する様々な会議の議事録(公開されているもの)には、必ず目を通すように努めている。

 

特に、教育については自分のライフワークと考えているので、意識してアンテナをはっているが、先日公開された平成28年7月定例会の議事録を見て驚いた。

 

議事録には、様々な報告がなされ、その中で6月定例会における一般質問において、教育委員会に対して8名の議員が質問をした事項や答弁について総務次長が報告説明がなされた記録があった。

 

「橋之口議員からは、「連携中枢都市圏構築に向けての課題と考え方について、黒島の大型
哺乳類の足跡の化石や本土最西端の神崎鼻の化石など一つのストリー性をもたせ、子ども
たちの学習の場、修学旅行の誘致などへの活用など考えると、まずは保存が必要ではない
か。」との質問に、「ご指摘の化石群につきましては、専門機関に確認するなど、現状把握
に努めますとともに、化石群が持つその重要性や劣化状況などを踏まえ、保存の必要性や
活用方法について研究を進めてまいりたいと思います。」との答弁を致しました。」

 

なんだこれ???驚いた。

 

なぜなら、そのような質問は一切していないからである。

 

「哺乳類の足跡、化石、本土最西端、修学旅行の誘致…」といったキーワードについて、発言した記憶も、個人的に教育委員会の職員に対して話をしたこともないからである。

 

ミスは誰にでもある。

 

ただ、説明前の原稿案作成時、会議での説明時、議事録作成時、議事録の確認時など、ミスに気づき、正すチャンスはあったはずである。

 

事務局から説明を受けた教育委員さん方は「へぇそんな質問があったんだ」と思うのは当然だと思うが、会議には本会議に出席された教育長さんはじめ、事務局幹部も出席となっている。

 

誰か一人でも「橋之口そんなこといったか?」ぐらい確認してほしかった。

 

結果として、本人の関知できないところで、発言してもいない誤った内容が公表された身にとっては、大変迷惑極まりない話である。

 

○平成28年6月一般質問議事録

http://www.yutakoen.com/201606ippnanshitumon.pdf

○平成28年6月一般質問録画映像(佐世保市議会ホームページから)

http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=45

「ただ今かごしま!!」


今日は、佐世保市議会におけるICT(情報通信技術)の導入などさまざまな課題を検討する検討会(座長:林副議長)のメンバー(川内議員、北野議員、永田議員)と議会事務局職員(北村参与、楠元さん)で鹿児島市で行われたICT推進セミナーに参加しました。

 

議員になって初めての鹿児島出張でしたが、私以外にもう一人の鹿児島県出身者の議会事務局の楠本先輩(姶良郡出身)と「おかえり鹿児島市」のポスターをはさんで一枚(*^^)v

 

われわれ鹿児島県出身者ですが、佐世保で頑張っています!!

 

写真は、川内先生にシャッターを押していただきましたm(__)m...
 

皆さんも、ぜひ鹿児島に「おじゃったもんせ!!」 

 

佐世保市議会「市政クラブ」の会派視察で1日より、札幌市、余市町、小樽市をそれぞれ行政視察させていただきました。


調査事項は、「札幌市青少年科学館について」「札幌市博物館活動センターについて」(札幌市)、「観光施策について」(余市町)、「小・中学校の再編計画の進め方について」(小樽市)です。


議員になる前は「どの地域(自治体)に住んでいても、同じ行政サービスが受けることができるのが日本という国だ」と思っていましたが、それは誤った認識だったようです。
同じ法律など様々な縛り(制限)がある中で、自治体は行政運営をしているはずなのに、同様な課題であっても自治体によって、まったく取り組み、結果としての行政サービスは違っています。


人口、産業、歴史、財政力など、自治体によって、それぞれ活用できる社会資源はそれぞれ異りますが、国、県の対応を待つだけでなく、どうせやるなら「国、県に佐世保市さんの取り組みを参考(モデル)に全国に広めさせてほしい!!」と言わせるくらいの取り組みをしてみたいなぁと思ったところです。...
 

今回の視察を踏まえ、市政クラブとして、佐世保市の芸術・文化活動の拠点の整備について、改めて具体的な提案を行っていくことなど確認を行いました。
 

また、教育政策についても現在進行形の「広田小」問題で対応を私も批判しましたが、生徒が減った、増えたで、その場、その場で後追いの対応を行うことがないように、人口動態、街づくり計画など踏まえ、佐世保市全体の再編の考え方、進め方などについて、市民にも情報開示と説明を行い、市民(保護者、地域)にも理解いただける空気を醸成しておくことが大切だと改めて感じました。

 

▲小樽市役所玄関前にて

私は佐世保美術振興会の事務局をお手伝いをさせていただいている関係で、今日の視察出発前に、市内2つの地区公民館に問い合わせを行いました。

 

A地区公民館は、「○○日○○室空いてますので、予約を受けました。申請書を提出よろしくお願いします。」とのこと。

 

B地区公民館は、「館長に聞いてみないと、利用できるかどうかわからないので、館長がでてきてから午後から折り返します」とのこと。

 

同じ団体、同じ活動内容で、同じ佐世保市の地区公民館で対応が違うのか????

 

福岡空港で、不在着信に気づいてかけなおすが、「ピーープルルルー」とファックスの音が…

 

たぶんB地区公民館からだろうと思い、改めて電話をかけなおす。

 

「○○館長さんお願いします。」

 

館長から、あれこれ説明を受けた後、私は素朴な疑問として尋ねました。

 

「A地区公民館では、すぐに予約を受け付けてくれたのですが、なぜB地区公民館ではあれこれ書類を出してくれとか言って対応が違うのですか」と。

 

当然の疑問です。

 

すると館長は、「だったらA地区公民館を使えばいいじゃないですか!!」

 

ガチャ!!!!と電話を切りました。

 

私は、議員の身分を名乗ることなく、声を荒げることもなく、単に疑問として丁寧に尋ねたつもりでしたが、「逆切れされて電話を切られる」という予想しない対応に、おもわず「はぁぁあああああああああ!!!????」と先輩議員と昼食のうどんを食べていた箸を止め、すぐにかけなおしました。

 

電話には職員がでたので、申し訳なかったのですが、厳しい口調で「館長を!!」と伝えましたが、保留の音楽がしばらくながれて、「館長はお手洗いに」というので「ふざけるな!!」といってかけなおすように伝えますが、まぁかけなおしてきません。

 

飛行機に乗る時間になったので、改めてかけなおし、あとからかけなおすように伝えました。

 

その後、今日の視察を終えて、閉館ぎりぎりに私からかけなおしますが、館長は謝罪どころか、「美術振興会批判」を始めました。

 

「一体この人は何者??」と疑問を感じながら、話をしますが、結局思うように話にならず…

 

怒りを超えて、あきれて、来週佐世保に戻ってから、じっくり話をする旨伝えて電話を切りました。

 

ただ、理不尽な対応をされると、私のスイッチもONになります。

 

館長の話の中で、名前がでた方に事情を確かめるべく、私と、会長から事情を聴いてみたものの、館長と話がまったくかみ合わず、余計に「はぁああああああああ!!!」と感情がわいてきました。

 

このような、上から目線での対応に、市民の方の中にも、不快に思っている方もいるのではないでしょうか。

 

でも、使わせてもらわないと活動ができないから、不満もいわず我慢をしている人もいるのではないでしょうか。そんなことを考えてしまいました。

 

市職員を退職後、再雇用の嘱託職員として館長として勤務いただいているようですが、嘱託職員の再雇用のあり方等について、来月9月の議会で、一般質問を行いたいと考えています。

 

一生懸命に働いている職員のためにも、市民のために働けない職員には、辞めていただきたいものです。

 

佐世保市役所で、市民の福祉・保健・医療・健康などを所管する「保健福祉部」、「子ども未来部」に所属する正規職員は、保健福祉部が381名、子ども未来部が138名の合わせて519名となっている。

 

正規職員は別に、非正規職員も多数配属され市民の福祉を担っている。

 

福祉関係の事件が報道される度に、行政(役所)の対応は適切だったのかと批判をされる。

 

例えば児童虐待においては、「なぜ早く安否を確認し保護しなかったのか」、「虐待の可能性があったのに保護者に返したのは適切だったのか」。

 

また、生活保護については、「ギャンブルや酒にカネを使っていてなぜ保護か」、逆に「保護を受けさせないように冷たく対応しているのではないか」など、福祉は生活に密接に関わる問題なだけに、市民からの厳しい視線が常に注がれている。

 

今回の相模原市での事件においても、「措置入院の解除の問題」、「関係機関の連携の問題」など、厳しく批判されている。

 

私は行政(自治体)が独自に判断するだけの福祉的な専門性を持っているかを疑ったほうがいいと思っている。

 

実際にほとんどの自治体で、福祉を担っているのは、「事務」で採用された人材で、当然数年おきに、人事異動がある。

 

土木部から保健福祉部に配属になったり、水道局や環境部から子ども未来部に配属になったりする。

 

その結果、福祉について素人であっても、引き継ぎ文書や先輩からの指導助言に従って業務にあたることになる。

 

それぞれの課をまとめる課長さんであっても、部をまとめる部長さんであっても、数年ごとの人事異動の対象であるから、まったく専門性のないところに異動するのは日常的で、一生懸命勉強され、部のこと、課のことが理解でき、課題をみつけ、取り組もうとしたときには、異動になってしまうことも多いのではないだろうか。

 

そのような現状、危機感から、先の6月定例会一般質問では、「社会福祉士等の福祉専門職の正規職員としての採用について」一般質問を行った。

 

質問の要旨は次のとおり。

 

(私)「佐世保市においては、これまで社会福祉士・精神保健福祉等の国家資格を有する福祉専門職の正規職員としての採用については実施をされていません。

 

しかし保健福祉部、子ども未来部、教育委員会にいては、それぞれ非正規雇用(6名)の社会福祉士が専門的な役割を担い従事しています。

 

市の平成28年度当初予算に占める福祉関係の予算は51.3%となっており、このことからも、行政に求められる福祉ニーズは、量的、質的にも多様化、細分化、高度化し、福祉専門職の果たす役割はますます重要になります。

 

そのような背景を踏まえ、市として、社会福祉士等の福祉専門職の採用を計画的に行うべきではないですか。」

 

質問を通告してから、質問当日までの間、担当課長とのやり取りの中では、想定外なほどに議論がかみ合わず、怒りを超えて、残念な気持ちになったが、最終的な市長答弁を検討する部長会の中で、総務部長の尽力と、最終的に朝長市長の判断、指示があったようで(部長会には入れませんので関係者から聞きました)、次のような答弁を得ることができた。

 

(市長)「保健福祉分野に関連した有資格者として、保健師などの採用を行っていますが、福祉や教育に関する相談は、高齢者福祉、生活困窮者に関する相談等幅広い分野にわたるとともに、相談内容も高度化、複雑化しています。

 

今後、ますます進展していく少子高齢化や福祉を取り巻く状況を踏まえると、行政における社会福祉等の福祉専門職の必要性は高まってくるものと感じています。

 

これからの専門職は、さまざまな分野での役割、また活躍が期待されますので、正規採用についても検討を始める時期にきていると考えています。」

 

このような、朝長市長の答弁に、「いよいよ、佐世保市における福祉専門職の人材活用がスタートするな」と大きな期待を持ったところだ。

 

朝長市長は、社会福祉法人の事務局長をされていたこともあり、福祉人材の専門性や専門職が経験の中で学ぶことの重要性は私以上にご認識をお持ちだとおもう。

 

他都市の福祉行政から見える課題を本市のこととして積極的に振り返り、スピード感をもって、安心と信頼ある福祉行政の構築に向けて、万全を期していただけることを期待している。

 

75億1794万5千円。

 

これは佐世保市の平成28年度予算(当初)のうち、「障がい者福祉費」の予算だ。

 

 

実に、平成28年度の当初予算1172億866万2千円に占める、障がい者福祉費の割合は、約6.4%となっている。

 

先の事件(相模原市)で容疑者は、「障がい者は税金の無駄遣いだ」と発言したと、一部報道は伝えた。

 

当然のことであるが、障がい者の福祉サービスに、過不足はあってはならない。

 

佐世保市民の皆さんは、約75億の「障がい者福祉費」(※)について「無駄遣い」だと批判するだろうか。

 

繰り返しになるが、障がい者へのサービスだけでなく、福祉サービスは過不足ないものでなければならないし、そもそも贅沢をするために障がい者(家族)に対して様々な福祉サービスが提供されているわけではない。

 

それは、障がいを理由に、学ぶこと、働くこと、恋をすることなど、不利益を得ないように基本的人権を具体的に保障しているにすぎない。

 

例えば、寝ること、食べること、排泄することなど、生理的なことについて、障がいが原因で、自分でできないことについて、私たちが寝るように、食べるように、排泄するように、介助者の手を借りたり、器械を用いて、人間として当たり前の生活を営むことを支援しているにすぎない。

 

しかし、これまでのように人口が増加し、経済成長が見込める社会環境にない現在において、特に人口減少社会、少子高齢社会など、大きく社会のしくみが変化している現代において、障がい者に対する福祉を含めた社会福祉のあり方について、持続可能なサービスが可能となるように整理する必要があるように思う。

 

特に社会福祉の財源となる税や保険など国民の負担や、福祉サービスの質や量について、これまでの常識がいよいよ通用しなくなってきている。

 

さらに追い打ちをかけて、介護士や保育士などの福祉を支える担い手不足は深刻で、抜本的に改善される見通しは立っていない。

 

今回は、お金(財源)の視点から、障がい者福祉について現状と課題について簡単にふれた。

 

容疑者がいうように、「障がい者への税負担を無駄」と切り捨て、このような負担を0(ゼロ)にするために、福祉を受ける側を0(ゼロ)にすれば、一気に問題は解決となるだろうか。

 

しかし、そんな社会のあり様を誰が望むだろうか。

 

それは単に社会の崩壊であって、決して解決とは言わない。

 

※障がい者福祉費について、一部事業については見直し、改善、指定管理先の適正化など、急ぎ対応が必要と考えているものはある。そのことについては、随時担当課に対し指摘・提案を行っているところである。

障がい者福祉について考える。

 

まずは私が住んでいる佐世保市の現状についてふれることにする。

 

そこで、佐世保市が公表している統計資料から障がい者福祉について考えを始めたい。(紹介する各データは、平成27年3月31日現在の数字を使用)

 

一言に「障がい」といっても、身体障がい、知的障がい、精神障がいに大きく分類される。

 

身体障がいには、視覚障がい、聴覚障がい、言語障がいなど、まさに身体のあらゆる機能の障がいが含まれる、あまり知られていないが、HIV感染者も、「免疫機能障害」として、病気の状況に応じて身体障害者手帳が1級~4級までの等級で取得することができる。

 

ちなみに、「身体障害者障害程度等級表」には、身体の状況に対して、1級から7級(1級から手障がいの程度は重い)まで定めてあるが、手帳が交付されるのは1級から6級までとなっおり、佐世保市における身体障害者手帳の交付は、14,384人となっている。

 

次に、知的障がい者については、障がいの程度により、最重度「A1」、重度「A2」、中度「B1」、軽度「B2」と程度が分類され、佐世保市における療育手帳の交付は、2,463人となっている。

 

ちなみに、身体障害者手帳は「身体障害者福祉法」、精神障害者保健福祉手帳は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に基づいているのに対し、療育手帳は「知的障害者福祉法」ではなく、1973年に現在の厚生労働省が出した通知「療育手帳制度の実施について」に基づいて行われている。

 

そして、精神障害者保健福祉手帳は、障がいの程度により、1級から3級に程度が分類され、佐世保市における精神障害者保健福祉手帳の交付は、1,949人となっている。

 

つまり、人口254,012人の佐世保市に、18,796人(※注1)も障がい者手帳を交付された方がいるという事実である。

 

実に、佐世保市民のうち、身体、知的、精神のうち、何らかの障がいを理由に手帳を交付さている方が約7.4%にもなる。

 

佐世保市の小中学生数が、20,434人(※注2)であることからも、想像以上の障がい者の多さに驚くのではなだろうか。

 

相模原市で発生した障がい者を狙った凶悪な事件。

 

「障がい者なんかいなくなればいい」と口にしたとされる容疑者。

 

「障がい者」の存在を否定するということの意味。

 

まずは18,796人と、その家族の痛みや苦しみを想像し、共有したい。

 

 

※私は基本的に「障がい」、「障がい者」という表記を使いますが、法律等により「障害」と表記されているものは、そのまま「障害」という表記を使用しています。

 

(※注1)もちろん、身体と精神、または身体と知的など重複して手帳を取得されている方もいらっしゃるので、単純に身体+知的+精神で合わせて、18,796人とはならないが把握できないのでわかりやすく単純に手帳交付人数を合算した人数を使用した。

 

(※注2)佐世保市立の小中学校に在籍する平成27年5月1日現在の児童、生徒数。

現在、兵庫教育大学障害科学コースで教授として活躍している石倉先生は、私が長崎国際大学社会福祉学科1年生の教養セミナー(ゼミ)でお世話になった先生で、学生時代から現在も公私ともに大変お世話になっている。

 

普通科の高校を卒業し、社会福祉学科へ入学し、福祉のイロハもわからない私たちに、初めての教養セミナーで、石倉先生が私たちに読むように指定した本が「生命(いのち)輝く日のために」という本だった。

 

 

本の内容はこうだ。

 

ダウン症という障害をもった赤ちゃんが産まれたが、すぐに手術をしなければ死んでしまう。

 

しかし、親は手術をすることを拒否(きょひ)する。

 

「このまま自然に死なせてやることが、このこの幸せだと思うから」というのがその理由だった。

 

今にも静かに消されてしまいそうな命の現実に立ち会っていた看護師が救いを求める手紙を記者に届けたことから取材がスタートした。

 

本は、その取材記録として1985年9月に第一版が出版された。

 

出版されてから今年で31年の月日が流れ、障がい者を支える福祉サービスも拡充するなど徐々に環境も変化してきた。

 

しかし、医療技術の進歩にともない、人間の生死が「神のみぞ知る」という時代から、医者、つまり人間の技術によって左右されるようになったことで、同時に様々な課題も誕生してきた。

 

そのひとつが「出生前検査」のあり方についてだ。

 

先日(7月19日)、妊婦の血液から胎児のダウン症などを調べる新出生前診断を受診した人が、検査開始から3年間で3万615人だったとする集計結果が発表された。

 

 

発表された内容は、受診者は徐々に増えており、利用が拡大している実態も明らかになり、その中で、染色体異常の疑いがある「陽性」と判定されたのは547人いたこと。

 

さらに羊水検査に進んで異常が確定したのは417人で、そのうち94%に当たる394人が人工妊娠中絶を選択したということ。

 

その中には陽性とされながら、確定診断で異常がなかった「偽陽性」も41人いたということ。

 

当然であるが、胎児はもちろん、赤ちゃん(乳児)は言語などで「産まれたい」「こうして」などの意思表示は明確にできない。

 

そのため当事者(胎児、乳児)の真意を知ることはできないが、もし、親が障がいについて事前に知らなかったら(わからなかったら)そのままこの世に誕生していた可能性がある命を、医療技術の進歩によって、障害の有無を生前に知ることができるようになった現在は、親や親族も巻き込みながら、厳しく、難しい「選択」しなければならなくなってしまった。

 

「異常」という結果の末、94%の人工中絶を選択する背景には、現在の日本社会が、障がい者はかわいそう、家族や兄弟も大変、惨めだ、恥ずかしい、などといった「障害観」といった価値観や現状がいまだに支配的だからともいえるのではないだろうか。

 

「障がい者なんかいなくなれば良い」という身勝手な犯行から、障がい者福祉について考える。