衝撃的な事件で終わらせないために(3) | 佐世保市議会議員 橋之口裕太の熱血通信!!

佐世保市議会議員 橋之口裕太の熱血通信!!

元高校教師の新たなチャレンジをお伝えします!!

75億1794万5千円。

 

これは佐世保市の平成28年度予算(当初)のうち、「障がい者福祉費」の予算だ。

 

 

実に、平成28年度の当初予算1172億866万2千円に占める、障がい者福祉費の割合は、約6.4%となっている。

 

先の事件(相模原市)で容疑者は、「障がい者は税金の無駄遣いだ」と発言したと、一部報道は伝えた。

 

当然のことであるが、障がい者の福祉サービスに、過不足はあってはならない。

 

佐世保市民の皆さんは、約75億の「障がい者福祉費」(※)について「無駄遣い」だと批判するだろうか。

 

繰り返しになるが、障がい者へのサービスだけでなく、福祉サービスは過不足ないものでなければならないし、そもそも贅沢をするために障がい者(家族)に対して様々な福祉サービスが提供されているわけではない。

 

それは、障がいを理由に、学ぶこと、働くこと、恋をすることなど、不利益を得ないように基本的人権を具体的に保障しているにすぎない。

 

例えば、寝ること、食べること、排泄することなど、生理的なことについて、障がいが原因で、自分でできないことについて、私たちが寝るように、食べるように、排泄するように、介助者の手を借りたり、器械を用いて、人間として当たり前の生活を営むことを支援しているにすぎない。

 

しかし、これまでのように人口が増加し、経済成長が見込める社会環境にない現在において、特に人口減少社会、少子高齢社会など、大きく社会のしくみが変化している現代において、障がい者に対する福祉を含めた社会福祉のあり方について、持続可能なサービスが可能となるように整理する必要があるように思う。

 

特に社会福祉の財源となる税や保険など国民の負担や、福祉サービスの質や量について、これまでの常識がいよいよ通用しなくなってきている。

 

さらに追い打ちをかけて、介護士や保育士などの福祉を支える担い手不足は深刻で、抜本的に改善される見通しは立っていない。

 

今回は、お金(財源)の視点から、障がい者福祉について現状と課題について簡単にふれた。

 

容疑者がいうように、「障がい者への税負担を無駄」と切り捨て、このような負担を0(ゼロ)にするために、福祉を受ける側を0(ゼロ)にすれば、一気に問題は解決となるだろうか。

 

しかし、そんな社会のあり様を誰が望むだろうか。

 

それは単に社会の崩壊であって、決して解決とは言わない。

 

※障がい者福祉費について、一部事業については見直し、改善、指定管理先の適正化など、急ぎ対応が必要と考えているものはある。そのことについては、随時担当課に対し指摘・提案を行っているところである。